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<目 次>
はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
第1章 現庁舎の現状と主な課題 ・・・・・・・・・・・・・・ 2
1-1 現庁舎の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
1-2 現庁舎の課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
(1)老朽化について ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
(2)狭あい状況について ・・・・・・・・・・・・・・・ 3
(3)ユニバーサルデザインへの対応不足など ・・・・・・ 5
第2章 庁舎改築に向けた検討経緯 ・・・・・・・・・・・・・・ 6
第3章 新庁舎の整備内容について ・・・・・・・・・・・・・・ 7
3-1 基本構想の策定について ・・・・・・・・・・・・・ 7
3-2 基本計画の策定について ・・・・・・・・・・・・・ 8
(1)基本的な考え方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
(2)改築場所及び建築面積 ・・・・・・・・・・・・・・ 8
(3)延べ床面積 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
(4)階層構成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
(5)諸室の考え方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
(6)付加機能 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
(7)事業費 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
(8)議会以外の機能 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
3-3 設計段階における検討事項について ・・・・・・・・19
(参考資料)
資料1 議会庁舎改築整備に係るこれまでの経過 ・・・・・・・・23
資料2 整備・検討事例(イメージ)
2-1 階層構成イメージ ・・・・・・・・・・・・・・・・29
2-2 耐震安全性の確保 ・・・・・・・・・・・・・・・・30
2-3 ユニバーサルデザインの導入 ・・・・・・・・・・・31
2-4 議会庁舎の機能 ・・・・・・・・・・・・・・・・・33
2-5 環境への配慮や省エネルギー性能の確保 ・・・・・・34
2-6 地域資源の活用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・35
北海道議会庁舎改築基本計画
1
◆ 現道議会庁舎は、昭和26年2月に議場部分の使用を開始して以降、委員会室や事務
局室など逐次整備された部分も含め既に50年以上が経過し、内外装や設備などが著し
く老朽化している状態です。
加えて、建設当時と比べ議員定数も大幅に増加し、その活動も多様化していることか
ら、狭あいな状況が常態化しており、円滑な議会活動の場を確保する観点からは、その
解消が大きな課題となっています。
◆ また、過去に行った耐震診断では「大地震の際には倒壊の恐れがある」との結果が出
ており、今のままでは、災害対応において重要な役割を担うべき道議会が、災害発生時
点で機能不全に陥る恐れがあるといった重大な問題も抱えています。
◆ そのような課題や問題の解消に向け、これまでも様々な角度から検討を行ってきまし
たが、抜本的な解決策として「改築」が妥当とした一方で、道の厳しい財政事情を考慮
すると、多額の費用を要する庁舎改築に踏み切ることは難しく、改築の先送りという対
応をとらざるを得ない状況が続いてきました。
◆ しかし、近年、大規模な災害が多発しており、その度に迅速な災害対応のための体制
整備の必要性を再認識させられることや、外壁の剥落や天井材の落下といった老朽化の
進行が深刻な状態であることを示す事象が発生していることを踏まえ、道議会としては、
これ以上の先送りは困難と判断し、平成26年3月に「北海道議会庁舎改築基本構想」
を策定するなど、改築に向けた具体的取組を進めているところです。
◆ この「北海道議会庁舎改築基本計画」は、改築整備に係る基本的考え方などをまとめ
た基本構想を踏まえ、各施設・設備の整備内容について、より具体的に検討を行い、改
築の実現に向けた基本的な指針を示すものです。
北海道議会庁舎改築基本計画
2
現議会庁舎は、明治6年の開拓使札幌本庁舎の
設置以来、現在に至るまで道政機能の中枢地域と
しての百年以上の歴史を刻んできている「道庁本
庁舎構内地区」において、昭和26年に議事堂部
分を、昭和27年に執務室部分を建設し、昭和
37年には執務室南西側部分を、昭和39年には
執務室北西側部分を増築しています。
また、庁舎の西側部分は旧北海道警察本部庁舎
の一部を改装し、議会庁舎として使用しています。
庁舎の構造は鉄筋コンクリート造、
地上5階、地下1階建、延べ床面積は
13,135㎡となっており、建物外構は
道庁赤れんが庁舎周辺の園庭と一体に
整備されており、庁舎正面には来庁者
等の駐車場を設置しています。
