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三重県知事 鈴木 英敬 「アフターコロナ」を見据えた戦略 令和2年4月22日 第77回高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部 第8回官民データ活用推進戦略会議 合同会議 資料3

「アフターコロナ」を見据えた戦略 三重県知事 鈴 …DS.INSIGHT Place」 例えば、休日の津駅周辺では前年との比較により 密集ポイントが減っていることがわかる

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Page 1: 「アフターコロナ」を見据えた戦略 三重県知事 鈴 …DS.INSIGHT Place」 例えば、休日の津駅周辺では前年との比較により 密集ポイントが減っていることがわかる

三重県知事 鈴木 英敬

「アフターコロナ」を見据えた戦略

令和2年4月22日

第77回高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部

第8回官民データ活用推進戦略会議 合同会議

資料3

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「アフターコロナの新常態」を見据えた戦略を

新型コロナウイルスの感染拡大により、世の中の考え方・働き方は大きく変化

・在宅勤務を組み合わせた働き方が普通のことに。逆に、テレワーク環境を備えていない職場は敬遠される・地方への移住者増加、遠隔での都会の会社への勤務、ワーケーションが普通のことに・生産性を高めることへの意識が高まり、非効率な業務・作業を行うことは評価されなくなるように・今回時差出勤や休暇の取得が進んだことで、自分自身で労働時間をマネジメントすることが普通のことに

──感染拡大防止を進めつつ、収束後に現出する「新常態」を見据えた行政の変革を

官民で実現する新しい働き方公務員は率先して働き方のドラスティックな見直しをしつつ、官民で新しい働き方(ワーケーション等)を実現

テクノロジーを活用した社会課題解決の加速と地方創生の実現

地方公共団体がテクノロジーを活用した社会課題解決を加速することにより、地方創生をさらに推進

デジタル社会に対応した行政の実現住民の日々の暮らしをどう便利にするか、新たな付加価値をどう提供できるのか、徹底的な議論

手続きのオンライン完結などの住民サービスの向上に取り組む地方公共団体の手法を、スピード感をもって横展開できる仕組み、支援の在り方の検討

公務員が率先してフレックスタイム制等の柔軟なタイムマネジメントを取り入れることを奨励しつつ、ワーケーション環境の整備のような、官民で新しい働き方を実現する試みの支援、官民の人材の流動化

規制緩和と財政的支援(地方創生推進交付金「Society5.0タイプ」の拡充、弾力的運用等)をセットにして国が応援できる仕組みの創設

「アフターコロナの新常態(ニュー・ノーマル)」が現出

~新型コロナウイルスの感染拡大を変革の契機に~

提案2

提案1

提案3

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「アフターコロナの新常態」を見据えた三重県の変革~「アフターコロナの新常態」を見据え、Smartな自治体変革の先陣を切る~

Smart Government:県庁とのやりとりを「便利に」(会議の多くをWeb会議へ移行、基礎自治体と協力し、オンラインで完結する手続きを充実)、業務の生産性向上(AI・RPA活用やオフィス改革)

Smart Workstyle:県職員の働き方の見直し(職員は労働時間を柔軟にマネジメント可能に、平時においても育児・介護等のための在宅勤務を可能に)、官民で進める新しい働き方(ワーケーション環境の整備を促進)

Smart Solutions:テクノロジーを活用した社会課題解決の促進

【三重県で進行中のテクノロジーを活用した社会課題解決】(P.4以降に取組紹介)

人流データを活用した県の対策の検証、検索データを活用した、最新のニーズや困りごと、不確かな情報の把握

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新型コロナウイルス感染症対策 ビッグデータ×

障がい者の社会参加促進 分身ロボットOriHime×

空飛ぶクルマを活用した様々な地域課題の解決、誰もが住みたい場所に快適に住み続けることができる社会の創出

児童虐待対応 A I×防災 I CT×

新ビジネス創出 空飛ぶクルマ×

生活習慣病対策・介護予防 I CT×

ICTを活用したインクルーシブな社会の実現

AI技術を活用した一時保護への対応等の研究(安倍首相も視察!)

AI技術を活用した避難行動促進、県の防災情報システムとSIP4Dの連携※基盤的防災情報流通ネットワーク

ウェアラブル端末を活用した行動データ収集による生活習慣の「見える化」、AI技術と電力データを活用したフレイル検知

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ビッグデータを活用した新型コロナウイルス感染症対策ヤフー株式会社からビッグデータ(人流データ、検索データ)を活用したサービスの無償提供⇒ 新型コロナウイルス感染症対策に活用

②検索データを活用した、最新のニーズや困りごと、不確かな情報の把握例:「マスク」の検索件数の推移による需要ニーズの変化の把握及び対策例:「デマ」情報の把握を受けた、正確な情報の発信強化

①人流データを活用した、県の対策の検証例:移動等にかかる自粛要請による効果の検証及び対策

津市・県庁周辺の前年比較2019年3月 休日 2020年3月 休日

(C)Mapbox (C)OpenStreetMap (C)Yahoo Japan (C)Mapbox (C)OpenStreetMap (C)Yahoo Japan

①地域の実態を可視化する 「DS.INSIGHT Place」

例えば、休日の津駅周辺では前年との比較により密集ポイントが減っていることがわかる

②人々の興味を可視化する 「 DS.INSIGHT People」県内の「マスク」の検索状況

2020年1月 2020年3月

例えば「マスク」の検索数の違いや検索結果により、県民のニーズが比較できる

DS.INSIGHTよりヤフー社の承諾の下、引用 DS.INSIGHTよりヤフー社の承諾の下、引用

DS.INSIGHTとは

性別、年代、地域などの切り口で分析し、人々の興味関心や地域の実態を可視化し、さまざまなニーズを導き出すサービス

Page 5: 「アフターコロナ」を見据えた戦略 三重県知事 鈴 …DS.INSIGHT Place」 例えば、休日の津駅周辺では前年との比較により 密集ポイントが減っていることがわかる

