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危機対応各論 (行政と自衛隊との連携) 災害対策専門研修 マネジメントコース:エキスパートA 令和2年10月9日 1

危機対応各論 行政と自衛隊との連携)...危機対応各論 (行政と自衛隊との連携) 災害対策専門研修 マネジメントコース:エキスパートA

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危機対応各論(行政と自衛隊との連携)

災害対策専門研修マネジメントコース:エキスパートA

令和2年10月9日

1

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自己紹介

名 前 : 渡邉 勲

出 身 : 福島県福島市

勤 務 : 福島県危機管理部災害対策課職 務 : 福島県防災専門監(平成27年4月~)

経 歴 : 元陸上自衛官(化学科)化学学校(教育部運用教育科長

研究部運用研究科長)中央特殊武器防護隊(副隊長)第6化学防護隊(隊長)

2

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項 目

3

1 災害対応における地方自治体と自衛隊

2 自衛隊の災害派遣

3 災害派遣の具体例

4 災害派遣の具体例(事前調整)

5 災害対応職員として心がけて欲しいこと

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区 分 県 防衛省・自衛隊

災害予防

福島県防災会議

会長:知事委員:東北防衛局長、

第44普通科連隊長

計画 福島県地域防災計画 災害派遣計画

訓練福島県総合防災訓練等

みちのくアラート訓練等

被災後対応

応急災害対策

【災害対策本部設置】

本部長:知事

【災害派遣の実施】

災害派遣部隊長要請

受理・派遣

災害対応における地方自治体(県)と自衛隊

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災害対応における地方自治体と自衛隊

防衛省は、防衛省防災業務計画を作成【抜粋】

1 計画の目的・災害対策基本法(第36条第1項及び第37条第1項)・大規模地震対策特別措置法(第6条)・南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(第5条)・日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(第6条)の規定に基づき、防衛省が防災に関してとるべき措置を定める。

3 防災業務実施の方針防衛省の防災業務は、・自衛隊法第83条に規定する災害派遣・同法第83条の2に規定する地震防災派遣・同法第83条の3に規定する原子力災害派遣(以下「災害派遣等」という。)

によって対処するものとする。

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災害対応における地方自治体と自衛隊

3 防災業務実施の方針⑴ 災害派遣ア 災害派遣については、平素から関係機関特に地方公共団体と密接に連絡及び協力し、災害に際しては、都道府県知事等の要請を受けたときは要請の内容及び自ら収集した情報に基づいて、防衛大臣又は指定部隊等の長は部隊等の派遣の必要性の有無を判断し、部隊等を派遣することを原則とする。また、要請を受けて行う災害派遣を補完する例外的な措置として、災害に際し、その事態に照らし特に緊急を要し、要請を待ついとまがないと認められるときは、要請を待たないで部隊等を派遣する。イ 救援活動の実施に当たっては、関係機関特に都道府県知事等と密接な連絡調整を保ちつつ、自衛隊の特性を発揮して人命救助又は財産の保護に当たるが、必要に応じて適切な予防派遣を実施し、被害の発生又は拡大の防止に努める。ウ 災害派遣は、人命又は財産の保護のために行う応急救援及び応急復旧が終わるまでを限度とする。

⑵ 地震防災派遣⑶ 原子力災害派遣

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災害対応における地方自治体と自衛隊

都道府県は、都道府県地域防災計画を作成

【福島県地域防災計画(抜粋)】

1 計画の位置づけ

福島県地域防災計画は、災害対策基本法第40条の規定に基づき、国の防災

基本計画、防災業務計画と連携した県の地域に関する防災計画として福島県防災

会議が作成した計画であり、同時に市町村地域防災計画の指針となるものです。

2 計画の目的

この計画は、県内の各種災害に対処するため、過去の大規模な災害の経験を

教訓 としながら、近年の防災をめぐる社会構造の変化等を踏まえ総合的な対策を

定めたものであり、県、市町村、指定地方行政機関、指定公共機関、指定地方公

共機関等の防災関係機関が、相互に緊密な連携を取りつつ、その有する全機能を

有効に発揮して、災害予防、災害応急対策及び災害復旧を実施することにより、県

民の生命、身体及び財産を災害から守ることを目的にしています。

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災害対応における地方自治体と自衛隊都道府県は、都道府県地域防災計画を作成 【福島県地域防災計画(抜粋)】3 計画の構成