<道庁本庁舎整備前の構内の様子/S40年>
現庁舎の概要 1-1
北海道議会庁舎 (所在地:札幌市中央区北2条西6丁目)
赤れんが庁舎 (北海道庁旧本庁舎)
北海道本庁舎
<各部分の建設年次・経過年数>
執務室北西部分
S39増築 (築 51年)
議事堂部分 S26新築(築 64年)
執務室南西部分
S37増築 (築 53年)
執務室部分 S27新築(築 63年)
執務室部分
S27新築(築 63年)
西側 部分
S32建設
(築 58年)
道庁本庁舎構内地区
北海道議会庁舎改築基本計画
3
(1)老朽化について
現庁舎は建築後64年が経過し、耐震診断等の調査結果によると、庁舎全体として耐震性
能が不足しており、主要な施設設備の劣化が進行しています。
調査結果(平成 14年)
耐震診断調査
○コンクリートの中性化が進行。
○阪神淡路大震災クラスの地震(震度7)に耐えられる性能を大きく下回ってお
り、「耐震性に疑問がある」。(耐震判定係数:0.5)
○震度5を超える地震の際は、倒壊など建物に大きな被害を及ぼす恐れ。
設備劣化度調査
○電気設備の現状(電線や照明器具等の絶縁不良や破損、漏電の有無等)や
機械設備の現状(機器・配管内部の腐食・摩耗状態等)を調査。
○給排水設備などで劣化が進行しており、各設備の法定耐用年限(15~21年
程度)を勘案した更新計画が必要。
平成25年6月には、庁舎1階部分の外壁の石板(45cm×90cm)9枚がはがれ、約3メート
ル下の地面に落下しました。
落下した場所は通常人が立ち入らない場所で、幸い、けが人はあ
りませんでしたが、外壁全体を改めて点検し、同様に劣化し落下の
危険性が高い石板10枚を取り除くとともに、モルタル補修工事な
どを実施しました。
また、同年7月には、庁舎2階議長室前の廊下の天井の一部(約 150cm×200cm)がはがれ、
落下しました。
議会閉会中でもあり、幸い、けが人はあり
ませんでしたが、他の階についても、点検を
実施し、古い天井の撤去及び石膏ボード等に
よる改修工事を実施しました。
(2)狭あい状況について ① 議場について
現在の議場の規模は、全国47都道府県中、24番目の広さとなっていますが、一座
席当たりの面積で比較すると全国最小となっています。
現庁舎の課題 1-2
<議場の概要> (単位:㎡)
区分 面積 席数
議 場 355 171(議員席 110、執行部席等 61)
傍聴席 267 一般 350、記者 26身障者席等 11
回 廊 224
計 846 <全国事例> (単位:㎡)
自治体 面積 席数 ㎡/一座席
北海道 355 171 2.1(最小)
愛知県 649(最大) 143 4.5 三重県 624 102 6.1(最大)
平 均 386 101 3.8
北海道議会
北海道議会庁舎改築基本計画
4
② 傍聴席について
傍聴席についても通路や座席の間隔が狭く、やや
急な勾配となっているなど、他府県議会に比べ、全
体的に狭あいな環境となっています。
③ 委員会室について
委員会室は、次のとおり11室ありますが、各室の
面積にばらつきがあり、説明員や傍聴者などのスペー
スに差があることに加え、委員会の種類により委員席
の配置形態が異なっているため、開催時にその都度、
セッティングが必要となっています。
<傍聴席の事例> (単位:㎡)
自治体 面積 席数 ㎡/一座席
北海道 267 350 0.8
石川県 220 148 1.5
三重県 178 112 1.6
計 11室 1,640 ㎡
<座席机のサイズ> (単位:cm)
自治体 幅 奥行き 前後間隔
北海道 84 37 95
愛知県 100 55 120 三重県 100 60 116
北海道議会 三重県議会
北海道議会 石川県議会 三重県議会
第8委員会室
<各室の使用状況> ( )内は委員数(議運は委員外含む)
区 分 面積 (㎡)
常 任 委員会
(11~12)
特 別 委員会
(16)
予算・決算特別委員会
議会運営 委 員 会
(18)
協議会 (5~7) 本委員会等
(31~52) 分科会等 (15~17)
第 1 286
新幹線 ・ 交通体系 対策
本委員会 第1分科会 (理事会含む)
第 2 203 総合政策 人口減少問題 ・ 地方分権改革等推進調査
第2分科会
第 3 96 環境生活 理事会
(第2分科会)
第 4 109 建 設
第 5 145 水産林務 北方領土対策
第 6 109 農 政
第 7 109 保健福祉 少子 ・ 高齢社会対策
第 8 127 経 済 産炭地域振興・エネルギー問題調査
第 9 131 文 教 理事会
(第3分科会)
第 10 232 総 務 食と観光対策 書面審査 (決特委)
第3分科会
議会運営 委員会室 93 理事会(本委員会)
本委員会・理事会
広報・定数・改築・改革
委員会室
北海道議会庁舎改築基本計画
5
また、10人~20人程度が出席する各種協議会等は議会運営委員会室において開催して
いますが、協議会等の効率的な開催や突発的な委員会の開催に支障を来す可能性がある他、
議会運営委員会室など、各委員会室の面積も他県に比べ、やや狭い状況となっています。
なお、他県議会では、予算(決算)特別委員会の専用室や多数の議員が出席可能な「大会議
室」、「全員協議会室」などの大規模室を設置している例が見受けられます。
<予算特別委員会室等の事例 >
自治体 議員定数
築年 主に予算(決算)特別委員会 のために使用されている室
北海道 101 S26 第1委員会室
宮 城 59 S61 大会議室
山 形 44 S50 予算特別委員会室
