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地震編

地震編 · 2018-03-22 · 断層帯名 長期評価 で 予想した 地震規模 (M) 地震発生確率※ 我が国の 主な活断層 における 総体的評価 平均活動間隔

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地震編

地震編 目 次

1 鳥取県及びその周辺の地震活動

2 鳥取県及びその周辺の活断層とその評価

1 鳥取県及びその周辺の活断層

2 地震調査委員会で示された主要活断層帯)の長期評価

3 地震調査委員会で示された主要活断層帯以外の内陸の活断層

4 鳥取県における強震動予測に関する特徴

3 鳥取県での被害地震

1 鳥取県に被害を及ぼす地震のタイプ

2 鳥取県内及びその周辺で発生した被害地震

3 鳥取県に被害を及ぼした主な地震(800年以降)

4 近年の被害地震

5 日本海東縁部で発生した地震による津波

4 地震情報、津波情報等

1 地震情報について

2 津波警報・注意報、津波情報、津波予報等について

(1) 津波警報・注意報 (大津波警報、津波警報、津波注意報)

(2) 津波情報

(3) 津波予報

(4) 津波に対する心得

3 緊急地震速報について

(1) 緊急地震速報とは

(2) 緊急地震速報の利用方法

(3) 緊急地震速報の技術的限界

(4) 2011年3月11日14時46分頃に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う緊急地震速報

(5) 緊急地震速報の原理を用いた津波警報・注意報の迅速化

4 鳥取県の地域細分と震度観測点について

5 気象庁震度階級関連解説表

6 南海トラフ地震に関連する情報について

5 出水期における地震災害

1 降雨を誘因として被害が拡大した地震

(1) 「1968年十勝沖地震」

(2) 「昭和59年(1984年)長野県西部地震」

6 積雪期における地震被害

7 火山情報について

1 活火山とは

2 気象庁が発表する火山に関する情報 ~噴火警報、噴火予報~

3 気象庁が発表する火山に関する情報 ~降灰予報(詳細)~

1 鳥取県及びその周辺の地震活動

鳥取県とその周辺で発生する地震は、概して深さが20kmより浅い地震です。県西部では「平成12年

(2000年)鳥取県西部地震」の余震を含めた広範囲の地震活動が、また、県中部では、平成28年(2016

年)鳥取県中部の地震に伴う地震活動が、県中部から県東部にかけては、1943年の鳥取地震が発生した場

所とほぼ同様に東西方向に延びた地震活動が見られます。

このほか、県中部では大山の東麓と倉吉市付近でも南北に走向を持つ形で地震が発生しています。

鳥取県の地震活動(2000年1月~2017年12月:M≧1M:マグニチュード

震度とマグニチュードはどう違うのですか?

震度は、ある場所での地震による揺れの強さをあらわし、マグニチュードは地震そのものの大きさ(規模)をあらわします。これは電球の明るさと周りの明るさとの関係によく似ています。電球の明るさをあらわす値がマグニチュード、電球から離れたある場所の明るさが震度に相当します。つまりマグニチュードが大きくても(電球が明るくても)震源から遠いところでは震度は小さく(暗く)なります。

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq27.html#4 (気象庁ホームページ よくある質問集 より)

2 鳥取県及びその周辺の活断層とその評価2.1 鳥取県及びその周辺の活断層

鳥取県内の活断層としては、県東部に1943年の鳥取地震で動いた鹿野-吉岡断層が東西に延びていま

す。その南側には平行するように岩坪断層が確実度の高い断層として存在します。「平成12年(2000

年)鳥取県西部地震」は、これまで知られていなかった(地表に現れていない)断層が動いたもので

す。

鳥取県の周辺では、岡山県北部から兵庫県南西部には活動度のやや高い山崎断層帯が延びています。

那岐山断層帯及び主部北西部とも地震調査委員会の評価では、今後30年間に地震が発生する確率が我

が国の主な活断層の中ではやや高いグループに属しています。これらの断層で想定される地震が発生

した場合、鳥取県東部及び中部では震度6弱から5強が観測されると予想されています。

図2 鳥取県の活断層図中の細線は、地震調査研究推進本部の長期評価による活断層です。この資料に掲載した地図は、国土地理院の数値地図25000(行政界・海岸線)を使用しています。

山崎断層帯主部北西部

宍道(鹿島)断層

鹿野-吉岡断層

岩坪断層

雨滝-釜戸断層

日南湖断層那岐山断層帯

断層帯名

長期評価

予想した

地震規模

(M)

地震発生確率※ 我が国の

主な活断層

における

総体的評価

平均活動間隔

30年

以内

50年

以内

100年

以内最新活動時期

山崎断層帯

(主部北西部)7.7程度

0.09%

~1%

0.2%

~2%

0.4%

~4%

やや高いグループに

属する

約1800年-2300年

西暦868年(播磨国地震)

山崎断層帯

(那岐山断層帯)7.3程度

0.06%

~0.1%

0.1%

~0.2%

0.2%

~0.4%

やや高いグループに

属する

約24000年-53000年

不明

鹿野-吉岡断層

7.2程度 ほぼ0 ほぼ0 ほぼ030年以内の地震発生確率が0.1%未満

約4600年-9200年

西暦1943年(鳥取地震)

宍道(鹿島)断層

7.0程度もしくはそれ以上

0.9%~6%

2%~10%

3%~20%

高いグループに属する

約3300年-4900年奈良時代以後、鎌倉時代以前西暦880年の出雲地震に対応する可能性

2.2 地震調査委員会で示された主要活断層帯)の長期評価

※「平成7年(1995年)兵庫県南部地震」の地震発生直前の30年確率は0.4~8%でした。

2.3 地震調査委員会で示された主要活断層帯以外の内陸の活断層

断層名断層

長さM 活動間隔

活動間隔

算出根拠※1

30年発生

確率

50年発生

確率

雨滝-釜戸断層 13km 6.7 約20000年 0.05m/千年程度(C級) ほぼ0 -岩坪断層 10km 6.5 - - - -日南湖断層 13km 6.7 - - - -

※1 活断層の活動度は、地震の繰り返し間隔(平均変位速度)によってA級(繰り返し間隔1,000年前後、平均変位速度1mm~1cm/年)、B級(繰り返し間隔10,000年前後、平均変位速度0.1~1mm/年)、C級(繰り返し間隔、10万年前後、平均変位速度0.01~0.1mm/年)の3つに分類されます。

陸域の活断層については、平均活動間隔が大きいことから、今後30年間に発生する確率を計算す

ると、10%にも満たない小さい値となります。

このように確率の値が小さくとも実際に地震が発生した事例があることを踏まえ、活断層につい

ての発生確率の値を理解しておくことが必要です。

参考資料 : 長期的な地震発生確率についての解説 平成13年6月 地震調査委員会事務局

実際に発生した地震の直前の時点における「今後30年間に地震が発生する確率」の暫定値

兵庫県南部地震 暫定的な見積もりとして、0.4%~8%

2.4 鳥取県における強震動予測に関する特徴

下の図は、確率論的地震動予測地図です。日本とその周辺で発生する全ての地震の位置・規模・確

率に基づき、各地が今後見舞われる揺れ(地震動)の「強さ」・「期間」・「確率」の情報を地図に

示したものです。この図は、下のリンク先で閲覧することができます。

鳥取県では、震度6弱以上になる可能性がやや高く(今後30年以内に震度6弱の揺れに見舞われる

確率0.1%~3%)、相対的に最も可能性(影響度)が高いです。

「全国地震動予測地図 手引・解説編 2017年版」p10「確率論的地震動予測地図」今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の地図の例

http://www.jishin.go.jp/main/chousa/17_yosokuchizu/yosokuchizu2017_tk_all.pdf

3 鳥取県での被害地震3.1 鳥取県に被害を及ぼす地震のタイプ

地震のタイプ 被害の例 被害地震の例

鳥取県及びその周辺の

陸域で発生する浅い地震

地震動による被害

・強震動に伴う建造物の倒壊、液状化現象、山崩れ等の斜面崩壊

・ガス・水道・電気等のライフラインの停止

・本震後の余震や降雨による斜面崩壊や地滑り

陸域で発生した浅い地震の断層運動の影響が海域に達し、海底が

隆起(沈降)した場合は津波による被害も発生する

鳥取地震

平成12年(2000年)鳥

取県西部地震

平成28年(2016年)

