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他大学との共同専攻に不可欠な教育インフラへ 高精細な画質が求められる遠隔講義を実現 Challenge 国立大学法人鹿屋体育大学との連携による 体育・スポーツにおける共同専攻の設置を 目指し、遠隔地同士を現場の負担なく円滑 に連携できる教育インフラの整備が必要不 可欠に。 Solution 遠隔講義を行うためのPolycom HDX 8000 ビデオ会議システムおよび講義収録システ ムを各教室に設置し、パブリッククラウド上 で提供されている教育支援システムとの シームレスな連携を実現。また共同専攻に おけるカリキュラムの作成会議や学位論 文の審査などの際にもビデオ会議システム にて遠隔会議を実施。 Result 少人数による運用を可能にし、現場に負担 をかけない「ゼロエフォート」な仕組み作り を実現。教育の質の向上を目指し、鹿屋体育 大学との共同専攻に向けた第一歩を踏み出 すことができた。 用途 遠隔講義 共同専攻のためのカリキュラム作成会議 学位論文の審査会議 日常的な打ち合わせやミーティング 【導入の背景】 他大学との共同専攻を実現するためのプロジェクトが始動 日本初の高等教育機関として1872年に創設された師範学校を祖とし、1973年に誕生した 筑波大学。あらゆる面で「開かれた大学」となることを目指しながら、「柔軟な教育研究組織」と 「新しい大学の仕組み」を率先して実現することを基本理念に掲げている。幅広い学問分野を 有した総合大学として現在教職員および学生あわせて25000人あまりが在籍しており、学び舎の 中心となる筑波キャンパスは、東京ドーム55個分にも及ぶ広大な敷地を誇っている。 そんな同大学では、これまでにも多くの外国の大学との間で共同教育を行ってきているが、 さらに平成24年度国立大学改革強化推進事業として、国立大学法人鹿屋体育大学と体育・ス ポーツにおける共同専攻の設置を目指したプロジェクトをスタートさせた。 【導入決定のポイント】 現場に負担をかけない「ゼロエフォート」な仕組み作り 広大なキャンパスの同大学では以前からeラーニングを中心としたLMS(Learning Manage- ment System)が導入されている。「キャンパス内の移動など教職員や学生の負担を減らすべく、 オンライン講義やオンデマンドによる教育コンテンツ配信など教育インフラのあるべき姿の 議論を進めてきました」と語るのは、筑波大学システム情報系教授にして、全学LMSを取りまと めている教育クラウド室の室長の加藤 和彦氏だ。また、今回のプロジェクトについて体育系教授 中川 昭氏は「鹿児島にある鹿屋体育大学と我々だけが国立大学では体育・スポーツ関連の学 部を持っており、 “東西の雄”として物理的に距離のある2校が1つのカリキュラムを共同運営す るという次世代の教育環境を作るためには、遠隔講義用に遠隔地同士を円滑に結ぶ教育インフ ラが必要でした」とその経緯を語る。 今回のプロジェクトでは、少人数の教育クラウド室のメンバーで運用でき、かつ教員に負担がか からない「ゼロエフォート」な仕組みを模索。また、距離を意識せず自然な講義が行える高度な コミュニケーションインフラを検討し、その中で注目したのがポリコムのビデオ会議システム だった。「以前からポリコムを使って学会や他大学との遠隔講義の実績があり、我々にとって 一番安心感のあるシステムです」と語るのはシステム情報系准教授 阿部 洋丈氏だ。また、体育 の分野で利用するため、先生や学生の動きを遠隔で確認するための高精細な映像品質も要件と して挙がり、結果、同大学が求める遠隔講義のインフラとしてさまざまな要件を満たすポリコム のビデオ会議システムが選ばれた。 CUSTOMER SUCCESS STORY 業種 大学法人 国立大学法人筑波大学 遠隔講義を受講する学生 収録した講義を視聴する学生

他大学との共同専攻に不可欠な教育インフラへ 高精 …...他大学との共同専攻に不可欠な教育インフラへ 高精細な画質が求められる遠隔講義を実現

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Page 1: 他大学との共同専攻に不可欠な教育インフラへ 高精 …...他大学との共同専攻に不可欠な教育インフラへ 高精細な画質が求められる遠隔講義を実現