茨 城 65 H10 予算特別委員会室・ 決算特別委員会室
長 野 58 S43 第1特別会議室(全員協議会)・ 第2特別会議室(決算特別委)
三 重 51 H 2 全員協議会室
和歌山 42 S13 予算・決算特別委員会室
山 口 49 S50 全員協議会室
福 岡 86 S56 第一議会会議室
鹿児島 51 H 8 全員協議会室
(3)ユニバーサルデザインへの対応不足など
現庁舎は、傍聴者が地下階段を通って入場する構造になっていることや、庁舎内の段差、
誰もが利用できる多機能トイレが未設置の状況等、手摺りがなく急な勾配の傍聴席などユニ
バーサルデザインの観点からも、利用しづらい環境となっています。
そのため、障がい者や高齢者など、全ての道民が道民参画の拠点として道議会を身近に感
じるとともに、安全・快適に利用することができるような庁舎の整備が必要となっています。
<議会運営委員会室の事例> (単位:㎡)
自治体 面積 委員数 ㎡/一人
北海道 93 14 6.6
埼 玉 137 17 8.1
愛 知 205 15 13.7
福 岡 144 15 9.6
全国平均 10.2
北海道議会・議会運営委員会室 愛知県議会・議会運営委員会室
茨城県議会・予算特別委員会室
福岡県議会・第一議会会議室
北海道議会庁舎改築基本計画
6
◆ 老朽化や狭あい化といった現庁舎の課題解決に向けては、これまで様々な角度から検
討を行い、過去においては、改築を決定し、着工を残すのみという段階に至ったことも
ありました。
一方で、多額の費用を伴う改築の実施に当たっては、道の厳しい財政事情を考慮する
必要もあったことから、改めて改築の必要性、改築するとした場合の規模や建設費、着
工時期などについて、議会庁舎改築整備等検討協議会を中心として、慎重に議論を重ね
てきました。
◆ その結果、課題解決のためには「改築が必要」との結論に達し、平成25年3月に「整
備面積は19,000㎡程度、整備費用は100億円程度」とすることなど、庁舎の改
築整備に必要な事項等を取りまとめ、その旨知事へ申し入れを行いました。
道からは「議会からの要請の趣旨を基本的に尊重する。」「道としては、今後、議会で
取りまとめる「基本構想」等の具体的な整備内容について十分に協議を行った上で、道
財政の状況を見極めながら、改築整備の検討を行っていく」という方針が示されたこと
もあり、平成25年度以降、改築の実施に向けて、基本理念や備えるべき機能、スケジ
ュールなど、より具体的な検討を行うこととなりました。
年/月 項 目 内 容
H 6.12 議長→知事 議会庁舎の改築整備に向けた早急な検討を要請。
H 7.12 改築計画策定 面積:28,990㎡、スケジュール:H8~9設計、H10建設着工、H13完成
H 9. 3 基本設計完了 事業費:304億円、面積:28,999㎡
10 議長→知事 財政健全化のため 3カ年程度の着工凍結や経費圧縮検討を要請。
H11.10 議長→知事 経費圧縮の検討や H13 年度に実施設計に取り組むこと、などを要請。
H13. 3 基本設計(変更) 事業費:259億円、面積:26,676㎡
12 議長→知事 厳しい財政状況を考慮し、H14 年度の建設着工の見送りを要請。
H14. 3 実施設計完了 事業費:245億円、面積:26,676㎡
12 議長→知事 財政状況を考慮し、H16年度までの緊急対策期間の着工見送りを要請
H16.11 議長→知事 財政立て直しプランの集中対策期間(H17~19年度)の着工見送りを要請
H18.11 議長→知事 「新たな改築整備計画」の検討などについて要請。
H25. 3
議長→知事 検討結果を取りまとめ、改築に向け、検討進めるよう要請。
(整備面積 19,000㎡程度、整備費用 100億円程度等)
(参考資料 P23~を参照)
<検討の経緯(概要)>
北海道議会庁舎改築基本計画
7
◆ 平成25年度においては、整備に当たっての基本的考え方などについて検討を行い、
平成26年3月に「北海道議会庁舎改築基本構想」を策定しました。
◆ 基本構想では、整備面積や整備費用など、これまでも検討を行ってきた内容を土台と
して、整備内容を検討する際に基本となる理念、建築物として備えるべき性能や議会庁
舎として必要な機能、想定スケジュールなどを整理しています。
機
能 <
議
会
庁
舎>
性
能 <
建 築 物>
基
本
理
念
基本構想の策定について 3-1
<基本構想の概要>
○ 議員数が同程度の規模で、議会庁舎が単独で建設されている3県(愛 知、埼玉、福岡)の議員一人当たり平均値に道の議員数を乗じて算出。
○ 環境に配慮した庁舎 建物の省エネルギー性
能の確保、エネルギー運用の効率化を図るとともに、道産材の使用など地域資源の活用に配慮します。
○ 高い機能性を持った庁舎 円滑な議会活動を確保
するとともに、政策審議過程を道民にわかりやすく伝える施設とします。
○ 周辺環境と調和した庁舎 開拓使時代からの歴史のある地区、観光客が訪れる地区、都心のオアシスとしての役割を
踏まえながら、周辺環境と調和し、地区形成に配慮した外観・外構とします。 ○ 身障者、高齢者等、全ての道 民に親しまれる庁舎 施設利用者にとって、誰にで
もわかりやすく、移動しやすく利用しやすい施設とします。
19,000㎡ 程度
○ セキュリティに対する配慮 来庁者等の安全管理の充実
や情報の安全管理にも配慮したセキュリティ対策の実現。
○ IT(情報通信技術)の活用 情報公開、情報共有、
資料閲覧等に ITを活用。
○ 政策調査機能 文献・図書等の整備
など各種情報の整理保管機能を確保。