鳥取県中部の地震

フィリピン海プレートの

沈み込みに伴い発生する

巨大地震

地震動による被害

・強震動に伴う建造物の倒壊、液状化現象、山崩れ等の斜面崩壊

・ガス・水道・電気等のライフラインの停止

南海地震

日本海東縁部で

発生する地震

津波による被害

・流水や漂流物の衝突による建物の被害

・漁船の流失や養殖産業・漁港施設への被害

・田畑等への浸水被害

・川を遡行した津波による被害

新潟地震

日本海中部地震

北海道南西沖地震

鳥取県に大きな被害を及ぼす地震は、主に鳥取県及びその周辺の陸域で発生する浅い地震です。それら

の地震は、太平洋側の海域で発生する海溝型地震ほど規模(マグニチュード:以下Mと表現)が大きくな

くとも、陸域の浅いところで発生することにより、局所的な強い地震動により著しく大きな被害を生じさ

せることがあります。1943年の鳥取地震のように、軟弱な地層が厚く堆積した市街地の近くで発生した場

合、地震動による被害が拡大することがあります。また、沿岸海域の浅い場所でM7クラスの逆断層型

(「鳥取地震」「平成12年(2000年)鳥取県西部地震」「平成28年(2016年)鳥取県中部の地震」は横ず

れ断層型)の地震が発生した場合、1~2mの津波発生の可能性も考えられます。その場合、津波は地震

発生直後には沿岸に到達するおそれがあります。

陸域の浅い地震以外にも想定される南海トラフ沿いの巨大地震(M8クラス)の中で、紀伊半島沖から

四国沖が震源域になった場合、地震動による被害を受けることがあります(1946年南海地震など)。

さらには、「昭和58年(1983年)日本海中部地震」(M7.7)や「平成5年(1993年)北海道南西沖地

震」(M7.8)による津波のように、日本海東縁部の大地震に伴う津波により沿岸域で被害を受けることも

あります。日本海は陸で囲まれているために津波の伝わり方が複雑で、地震から数時間後に津波の高さが

最大になる場合があります。

3.2 鳥取県内及びその周辺で発生した被害地震

1943年(昭和18年)9月10日、鳥取平野のほぼ真下(鹿野-吉岡断層)で鳥取地震(M7.2)が発生し、

鳥取市で震度6を観測、県内では鳥取市を中心に死者1,083名、負傷者3,259名、家屋全壊7,485棟等の被

害が発生しました。この地震の半年前の3月4日と5日には、鳥取地震とほぼ同じ場所で、いずれもM

6.2の地震が発生しました(共に鳥取市で震度5を観測)。

1983年(昭和58年)10月31日、鳥取地震の震源域でM6.2の地震が発生し、負傷者10名、倉吉市東庁舎

(鉄筋コンクリート3階建)柱に剪断破壊が生じる等の被害が発生しました(鳥取市で震度4を観測)。

2000年(平成12年)10月6日、「平成12年(2000年)鳥取県西部地震」が発生し、境港市及び日野町

で震度6強を観測、県西部を中心に、負傷者141名、住家全壊394棟、半壊2,494棟、一部破損14,134棟な

どの被害が発生しました。

県中部では、2002年 (平成14年)9月16日にM5.5の地震が発生し、鳥取県内で住家一部破損、ブロッ

ク塀一部破損等の被害が発生しました(県内最大震度4、下図に記載なし)。

また、2016年(平成28年)10月21日にM6.6の地震が発生し、鳥取県内で住家全壊18棟、住家一部損壊

15,062棟、負傷者25人等の被害が発生しました(県内最大震度6弱)。

周辺地域で発生し鳥取県内に被害を及ぼした地震としては、1927年(昭和2年)の北丹後地震(M7.3)が

あり、鳥取で負傷者1名、米子で家屋倒壊2棟等の被害が発生しています。

鳥取地震震源域

鳥取地震

鳥取県西部地震

鳥取県中部の地震

鳥取県西部地震震源域

鳥取県及びその周辺で発生した主な被害地震(800年以降、M≧6)

凡例 水 色 880年~1800年黄緑色 1801年~1950年赤 色 1951年~2016年

鳥取県に被害を及ぼした主な地震(1900年以降)

北海道南西沖地震1993年7月12日 M7.8

北丹後地震1927年3月7日 M7.3

鳥取地震1943年9月10日 M7.2

南海地震1946年12月21日 M8.0

新潟地震1964年6月16日 M7.5

鳥取県西部地震2000年10月6日 M7.3

日本海中部地震1983年5月26日 M7.7

北但馬地震1925年5月23日 M6.8

兵庫県南部地震1995年1月17 M7.3

鳥取県中部の地震2016年10月21日 M6.6

3.3 鳥取県に被害を及ぼした主な地震(800年以降)

※主な被害は鳥取県内の被害

西暦(和暦) 地域(名称) M 主な被害

880(元慶4).11.23 出雲 7 鳥取県に限定した被害記述なし

1710(宝永7).10.3 伯耆・美作 6.5河村、久米両郡(現東伯郡)で被害最大。倉吉・八橋町・大山・鳥取で被害。伯耆で死者75名、家屋倒壊1,092棟

1711(正徳1).3.19 伯耆 6 ¼ 因幡、伯耆両国で死者4名。家屋倒壊380棟

1854(安政1).12.24 (安政南海地震) 8 2/5 南海沖の巨大地震。鳥取で家屋倒壊10棟

1925(大正14).5.23 (北但馬地震) 6.8 境港市で震度4(気象庁)、余震数24日11回、25日8回(鳥取新報)

1927(昭和2).3.7 (北丹後地震) 7.3 鳥取で負傷者1名、米子で家屋倒壊2棟

1943(昭和18).3.4鳥取沖

6.2両地震で軽傷者11名、建物(含非住家、塀など)倒壊68棟

1943(昭和18).3.5 6.2

1943(昭和18).9.10 (鳥取地震) 7.2鳥取市を中心に大きな被害、死者1,083名、負傷者3,259名、家屋全壊7,485棟

1946(昭和21).12.21 (南海地震) 8 死者2名、負傷者3名、家屋全壊16棟

1983(昭和58).10.31 鳥取県沿岸 6.2負傷者13名、倉吉市東庁舎(鉄筋コンクリート3階建)柱に剪断破壊、家屋一部損壊689棟

1995(平成7).1.17 (兵庫県南部地震) 7.3

阪神・淡路大震災、鳥取市・境港市で震度4(気象庁)、県消防防災課が(18日)午後4時現在でまとめた地震による県内の被害状況は、けが人が軽傷1人:建物の一部損壊10件(公共建物3件、その他の建物2件、公立学校4件、私立学校1件):水道施設損壊4件となっている。」毎日新聞 (1月18日)

2000(平成12).10.6 (鳥取県西部地震) 7.3 負傷者141名、住家全壊394棟、半壊2,494棟、一部破損14,134棟

2016(平成28).10.21 鳥取県中部 6.6 負傷者25名、住家全壊18棟、半壊312棟、一部破損15,062棟

3.4 近年の被害地震

3.5 日本海東縁部で発生した地震による津波

近年、東北日本の日本海側沖合において、「昭和58年(1983年)日本海中部地震」や「平成5年(1993

年)北海道南西沖地震」などの大きな地震が南北に連なるように発生しています。また、日本海東縁部

に沿って、プレート境界(大陸側がユーラシアプレート、日本側が北米プレート)があるとする説も

出されています。このことから、この地域で発生する地震を日本海東縁部の地震と呼びます。

地震 M

津波の高さ

鳥取県内の被害状況境検潮所

の記録

現地調査

(最大)