(1) 一般災害対策編第1章総則第5節防災関係機関の実施責任と処理すべき業務の大綱第2 防災関係機関の処理すべき事務又は業務の大綱

4自衛隊県、市町村、その他の防災関係機関が実施する応急的な災害対策の支援協力

第3章災害応急対策計画第8節自衛隊災害派遣第1災害派遣要請基準及び災害派遣要請の範囲第2災害派遣要請第3市町村長の災害派遣要請の要求第4防災関係機関の災害派遣要請の依頼第5部隊の自主派遣第6自衛隊との連絡第7災害派遣部隊の受入れ体制第8災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の権限第9派遣部隊の撤収第10 経費の負担区分

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1 都道府県知事その他政令で定める者は、天災地変その他の災害に際し、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、部隊等の派遣を大臣又はその指定する者に要請することができる。

2 大臣又はその指定する者は、前項の要請があり、事態やむを得ないと認める場合には、部隊等を救援のため派遣することができる。ただし、天災地変その他の災害に際し、前項の要請を待ついとまがないと認められるときは、同項の要請を待たないで、部隊等を派遣することができる。

3 省舎・営舎その他の防衛省の施設又はこれらの近傍に火災その他の災害が発生した場合においては、部隊等の長は、部隊等を派遣することができる。

自衛隊法第83条「災害派遣」

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1. 緊急性差し迫った必要性があること。

2. 公共性公共の秩序を維持するため、人命又は財産を社会的に保護しな

ければならない必要性があること。

3. 非代替性自衛隊の部隊が派遣される以外に他の適切な手段がないこと。

災害派遣の3要件

出典:部外広報用参考資料平成29年版「強靭な陸上自衛隊の創造に向けて」陸上幕僚監部

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11防衛省HPhttps://www.mod.go.jp/j/publication/shiritai/saigai/index.html

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12防衛省HPhttps://www.mod.go.jp/j/publication/shiritai/saigai/index.html

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災害派遣はどんな時

地震

津波

暴風

竜巻

豪雨

洪水高潮

地滑り

土石流

崖崩れ

噴火

豪雪

地震災害・津波災害

風水害

火山災害

雪害

火事災害(火災)

原子力災害

自然災害

事故災害

鳥インフルエンザ

新型コロナウィルス

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山林火災

風水害地 震 火山噴火

離島からの患者輸送雪 害

災害派遣の形態(自然災害等)

出典:部外広報用参考資料平成29年版「強靭な陸上自衛隊の創造に向けて」陸上幕僚監部

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豊浜トンネル崩落事故(H8.2)

東海村ウラン加工施設事故(H11.9)

地下鉄サリン事件(H7.3)

日航機墜落事故(S60.8)

京都府鳥インフルエンザ(H16.3)

ナホトカ号遭難重油流出事故(H9.1)

茨城県鳥インフルエンザ(H17.9)インドネシア航空

機事故(H18.6)

尼崎JR列車事故(H17.4)

宮崎県口蹄疫(H22.5)

災害派遣の形態(特殊災害等)

出典:部外広報用参考資料平成29年版「強靭な陸上自衛隊の創造に向けて」陸上幕僚監部

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16統合幕僚監部HP https://www.mod.go.jp/js/Activity/Gallery/images/Disaster_relief/2020covid_19/2020covid_19_press1.pdf

災害派遣の具体例 1

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平成28年福島県伊達市霊山町林野火災

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災害派遣の具体例 2

月 日(曜) 時 間 活動内容

30(水)

1530 福島県知事から第6師団長に災害派遣要請

1551 第44連隊初動対処部隊派遣

1623 UH×2(第6飛行隊)による散水開始

31(木)0909 CH×2(中央即応集団による増援)による

散水開始

4 1(金) 1330 福島県知事から災害派遣撤収要請、同刻受理

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UH・防災ヘリ取水位置伊達市保原町金原田沼頭

OH・UH燃料補給位置福島駐屯地

CH燃料補給位置ふくしまスカイパーク

消火バケット着脱位置保原総合公園

火災現場伊達市霊山町徳ケ森

凡 例

火 点取水点準備地域

CH取水位置松ヶ房ダム

猪苗代湖

福島県庁

【第6師団提供資料】

活動地域

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○ 航空部隊による空中消火活動を主体とした災害派遣活動⇒ 自治体、警察及び自衛隊のヘリが同一空域で同時に活動したため、各組織横断的な空域統制の重要性が増大

