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医機連発 第 169号
平成 24年 2月 13日
厚生労働省 医薬食品局
監視指導 ・麻薬対策課
課長 中井川 誠 様
日 本 医 療 機 器 産 業 連 合 会
法制委員会 委員長 飯田 隆太郎
未承認医療機器の情報提供に係るQ&AYG
主査 清水 佳文
(事務局 直井啓次)
「未承認の医療機器に関する適正な情報提供についてJに係わる質疑応答集
について
記
拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げますO
平素は医療機器業界の未承認の医療機器に関する適正な情報提供に関する活動に
対しまして格別のご指導を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて当連合会法制委員会未承認医療機器の情報提供に係るQ&Aワーキングでは、
「未承認の医療機器に関する適正な情報提供について(依頼)」(平成 22年 12月 22
日付薬食監麻発 1222第 2号厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課長通知)
に従って、医師等専門家の求めに応じて行う、「未承認医療機器(適応外使用含む)
の情報提供のあり方に係わる質疑応答集」を作成致しましたので、ご報告申し上げま
す。
敬具
1/10
「未承認医療機器 (適応外使用含む)の情報提供のあり方に係わる質疑応答集(以下、
「Q&A集」)」
1・本Q&A集の作成における情報提供の考え方
学術的研究報告については、従前より医師等の求めに応じて提供することが認めら
れておりましたが、未承認(認証、届出含む、以下承認と記載)医療機器に関する製品
の情報提供については、広告・宣伝との切り分けが困難な部分もあるキめ、企業として
は当該製品に係わる情報提供について特段の留意を致しておりました。
しかし、近年では特に海外において先に発表される製品(国内未承認製品)の情報
について、医師等医療従事者の方々自身による海外学会および学会併設展示会等
への参加、及びインターネットの普及による海外医療機器業者のホームページ-の容
易なアクセス等、日々多くの未承認製品の情報(適応外使用含む)が簡便に入手でき
る状況になっております。
さらに我が国における医療技術のイノベーションを推進していく上七も、新たな医療
情報の提供が不可欠となっております。
一方、「フィブリノゲン製剤にトロンビンなどの複数の薬剤を配合して糊状にし、出血
箇所の閉鎖等に利用する『フィブリン糊』について、薬事法で承認された使用方法で
はないにもかかわらず、(中略)′J、冊子(パンフレット)m 成 (中略)し、これをプロ
パー(営業担当者)が営業用の資料として用い、販売促進活動を行っていたo(「薬害
再発防止のための医薬品行政等の見直しについて(最終提言)」より抜粋)」との実態
があり,_このことにより薬害肝炎が蔓延したという事実があったとされています.そのよう
な行為は、その資料の配布 目的からして到底、医師等の求めに応じて行われた学術
情報の提供とみなすことはできず、決して許される行為ではありません。本事例のよう
な学術的情報提供と偽った悪質な販売促進活動については、医療機器業界としても
容認できるものではありません。
■このような状況を勘案し医師等からの依頼であることを前提に、かつ、「薬事法」およ
び「医薬品等適性広告基準」等を遵守した上で、適切で質の高い情報提供に関する
Q&A集 (別添1)を作成数しました。
2.「医師等専門家の求め」に対する記録の考え方
①.従来より認められている学術的研究報告 (※学術情報として別途記載)について
口頭等の依頼があれば、特.段の「医師等専門家の求め」に対する記録は不要とし
ました。
②.上記(∋以外の未承認医療機器に関する情報について
①以外の未承認医療機器に関する情報には、当該製品の海外で使用されてい
るカタログ・仕様書・取扱説明書等の製品に係わるものについては記録を残すこと
としました℃
従前より、安全性にかかる情報については、薬事法第77条の3に基づきこ適切に
情報提供を行ってきましたが、有効性にかかる情報については、広告との区別が非2/10
常に困難なことから、情報提供の要望があっても控えてきたところです。
今般、有効性に関する末永認情報については医師等からの依頼に基づくもので
あれば、原則、医薬品等適正広告基準が適用されないことから、企業として行った
情報提供が医師等からの依頼であることを明確にするため、②の記録として情報提
供依頼書(情報の入手元、提供を受けたい情報の種類、内容等)を医師等から入
手することとしました。また、当該企業においては、依頼書の入手・情報提供の方法
に関する手順・ルール等を社内で取り決めることにより、個人的な対応ではなく、組
織 (企業)として適切に運用することが望ましいとしました。
3.学術情報の範囲
【学術情報の該当例】
著者が医療従事者、大学等の研究者、行政職員、企業の技術者・研究者等(ただし、
専ら営業活動に従事する者は含まれない。)(以下、「医療従事者等」とする)となっ
ている以下のもの
・ 学術雑誌(商業的・非商業的を問わない)に掲載された総説、論文、解説
・ 非商業的学術雑誌に掲載された座談会記事
・ 学術集会(全国大会、地方会を問わない)抄録・シンポジウム等の記録集
・ 企業の技術情報誌
※「学術情報の定義」については別添2を参照してください。
4.情報提供依頼方法・様式(雛形添付)
情報提供依頼書(様式 1)
3/10
(別添1)
1.通知の解釈等
(禁止されている情報提供)
間1
どのような情報提供が禁止されていますかo
答1
「薬害再発防止のための医薬品行政等の見直しについて(最終提言)」で指摘され
ているような、もっぱら販売促進の目的で薬事法の承認範囲外の情報が掲載された資
料を企業が作成し、それを医師等からの求めがないにも関わらず企業が積極的に配
布して営業活動を行うことは禁止されていますO
(製品情報)
伺2-
答2
公知の文献、論文等、当該医療機器に関する記述のある科学的・技術的文書で、
「ェビデンス」を有し、かつ公表されている学術的研究報告(以下「(学術情報)」とい
う。)の範囲内であれば可能です。
(製品情報)
-.問3_
海外で既に販売されている医療機器につい七二.海外の展示会、学会等や海外製
造企業のホ-ムページ等により知り得た国内東泉恵医療機器に関する商い合わせが .