新潟地震

1964(昭和39).6.167.5 76cm

新潟地震の鳥取県内現地調査及び被害を記載した文献は

ありません。

日本海中部地震

1983(昭和58).5.267.7 42cm 120cm

一部の漁港で船が岸壁に接触して軽微な損傷を受けた。

北海道南西沖地震

1993(平成5).7.127.8 37cm 90cm

赤碕町(現琴浦町)赤碕漁港で係留中の遊漁船(1.7t)

が転覆。青谷町(現鳥取市青谷町)の夏泊漁港と長和瀬

漁港で漁船数隻が岸壁に乗り上げ一部損傷。

-引用文献(参考文献)-

宇佐美龍夫(2013):日本被害地震総覧599-2012,東京大学出版会

活断層研究会編(1991):新編日本の活断層-分布図と資料,東京大学出版会

勝又護編(1993):地震・火山の事典,東京堂出版

気象庁:地震・火山月報(防災編)

気象庁(1965):気象庁技術報告第43号-昭和39年6月16日新潟地震調査報告

気象庁(1984):気象庁技術報告第95号-昭和58年(1983年)日本海中部地震調査報告

気象庁(1995):気象庁技術報告第117号-平成5年(1993年)北海道南西沖地震調査報告

地震調査委員会編(1999):日本の地震活動-被害地震から見た地域別の特徴(追補版)

地震調査委員会(2005):「全国を概観した地震動予測地図」報告書

渡辺偉夫(1985):日本被害津波総覧,東京大学出版会

地震調査研究推進本部ホームページ:

http://www.jishin.go.jp/

消防庁応急対策室ホームページ:

鳥取県中部を震源とする地震(第37報)平成29年10月20日(金)16時00分 :

http://www.fdma.go.jp/bn/bbd1e13f1951e93d94895b022e4db0a11f94fe26.pdf

4 地震情報、津波情報等

気象庁は、全国の地震活動を24時間体制で監視しています。日本やその周辺で地震が発生すると、全

国2か所の津波予報中枢(気象庁本庁、大阪管区気象台)は、各地の地震計や震度計のデータを解析す

ることにより、震源の位置と地震の規模(M)を計算し、震度とあわせて発表しています。平成15年

(2003年)度からは、震度データと地盤の情報を用いて、震度の分布を点ではなく面的に推計する推計震

度分布図を提供しています。

また、津波を引き起こす可能性のある大きな地震が発生した場合には、予め計算しておいた津波数値

シミュレーション(沿岸での津波の高さや到達に要する時間の予測)結果の中から、発生した地震の位置

やMに対応するものを選び出し、それをもとに津波を予測します。その結果、沿岸に被害を及ぼすよう

な津波の発生が予想される場合は、直ちに津波警報・注意報を発表します。津波警報・注意報というの

は「大津波警報、津波警報、津波注意報」を指します。

4.1 地震情報について

地震情報の種類

地震情報の種類 発表基準 内 容

震度速報 震度3以上地震発生約1分半後に、震度3以上を観測した地域名(全国を188地域に区分)と地震の揺れの発現時刻を速報。

震源に関する情報

震度3以上(津波警報または注意報を発表した場合は発表しない)

地震の発生場所(震源)やその規模(マグニチュード)を発表。

「津波の心配ない」または「若干の海面変動があるかもしれないが被害の心配はない」旨を付加。

震源・震度に関する情報

以下のいずれかを満たした場合・震度3以上・津波警報または注意報発表時・若干の海面変動が予想される場合・緊急地震速報(警報)を発表した場合

地震の発生場所(震源)やその規模(マグニチュード)震度3以上の地域名と市町村名を発表。

震度5弱以上と考えられる地域で、震度を入手していない地点がある場合は、その市町村名を発表。

各地の震度に関する情報

震度1以上

震度1以上を観測した地点のほか、地震の発生場所(震源)やその規模(マグニチュード)を発表。震度5弱以上と考えられる地域で、震度を入手していない地点がある場合は、その地点名を発表。※ 地震が多数発生した場合には、震度3以上の地震についてのみ発表し、震度2以下の地震については、その発生回数を「地震情報(地震回数に関する情報)」で発表します。

遠地地震に関する情報

国外で発生した地震について以下のいずれかを満たした場合等

地震の発生時刻、発生場所(震源)やその規模(マグニチュード)を概ね30分以内に発表。

日本や国外への津波の影響に関しても記述して発表。・マグニチュード7.0以上

・都市部など著しい被害が発生する可能性がある地域で規模の大きな地震を観測した場合

その他の情報顕著な地震の震源要素を更新した場合や地震が多発した場合など

顕著な地震の震源要素更新のお知らせや地震が多発した場合の震度1以上を観測した地震回数情報等を発表。

推計震度分布図 震度5弱以上観測した各地の震度データをもとに、1km四方ごとに推計した震度(震度4以上)を図情報として発表。

気象庁ホームページ 地震情報についてhttp://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/joho/seisinfo.html

4.2 津波警報・注意報、津波情報、津波予報等について(1)津波警報・注意報 (大津波警報、津波警報、津波注意報)

気象庁は、地震が発生した時には地震の規模や位置をすぐに推定し、これらをもとに沿岸で予想される

津波の高さを求め、地震が発生してから約3分(一部の地震※については最速2分程度)を目標に、大津

波警報、津波警報または津波注意報を津波予報区単位(鳥取県は「鳥取県」津波予報区)で発表します。

気象庁は、全国を66区域に分けた津波予報区に対して、津波警報や注意報等を発表しています。

津波予報区の配置図 ( 鳥取県及び西日本付近 )

http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/joho/t-yohokuinfo.html

※ 日本近海で発生し、緊急地震速報の技術によって精度の良い震源位置やMが迅速に求められる地震

この時、予想される津波の高さは、通常は5段階の数値で発表します。ただし、地震の規模(M)が8

を超えるような巨大地震に対しては、精度のよい地震の規模をすぐに求めることができないため、その海

域における最大の津波想定等をもとに津波警報・注意報を発表します。その場合、最初に発表する大津波

警報や津波警報では、予想される津波の高さを「巨大」や「高い」という言葉で発表して、非常事態であ

ることを伝えます。

このように予想される津波の高さを「巨大」などの言葉で発表した場合には、その後、地震の規模が精

度よく求められた時点で津波警報を更新し、予想される津波の高さも数値で発表します。

〈津波警報・注意報の種類 〉

* 大津波警報は、特別警報に位置づけられています。特別警報に関する詳しい情報は、「特別警報について」のページ http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/index.htmlをご覧ください。

津波警報・注意報と避難のポイント

・震源が陸地に近いと津波警報が津波の襲来に間に合わないことがあります。強い揺れや弱くても長い

揺れがあったらすぐに避難を開始しましょう。

・津波の高さを「巨大」と予想する大津波警報が発表された場合は、東日本大震災のような巨大な津波

が襲うおそれがあります。直ちにできる限りの避難しましょう。

・津波は沿岸の地形等の影響により、局所的に予想より高くなる場合があります。ここなら安心と思わ

ず、より高い場所を目指して避難しましょう。

・津波は長い時間くり返し襲ってきます。津波警報が解除されるまでは、避難を続けましょう。

(2) 津波情報

津波警報・注意報(大津波警報、津波警報、津波注意報)を発表した場合には、津波の到達予想時刻

や予想される津波の高さなどを津波情報で発表します。

〈津波情報の種類 〉

種類 内容

各津波予報区の津波の到達予想時刻※

や予想される津波の高さ(発表内容は津波警報・注意報の種類の表に記載)を発表します。

※ この情報で発表される到達予想時刻は、各津波予報区でもっとも早く津波が到達する時刻です。場所によっては、この時刻よりも1時間以上遅れて津波が襲ってくることもあります。