○ 陸自地上部隊(第44普通科連隊初動対処部隊)は、地上消火の予備として現場付近で終始待機⇒ 現場に進出した陸自の地上・航空部隊を統括する必要性は未生起

【第6師団提供資料】

活動特性

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現場で空中消火等にあたる航空機は、陸自機が主体であり関係機関を含め合計12機(陸自:8機、関係機関:4機)が活動⇒ 自治体及び関係機関と協議の上、陸自(第6飛行隊長)が現場の空域統制者となり、安全かつ効果的な空中消火活動を実施

・ 「空中消火離発着規定(第6師団作成)」の配布・ OHによる空中監視及び関係部外機関を含めた共通周波数への加入により航空安全を確保

福島県伊達市霊山林野火災における教訓事項

【第6師団提供資料】

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器材準備位置 保原総合運動公園(620858)高度の統制

1 統制機(OH6)2000ft以上

2 空中消火実施機(UH、CH)1500ft以下

取水点位置UH:沼頭(640842)CH:松ヶ房ダム(795835)

進入離脱Pt 下図(Pt1:堂ノ作、Pt2:原)

待機空域 下図(赤坂エリア、雪内エリア)

周波数 VHF:○○○.〇飛行要領

1 進入、離脱Pt※通過時VHFで通報2 北風成分卓越時は時計回り、南風成分卓越時は反時計回りで飛行

3 CHは広瀬川を通過する際、VHFで通報 ※ Pt:位置

赤坂エリア

雪内エリア

Pt1堂ノ作

Pt2原

図は、北風成分卓越時南風成分卓越時は逆回りで飛行

※防災ヘリは、左図のUHの飛行経路を基準に活動してください。この際、統制機のOH6と無線で連携するようご協力ください。

取水点

火 点 【凡例】 UH飛行経路

CH飛行経路

待機エリア

広瀬川

空中消火離発着規定(第6師団が自治体及び関係機関に提示)

【第6師団提供資料】

CHが火点進入時及び東側に離脱時の通報線 21

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22統合幕僚監部HP https://www.mod.go.jp/js/Activity/Disaster_relief/0110_19th_typhoon.htm

令和元年東日本台風

災害派遣の具体例 3

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福島県における令和元年台風第19号に係る災害対応における自衛隊災害派遣をふり返って

福 島 県 23

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福島県における令和元年台風第19号に係る災害対応における自衛隊災害派遣をふり返って

1 被害状況 【被害状況速報(第68報)2019年12月25日1300現在】

福島県は、令和元年台風第19号により甚大な被害を被った。・人的被害:死者32人、行方不明者0人、

重傷者1人、軽傷者58人・住家被害:全壊1,426棟、半壊11,973棟、

一部損壊6,143棟床上浸水1,166棟、床下浸水451棟その他、道路被害等発生

2 避難所開設情報(最大時)避難所開設数538箇所 【2019年10月12日22時現在】

受入避難者数20,943人 【10月13日 5時現在】

受入避難世帯数8,002世帯 【10月13日 5時現在】

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3 福島県の対応状況台風第19号が近接する

10月9日(水)災害対応の態勢を準備し自衛隊と連携を開始、12日

0930 事前配備1210 第44普通科連隊及び第6特科連隊LO県庁受入1409 警戒配備1500 災害対策本部設置2240 郡山市から救助支援について要望があり

3者(市・県・6特)で調整開始2315 第6特科連隊長に災害派遣要請(南隊区)し同時刻受理、

13日0200 第44普通科連隊長に災害派遣要請(北隊区)し同時刻受理

11月6日相馬市の給水支援終了をうけて

1010 県から第44普通科連隊長に災害派遣撤収要請を行った。23日 (土曜日)

いわき市から撤収の求めを受け、関係機関と調整25日 (月曜日)