医師等専門家(以下、-「軍師奪 」という.).より求めがあ-'た場合、ゼ甲ような情報提供-
答3
医師等の求めに応じで情報提供する場合は、①学術情報だけでなく、②現地で提
供されている製品のカタログ、仕様書、取扱説明書等(公表・配布されている公知のも
の)の情報提供は可能です。
なお、①の場合は情報提供の依頼があったことの記録は不要ですが、②の場合は、
情報提供依頼書を入手する等企業として適切に記録を残すことが必要です。
また、承認申請した事実のみであれば情報提供しても良いですが、申請予定日、
申請 日や取得予測時期に関する情報提供については、広告となる可能性があること
から、認められません。
4/10
(海外展示会)
問4
国内企業が開発、製造した国内未承認の医療機器について、海外で先行して販
売(又は発表)しているものについて、国内で医師等から詳細仕様の説明を求められ
答4
海外の展示会で公開された情報をそのまま提供することは可青巨ですが、それ以外
の詳細な仕様の提供はできません。
(適応外使用)
間5 i国内既承認晶について、海外で承認された国内未承認の適応外使用に関する情
答5
医師等から求めがあった場合には、適応外である旨をしっかり説明した上で、学術
情報、海外で販売されている製品カタログ等の資料を提供するのは可能です。
なお、海外の製品カタログ等に適応外である旨をシール等で表示してください。
?(適応外使用) .
間6
国内既承認品について、海外でも未承認である適応外使用に関する学会発表等
答6
医師等から求めがあった場合には、適応外である旨をしっかり説明した上で、学術
情報を提供するわは可能です。
(講演、説明会)
問7
国内で開催される学会において、学会と企業の共催又は後援のセミナー等で、講
-師の医師等が未承藤機器に関する内容が含まれる講演をするのは差し支えないで
答7
「本講演には薬事未承認の内容を含みますO」(発表スライドの場合)、「本抄録(又
は記録集)には、薬事未承認の内容を含みます。」(抄録または記録集の場合)と明記
してください。
5/10
(講演、説明会)
問8
医局、学会あ争いは医療施設のグループ等より,海外の最新医療事情、海外での.-
最新術式等の発表や説明会をして欲しい旨の依頼が医師等よりあった場合、発表
内容に使用される医療機器の一部に国内未承認品が含まれ扇 ミ、どのようにすれば
答8
発表や説明の内容は、あくまで最新の医療事情二術式等の紹介だけとし、製品の広
告にならないように注意してください。なお、医療機器に密接㌢た術式において、その術式等の説明に必要な範囲で医療機器の特徴、使用方法等を説明する場合はこの
限りではありません。
また、発表時に製品の写真、仕様等を説明する必要がある場合には、当該製品が
国内未承認晶であることがわかるようにしてください。
(医療機器の設置、設備情報)
間9.
周 内甲掌会併設展示会等で公(知となっている承意中=請■中の医療磯野 こらいて、
答9
設置に要する電源設備、最低設置面積及び室内高等の病院施設の構造設備に対
する必要事項については可能です。但し、提供する情報に販売名、性能、効能又は
効果に関する情_報を含まないでください。
(医師個人輸入)
問1.0 .