各地の満潮時刻・津波到達予想時刻に関する情報

主な地点の満潮時刻・津波の到達予想時刻を発表します。

津波観測に関する情報  *1 沿岸で観測した津波の時刻や高さを発表します。

津波到達予想時刻・ 予想される津波の高さに関する情報

沖合の津波観測に関する情報 *2沖合で観測した津波の時刻や高さ、及び沖合の観測値から推定される沿岸での津波の到達時刻や高さを津波予報区単位で発表します。

*1  津波観測に関する情報 沿岸で観測された津波の最大波の発表内容

警報・注意報の発表状況 観測された津波の高さ 内容

1m超 数値で発表

1m以下 「観測中」と発表

0.2m以上 数値で発表

0.2m未満 「観測中」と発表

津波注意報を発表中 (すべての場合)数値で発表(津波の高さがごく小さい場合は「微弱」と表現。)

警報・注意報の発表状況沿岸で推定される津波の

高さ内容

3m超沖合での観測値、沿岸での推定値とも数値で発表

3m以下沖合での観測値を「観測中」、沿岸での推定値を「推定中」と発表

1m超沖合での観測値、沿岸での推定値とも数値で発表

1m以下沖合での観測値を「観測中」、沿岸での推定値を「推定中」と発表

津波注意報を発表中 (すべての場合)沖合での観測値、沿岸での推定値とも数値で発表

大津波警報を発表中

津波警報を発表中

大津波警報を発表中

津波警報を発表中

*2  沖合の津波観測に関する情報 沖合で観測された津波の最大波 (観測値及び沿岸での推定値※)の発表内容

※ 沿岸からの距離が100kmを超えるような沖合の観測点では、津波予報区との対応付けが難しいため、沿岸での推定値は発表しません。また、最大波の観測値については、数値ではなく「観測中」の言葉で発表して、津波が到達中であることを伝えます。

(3) 津波予報

地震発生後、津波による災害が起こるおそれがない場合には、以下の内容を津波予報で発表します。

〈津波予報の発表基準とその内容〉

発表される場合 内容

津波が予想されないとき 津波の心配なしの旨を地震情報に含めて発表します。

0.2m未満の海面変動が予想されたとき

高いところでも0.2m未満の海面変動のため被害の心配はなく、特段の防災対応の必要がない旨を発表します。

津波注意報解除後も海面変動が継続するとき

津波に伴う海面変動が観測されており、今後も継続する可能性が高いため、海に入っての作業や釣り、海水浴などに際しては十分な留意が必要である旨を発表します。

(4) 津波に対する心得

1. 強い地震(震度4程度)を感じたとき又は弱い地震であっても長い時間ゆっくりとした揺れを感じたときは、直ちに海浜から離れ、急いで安全な場所に避難する。

2. 地震を感じなくても、津波警報が発表されたときは、直ちに海浜から離れ、急いで安全な場所に避難する。

3. 正しい情報をラジオ、テレビ、広報車などを通じて入手する。

4. 津波注意報でも、海水浴や磯釣りは危険なので行わない。

5. 津波は繰り返し襲ってくるので、警報、注意報解除まで気をゆるめない。

http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/joho/seisinfo.html

注意:「津波警報・注意報」は「大津波警報、津波警報、津波注意報」のことです。

地震及び津波に関する情報の流れ

震源の近くで地震波を観測

緊急地震速報発表

気象庁

利活用

伝 達

防災関係機関

迅速な災害対応、住民の安全確保

公共施設

病院、学校における避難、安全確保

住 民

火の元の確認、避難

交通機関、エレベータ等

緊急停止による危険回避

企業・工場

生産設備の被害軽減、重要データのバックアップ、作業者の安全確保

4.3 緊急地震速報について(1) 緊急地震速報とは

地震が発生すると、地中ではP波(初期微動)とS波(主要動)と呼ばれる2つの地震波が伝搬します。

地震波の伝搬速度は、P波(6~8km/s)の方がS波(3~4km/s)より速いため、はじめに比較的

小さな揺れのP波が伝わり、それから主要動と呼ばれる大きな揺れをもたらすS波が伝わってきます。

緊急地震速報は、地震発生時に震源に近い観測点で得られたP波を使って、震源、地震の規模

(M)及び各地の震度を秒単位という短時間で推定し、情報として発表するものであり、これを様々

な伝達(通信)手段により、主要動(大きな揺れ)の到達前に利用者に提供することを目指すもので

す。

なお、震源に近い地域では、緊急地震速報が強い揺れに間に合わないことがあります。予測震度は

±1階級程度の誤差を伴う場合もあります。緊急地震速報を有効に活用するには、緊急地震速報を見

聞きした際は、適切に行動できるよう日頃から『訓練』しておくことが大切です。毎年2回(5月~

7月頃と11月頃)、全国的な訓練が予定されていますので、是非、参加して頂きますようお願いしま

す。

1:地震観測点でP波の観測 ・・・①データ解析による推定

2:震源の位置、深さ、地震の規模(M)の推定 ・・・②経験的手法に基づく推定

精度の良いものを津波警報・注意報の発表に活用

3:各震度観測点における主要動到達時刻、震度の推定 ・・・②

4:地域毎の主要動到達時刻、震度の推定 ・・・②

震度については最も大きく推定された地点の震度を、主要動到達時刻については最も早く推定された地点での到達予想時刻を、それぞれ地域の代表とする。

5:緊急地震速報の発表 ・・・ ②

6:お知らせ ・・・③

(緊急地震速報発表までの流れ)

(緊急地震速報のながれ)

http://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/nc/shikumi/whats‐eew.html気象庁ホームページ :

緊急地震速報(警報)

最⼤震度5弱以上が推定される地震で、震度4以上が推定される地域(地震情報に⽤いる地域)毎に

「強い揺れのおそれがある」旨を発表します。

(緊急地震速報を見聞きしたときは)

緊急地震速報は地震が発生してからその揺れを検知し、解析して発表する情報です。一般に、皆さま

が緊急地震速報を見聞きしてから、地震の強い揺れが到達するまでの時間はわずかしかありません。数

秒から長くても数十秒程度と極めて短い時間になります。

緊急地震速報を見聞きしたときは、この短い間に身を守るための行動を取る必要があります。短い間

に行動を起こすために、緊急地震速報が発表されたことが即座にわかるよう、専用の音(報知音)を覚

えておくとよいでしょう。

(専用の音(報知音))緊急地震速報が発表されたことが即座にわかるよう事前に、テレビやラジオ、携帯電話などから報じ

られる専用の音(報知音)を確認しておきましょう。報知音を覚えておくと、緊急地震速報が発表され

たときに、とっさに身を守る行動がとれるようになり、緊急地震速報をより有効に利用できるようにな

ります。

報知音の主なものには、テレビやラジオ、防災行政無線、受信端末などで使用されている「チャイム

音」と、携帯電話会社(NTT ドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク、ワイモバイル)共通の専用の「ブ

ザー音」があります。「チャイム音」はNHKが、「ブザー音」はNTTドコモが緊急地震速報に確実に

気付いてもらうために開発したもので、それぞれのホームページで試聴することができます。

(日頃からの備えが重要)

