Upload
others
View
7
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
蔵前技術士講演会(2016年9月7日(水)) 1
東京工業大学 環境・社会理工学院 准教授 齊藤滋規デザイン思考を活用したもの・ことづくり手法
本日の講演内容
1. 「デザイン思考」とは?「デザイン思考」とは?今,なぜ「デザイン思考」が重要なのか?「デザイン思考」のプロセス
2. 「デザイン思考」を活用した「もの・ことづくり」CBECプログラム(東京工業大学EDGEプログラム)エンジニアリングデザインプロジェクト
目的実施概要プロジェクト事例教育効果実施課題
「デザイン思考」とは?
<どのようなプロセスか?>
「観察から洞察を得て、仮説を作り、プロトタイプを作って、それを検証し、試行錯誤を繰り返して改善を重ねながらモノ(製品/サービス)を創り出す」
創造的なプロセス
完全な暗黙知→部分的に形式知
「デザイン思考」とは?
<発展の経緯>米国のデザインコンサルティングファームIDEO社が自社のアプローチを概念化したものとされている.
創業者David KellyはStanford大学の大学院授業ME310プログラムで,「デザイン思考」のもとを学び,ME310の教員らは日本戦後復興期のスタートップ企業(黎明期のソニーやホンダ!)から学んだ.
「デザイン思考」の源流は日本だった!
「デザイン思考」とは?
「デザイン思考」は逆輸入?
蔵前技術士講演会(2016年9月7日(水)) 2
東京工業大学 環境・社会理工学院 准教授 齊藤滋規デザイン思考を活用したもの・ことづくり手法
今,なぜ「デザイン思考」が重要なのか?
不確実性の増大した予測不可能な社会の到来人口構造の変化
経済環境の悪化
技術・産業の変化
グローバル化の進展
経営の変化
→新たな市場創造、顧客創造による,人々のライフスタイルを変えるようなサービスや商品の絶え間無い開発の必要性
「デザイン思考」のプロセス
共感
問題定義
創造
プロトタイプ
テスト
PDCAサイクルの一つの形態 「共感」プロセスを経た「洞察(インサイト)」に基づく「問題定義」を重視
9出展:d.school, Stanfrod Univ.
「デザイン思考」を応用した設計
問題解決にあたって,技術シーズに基づく発想
ではなく,問題解決や利用者の視点
に立った設計ソフトウエアデザイン
ハードウエアデザイン
+
体験デザイン(サービスデザイン)
「デザイン思考」を活用した「もの・ことづくり」
CBECプログラム
チーム志向越境型アントレプレナー育成プログラム
(東京工業大学EDGEプログラム)
3つの教育の柱• エンジニアリングデザイン関連
• MBA関連
• アントレプレナーシップ関連
SLUSHなどへ派遣
アントレプレナーシップ論
アントレプレナー志向
MBA
関連科目
コンペティション
起業体験イベント
Q1:デザイン思考基礎
Q2:EDP(A)
Q3:EDP(B)
MELTING POT
Q4:EDP(C)
修士課程1年間
EDP=エンジニアリングデザインプロジェクト
蔵前技術士講演会(2016年9月7日(水)) 3
東京工業大学 環境・社会理工学院 准教授 齊藤滋規デザイン思考を活用したもの・ことづくり手法
エンジニアリングデザインプロジェクト
テーマ持込主体
東京工業大学(教員,学生)
パートナー団体(中小企業,美大)
Empathize
Test
Prototype
Define
Ideate
Design ProcessIn Engineering
★:Home
ユーザー体験+プロダクト
2クォータをかけたプロセス「デザイン工房」 Studio @石川台5号館3F
エンジニアリングデザインプロジェクト
プロジェクト課題名
災害やネットワークの輻輳によりスマホやPCが使えなくなった状況での安心体験をデザインせよ
狭小スペースにおいて人と機械が協調する搬送体験を再デザインせよ
人工知能の急激な進化によって職を奪われる人々の再就職体験をデザインせよ
非日本語圏における日常食としての日本食体験を再デザインせよ
来たる超高齢化時代のための豊かで健やかな「働き方」をデザインせよ
プロジェクト課題
InsightUser
ResearchHMWQuestion
Concept Solution
TypeⅠ TypeⅡ
蔵前技術士講演会(2016年9月7日(水)) 4
東京工業大学 環境・社会理工学院 准教授 齊藤滋規デザイン思考を活用したもの・ことづくり手法
Hugs BabyBaby supporting gear User test
IDE現代の高等教育NO.582 2016年7月号(7月1日発行)「アクティブ・ラーニング」
「理工系大学の授業革新 齋藤 滋規」 より
平成27年度のプロジェクトから異分
野共創の「教育効果」と「実施課題」を考える…
教育効果
•異なる発想や視点との遭遇「出来そう」からの工学系,「面白そう」からの美術系
「論理」と「直感」.「優劣」ではなく「習性」
発想のジャンプは直感から!論理できちんと締める!
教育効果• アンカーとしての「インサイト」の重要性
イメージの言語化.議論の位置の確認
• 「プロトタイプ」による可視化の重要性「言葉遊び」の回避
蔵前技術士講演会(2016年9月7日(水)) 5
東京工業大学 環境・社会理工学院 准教授 齊藤滋規デザイン思考を活用したもの・ことづくり手法
教育効果
• 「新たな価値を生む」ことへの共通理解価値とは受取る人が現れて初めて生まれる
「価値創造」に「唯一解」はない
アイデアが価値を生むかは,先に進めなければわからない
「これまで,営業は価値を生みだしていないと思っていた」
by 工学系学生
実施課題
•異なる発想が故のメンバー間の葛藤「頭が良さそうなしゃべり方」
非言語的価値への無理解
• 「現実」を知らない学生,「現実」を重視する社会人「現実」とは何か?(技術的実現可能性と心理的制約)
•協業と分業の違い「得意分野での貢献」と「外注化の危険性」は表と裏
おわりに
• エンジニアリングデザインプロジェクトの可能性現実と格闘しながら(発想のジャンプとしての)アイデアの実装に挑める人材の育成
価値創造の一気通貫に将来携われる人材へ
(発想から市場まで)
※もっと,企業と協業することは重要
工学系・美術系,学生・社会人をつなぐ新たな「教養」
ソフトウエアデザイン
ハードウエアデザイン
+
体験デザイン(サービスデザイン)
インターネットのインフラ化
電子通信機器・ソフトウエアのモジュール化・共有化
センサ類の低価格化
ビッグデータのプラットフォーム化
人工知能エンジンのオープン化
「体験デザイン」の物理的実装可能性の急激な拡大
IoT時代の「デザイン思考」
蔵前技術士講演会(2016年9月7日(水)) 6
東京工業大学 環境・社会理工学院 准教授 齊藤滋規デザイン思考を活用したもの・ことづくり手法
「デザイン思考」の実践例
多段階プロトタイプ2クォータ
視覚障碍者用冷蔵庫~おいしい生活~
食品を入れる
プロダクトプロトタイプのデモ
「デザイン思考」の実践例
食品を取出す
プロダクトプロトタイプのデモ
「デザイン思考」の実践例