○ 国内外からの要人 の受入機能 要人を迎えるための
必要スペースを確保。
○ 議会以外の機能 新たな道庁来庁者駐車場や外構整備の他、改築後、道
本庁舎をつなぐ連絡通路について道と協議。
○ 省エネルギー性能等の確保 省エネの推進、新エネの
導入に配慮。
イ 議会庁舎としての機能について
・議場及び委員会室に必要な機能
地方分権における議会の役割や北海道議会基本条例を踏まえ、円滑な議会活動を図る観点から、高い機能性や審議に必要な面積の確保、委員会室の適切な配置や傍聴者が傍聴しやすい環境づくりに配慮します。
・セキュリティに対
する配慮 現在、警備員巡回
により、庁舎内の安全管理を実施しているが、来庁者、議員及び職員等の安全管理の充実を図るほか情報の安全管理にも配慮したセキュリティ対
○ 耐震安全性の確保 災害等緊急時において
も議会運営に支障のないよう配慮。
○ 議場及び委員会室に必要な機能 高い機能性や審議に必要な面積の
確保、委員会室の適切な配置や傍聴しやすい環境づくりに配慮。
○ 広報機能 傍聴、閲覧制度のほか、イ
ンターネット等活用による議会活動の情報提供を充実。
○ 駐車スペースの確保 周辺地区環境に配慮しつ
つ十分なスペースを確保。
○ 民間活力導入などを検討した結果、発注者の意向の反映や地域経済への影響などを踏まえ、従来の発注方式とする。
整備手法 道の直接建設方式
○ 過去の道発注の庁舎等工事費の実績などを参考。
各施設整備の考え方
○ 改築工事中は現庁舎を使用。完成移転後に現庁舎 を解体・除却し、跡地は外構・駐車場として整備。
改築場所 旧道警本部跡地
(札幌市中央区北2条西 6丁目)
概算費用 100億円程度
整備規模
年度 H26 H27 H28 H29 H30以降 事業内容 基本計画 基本設計 実施設計 建設工事
想定スケジュール
○ ユニバーサルデザインの導入 誰もが利用しやすい建
築・設備を導入。
◆ 道庁周辺地区は北海道開拓使時代から今日に至るまで、道政の中枢として機能してきたシンボル性の高い地区であり、中心には歴史的建造物である旧北海道庁舎があり、赤れんが庁舎と呼ばれ、観光施設としても親しまれ、北海道を象徴する建物となっている。
◆ 改築に当たっては、この地区の歴史的・文化的環境を未来へと継承していくことが重要であり、北海道の議決機関としての庁舎が、赤れんが庁舎や道庁本庁舎と一体となった道政の中枢機能のシンボルとしてふさわしい重厚なイメージを持つことが必要。
◆ 都心部における道民・観光の方々の憩いの場としての役割や人や環境を中心に据えた 都心づくりを目指す札幌都心地域の都市再生緊急整備地域内であることにも配慮。
道庁周辺地区としての意義
北海道議会庁舎改築基本計画
8
◆ 平成26年度と平成27年度においては、議場や委員会室など各室の規模や機能、設
備のほか、基本構想で掲げた基本理念の実現に向けた具体的な整備の考え方などをまと
める「基本計画」を策定しました。
(1)基本的な考え方 現在の議会庁舎の狭あいな環境を踏まえ、議場、委員会室等について必要な面積を確保
しつつ、全体の面積については「19,000 ㎡以内」となるよう検討します。
また、整備費用については「100億円を目途」に整備内容を想定します。
なお、今後懸念される資材費や労務費の高騰などによる建設単価アップについては、整
備内容の見直しも含め、対応を検討します。
(2)改築場所及び建築面積
区 分 考 え 方
改 築 場 所 現議会庁舎西側の「旧道警本部跡地」
建 築 面 積 改築中も現議会庁舎は解体せず継続使用すること、工事に係る作業スペース
が必要なことを考慮すると、確保可能面積は「3,000㎡」程度と想定
基本計画の策定について 3-2
○ 庁舎エントランス(出入口)は、現議会庁舎、本庁舎、赤れんが庁舎と同様に東側に設置することを基本に検討を進める。
○ 議会庁舎への車両アクセスは西側及び北側からを基本とし、庁舎1階に70台程度、庁舎外に20台程度(屋根付き)の駐車場を整備する。
○ なお、具体的な庁舎位置や本庁舎来庁者駐車場の範囲については設計時に検討する。
改築場所:旧道警本部跡地
本庁舎来庁者用駐車場範囲(案)
北海道議会庁舎改築基本計画
9
(3)延べ床面積
区 分 面 積(㎡)
主 な 増 減 理 由 現 行 改築後 差 引
議場等
議 場 355 600 245 ・議員席等の一人当たり面積を拡大
傍聴席 ・ 記者席 267 400 133 ・座席間の狭あい状況や急勾配を解消
そ の 他 ( ロ ビ ー 等 ) 294 300 6
・ロビー等、待機スペースの充実化を検討 ・議場ロビー120(廊下 200 程度を除く)傍聴者ロビー(控室)130、中継室(新設)50
計 916 1,300 384 [増減率:142%]
委員会室
常 任 ・ 特 別 1,546 2,500 954 ・傍聴スペースや各席からの動線を確保 ・整備イメージ 区分 面積 室数 用途
大規模 380㎡ 1 予特(決特)本委員会・分科会
中規模 250㎡ 2 予特(決特)分科会
小規模
180㎡ 9 常任(特別)
130㎡ 1 議会運営
110㎡ 1 各種協議会、幹事長会議等
議
運
委員会室 93 130 37 委員長室 36 60 24
計 129 190 61
共 用 室 (協 議 会等 ) - 110 110
計 1,675 2,800 1,125 [増減率:167%]
正副議長室
本
室
議 長 室 127 80 ▲47 ・来賓応接機能を別室化(特別応接室新設)
副議長室 70 70 0 ・現状維持
副 室 49 50 1 ・現状維持