緊急地震速報を見聞きしたときの行動は、まわりの人に声をかけながら「周囲の状況に応じて、あわ

てずに、まず身の安全を確保する」ことが基本です。また、身を守る基本行動は「姿勢を低くして、頭

を守り、揺れが収まるまで動かない」です。

就寝中に緊急地震速報を聞いた場合など、とっさの安全確保行動がとれない可能性もあります。いざ

という時に円滑に対応するため、平素から地震の揺れに備えて寝室や居間など室内のよくいるところに

「物が落ちてこない、倒れてこない、移動してこない」室内の安全スペースを作っておきましょう。日

頃から地震への備えを心がけることが重要です。

日頃からできる備えの例

・住宅、建造物の耐震化

・家具などの転倒・移動防止

・備品の落下防止

・ガラスなどの飛散防止

5月~7月頃と11月5日(津波防災の日)前後には緊急地震速報の訓練を実施しています。これらの

機会や、お住まいの自治体が行う訓練に参加して、定期的に地震から身を守る対応行動を身につけてお

きましょう。

(2) 緊急地震速報の利用方法

(行動の具体例)周囲の状況により具体的な行動は異なります。日頃からいざという時の行動を考えておきましょう。

○屋内にいるとき

<家庭では>頭を保護し、丈夫な机の下など安全な場所に避難してください。あわてて外に飛び出さないでください。無理に火を消そうとしないでください。

<人がおおぜいいる施設では>施設の係員の指示に従ってください。落ち着いて行動し、あわてて出口には走り出さないでください。

○乗り物にのっているとき

<自動車運転中は>あわててスピードを落とさないでください。ハザードランプを点灯し、まわりの車に注意を促してください。急ブレーキはかけず、緩やかに速度をおとしてください。大きな揺れを感じたら、道路の左側に停止してください。

<鉄道やバスなどに乗車中は>つり革や手すりにしっかりつかまってください。

<エレベーターでは>最寄りの階で停止させて、すぐに降りてください。

○屋外にいるとき

<街中では>ブロック塀の倒壊等に注意してください。看板や割れたガラスの落下に注意してください。丈夫なビルのそばであれば、ビルの中に避難してください。

<山やがけ付近では>落石やがけ崩れに注意してください。

(状況により的確な緊急地震速報を発表できないことがあります)複数の地震が時間的・距離的に近接して発生した場合に、別々の地震と認識できず、規模の大きな1

つの地震が発生したと認識するなどして、的確な緊急地震速報を発表できないことがあります。(予想

震度の誤差が大きくなることや、予想震度が大きな緊急地震速報を遅れて発表することがあります。)

(3) 緊急地震速報の技術的限界

(緊急地震速報が強い揺れの到達に間に合わない場合があります)解析や伝達に一定の時間(数秒程度)がかかるため、内陸の浅い場所で地震が発生した場合などにおい

て、震源に近い場所への緊急地震速報の提供が強い揺れの到達に原理的に間に合いません。

(4) 2011年3月11日14時46分頃に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う緊急地震速報

2011年3月11日14時46分頃に発生した東北地方太平洋沖の地震(M9.0)では、震源に最も近い観測点

で地震波を検知してから8.6秒後に緊急地震速報の第1報を発信しています。緊急地震速報の第1報発信

から主要動到達までの時間は、震度7を観測した栗原市では約19秒、震度6強を観測した浪江町、高萩

市及び宇都宮市ではそれぞれ約19秒、約35秒及び約49秒後と見込まれました。

地震発生日時 震央地名 北緯 東経 深さ M 最大震度平成23年03月11日14時46分8.1秒 三陸沖 38°06.2′ 142°51.6′ 24km 9.0 7

(発生した地震の概要)

(緊急地震速報 提供状況の詳細)

※1 最大震度1程度※2 最大震度3程度※3 震度4程度

宮城県中部、宮城県北部、岩手県沿岸南部、岩手県内陸南部、岩手沿岸北部、宮城県南部、福島県浜通り※4 震度4から5弱程度 ・・・・・最大震度5弱を予想、緊急地震速報(警報)を発表

宮城県中部震度4程度

宮城県北部、岩手県沿岸南部、岩手県内陸南部、岩手県沿岸北部、宮城県南部、福島県浜通り、福島県中通り震度3から4程度

山形県最上、岩手県内陸北部、秋田県内陸南部、山形県村山※5 震度3から4程度

宮城県中部※6 震度4程度

宮城県中部、宮城県北部、岩手県沿岸南部

※12 震度5弱から6弱程度宮城県中部

震度5弱から5強程度宮城県北部、岩手県沿岸南部、岩手県内陸南部、岩手県沿岸北部、宮城県南部、福島県浜通り

震度4から5弱程度福島県中通り、山形県最上、岩手県内陸北部、山形県村山、秋田県内陸南部、茨城県北部

震度4程度山形県置賜、福島県会津、栃木県北部、山形県庄内、秋田県沿岸南部、青森県三八上北、栃木県南部、新潟県下越、茨城県南部、秋田県沿岸北部、秋田県内陸北部、千葉県北東部、千葉県北西部、新潟県中越、埼玉県北部、埼玉県南部、東京都23区、神奈川県東部

震度3から4程度青森県津軽南部、青森県津軽北部、群馬県北部、群馬県南部、青森県下北、千葉県南部、新潟県佐渡、新潟県上越

緊急地震速報 第1報提供から主要動到達

までの時間(秒)

初めて5弱以上を予想

(5) 緊急地震速報の原理を用いた津波警報・注意報の迅速化

平成18年10月2日から緊急地震速報の自動処理技術を活用することにより、津波警報・注意報に有効な

震源と規模が短時間で得られることから、一部の地震では津波警報・注意報発表までの時間を最速2分以

内に短縮することが可能となりました。ただし、沿岸から離れた場所で地震が発生した場合などには、緊

急地震速報の自動処理による震源が津波警報・注意報に使える精度に達しないこともあります。そのよう

な場合には、従来どおりの手順により津波警報・注意報を発表します(津波警報・注意報発表まで3分程

度)。

緊急地震速報の技術を活用した津波警報・注意報の迅速化

津波警報・注意報迅速化時の時間経過

地震

震度速報

津波情報

震源震度

に関する情報

各地の震度

に関する情報

大津波警報・津波警報・津波注意報

1分半 5分2‐3分

4.4 鳥取県の地域細分と震度観測点について

境港市

⿃取南部町

⽇吉津村

⽶⼦市伯耆町

⽇南町

⿃取⽇野町

⼤⼭町

江府町

琴浦町

北栄町 湯梨浜町

三朝町倉吉市

⿃取市

智頭町

⼋頭町

⿃取若桜町

岩美町

● 気象庁震度観測点(6ヶ所)■ 鳥取県震度観測点(34ヶ所)◆ 防災科学技術研究所震度観測点(6ヶ所)

鳥取県の地域細分及び震度観測点一覧(平成25年7月30日現在)

⿃取県東部⿃取県中部⿃取県⻄部

人の体感・行動、屋内の状況、屋外の状況

震度階級

人の体感・行動 屋内の状況 屋外の状況

0人は揺れを感じないが、地震計には記録される。

- -

1屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに感じる人がいる。

- -

2屋内で静かにしている人の大半が、揺れを感じる。眠っている人の中には、目を覚ます人もいる。

電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる。

屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。歩いている人の中には、揺れを感じる人もいる。眠っている人の大半が、目を覚ます。

棚にある食器類が音を立てることがある。

電線が少し揺れる。

4ほとんどの人が驚く。歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。

電灯などのつり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。座りの悪い置物が、倒れることがある。

電線が大きく揺れる。自動車を運転していて、揺れに気付く人がいる。

5弱大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。

電灯などのつり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。座りの悪い置物の大半が倒れる。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。

まれに窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。道路に被害が生じることがある。

5強大半の人が、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。

棚にある食器類や書棚の本で、落ちるものが多くなる。テレビが台から落ちることがある。固定していない家具が倒れることがある。

窓ガラスが割れて落ちることがある。補強されていないブロック塀が崩れることがある。据付けが不十分な自動販売機が倒れることがある。自動車の運転が困難となり、停止する車もある。

6弱 立っていることが困難になる。固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。ドアが開かなくなることがある。

壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。

6強 立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。

固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。

壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物が多くなる。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。

固定していない家具のほとんどが移動したり倒れたりし、飛ぶこともある。

壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物がさらに多くなる。補強されているブロック塀も破損するものがある。7

4.5 気象庁震度階級関連解説表

木造建物(住宅)の状況

震度階級

木造建物(住宅)