1400 県から第6特科連隊長に災害派遣撤収要請を行った。 25

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自衛隊災害派遣要請・活動状況一覧

活動状況

開始月日 終了月日

二本松市 人命救助・給水支援・入浴支援・物資輸送支援 10月13日 10月31日

伊達市 孤立者の避難支援・災害廃棄物の撤去・物資輸送支援 10月13日 11月2日

本宮市 孤立者の避難支援・人命救助・災害廃棄物の撤去・入浴支援・災害廃棄物の撤去 10月13日 10月29日

川俣町 公共施設等の機能回復・道路等の啓開・防疫・公共施設等の機能回復・災害廃棄物の撤去 10月13日 10月27日

相馬市 孤立者の避難支援・給水支援・入浴支援・道路等の啓開・災害廃棄物の撤去・行方不明者捜索 10月14日 11月6日

南相馬市 給水支援・物資輸送(プッシュ型輸送)・入浴支援・物資輸送・災害廃棄物の撤去・道路啓開 10月14日 11月4日

川内村 行方不明者捜索 10月15日 11月2日

新地町 給水支援・物資輸送(プッシュ型輸送)・入浴支援 10月14日 10月22日

郡山市 人命救助・入浴支援・物資輸送・公共施設の機能回復・流失土砂除去・災害廃棄物の撤去 10月13日 11月3日

須賀川市 人命救助・災害廃棄物の撤去 10月13日 11月1日

田村市 給水支援・物資輸送 10月13日 10月19日

石川町 流木除去・防疫支援・災害廃棄物の撤去・道路啓開・物資輸送 10月13日 10月29日

いわき市 行方不明者捜索・給水支援(生活・医療)・物資輸送・入浴支援・給食支援・災害廃棄物の撤去・人員輸送支援 10月13日 11月23日

市町村名 活動内容(市町村要望)

4 福島県内における災害派遣活動の状況16市町村において、人命救助、道路啓開、給水支援、給食支援、入浴支援、

物資輸送、災害廃棄物の処理、防疫活動等

※表の他、福島市、楢葉町、広野町において県が要請した物資輸送等を実施 26

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台風19号等における福島県等と自衛隊の災害派遣活動の現況と特性

現 況 特 性 課 題

1 広範囲の大規模災害においては、派遣対象の市町村が多数存在し、市町村毎に災害対応能力も異なる。

自衛隊への支援ニーズが、市町村毎に時期・質・量が異なり、共通基準での統制が困難

① 県が市町村別の被害状況と支援要望を適切に把握できず、支援関係機関と適切な連携が困難であった。

2 大規模災害においては、活動が長期間、多岐にわたる。応急修理及び災害廃棄物の処理並びに防疫等の生活支援や環境回復支援

復旧・復興レベルの災害派遣活動が増加し、災害派遣の3原則の適用の考え方が幅広に変化しつつある。災害対策基本法及び災害救助法

に規定される活動以外の活動も行われている。

② 防疫支援、災害廃棄物の処理について、自衛隊にどこまで支援受けするか判断が困難。③ 防疫や廃棄物処理等については、災害救助法が適用されない活動が含まれており、実施主体が市町村である場合には、経費の負担について市町村に求める必要がある。自衛隊との経費に関する協定について市町村も含める必要がある。

3 大規模災害においては、緊急災害対策本部等が設置され、国主導の災害応急対策が推進される。

国が主体となって推進する事業及び重視する事業に自衛隊の支援隊力が充当される。

④ 県は、市町村の意見をくみ取り内閣府の助言を受けつつ災害救助活動を実施するため、災害派遣実施部隊及び統幕等と情報共有し調整する必要がある。

4 災害派遣協定については、県知事と駐屯地司令が一般協定を締結している。一方、師団長と台風19号に関する個別の経費協定を締結。給水支援の水道料を陸自分は県負担、海自分は海自負担

経費の負担について重複した協定の締結(経費項目は、同等)。自衛隊の代行調達を意図した経

費区分

⑤ 個別協定は発災後に締結しており、災害対応中の繁忙期に処置(状況により事後処置)となり、十分な検討が実施できない。⑥ 協定は、陸上自衛隊の各部隊及び海空自衛隊に適用される必要がある。

5 災害情報の共有が充分実施できず、災害救助部隊等の広域的運用を検討する県が、現地の情報を入手する市町村・消防・警察の情報を十分把握できない状況で災害対応を実施

市町村等においては災害対応専任職員が少なく、また臨時組織の構成員は、知識技能が不十分

⑦ 大規模災害においては、市町村等が災害発生情報を処理できず、情報を共有する基盤がぜい弱。県、自衛隊がリエゾンを派遣しているが活動が不十分

27

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検討の方向性と具体的取組

課題 検討の方向性 具体的取組資料番号

①-1市町村と県及び自衛隊リエゾンを活用した情報共有と調整能力向上

関係機関のリエゾンを含めた県及び市町村及び関係機関の連携訓練の実施

①-2

災害派遣要請・調整要領の具体化【市町村】調整態勢の早期確立支援部隊への具体的支援要望(人命救助段階では、より早く具体的情報)

地域防災計画への反映、連携訓練(①-1に同じ)の実施【市町村】リエゾンの早期受け入れ被災情報(特に位置情報)の共有

②④

防疫支援及び災害廃棄物の処理等について、防衛省自衛隊として活動基準を設定(鳥インフル、豚コレラ等についても同様)