秘 書 室 54 80 26 ・正副議長室の動線や来客対応等を考慮し、現状の 2室を維持
特 別 応 接 室 - 120 120 ・新設(収容人数:30名程度を想定)
来 客 待 機 室 - 100 100 ・新設(15名程度×1、7名程度×2室を想定)
計 300 500 200 [増減率:167%]
議 員 控 室 2,287 3,000 713 ・来客面談や打ち合わせスペース等、各種狭あい状況を解消 [増減率:131%]
小 計 5,178 7,600 2,422 [増減率:147%]
そ の他施設
図 書 室 573 500 ▲73 ・集密書架の導入等による収蔵の効率化
執行部使用室 329 500 171 ・狭隘化の解消や作業スペースを確保 ・議会知事室 80、説明員室(第 1~第 4)310 連絡員室 110
事務局使用室 1,212 1,100 ▲112
・現行程度を基本に必要面積を試算 ・局長室 40、次長室 30、執務室(総務課、議事課、政策調査課)450、会議室 150、書庫・物品庫 400、議事課作業室 30(新設)
そ の 他 651 800 149
・現行程度を基本に必要面積を試算 ・記者室 120、共用面談室(新設)90、来客応接室 60、食堂 270、理容室 60、守衛室30、静養室 110、委託業者控室 60
その他施設 計 2,765 2,900 135 [増減率:105%]
共通
機械等整備室 5,192
1,500 1,208
・必要面積を試算
廊下・トイレ等 4,900 ・必要面積を試算。エントランスホール 300程度 (道民ホール 90程度を含む)
庁 舎 面 積 計 13,135 16,900 3,765 [増減率:129%]
駐 車 場 - 2,100 2,100 ・地上1階(収容予定台数:70台) ・屋外駐車場 20台程度(面積に含まず)
合 計 13,135 19,000 5,865 [増減率:145%]
北海道議会庁舎改築基本計画
10
(4)階層構成 ① 配置等の考え方
② 階層構成
区 分 主 な 配 置 施 設
6 階 傍聴席・記者席、第1(大規模)委員会室、第2(中規模)委員会室、傍聴者ロビー、記者室、説明員室(教育・警察・各種委)、食堂
5 階 議場(6階へ吹抜)、正副議長室、議会運営関係室、知事室、説明員室(知事部局)、局長室
4 階 議員控室
3 階 議員控室、第3(中規模)委員会室、第4~9(小規模×6)委員会室
2 階 第10~12(小規模×3)委員会室、事務局使用室(次長室・総務課・議事課・政策調査課)、図書室、共用面談室、来客応接室
1 階 駐車場、エントランスホール(一部2階へ吹抜)、守衛室
地下1階 機械等設備室、図書室(書庫)、理容室
※ 配置等の考え方を含め設計段階で精査。
(参考資料 P29を参照)
○ 1階当たり面積を3,000㎡程度と想定し各施設の配置を検討
○ 議場は最上階(5~6階)に配置
○ 議員控室は中層階に配置
○ 駐車場は1階に配置(ピロティ方式)
○ 一般来庁者の利用が想定される施設の利便性確保
・現庁舎を解体せず、建築に伴う作業スペースも確保する必要があることを踏まえると、
確保可能な建築面積は3,000㎡程度
・階数は、延べ床面積 19,000㎡程度÷3,000㎡ ≒ 7フロア(地上6階地下1階) と
試算
・傍聴席を含む議場は、議会の象徴として相応しい環境を整えるため、吹抜構造を含む
大空間を確保
・配置に当たっては、大空間とすることにより必要となる補強に要する経費や天井の高さ
調整についての柔軟性を考慮し、上部に構造物がない最上階(5~6階)を選択
・議員控室を庁舎の中心に配置
・議場や委員会室を始めとした各施設とのスムーズな動線を確保
・冬期間における利便性を考慮し、駐車場は屋内に設置
・設置方式は、全体事業費が増嵩しないよう、庁舎1階に設置するピロティ方式を採用
・エントランスロビーや食堂、図書室などについては、誰もが自由に利用できるスペース
となるよう、一般来庁者用エレベーターの設置を含め動線計画や施設の配置を検討
・検討に当たっては、セキュリティの確保にも留意
北海道議会庁舎改築基本計画
11
(5)諸室の考え方 ① 議場について
○ 形態について
議員席・執行部席の位置や配席により、概ね、3つの形態に分類されます。
これらについて検討した結果、全国で唯一の伝統的形態という点を重んじ、現在の「非
対面・馬蹄形」を基本とします。
なお、今後の設計段階では、具体的な各座席のレイアウトや「一問一答方式」など新
たな質疑形式への対応なども考慮しながら、円滑な議会運営に支障ないよう検討を進め
ていくこととし、形態についても必要があれば、再検討を行うこととします。
○ 演壇について
現在は、一箇所(議長席前)の設置ですが、大阪府や三重県など12の府県議会では、
質疑形式にあわせ議員席前に固定式や可動式の「第
二演壇」を設置しています。
改築後は、これまでどおり固定の演壇を一つ設置
するほか、「一問一答方式」など新たな質疑形式にも
対応し得るよう、議員席前に可動式演壇を1か所設
置できるようにします。
○ 議員席について
議員席数については、現行定数の101を確保することを基本としますが、適宜、直
近の条例定数を反映した数とします。
また、車いすで利用可能な議員席を、各派別の議席配置にも対応できるよう設けるこ
ととし、設置数など詳細については、設計時に検討します。
○ 執行部席について
現行どおり(49席)を基本とします。
○ 傍聴席について
現行どおり (一般用350、来賓用6、車いす用
5、報道関係用26)を基本として、車いすでの傍