耐震性が高い 耐震性が低い

5弱 - 壁などに軽微なひび割れ・亀裂がみられることがある。

5強 - 壁などにひび割れ・亀裂がみられることがある。

6弱 壁などに軽微なひび割れ・亀裂がみられることがある。

壁などのひび割れ・亀裂が多くなる。壁などに大きなひび割れ・亀裂が入ることがある。瓦が落下したり、建物が傾いたりすることがある。倒れるものもある。

6強 壁などにひび割れ・亀裂がみられることがある。壁などに大きなひび割れ・亀裂が入るものが多くなる。傾くものや、倒れるものが多くなる。

7壁などのひび割れ・亀裂が多くなる。まれに傾くことがある。

傾くものや、倒れるものがさらに多くなる。

(注1)木造建物(住宅)の耐震性により2つに区分けした。耐震性は、建築年代の新しいものほど高い傾向があり、概ね昭和56年(1981年)以前は耐震性が低く、昭和57年(1982年)以降には耐震性が高い傾向がある。しか し、構法の違いや壁の配置などにより耐震性に幅があるため、必ずしも建築年代が古いというだけで耐震性の高低が決まるものではない。既存建築物の耐震性は、耐震診断により把握することができる。

(注2)この表における木造の壁のひび割れ、亀裂、損壊は、土壁(割り竹下地)、モルタル仕上壁(ラス、金網下地を含む)を想定している。下地の弱い壁は、建物の変形が少ない状況でも、モルタル等が剥離し、落下しやすくなる。

(注3)木造建物の被害は、地震の際の地震動の周期や継続時間によって異なる。平成20 年(2008年)岩手・宮城内陸地震のように、震度に比べ建物被害が少ない事例もある。

鉄筋コンクリート造建物の状況

震度階級

鉄筋コンクリート造建物

耐震性が高い 耐震性が低い

5強 - 壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が入ることがある。

6弱壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が入ることがある。

壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が多くなる。

6強壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が多くなる。

壁、梁(はり)、柱などの部材に、斜めや X状のひび割れ・亀裂がみられることがある。1階あるいは中間階の柱が崩れ、倒れるものがある。

壁、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂がさらに多くなる。1階あるいは中間階が変形し、まれに傾くものがある。

壁、梁(はり)、柱などの部材に、斜めや X状のひび割れ・亀裂が多くなる。1階あるいは中間階の柱が崩れ、倒れるものが多くなる。

(注1)鉄筋コンクリート造建物では、建築年代の新しいものほど耐震性が高い傾向があり、概ね昭和56年(1981年)以前は耐震性が低く、昭和57年(1982年)以降は耐震性が高い傾向がある。しかし、構造形式や平面的、立面的な耐震壁の配置により耐震性に幅があるため、必ずしも建築年代が古いというだけで耐震性の高低が決まるものではない。既存建築物の耐震性は、耐震診断により把握することができる。

(注2) 鉄筋コンクリート造建物は、建物の主体構造に影響を受けていない場合でも、軽微なひび割れがみられることがある。

地盤・斜面等の状況

震度階級

地盤の状況 斜面等の状況

5弱亀裂※1や液状化※2が生じることがある。落石やがけ崩れが発生することがある。

5強

6弱 地割れが生じることがある。 がけ崩れや地すべりが発生することがある。

6強大きな地割れが生じることがある。 がけ崩れが多発し、大規模な地すべりや山体の崩壊が発生することがある※3。

※1 亀裂は、地割れと同じ現象であるが、ここでは規模の小さい地割れを亀裂として表記している。※2 地下水位が高い、ゆるい砂地盤では、液状化が発生することがある。液状化が進行すると、地面からの泥水

の噴出や地盤沈下が起こり、堤防や岸壁が壊れる、下水管やマンホールが浮き上がる、建物の土台が傾いたり壊れたりするなどの被害が発生することがある。

※3 大規模な地すべりや山体の崩壊等が発生した場合、地形等によっては天然ダムが形成されることがある。また、大量の崩壊土砂が土石流化することもある。

ライフライン・インフラ等への影響

ガス供給の停止安全装置のあるガスメーター(マイコンメーター)では震度5弱程度以上の揺れで遮断装置が作動し、ガスの供給を停止する。さらに揺れが強い場合には、安全のため地域ブロック単位でガス供給が止まることがある※。

断水、停電の発生 震度5弱程度以上の揺れがあった地域では、断水、停電が発生することがある※。

鉄道の停止、高速道路の規制等

震度4程度以上の揺れがあった場合には、鉄道、高速道路などで、安全確認のため、運転見合わせ、速度規制、通行規制が、各事業者の判断によって行われる。(安全確認のための基準は、事業者や地域によって異なる。)

電話等通信の障害

地震災害の発生時、揺れの強い地域やその周辺の地域において、電話・インターネット等による安否確認、見舞い、問合せが増加し、電話等がつながりにくい状況(ふくそう)が起こることがある。そのための対策として、震度6弱程度以上の揺れがあった地震などの災害の発生時に、通信事業者により災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板などの提供が行われる。

エレベーターの停止地震管制装置付きのエレベーターは、震度5弱程度以上の揺れがあった場合、安全のため自動停止する。運転再開には、安全確認などのため、時間がかかることがある。

※震度6強程度以上の揺れとなる地震があった場合には、広い地域で、ガス、水道、電気の供給が停止することがある。

大規模構造物への影響

長周期地震動※による超高層ビルの揺れ

超高層ビルは固有周期が長いため、固有周期が短い一般の鉄筋コンクリート造建物に比べて地震時に作用する力が相対的に小さくなる性質を持っている。しかし、長周期地震動に対しては、ゆっくりとした揺れが長く続き、揺れが大きい場合には、固定の弱いOA機器などが大きく移動し、人も固定しているものにつかまらないと、同じ場所にいられない状況となる可能性がある。

石油タンクのスロッシング

長周期地震動により石油タンクのスロッシング(タンク内溶液の液面が大きく揺れる現象)が発生し、石油がタンクから溢れ出たり、火災などが発生したりすることがある。

大規模空間を有する施設の天井等の破損、脱落

体育館、屋内プールなど大規模空間を有する施設では、建物の柱、壁など構造自体に大きな被害を生じない程度の地震動でも、天井等が大きく揺れたりして、破損、脱落することがある。

※規模の大きな地震が発生した場合、長周期の地震波が発生し、震源から離れた遠方まで到達して、平野部では地盤の固有周期に応じて長周期の地震波が増幅され、継続時間も長くなることがある。

使用にあたっての留意事項

・気象庁が発表している震度は、原則として地表や低層建物の一階に設置した震度計による観測値です。

この資料は、ある震度が観測された場合、その周辺で実際にどのような現象や被害が発生するかを示

すもので、それぞれの震度に記述される現象から震度が決定されるものではありません。

・地震動は、地盤や地形に大きく影響されます。震度は震度計が置かれている地点での観測値であり、

同じ市町村であっても場所によって震度が異なることがあります。また、中高層建物の上層階では一

般に地表より揺れが強くなるなど、同じ建物の中でも、階や場所によって揺れの強さが異なります。

・震度が同じであっても、地震動の振幅(揺れの大きさ)、周期(揺れが繰り返す時の1回あたりの時

間の長さ)及び継続時間などの違いや、対象となる建物や構造物の状態、地盤の状況により被害は異

なります。

・この資料では、ある震度が観測された際に発生する被害の中で、比較的多く見られるものを記述して

おり、これより大きな被害が発生したり、逆に小さな被害にとどまる場合もあります。また、それぞ

れの震度階級で示されている全ての現象が発生するわけではありません。

・この資料は、主に近年発生した被害地震の事例から作成したものです。今後、5年程度で定期的に内

容を点検し、新たな事例が得られたり、建物・構造物の耐震性の向上等によって実状と合わなくなっ

た場合には変更します。

・この資料では、被害などの量を概数で表せない場合に、一応の目安として、次の副詞・形容詞を用い

ています。

※気象庁では、アンケート調査などにより得られた震度を公表することがありますが、これらは「震度○相当」と表現して、震度計の観測から得られる震度と区別しています。

用語 意味

まれに 極めて少ない。めったにない。

わずか 数量・程度が非常に少ない。ほんの少し。

大半 半分以上。ほとんどよりは少ない。

ほとんど 全部ではないが、全部に近い。

が(も)ある、当該震度階級に特徴的に現れ始めることを表し、量的には多くはないがそ

の数量・程度の概数を表現できかねる場合に使用。が(も)いる

多くなる 量的に表現できかねるが、下位の階級より多くなることを表す。

さらに多くなる上記の「多くなる」と同じ意味。下位の階級で上記の「多くなる」が使われて

いる場合に使用。

4.6 南海トラフ地震に関連する情報について

南海トラフ地震に関連する情報の種類と発表条件南海トラフ全域を対象として、異常な現象を観測した場合や地震発生の可能性が相対的に高まっている

と評価した場合等に、「南海トラフ地震に関連する情報」の発表を行います。

情報名 情報発表条件

南海トラフ地震に関連する情報(臨時)