「災害救助法に該当する活動(O-1)」「活動の具体例の提示(O-2)」等の活動基準を提示

②④

内閣府、統幕等から国の災害対応に関する方針・考え方を入手し、県及び災害派遣実施部隊が災害対応について協議し、市町村の災害対応を円滑にする。

県庁に派遣されている内閣府リエゾンをはじめとした関係機関との会議・調整を有効に活用し情報を共有するとともに、対応を調整

③⑤⑥

平素から県及び市町村と自衛隊が災害派遣に関する一般協定を締結する。内容的には、自衛隊の協定締結者にかかわらず、陸海空自衛隊各自衛隊に適用できる内容とする。

県及び各市町村が自衛隊と個別に一般協定を締結する。自衛隊側の協定締結者に関わらず陸海空各自衛隊及び各部隊に関わらず適用できる内容とする。この際、県又は市の事務に応じて運用することを明記する。

市町村の災害対策本部が災害発生情報を収集・処理し、使用(情報の共有を含む)する基盤を充実させ、県及び自衛隊等のリエゾン(LO)が期待される機能を十分できる環境をつくる。

県及び市町村の情報活動基盤の充実と災害対応能力を向上させる防災訓練を実施(市町村と隊区担当部隊が顔の見える関係を確立できるようみちのくアラート訓練等を充実)

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要請系統-2 自衛隊災害派遣要請 元年度

1 派遣要請時

市 長 村 長

災害派遣要請の要求①災害の状況及び派遣を要する事由②派遣を希望する期間③派遣を希望する区域及び活動内容④その他参考となるべき事項

(地方振興局長)経由

郡山駐屯地第6特科連隊第3科 (担当区域:県北、相双地方振興局管内を除く市町村)

知   事災害派遣要請①災害の状況及び派遣を要する事由②派遣を希望する期間③派遣を希望する区域及び活動内容④その他参考となるべき事項

隊 区 担 当 部 隊 長

≪派遣要請等連絡先≫

福島駐屯地第44普通科連隊第3科 (担当区域:県北、相双地方振興局管内市町村)

平日(勤務時間内)(8:00~17:00)

第3科長休日及び勤務時間外

駐屯地当直司令

024-593-1212(235)8-11-280-01090-4981-6263

024-593-1212(302)8-11-280-02

FAX024-593-1212(207)8-11-280-10

FAX

平日と同じ※FAX送信前に、024-593-1212び電話し、交換手に内線207にFAXを送る旨伝え、速やかに024-593-1212にFAX

する。

昼間

総務課024-546-1919、1920090-5312-0760

FAX 024-546-1921

夜間

本部当直者024-546-1919、1920

FAX 024-546-1921

平日(勤務時間内)(8:00~17:00)

第3科長

休日及び勤務時間外

駐屯地当直司令

024-951-0225(235)8-11-380-01090-2202-0538

024-951-0225(302)8-11-380-02

FAX024-951-0225(557)8-11-380-10 FAX

平日と同じ※FAX送信前に、上記連絡

先へ連絡すること。

2 情報提供(自衛隊福島地方協力本部)

(

知事への要求ができない場合)

(

※)

地方振興局長(経由)

31年度ルート集に示す要請要領

台風19号への対応は、発災当初、福島・郡山の両自衛隊に派遣要請する段階まで

は本要領で実施した。

その後、各市町村から多くの要請と支援要望があり、かつ、自衛隊のリエゾン

が各市町村に派遣され、自衛隊リエゾンと市町村の調整により迅速・適切な支援

が可能となったため、別に解説する要領により実施することとした。

資料1-1

29

市町村長

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対応通知

地方振興局(リエゾン)

台風19号による水害対応における自衛隊災害派遣要請要領

市町村長(災害対策本部担当者)

知事(災害対策本部

事務局総括班)

隊区担当部隊長

隊区担当部隊(リエゾン)

要求内容を

調整

報告

指導受け

指示

要求伝達

災害派遣に関する要求

要求(電話等)

要求(※

文書)

災害派遣要請

(電話)

災害派遣要請(※文書)

内容把握

市町村対策本部内等

対応通知

③通常の要領(自衛隊リエゾンが居ない場合)

市町村に、自衛隊リエゾンが居る場合

凡例

災 害 派 遣 要 請 の 原 則 は 、市町村長から県知事に対し災 害 派 遣 の 求 め が あ り 、知事が自衛隊災害派遣部隊長に要請を行う。

備考:※文書については、応急災害対策活動終了後整理

資料1-2

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台風19号による水害対応における自衛隊災害派遣要請要領(解説)