聴が可能なスペースを拡充するなど、誰もが利用し
やすい環境づくりに配慮します。
○ 面積について
議場内や傍聴席内を安全かつ円滑に移動できるよう、可能な範囲において1席あたり
の面積を拡大し、各座席の間隔、通路の幅員の確保や段差の解消等に配慮します。
三重県議会
栃木県議会
(車椅子スペース)
北海道議会庁舎改築基本計画
12
<議場の形態について>
○ 演壇を中心に議員席と執行部席を同じ馬蹄形の中に配置。47都道府県中、唯一の形態。 ○ 議員と執行部が、一つの演壇から議場内の全員に向かって発言することを想定した形態と言われています。(通称:「演説型」)
○ 演壇を挟み向かい合うように議員席と執行部席を扇形に配置。他都府県議会で最も多く採用。
○ 議員と執行部が演壇を緩やかに囲み、意見を交わし合うことを想定した形態と言われています。
(通称:「対話型」)
○ 演壇を中心に半円を描くように議員席を配置し、 執行部席は、演壇を挟んで向かい合うように配置。
○ 対話や討議より主に報告に対する質疑を想定した形態と言われています。(通称:「報告質疑型」)
北海道議会 北海道議会
衆 議 院 大阪府議会
静岡県議会
福岡県議会 東京都議会
鹿児島県議会
「非対面」・「馬蹄形」
「対面」・「半円形」
「対面」・「扇形」
北海道議会庁舎改築基本計画
13
② 委員会室について これまでどおり各常任委員会用室を確保し、各特別委員会用としても使用します。
また、委員や説明員等の規模が異なる予算(決算)特別委員会用として、専用室を確保
するとともに、各種協議会等に使用する共用委員会室を確保します。
面積については、各室の傍聴スペースや各席からの動線に配慮し、検討します。
<整備イメージ>
区 分
面積 (㎡)
室 数
使 用 想 定
席数(想定) 現 行
改築後
委員・
説明員
連絡員
報 道
傍聴者
計
常 任 ・ 特 別 委 員 会 室
大 規 模
300 ~ 400
0 1 第1
予算(決算)特別委員会
本委員会・ 第1分科会
100 10 10 30 150
中 規 模
200 ~ 300
3 2
第2 第2分科会
80 10 10 20 120 第3
第3分科会・ 決特書面審査
小 規 模
100 ~ 200
7 9 第4~
第 12 各常任委員会・各特別委員会 50 5 5 10 70
議運室 1 1 議会運営委員会(委員長室) 40 10 10 10 70
共用室 0 1 各種協議会(会長会議、幹事長会議、広報委員会、定数協、改築協など)
40 5 - 5 50
計 11 14
③ 正副議長室について
○ 特別応接室について
現在、国内外からの要人の訪問の際に対応する応接室がないため、議長室内の応接ス
ペースで対応していますが、室内の準備に時間を要するなど、課題が多くなっています。
このため、議会庁舎内に現行議長室と同程度
の広さの「特別応接室」を設置します。
また、外国からの要人をもてなすための日本
的空間の設置など、備えるべき応接機能につい
て、設計時に検討します。
○ 来客待機室について
来客者等の待機スペースとして「来客待機室」を設置することとし、様々な場面に柔
軟に対応できるよう、可動式による間仕切りも検討します。
○ 秘書室について
正副議長室の動線や来客対応などを勘案し、現状どおり2室(分室)を確保するよう
検討します。
<特別応接室の設置例> (単位:㎡)
自治体 議長室 特別応接室 計
北海道 127 0 127
東京都 80 234 314 茨城県 93 198 291
大阪府 89 119 208
※ 面積・席数は庁舎全体調整の結果、大幅な変更が必要となる可能性があります。
北海道議会庁舎改築基本計画
14
④ 議員控室について 議員控室については、来客との面談や打ち合わせスペースの拡充などを念頭に、必要面
積を確保します。
なお、各派への配分基準を含めた整備の具体的内容については、妥当性や必要性も含め
設計時に検討します。
⑤ 図書室について 一般閲覧スペースについて、面積の拡充や利用しやすい配置を検討するとともに、これ
までと同様、議員の調査・研究活動のために必要なスペースも確保します。
また、事務局執務室に隣接設置
し、管理運営の効率化を図るほか、
集密書架(移動書架)を採用し、
収蔵の効率化・能力向上を図りま
す。
⑥ 執行部・事務局使用室等について 議会知事室や説明員室など「執行部使用室」については、狭あい化の解消を図るととも
に、各種作業に必要なスペースを確保します。
議会事務局の執務室や会議室、書庫などの「事務局使用室」の面積は、現行程度を基本
とします。
⑦ エントランスホールについて
会議予定の案内や開催状況に関する情報を提供したり、これまでの歩みも含め道議会の
機能・役割等を紹介するスペース
(道民ホール)を設置するなど、
開かれた道議会として、道民への
情報公開・情報発信の推進を図る
ことができるような空間作りを目
指します。
⑧ 駐車場について
現在、庁舎前に「平面整備方式」により駐車スペースを確保していますが、狭あいな環
境となっており、また、積雪寒冷時の利便性などに課題があります。
新庁舎においては、利便性の向上を図るとともに、周辺地区環境への影響やコスト比較
を考慮した結果、庁舎1階部分に設置する方式を採用することとします。
なお、屋外スペースの活用も含め、詳細については設計時に検討します。
(図書室)
(集密書架)
兵庫県議会 愛知県議会
栃木県議会
(展示コーナー)
愛知県議会
(議会 PRコーナー)
北海道議会庁舎改築基本計画
15
(6)付加機能