・南海トラフ沿いで異常な現象(※1)が観測され、その現象が南海トラフ沿いの大規模な地震と関連するかどうか調査を開始した場合、または調査を継続している場合

・観測された現象を調査した結果、南海トラフ沿いの大規模な地震発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと評価された場合

・南海トラフ沿いの大規模な地震発生の可能性が相対的に高まった状態ではなくなったと評価された場合

南海トラフ地震に関連する情報(定例)

・「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の定例会合において評価した調査結果を発表する場合

○本情報の運用開始に伴い、東海地震のみに着目した情報(東海地震に関連する情報)の発表は行いません。○本情報を発表していなくても、南海トラフ沿いの大規模地震が発生することもあります。※1 南海トラフ沿いでM7以上の地震が発生した場合や東海地域に設置されたひずみ計に有意な

変化を観測した場合など、気象庁が調査を開始する対象となる現象で、具体的には次のとおりです。

気象庁が調査を開始する対象となる現象

・想定震源域(※2)内でマグニチュード7.0以上の地震が発生

・想定震源域(※2)内でマグニチュード6.0以上の(或いは震度5弱以上を観測した)地震が発生し、ひずみ計(※3)で当該地震に対応するステップ状の変化(※4)以外の特異な変化を観測

・1カ所以上のひずみ計(※3)で有意な変化を観測し、同時に他の複数の観測点でもそれに関係すると思われる変化を観測している等、ひずみ計(※3)で南海トラフ沿いの大規模地震との関連性の検討が必要と認められる変化を観測

・その他、想定震源域(※2)内のプレート境界の固着状況の変化を示す可能性のある現象が観測された等、南海トラフ沿いの大規模地震との関連性の検討が必要と認められる現象を観測

※2 想定震源域;右図に示す南海トラフ地震の想定震源域(中央防災会議、2013)。

※3 ひずみ計;当面、東海地域に設置されたひずみ計を使用。

※4 ステップ状の変化;地震発生時に通常観測される段差的な変化

上記は、今後の検討により見直されることがあります。

南海トラフ地震に関連する情報の種類と発表条件

http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/info_criterion.html

5 出水期における地震災害

出水期とは集中豪雨・梅雨・台風等、大雨を伴う現象が現れやすい時期(概ね6~10月)を指します。

出水期に大地震が発生した場合、斜面崩壊(山・がけ崩れ、地滑り、土石流、岩屑流、落石、地すべり

等)による土砂災害が引き起こされることがあります。

大地震の発生前に大雨が降っていた場合、雨による土砂災害の危険性が通常より高まっているため、

大地震が発生すると斜面崩壊が発生拡大するおそれがあります。また、大地震で揺れの強かった地域で

は地盤が脆弱になっている可能性が高く、続けて降る少量の雨でも斜面崩壊が発生するおそれがありま

す。出水期における地震災害は大雨の影響で斜面崩壊等の二次災害の発生危険性が高まる場合があるた

め特に警戒が必要です。

気象庁では大地震の発生後、強い揺れを観測した地域で土砂災害や洪水害の危険性が高くなっている可

能性があるため、大雨注意報・警報及び洪水注意報・警報の基準を引き下げた暫定運用を実施しています。

鳥取地方気象台においても、「平成12年(2000年)鳥取県西部地震」や「平成28年10月21日鳥取県中部の

地震」の発生後、大雨注意報・警報の基準を引き下げた暫定運用を行って、土砂災害等について一層の注

意・警戒を呼びかけました。

5.1 降雨を誘因として被害が拡大した地震

先行降雨を誘因として被害が拡大した地震の例として「1968年十勝沖地震」や「昭和59年(1984年)長野

県西部地震」があります。

(1) 「1968年十勝沖地震」

この地震では津波が発生しました。しかし津波の来襲が引き潮の時刻と重なったため津波被害は少なく、

地震動による被害が中心になりました。被害は北海道から埼玉県に及んでいますが、青森県での被害が特

に大きくなりました。

青森県では地震発生3日前の5月13日朝から15日夕刻にかけて記録的な大雨が降っており、これが被害

をより大きくした原因と考えられています。雨量は下北地方を含む青森県東部から岩手県北部で多く、青

森県内では200ミリを超える雨量を観測しています。青森県で大雨を観測した地域は、軟弱なローム層や沖

積層で形成されている地域と重なっていたことから、軟弱な地盤が水を十分に含んで崩れやすい状態とな

り、斜面崩壊等の土砂災害が多数発生し、多くの人命が奪われました。また、青森県では湖沼の堤防決壊

が起こり、田畑の流失被害や床上・床下浸水の被害も発生しました。

県名

建 物

山(崖)崩れ

鉄軌道被害

床上浸水

床下浸水

一部破損

沈・流失

ろ・

かい舟

北海道 2 133 25 81 2 11 19 898 90 26 18 13 5 2 6 1青森 47 188 646 2,885 16 100 145 14,705 1,521 375 25 24 34 24 51 3 34岩手 2 4 2 37 109 144 82 160 16 9 11 93 66 96 3

宮城 1 1 1 1 12 7 2 1 5 7 2

秋田 2 3 1 1埼玉 2計 52 330 673 3,004 18 221 308 15,697 1,781 420 25 51 60 127 126 105 40

「1968年十勝沖地震」被害総括[気象庁,1969,技術報告,68](「日本被害地震総覧 599-2012」から抜粋)

5月13日~15日にかけての雨量(単位:mm)[気象庁,1969]「日本被害地震総覧 599-2012」から抜粋

潮位上の津波の高さ[気象庁,1969]「日本被害地震総覧 599-2012」から抜粋

震央

各地の震度分布図及び地震の概要

1968年5月16日9時48分三陸沖北緯:40度44分東経:143度 35分深さ:0km M:7.9

地震発生

旧八戸測候所における1968年5月の日別降水量

(2) 「昭和59年(1984年)長野県西部地震」

この地震によって死者・行方不明者29名、全壊家屋14棟の被害が生じました。しかしこれらの被害は

直接の地震動によるものではなく、地震に伴って発生した大規模な斜面崩壊とそれに続く土石流や岩屑

流によるものでした。

この地震では、震源地付近の各所で斜面崩壊や土石流などが発生し、特に御嶽山頂上付近(剣ヶ峰

3063.4m)に近い標高2,500m付近の南斜面で大規模な崩壊が発生しました。元来、火山性の不安定な斜

面は崩壊を起こしやすいのですが、御嶽山(王滝村)では地震発生前の9月9日に119mmの大雨が降り、

それから12日を除いて14日まで連日雨が降り続いたことも(雨は23日にかけて続く)大規模な斜面崩壊

や土石流を発生させた誘因と考えられます。

人的被害(人)

建 物 被 害(棟) 道

(カ所)