【原則】市町村長から県知事に対し災害派遣の求めがあり、

知事が自衛隊災害派遣部隊長に要請を行う。【発災当初】:12日及び13日の発災当初は、知事が第44普通科連隊、第6特科連隊に要請

1 要求と通知の流れ(青矢印の流れ)①市町村長から災害派遣の求めに応じ②県知事が隊区担当部隊長に災害派遣を要請、③隊区担当部隊長の災害派遣受理を受け、④自衛隊の対応要領を市町村へ通知

2 自衛隊の対応・災害派遣を予期し、準備を進めていた。・県からの要請に基づき災害派遣活動を開始、あわせて市町村へのリエゾン派遣を開始

・市町村と自衛隊リエゾンの調整が可能となった。【自衛隊リエゾン派遣された市町村】1 要求と通知の流れ(緑矢印の流れ)

①市町村長と自衛隊リエゾンが災害派遣活動について、要求と実施の可能性について調整

②県知事は、地方振興局リエゾンまたは、市町村からの直接の通報を受け、活動内容を承知。状況により、県内全般の調整を実施

2 自衛隊の対応・1ー①の調整により、災害派遣活動を実施・県内全般の調整が必要な支援は、県対策本部で1ー②調整し、対応

【自衛隊リエゾン派遣されていない市町村】通常の要領(青矢印の流れ)

資料1-3

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災害派遣要請書の一例

元危管第2613号

令和元年10月12日

陸上自衛隊第6特科連隊長 様

福 島 県 知 事

自衛隊の災害派遣について(依頼)

このことについて、下記により自衛隊の災害派遣を要請します。

1 災害の状況及び派遣を要請する事由

(1) 災害の状況

10月6日3時に発生した台風第19号は、非常に強い勢力を保ったまま、12日19

時に伊豆半島に上陸し、13日にかけて東日本から東北地方に進む見込み。福島県は激し

い雨が降り、大雨特別警報に続き土砂災害警戒情報が発令され、約45万世帯111万人

に避難勧告が出されている。

(2) 派遣を要請する事由

現在重傷者1人、軽傷者1人が確認され、今後状況判明に伴い被災状況は増大するとみ

られる。県内の各河川における氾濫や土砂災害の発生による人的被害の拡大を防止するた

め、自衛隊による早急な救助活動が必要である。

2 派遣を希望する期間

10月12日23時15分から応急災害対策が完了するまで

3 派遣を希望する区域

福島県の県北・相双管内を除く全域

4 希望する活動内容

人命救助など

5 派遣を希望する人員器材等

人命救助などに必要な人員器材等

資料1-4

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「災害派遣の求め」の一例 資料1-5

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「災害派遣の求め(調整)」の一例

資料1-6

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1.11.5

専門監

令和元年台風19号に伴う自衛隊災害派遣活動の態勢整理について1 現況

10月12日(土)の人命救助(郡山市)から災害派遣活動が開始され、給水・入浴支援、災害廃棄物の撤去等の諸活動が13市町村実施された。11月5日(火)に継続実施中の活動は、給水支援(相馬市)及び入浴支援(いわき市)の2活動

2 今後の活動見込み(1)給水支援(相馬市)は、11月6日(水)終了見込み(2)入浴支援(いわき市)は、月末終了見込み

3 業務予定災害派遣活動の必要がなくなった時点※において、自衛隊に対し災害派遣の撤収を要請

(1)第44普通科連隊長相馬市の給水支援終了時点(11月6日(水)予定)

(2)第6特科連隊長いわき市の入浴支援終了時点(11月末頃予定)

(※市町村が災害派遣活動を必要としなくなったことの確認は、市町村に派遣されてい

る県幹部リエゾンが、市町村災害対策本部会議や自衛隊指揮官と市町村代表者の現地確認時の立会による。)

4 その他(1)災害派遣活動の実績整理:活動終了後速やかに(2)自衛隊への感謝(感謝状等)意の表明:活動終了後できるだけ早い時期に(3)災害派遣活動関連の分析検討(改善点とその処置)

資料1-7

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災害派遣要請書(撤収)の一例 資料1-8

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災害派遣に関する福島県知事と陸上自衛隊福島駐とん地司令及び郡山駐とん地司令との協定書

福島県知事と陸上自衛隊福島駐とん地司令及び郡山駐とん地司令とは、災害派遣に関し、その要請の適正と円滑な運営を期するため、この協定を締結するものとする。

(自衛隊の任務の周知徹底)(平時における情報の収集)(知事が行なう訓練の支援)(災害発生が予想される場合の連絡)(偵察者の派遣)(現地責任者の指定等)(救援資材の集積、使用及び補償等の責任)(経費の負担)第9条災害派遣等に要した経費の負担区分は、次のとおりとする。