一般的な庁舎を建設する場合に求められる標準的な機能に加え、他自治体での整備事例
なども参考にしながら、北海道議会庁舎として建設する場合に付加すべきと考えられる機
能を備えるために、必要と想定される整備内容について、次のとおり検討しました。
① 建物として備えるべき機能について
ア 耐震安全性の確保
○ 国土交通省では、災害時における官庁施設の機能確保などを目的に、構造体等に関
する耐震安全性の目標として「官庁施設の総合耐震・対津波計画基準」(平成25年
3月)を定めており、他自治体における庁舎改築においては、この基準に基づき、最
も安全性の高い耐震性能を確保する事例が多くなっています。
○ 道議会庁舎においても、大規模な地震の発生後に、本会議や各委員会等の開催など
議会運営に支障がないよう、構造体については「Ⅰ類」、建築非構造部材については、
「A類」、建築設備については「甲類」として、検討を進めます。
<官庁施設の総合耐震・対津波計画基準>
部位 分類 耐 震 安 全 性 の 目 標
Ⅰ類 大地震動後、構造体の補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて十分な機能確保が図られるものとする。
Ⅱ類 大地震動後、構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて機能確保が図られるものとする。
Ⅲ類 大地震動により構造体の部分的な損傷は生じるが、建築物全体の耐力の低下は著しくないことを目標とし、人命の安全確保が図られるものとする。
A類 大地震動後、災害応急対策活動等を円滑に行ううえ、又は危険物の管理のうえで、支障となる建築非構造部材の損傷、移動等が発生しないことを目標とし、人命の安全確保に加えて十分な機能確保が図られるものとする。
B類 大地震動により建築非構造部材の損傷、移動等が発生する場合でも、人命の安全確保と二次災害の防止が図られていることを目標とする。
甲類 大地震動後の人命の安全確保及び二次災害の防止が図られているとともに、大きな補修をすることなく必要な設備機能を相当期間継続できることを目標とする。
乙類 大地震動後の人命の安全確保及び二次災害の防止が図られていることを目標とする。
※1 柱・梁・壁など建築物の自重や積載荷重、地震力等を支える部分のこと。 ※2 建築物に取り付けられた天井や壁材などの内装材、屋根葺き材、外装材等のこと。 ※3 建築物に設ける電気、ガス、給排水、換気、冷暖房、消火、排煙設備等のこと。
○ 耐震工法については「耐震構造」、「制振構造、「免震構造」」に分類されますが、他
自治体における庁舎改築においては「免震構造」を採用する事例が多くなっています。
○ 道議会庁舎においても、大規模な地震の際の建物や設備に対するダメージを大幅に
抑え、議会運営に支障がないよう「免震構造」が望ましいと考えられますが、基本設
計においてコスト等の検討を行い、最適な工法を選択します。
○ また、災害等緊急時においても議会庁舎としての機能を確保するための対策を講じ
構
造 体
建
築
非
構造部材
建築設備
※1
※2
※3
北海道議会庁舎改築基本計画
16
ることとしますが、確保すべき機能や必要な設備などの詳細については、災害対策の
拠点施設としての活用も視野に、今後検討します。
(参考資料 P30を参照)
イ ユニバーサルデザインの導入
誰にでも使いやすく、わかりやすい施設となるよう、多目的トイレや手すりの設置、段
差の解消などの一般的な対策はもちろんのこと、議員席や傍聴席、演壇など議会庁舎特有
の施設についても、車いすなどでの利用が可能となるような対策を講じるため、設計段階
での具体的な検証等を踏まえ、各設備・機能の導入を検討します。
(参考資料 P31を参照)
② 議会庁舎として備えるべき機能について
ア 議会運営等の円滑化
○ カメラやマイクなど本会議や委員会の運営上必要な視聴覚設備について、外部への
配信など関連機能も含め一体的システムとして整備するほか、質疑の状況など各種情
報をわかりやすく表示するため、議場内に大型スクリーンを設置するなど、議会運営
の円滑化を図るための措置を講じます。
○ また、議会活動に不可欠な情報収集・管理の充実化や、将来的な情報通信技術(I
CT)の利活用拡大も視野に入れ、関連システムや設備の整備を検討します。
イ 道民に開かれた議会の実現
○ 道民に開かれた議会の実現に向けた取組の一環として、エントランスホールや図書
室、食堂など一般利用が想定される施設は、誰もが自
由に利用できるスペースとなるよう、来庁者の動線を
考慮した配置を検討します。
○ また、議会庁舎を訪れた方々に、本会議や委員会審
議等の状況をお知らせする設備を整備することや、議
会の仕組みや役割などを紹介するスペースを設置する
など、より多くの方々に議会への関心や参加意識を高
めて頂けるような環境づくりを目指します。
○ 一方で、議会活動に支障が生じることのないよう、
必要なセキュリティ対策を講じます。
(参考資料 P33を参照)
(図書室)
石川県議会
三重県議会
(議会展示ホール)
石川県議会 石川県議会 三重県議会
(議場・事務局席)
(中継室)
(大型スクリーン)
北海道議会庁舎改築基本計画
17
③ 公共施設としての機能について
ア 環境への配慮や省エネルギー性能の確保
○ 地球温暖化やエネルギー資源の稀少化など地球規模で環境問題が深刻化する中、建
築物についても、省エネルギー対策の強化による環境負荷軽減が求められています。
そうした中で、北海道は豊かな自然や多様なエネルギー資源を有しており、道議会