他大学との共同専攻に不可欠な教育インフラへ高精細な画質が求められる遠隔講義を実現

Challenge国立大学法人鹿屋体育大学との連携による体育・スポーツにおける共同専攻の設置を目指し、遠隔地同士を現場の負担なく円滑に連携できる教育インフラの整備が必要不可欠に。

Solution遠隔講義を行うためのPolycom HDX 8000 ビデオ会議システムおよび講義収録システムを各教室に設置し、パブリッククラウド上で提供されている教育支援システムとのシームレスな連携を実現。また共同専攻におけるカリキュラムの作成会議や学位論文の審査などの際にもビデオ会議システムにて遠隔会議を実施。

Result少人数による運用を可能にし、現場に負担をかけない「ゼロエフォート」な仕組み作りを実現。教育の質の向上を目指し、鹿屋体育大学との共同専攻に向けた第一歩を踏み出すことができた。

用途・ 遠隔講義・ 共同専攻のためのカリキュラム作成会議・ 学位論文の審査会議・ 日常的な打ち合わせやミーティング

【導入の背景】 他大学との共同専攻を実現するためのプロジェクトが始動

 日本初の高等教育機関として1872年に創設された師範学校を祖とし、1973年に誕生した

筑波大学。あらゆる面で「開かれた大学」となることを目指しながら、「柔軟な教育研究組織」と

「新しい大学の仕組み」を率先して実現することを基本理念に掲げている。幅広い学問分野を

有した総合大学として現在教職員および学生あわせて25000人あまりが在籍しており、学び舎の

中心となる筑波キャンパスは、東京ドーム55個分にも及ぶ広大な敷地を誇っている。

 そんな同大学では、これまでにも多くの外国の大学との間で共同教育を行ってきているが、

さらに平成24年度国立大学改革強化推進事業として、国立大学法人鹿屋体育大学と体育・ス

ポーツにおける共同専攻の設置を目指したプロジェクトをスタートさせた。

【導入決定のポイント】 現場に負担をかけない「ゼロエフォート」な仕組み作り

 広大なキャンパスの同大学では以前からeラーニングを中心としたLMS(Learning Manage-

ment System)が導入されている。「キャンパス内の移動など教職員や学生の負担を減らすべく、

オンライン講義やオンデマンドによる教育コンテンツ配信など教育インフラのあるべき姿の

議論を進めてきました」と語るのは、筑波大学システム情報系教授にして、全学LMSを取りまと

めている教育クラウド室の室長の加藤 和彦氏だ。また、今回のプロジェクトについて体育系教授

中川 昭氏は「鹿児島にある鹿屋体育大学と我々だけが国立大学では体育・スポーツ関連の学

部を持っており、“東西の雄”として物理的に距離のある2校が1つのカリキュラムを共同運営す

るという次世代の教育環境を作るためには、遠隔講義用に遠隔地同士を円滑に結ぶ教育インフ

ラが必要でした」とその経緯を語る。

 今回のプロジェクトでは、少人数の教育クラウド室のメンバーで運用でき、かつ教員に負担がか

からない「ゼロエフォート」な仕組みを模索。また、距離を意識せず自然な講義が行える高度な

コミュニケーションインフラを検討し、その中で注目したのがポリコムのビデオ会議システム

だった。「以前からポリコムを使って学会や他大学との遠隔講義の実績があり、我々にとって

一番安心感のあるシステムです」と語るのはシステム情報系准教授 阿部 洋丈氏だ。また、体育

の分野で利用するため、先生や学生の動きを遠隔で確認するための高精細な映像品質も要件と

して挙がり、結果、同大学が求める遠隔講義のインフラとしてさまざまな要件を満たすポリコム

のビデオ会議システムが選ばれた。

CUSTOMER SUCCESS STORY

業種 大学法人

国立大学法人筑波大学

遠隔講義を受講する学生

収録した講義を視聴する学生

Page 2: 他大学との共同専攻に不可欠な教育インフラへ 高精 …...他大学との共同専攻に不可欠な教育インフラへ 高精細な画質が求められる遠隔講義を実現

予約

講義収録装置ビデオ会議システムPolycom HDX 8000 ビデオ会議システム