医師により個人輸入された、国内未承認医療機器につい_て一、.使用方法等の情報療
容lo
原則、医師の個人輸入であるため、 医 師 個 人 の 責 任 で 取 り 扱 わ れ る も の で す ので、
輸入先に確認し ていただく必要があり ま す 。 従 っ て 提 供 義 務 は あ り ま せ ん 。
6/10
(医師個人輸入)
間11 ′
医師が、個人輸入した未承認医療機器が国内で使用されていますが、海外での
答11
医師の個人輸入であるため、原則、医師個人の責任で取り扱われるものです。従っ
て、医師個人の責任において、輸入先に確認していただく必要がありますので、提供
しなくても問題はありません。
ただし、安全に係る情報に限っては国内企業等 (例えば 日本の子会社)が海外等
において当該医療機器に関する危害が発生している等の情報に接し、健康被害の発
生防止のために、情報提供を行うことが必要と判断した場合は、提供可能です。
(その他の情報)
由1,2
海外で使用されキ未承認医療機器(整形用インプラント製品、ペースメーカ等)を
答12
医師等の求めに応じて、技術情報や抜去する方法等の情報を提供することは可能
です。
(輸入代行業者)
問13
個人輸入代行を行う事業者は、医師等の求めがあった場合、未承認医療機器の情
答13
平成 14年 8月 28日付け厚生労働省医薬局長通知「個人輸入代行業者の指導・
取り締まりについて」(医薬発第0828014号)にあるとおり、輸入代行を行う事業者は、
輸ネ者からの要請に基づき、輸入に関する事務手続きを代行するだけとなっています
ので、たとえ医師等の求めがあった場合でも提供することはできません。
なお、本 Q&A 集および考え方については、現時点での考察によるものであり、今後変
更することがあります。
7/10
(別添2)
学術情報の定義
【定義】当該医療機器に関する記述のある科学的・技術的文書1)で、「エビデンス」を
有し、かつ公表されているものo
なお、「エビデンスレベルの分類」2)及び「公表媒体の種類」は問わない。\
【補足説明】1)文書以外の情報提供(口頭・-学会展示での会話など)は本定義には含めず、別
途 Q&Aで個別に言及するものとする。
2)「エビデンスレベルの分類」について・
診療報酬 (技術料)の収載提案の際の「医療技術評価提案書」で用いられている
エビデンスレベルは「診療ガイドライン作成の手引き2007(医学書院)」に掲載のも
ーのであるが、そのP15には以下のように7つにエビデンスのレベルを分けている。
① システマティック・レビュT/RCTのメタアナリシス
② 一つ以上のランダム化比較試験による
(診 非ランダム化比較試験による
④ 分析疫学的研究(コホート研究)
⑤ .分析疫学的研究(症例対照研究、横断研究)
⑥ 記述研究(症例報告やケース・シリーズ)
⑦' 患者データに基づかない、専門委員会や専門家個人の意見
とある。
上記定義は、これら「エビデンス」を内容として含み、かつ公表されているものが「学
術情報」と定めるものである。また、FDAの考え方では医療機器の場合、「非臨床」も
含まれることから、非臨床の記述のみのものも「エビデンスを有する」に含まれるもの
とする(ここで、r非臨床の記述のみ」とは、動物実験のみ、モデル実験などの性能諦
験のみ、物理・イヒ学的試験のみ、細胞等を用いたilivltrO試験のみ、コンピューター
シミュレーションのみ等を言う)
【学術情報-の該当例】
著者が医療従事者等となっている以下のもの
・ 非商業的学術雑誌に掲載された座談会記事
・ 学術集会(全国本会、地方会を問わない)抄録・シンポジウム等の記録集・ 企業の技術情報誌
【学術情報-の非該当例】
・ 商業的学術誌や企業の広報誌に掲載された座談会記事(著者が医療関係者で
あるか否かを問わない)や著者が不明の記事
・ 上記学術情報の該当例であっても、企業が手を加えて再作成したもの(要約化、
アンダーラインによる強調、外国語の場合の和訳(あくまでも参考訳という位置づ
けで原文の添付である場合は可))
8/10
(璽∋ は「エビデンスを有する科学的・技術的文書」だが、「公表されていない」
ので「学術情報」とならないもの
⑳ は「公表されている科学的・技術的文軌 だが、「エビデンスを有しない」ので「学術情
報」とならないもの
9/10
様式1
〇〇〇株式会社 様-
情報提供依頼書
平成 年 月 日
△△△病院
代表音名 (または責任者)印
下記晶目につきまして、より詳細な情報を得たく、日本医療機器産業連合会作成の「束承認医
療機器 (適応外使用含む)の情報提供のあり方に係わる質疑応答集」に沿って、情報の提供を依.L
頼いたします。
なお、本品目が日本国内において、未承認(認証)品であることは理解した上での依頼であるこ
とを申し添えます。
1.品目の名称
製 品 名 (海外で販売されているものについては、海外での販売名称を記載)
必要な情報:
2.本品の初期情報を入手した経線 (該当するものにOをつけ、内容を記載してください)
1 国内又は海外での学会名
2 国内又は海外の展示会名 (ただし、海外発表済みの製品のみ)
3企業のホームページ
以 上
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