としても先導的な役割を発揮するため、庁舎改築にあたっては環境負荷の軽減に努め
るとともに、省エネルギー技術や太陽光発電といった新エネルギー技術を採用するこ
ととします。 ○ なお、具体的な導入技術・設備等については、設計時において費用対効果や維持管
理費用等も勘案して検討を進めます。
<整備イメージ>
(参考資料 P34を参照)
イ 地域資源の活用
○ 北海道は面積の約7割を森林が占めるなど豊かな森林資源に恵まれており、建物の
内外装やデザインに活用できる道産材の他、れんが、石など様々な建築材料がありま
す。また、他自治体では議場など各室の整備にあたり、地域の伝統工芸などを生かし
たデザインを取り入れる例があります。 ○ 議会庁舎の改築に当たり、道産材の使用など地域資
源を活用することは、国内外から訪れる方々に北海道
の魅力を発信する貴重な機会につながるだけではなく、
道民の方々に北海道の潜在能力を改めて認識して頂く
ことにもなると思われることから、その効果的な活用
方策について検討します。
<検討する導入技術・設備例> ◆太陽光発電 積雪期を考慮し庁舎壁面の設置や閉会時等の蓄電、売電の検討
◆自然採光・自然換気 ダブルスキン、LED照明、人感 センサー等による熱負荷軽減等 建物消費エネルギーの削減
◆地下水熱エネルギー 年中、一定した温度の地下水熱 を活用したヒートポンプの検討
◆その他 雪や氷エネルギーを活用した冷 房や雨水の雑用水利用
トドマツ・道南スギなど
北海道庁(道民ホール)
<検討イメージ>
北海道議会庁舎改築基本計画
18
○ 活用例としては、議場や廊下等の木質化、エントランス
ホール等へ道産れんが・石の使用などが想定されますが、
具体的な導入箇所や範囲については、庁舎の内観・外観の
デザイン計画との整合性や導入コストを十分勘案しながら、
設計時において検討します。
(参考資料 P35を参照) (7)事業費
通常の庁舎建築費の他、北海道議会庁舎として必要と考えられる機能を付加した上で現
時点における整備内容を想定し、試算しました。
なお、設計時における具体的な整備内容の検討に基づく精査により、変動する可能性が
あることに留意願います。
区 分 金額
(概数) 試算の内訳
工
事
費
通 常 建 築 費 79 億円 標準工事費(駐車場含む)
付
加
機
能
に
要
す
る
経
費
耐震安全性 10 億円 国の基準のうち最も安全性の高い性能を確保 耐震工法は「免震構造」で仮算定
ユニバーサルデザイン導入
1 億円 廊下手すり、多機能トイレの設置など (段差解消など一般的な対応は標準工事に含む)
議会庁舎機能 5 億円 中継システムや、大型モニター等の視聴覚設備の 設置やICT(情報通信技術)の利活用環境整備
環境負荷軽減 5 億円 窓高断熱、自然換気、LED照明等の省エネや太 陽光発電、雪氷冷熱、地下水熱などの新エネ活用
地域資源活用 3 億円 道産材による議場や廊下等の内装の木質化、エントランスホール等への道産れんが・石を想定
計 24 億円
工 事 費 計 103 億円 消費税 約9億円を含む(10%で試算)
そ の 他
設計調査・工事監理費 3 億円 基本設計、実施設計、測量、地盤調査、工事監理
備 品 等 購 入 費 5 億円 委員会室等机・椅子、書棚など
そ の 他 計 8 億円
合 計 111 億円 ※ 今後の資材費や労務費の変動などによる影響は考慮していません。
※ 連絡通路整備費や現庁舎解体費・移転経費は含んでいません。
(8)議会以外の機能(道における検討事項) ○ 具体的な庁舎位置を踏まえ、道庁本庁舎との連絡手段として、連絡通路の設置。
○ 現議会庁舎跡地にかかる本庁舎来庁者用駐車場などの整備。
公共施設
機
能
石川県議会
輪島塗などよる飾り
建 物 機 能
北海道議会庁舎改築基本計画
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◆ 細部も含めた議会庁舎の最終的な整備内容は、今後の設計段階において、本計画の内
容や設計受託者からの提案などを基に、さらに検討を加え、決定されることとなります。
◆ 設計段階における検討事項は、計画本文中で述べられているもののほか、主に次のと
おりです。
○ 庁舎デザイン
周辺環境との調和にも配慮しながら外壁、屋根、床、内装、天井等の仕様について
地域資源の活用方策とも絡めて検討した上で、庁舎の外観や議場、委員会室など主
要施設のイメージ図を作成。
○ 各階の具体的レイアウト
各室ごとに利用形態等を踏まえ具体的レイアウトを検討し、階層構成を精査した上
で、各階平面図、立面図、断面図を作成。議員控室の検討に当たっては、各派への
配分基準や共用室の取扱い等を整理。
○ 各種設備の仕様
新エネルギー・省エネルギー関係設備のほか、本会議等中継システムなどの視聴覚
設備、パソコン等の情報通信技術(ICT)関係設備など各種設備について、種類
や数量、仕様など具体的導入内容を決定。
○ 事業費
具体的整備内訳や実勢単価に基づき事業費を積算し、予定額(100億円程度)との整
合性を含め、妥当性を検討(必要に応じ整備内容の見直しも検討)し、事業費を確
定。
○ 備品の購入内訳(供用開始までに検討)
机、椅子、ロッカー、応接セットなどの備品について、現行備品の更新の必要性を
判断した上で、購入内訳・必要数・仕様等を検討。
設計段階における検討事項について 3-3
北海道議会庁舎改築基本計画
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