知事が負担するもの、自衛隊が負担するもの上記以外の経費の負担区分については、その都度協議して定めるものとする。

(災害派遣担当区域)

昭和45年7月1日福島県知事陸上自衛隊福島駐とん地司令・陸上自衛隊郡山駐とん地司令

資料2-1

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福島県令和元年台風第19号による災害派遣に伴う経費負担区分に関する協定書

令和元年台風第19号に伴う災害派遣の経費負担区分について、福島県災害対策本部長福島県知事と、陸上自衛隊第6師団長は下記のとおり協定を締結する。

記1 福島県知事の負担する経費2 陸上自衛隊第6師団長の負担する経費3 前各項に定める内容は、本災害派遣に関して増援される部隊についても同様とする。

4 1項及び2項に定める経費並びにこれ以外の諸経費で負担区分に疑義を生じた場合は、甲乙間で協議するものとする。

令和元年10月12日甲 福島県知事乙 陸上自衛隊第6師団長

凡例: 下 線 独自内容

資料2-3

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台風19号等における福島県等と自衛隊の災害派遣活動の現況と特性並びに検討の方向性と具体的取組

1現 況

広範囲の大規模災害においては、派遣対象の市町村が多数存在し、市町村毎に災害対応能力も異なる。

特 性 自衛隊への支援ニーズが、市町村毎に時期・質・量が異なり、共通基準での統制が困難

課 題 ① 県が市町村別の被害状況と支援要望を適切に把握できず、支援関係機関と適切な連携が困難であった。

課題 検討の方向性 具体的取組 進捗(処置した事項)

①-1

市町村と県及び自衛隊リエゾンを活用した情報共有と調整能力向上

関係機関のリエゾンを含めた県及び市町村及び関係機関の連携訓練の実施

令和2年度福島県l総合防災訓練において情報共有訓練を計画中であり、みちのくALERT総合訓練のプレ訓練と位置づけて実施予定

①-2

災害派遣要請・調整要領の具体化【市町村】調整態勢の早期確立支援部隊への具体的支援要望(人命救助段階では、より早く具体的情報)

地域防災計画への反映、連携訓練(①-1に同じ)の実施【市町村】リエゾンの早期受け

入れ被災情報(特に位

置情報)の共 有

● 検証委員会を実施中であり、その成果を地域防災計画に反映予定● 7月豪雨(7月28日)において市町村がリエゾン受け入れ。・県:2市1村・自衛隊:2市1町(8市町村に調整) 39

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台風19号等における福島県等と自衛隊の災害派遣活動の現況と特性並びに検討の方向性と具体的取組

2現 況

大規模災害においては、活動が長期間、多岐にわたる。応急修理及び災害廃棄物の処理並びに防疫等の生活支援や環境回復支援

特 性 復旧・復興レベルの災害派遣活動が増加し、災害派遣の3原則の適用の考え方が幅広に変化しつつある。災害対策基本法及び災害救助法に規定される活動以外の活動も行われている。

課 題 ② 防疫支援、災害廃棄物の処理について、自衛隊にどこまで支援受けするか判断が困難。

3現 況

大規模災害においては、緊急災害対策本部等が設置され、国主導の災害応急対策が推進される。

特 性 国が主体となって推進する事業及び重視する事業に自衛隊の支援隊力が充当される

課 題 ④ 県は、市町村の意見をくみ取り内閣府の助言を受けつつ災害救助活動を実施するため、災害派遣実施部隊及び統幕等と情報共有し調整する必要がある。

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台風19号等における福島県等と自衛隊の災害派遣活動の現況と特性並びに検討の方向性と具体的取組

課 題

② 防疫支援、災害廃棄物の処理について、自衛隊にどこまで支援受けするか判断が困難。

④ 県は、市町村の意見をくみ取り内閣府の助言を受けつつ災害救助活動を実施するため、災害派遣実施部隊及び統幕等と情報共有し調整する必要がある。

課題 検討の方向性 具体的取組 進捗(処置した事項)

②④

防疫支援及び災害廃棄物の処理等について、防衛省自衛隊として活動基準を設定(鳥インフル、豚コレラ等についても同様)

「災害救助法に該当する活動(O-1)」「活動の具体例の提示(O-2)」等の活動基準を提示

●「災害廃棄物の撤去等に係る連携対応マニュアル」

(R2.8環境省・防衛省)