山(崖)崩れ

鉄軌道被害

罹災世帯数

行方不明

負傷者

一部破損

非住家

被害

11 18 10 13 86 10 1 473 86 205 2 53 4 110 289

「長野県西部地震」被害総括(警察庁調べ10月1日9時現在)(「日本被害地震総覧599-2012」から抜粋)

1984年9月14日8時48分 長野県西部北緯:35度49.5分 東経:137度33.4分深さ:2km M:6.8

震央

各地の震度分布図及び地震の概要

地震発生

御嶽山における1984年9月の日別降水量

9月9日~14日にかけての雨量分布図

御嶽山の斜面崩壊

-引用文献(参考文献)-宇佐美龍夫(2013):日本被害地震総覧599-2012,東京大学出版会勝又護(1993):地震・火山の事典,東京堂出版気象庁(1969):気象庁技術報告第68号-1968年十勝沖地震調査報告気象庁(1986):気象庁技術報告第107号-昭和59年(1984年)長野県西部地震調査報告地震調査委員会編(1999):日本の地震活動-被害地震から見た地域別の特徴(追補版)

6 積雪期における地震被害

積雪期に地震が発生した場合には積雪の状況によって、他の時期には見られない影響を受ける可能性

があります。特に昭和 18 年(1943 年)の鳥取地震(M:7.2)や「平成 12年(2000 年)鳥取県西部

地震」(M:7.3)と同規模の陸域の浅いところで発生する地震が積雪期に発生した場合、屋根に積もっ

た雪の重みにより、雪のない場合よりも家屋が倒壊しやすくなったり、屋根の積雪が落下して人が怪我

をする、ものが壊れるなどの影響を受ける可能性があります。また、山地では地震で揺さぶられた積雪

がなだれを起こすことも考えられます。1711 年3月に発生した伯耆地震(M:6 1/4 )では「大山で

雪摺り落つ(雪崩発生?)」との記録があります。

積雪期に発生した大きな被害をもたらした地震としては、昭和 36 年(1961 年)2月2日に発生した

新潟県長岡市付近の地震(M:5.2)があります。積雪は構造的に弱く屋根雪も住家より多かったと思わ

れる非住家の被害を増大させました。一方、住家では2階が損壊しても1階部分が周囲の積雪によって

支えられていたため、完全倒壊を免れた住宅もありましたが、これらの家屋は雪解けとともに(雪壁の

支えを失って)倒壊が進むこととなりました。

また積雪期は、暖房器具を使用する機会が多い季節です。積雪期に地震が発生した場合、火災の発生

に加えストーブ上のやかんが落下したり飛散することによって、人が熱傷(火傷)を負う等の被害が増

加することが考えられます。昭和 62 年(1987 年)十勝地方南部の地震(1月 14 日、M:6.6)や

「平成5年(1993 年)釧路沖地震」(1月 15 日、M:7.5)では負傷者の多くが熱傷(火傷)による

ものでした。冬季、特に積雪期における地震被害は、通常の時期とは異なる被害が発生します。積雪期

には普段から行っている備えに加え、積雪の影響、暖房器具に注意するなどの心構えをもっておきま

しょう。

○1987 年1月 14 日 十勝地方南部の地震 (M:6.6)

被害項目 記事

人的被害 重傷2 軽傷5 転倒して骨折(苫小牧)、自動販売機が倒れ足骨折(帯広)

ストーブの上のヤカンが落ち火傷(穂別、芽室、釧路)、

柱時計などの落下による裂傷(穂別2名)

○1993 年1月 15 日 釧路沖地震 (M:7.5)

北海道の被害 負傷者 932 負傷者の 40%は熱傷

(ストーブ上のヤカンが飛んで熱湯をかぶった,など)

参考文献: 新潟県ホームページ http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Simple/394/540/02%202shou,0.pdf

日本被害地震総覧 599-2012 東京大学出版会 p97,p495,p508-509

被 害 拡 大 が 予 想 さ れ る 事 項

家屋被害

屋根上の積雪荷重により倒壊家屋が多く発生することが予想される(特に雪下ろし等を行っていない非住家では被害が増大することが考えられる)。2階建以上の家屋では、1階部分が積雪により支持され安定していることから、2階部分の被害発生多発、また、これら家屋では融雪により全壊へと進むことが予想される。

火災の発生暖房器具を使用していることに、家屋倒壊が合わさり出火件数の増加が予想される。また、暖房

用に大量の灯油(石油)類を備蓄していた場合、延焼の拡大が予想される。

なだれによる被害地震動に伴いなだれの同時多発が予想される。また、なだれにより緊急車両等の通行の妨げ、通

信施設の途絶、さらには山間地における孤立集落の多発に伴い、被害状況の把握や応急・復旧対策が著しく困難になることが予想される。

人的被害家屋倒壊、火災、なだれにより人的被害発生の増大が予想される。また、屋根雪の落下や、積雪

時の除雪作業により道路脇に積み上げられた雪壁の崩壊に伴い、道路通行中の歩行者等に被害が及ぶことが予想される。これら雪による埋没者の救出が遅れた場合、凍死者の発生も予想される。

積雪期に予想される被害

1 活火山とは

火山噴火予知連絡会は2003年に「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある

火山」を活火山と定義しました。活火山の数は、2017年6月以降は111となっています。鳥取県内に活火

山はありません。

7 火山情報について

2 気象庁が発表する火山に関する情報 ~噴火警報、噴火予報~

気象庁は、平成19年12月1日より噴火災害軽減のため噴火警報及び噴火予報の発表を開始しました。

噴火警報及び噴火予報は、全国の活火山を対象とし、火山毎に警戒等を必要とする市区町村を明示し

て発表します。

このうち噴火警報は、居住地域や火口周辺に影響が及ぶ噴火の発生が予想された場合に、予想され

る影響範囲を付した名称で発表されます。噴火警報は報道機関、都道府県、市町村等を通じて住民の

皆さんにお知らせされます。噴火予報は、噴火警報を解除する場合や、火山活動が静穏(活火山であ

ることに留意)な状態が続くことをお知らせする場合に発表されます。

噴火警戒レベルを導入した火山では、噴火警報及び噴火予報で噴火警戒レベルを発表します。

噴火警報は、「警戒が必要な範囲」が火口周辺に限られる場合は「噴火警報(火口周辺)」(又は

「火口周辺警報」)、「警戒が必要な範囲」が居住地域まで及ぶ場合は「噴火警報(居住地域)」(又

は「噴火警報」)として発表します。

これらの噴火警報は、報道機関、都道府県等の関係機関に通知されるとともに直ちに住民等に周知

されます。噴火警報を解除する場合等には「噴火予報」を発表します。なお、「噴火警報(居住地

域)」は、特別警報に位置づけられています。

また、噴火警戒レベルが運用されている火山では、平常時のうちに地元の火山防災協議会で合意さ

れた避難計画等に基づき、気象庁は噴火警戒レベルを付して噴火警報・予報を発表し、地元の市町村

等の防災機関は入山規制や避難勧告等の防災対応を実施します。

噴火警報と「警戒が必要な範囲」について

噴火警報と「警戒が必要な範囲」について

3 気象庁が発表する火山に関する情報 ~降灰予報(詳細)~

火山噴火に伴い空から降ってくる火山灰(降灰)はその量に応じて交通障害、ライフラインへの影

響、農作物被害などの様々な被害をもたらします。気象庁が平成20年より発表している降灰予報では、

降灰の量に関する予測がお伝えできていませんでしたが、平成27年3月にスタートした新しい降灰予

報では量の予測を含めた予報として、噴火後に、どこに、どれだけの量の火山灰が降るかについて、

詳細な情報をお伝えしています。新しい降灰予報について理解を深めていただき、住民の皆さまの生

活情報へと活かしていただけるようよろしくお願いします。

この情報について、詳細は下のリンク先(気象庁ホームページ)をご覧ください。

http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/qvaf/qvaf_guide.html