Polycom HDX シリーズ

多地点接続装置Polycom RMX 1500

開催指示

予約者

学生

講師 学生講義時間に連動して起動/終了

筑波大学

遠隔講義予約講義収録配信管理サーバーConference@Adapter

学習管理システム

SINET

インターネット

鹿屋体育大学

1

2

収録指示3遠隔講義開催3

録画コンテンツの自動収集

4

LMSのページのリンクから動画配信ページにアクセスして視聴6

5 録画コンテンツのリンクを自動生成

国立大学法人筑波大学

国立大学法人筑波大学設立:1973年10月筑波キャンパス:〒305-8577 茨城県つくば市天王台1-1-1代表:筑波大学長 永田 恭介概要:日本初の高等教育機関として1872年に創設された師範学校を祖として、1973年に新構想大学として誕生。あらゆる面で「開かれた大学」となることを建学の理念とし、従来の観念に捉われない「柔軟な教育研究組織」と次世代に求められる「新しい大学の仕組み」を率先して実現することを目指している。(導入時期:2014年4月/取材時期:2014年7月)http://www.tsukuba.ac.jp/

ポリコムジャパン株式会社http://www.polycom.co.jp

【現在の運用状況】 共同専攻のカリキュラムに欠かせないビデオ会議システム

 現在、多地点接続装置 Polycom RMX 1500を中心に、遠隔講義を行う教室にPolycom HDX

8000 ビデオ会議システムと講義収録システムを設置。さらにパブリッククラウド上に展開する

教育支援システムと収録したコンテンツを連携させ、授業に参加できない学生もeラーニング

として閲覧できる仕組みになっている。「学内外を意識させないシームレスで透明感のある

ハイブリッドクラウド環境を構築しています。」とシステム情報系助教 長谷部 浩二氏は説明する。

 このほかビデオ会議システムは、共同専攻に向けたカリキュラム作りのための会議や学位

論文の審査などを鹿屋体育大学と共に行う必要があり、「講義だけでなくさまざまな場面で

ビデオ会議システムを使っています。これがないと共同専攻の運用そのものが成り立ちません」

と中川氏は力説する。さらに、日本スポーツ振興センターや東京キャンパスもつないでの会議

などにも利用予定だ。

 本格的な活用をひかえ、「我々のキャンパス同士ではすでにクリアな音声と鮮明な映像が

維持できており、満足しています。鹿屋体育大学との連携では、一部回線の細い部分もありますが

安定した映像と音声品質を維持できています」と加藤氏は語る。

【今後の展望】 反転授業など新たな教育スタイルへの挑戦も後押し

 今後について中川氏は「まずは実際の体育講義の中で使っていきながら活用の幅を広げて

いきたい」と、加藤氏は「他大学との連携をはじめ、教員同士が行う授業参観のFD(Faculty

Development)を通じて、教育の質をさらに高めていきたい」と期待を寄せる。また、蓄積された

コンテンツを外部公開するオープンコースウェアの活動はもちろん、日常的な講義の復習や

昨年収録した講義を事前に見た上で講義に臨む「反転授業」などの活動にも役立てていきたい

と加藤氏。

 今回の共同専攻プロジェクトは、1つの専攻を2つの大学で行うという先進的な取り組みで、

文部科学省の中でもパイロット的な先進事例だ。この共同専攻により、場所や時間に縛られず

専門性の高い教育を多くの学生に提供できる環境が整った。次世代教育の可能性をさらに

広げる筑波大学の挑戦を、ポリコムのビデオ会議システムが今後も下支えしていくことだろう。

筑波大学学術情報メディアセンター教育クラウド室 室長

加藤和彦 教授(システム情報系)

筑波大学体育系長

中川昭 教授(体育系) 

筑波大学

阿部洋丈 准教授(システム情報系)

筑波大学

長谷部浩二 助教(システム情報系)

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