●新型コロナウィルス対応に伴う災害派遣において、基本的活動の項目等を調整し、実績ベースでの活動基準を整理

②④

内閣府、統幕等から国の災害対応に関する方針・考え方を入手し、県及び災害派遣実施部隊が災害対応について協議し、市町村の災害対応を円滑にする。

県庁に派遣されている内閣府リエゾンをはじめとした関係機関との会議・調整を有効に活用し情報を共有するとともに、対応を調整

検証委員会を実施中であり、その成果を地域防災計画に反映予定

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東日本大震災における災害派遣(原子力災害派遣)

災害派遣の具体例 4

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福島第2原発への対応(給水)(3月13日)

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福島第1原発への給水(3月14日)福島第1原発への対応(活動地域の状況①)(3月14日)

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福島第1原発への対応(活動地域の状況②)(3月14日)

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福島第1原発への対応(放射線量の測定等)

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福島第1原発への対応(放水)(3月17日~21日)

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福島第二原発からの負傷者救出 (3/16)

入院患者の避難支援 (3/20、南相馬市)避難に伴う除染活動 (3/19、二本松市)

福島第一原発3号機への放水準備 (3/18)

負傷者救出、民間人避難支援等

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福島県立医大除染所の状況(3月16日)

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福島県における鳥インフルエンザに係る災害派遣要請(大綱)

~早期かつ密接な連携による迅速対応~

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災害対策課担当1.9.3

災害派遣の具体例 (事前調整)

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鳥インフルエンザ発生に伴う災害派遣活動の概要)

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災害派遣要請の目的

災害派遣要請

○ 福島県における鳥インフルエンザ対応を適切かつ迅速に対応するため、

災害派遣により自衛隊の支援を受け、対応業務処理能力の不足を補う。

○ 福島県知事は、疑似患畜確定に伴い第6師団長に対し災害派遣を要する。

【要請の基準等】

災害の規模:約5万羽を超える

活動内容:捕鳥、運搬、殺処分、搬出の内から必要な活動

人員規模:約100名/1クルーを基準とする

派遣の時期・期間:疑似患畜確定後速やかに派遣し、

対応活動終了まで

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時間

全般

福島県

自衛隊

災害派遣活動における自治体と自衛隊との連携

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派遣要請前から県と自衛隊が密接に連携することで、派遣要請後の活動を円滑にする。

派遣の為の準備

非常勤務態勢

県庁LOを派遣

初動対処部隊

派遣準備完了

遺伝子検査の

結果、擬似

患畜と判定

検体送付→遺伝子検査の実施

鳥インフル

エンザの疑い

陽性

簡易検査

H+3

平時の体制

県対策本部会議

連絡会議

県対策本部設置準備・防疫活動計画作成※・関係機関との調整・備蓄品等の準備

県対策本部設置防疫活動

H+5

本庁職員出発

H+11

災害派遣

殺処分開始

災害派遣のための調整

情報提供

災害派遣要請

防疫活動

※ 防疫活動計画とは、発災農場における防疫活動にあわせた具体的活動計画をいう。

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鳥インフルエンザ発生に伴う災害派遣要請の手順

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平時の調整

発生後の調整

畜産課⇔危機管理課(担当)⇔災対課(担当)

第6師団司令部、第44普通科連隊(災害派遣担当)

調整

畜産課→危機管理課(担当)→災対課(担当)鳥インフル疑い

第6師団司令部、派遣実施部隊

情報提供

防疫指導班⇔総務班(担当)

第6師団司令部(災害派遣担当又は連絡幹部)

派遣実施部隊(災害派遣担当又は連絡幹部)

派遣調整

遺伝子検査疑似患畜決定

事務局 →本部会議→総務班→災害対策課(要請案提示) (要請決定) (派遣要請)

事態

の推移

簡易検査陽性

要請第6師団長

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災害対応職員として心がけて欲しいこと

参考資料

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リーダーの指揮

2 組織に明確な企図を示す

1 組織と状況の確実な把握

3 各部下に目標を与える

4 部下の自主性の尊重

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連 絡

報 告

相 談

仕事を前に進めること!

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先行性

適時性

並行性

考えて行動する(主体的に行動する)

完全性

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情報活動の4段階

収集努力の指向

情報資料の処理

情報資料の収集情報の使用

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自分の健康

県民に寄り添う

現場での情報共有

心がけて欲しいこと

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どんな災害にも対応する気概!

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ご静聴ありがとうございました。

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