★「自宅にいてロボットを目で操作して収入を得られる仕事があるのはすごい」

●分身ロボット「OriHime」を活用した新しい働き方モデルの構築→ 身体が不自由であったり、ひきこもりなど外出困難な方が、「OriHime」のパイロット(操縦者)となり、カフェでの就労を体験する。

●分身ロボット「OriHime」を活用したテレワークの周知・普及→ 障がい者のテレワークに係る支援方法について、県内企業や関係機関に広く発信する。

ICTを活用したインクルーシブな社会の実現

障がい者が働くステップアップカフェにて「OriHime」による就労体験

★「分身ロボットの登場は、障がい者の未来に希望を与えると思いました」

ICTの活用などで障がい者が主体的に働く可能性を広げることをテーマにパネルディスカッションを令和元年12月に開催

(参加者のコメント抜粋)

参加者総数 175名

これまでと違う働き方、仕組みを検証し、取り入れることで、障がい者が働くうえでの様々な障壁を取り除き、障がい者の働く場など可能性を広げる

開発会社オリィ研究所 代表取締役CEO 吉藤健太朗氏が「OriHime」を遠隔操作して出演

「移動の制約」を克服し「その場にいる」ようなコミュニケーションを実現。

分身ロボット「OriHime」

今年度実施!

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三重県をフィールドとした実証実験

平成26年度から、児童虐待の通告があった際の初期対応および一時保護の判断を適切に行うための三重県独自の「リスクアセスメントツール」を活用しており、約6,000件のデータが蓄積され様々な分析を実施

令和元年7月から県内2か所の児童相談所でAI技術を活用した実証実験を実施!

リスクアセスメントツールによるケース事例の蓄積

AI技術を導入してこれまでの知見を活用

実証実験のねらい・一時保護等の迅速な判断により、子どもの安全を確保・将来の再発率を予測し、再発を防止・経験豊富な職員の知見継承により、経験の浅い職員でも的確に対応・リスクの的確な判断で業務効率化を図り、子どもや家庭に寄り添う時間が増加

実証実験から見えてきたこと

今後の展開

令和2年度から県内の全児童相談所にAIシステムを本格導入!

県内での展開 他県との連携広島県との間で、児童虐待の防止等にAIを活用した取組について互いの知見を共有し、国への提言などに共同して取り組むことを合意

データの蓄積による一層の精度向上を進める

子どものかけがえのない命を守るためのAI技術の活用に引き続き注力!!

・写真による正確な情報共有を即時に必要な全員と行うことができ、一時保護等の的確かつ迅速な指示・対応が可能・特に経験の少ない職員にとって、ケース支援のツールとしてAIが提示するリスクの度合いやアドバイスなどが有用・システムに入力しながらリスクシミュレーションができることで、職員が自主的なスキルアップを試みる気運が醸成

安倍首相が三重県の取組を視察し、意見交換

国への働きかけシステム等の全国展開に向けたWG設置等、国と地方の連携推進体制の構築を国へ提言

児童虐待の防止 ~AI技術を活用した児童虐待対応システム~

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Page 7: 「アフターコロナ」を見据えた戦略 三重県知事 鈴 …DS.INSIGHT Place」 例えば、休日の津駅周辺では前年との比較により 密集ポイントが減っていることがわかる

●SNSを活用して水防団員や河川巡視員等から収集した発災前後の情報を、AI技術を活用して地図上にマッピングし、県や市町の災害対策本部でリアルタイムに現場情報を確認。●得られた現場情報を活用して、切迫感のある避難の呼びかけや、警察や消防への連絡等の災害対応を実施し、被害の最小化につなげる。

●AIスピーカー等に問いかけると、お住まいの地域に避難情報(避難勧告等)が発令されているか、近くの避難所はどこか等を回答することで、避難に必要な情報を提供。●取得した情報を家族に伝えることで、家族同士の防災コミュニケーションを活性化!●スマートフォン等の操作が苦手な方も音声のみで簡単に情報取得でき、避難行動をサポート!

防災分野のSociety5.0の実現をめざし、大規模災害時に県・市町と防災関係機関が情報を共有し、一丸となって住民の避難対策などを講じるとともに、県民の皆さんが支えあいながら避難につなげていく取組を支援。

LINEで発信!県民への呼びかけ

○○地区で土砂崩れが起きているようなので避難してください!

警察や消防などの関係機関に提供

水防団員などからの情報収集・マッピングによる被害の可視化

AIスピーカーやスマートフォンを活用した避難の呼びかけ

離れて暮らす高齢者

平成30年7月豪雨の検証家族や地域からのコミュニケーションが避難の大きなカギ

「避難しなくても大丈夫」(正常性バイアス)

家族からの呼びかけで避難につなげる!

AI技術を活用した避難行動促進事業

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●国は、大規模災害時に国と地方・民間で情報共有を行う「災害情報ハブ」を推進しており、災害時には被災地にISUT(災害時情報集約支援チーム)を派遣し、収集した情報をSIP4D(基盤的防災情報流通ネットワーク)を活用して地図化し、災害対策活動を支援。

●平成30年8月31日に本県が実施した総合図上訓練にISUTが参加し、本県の防災情報システムとSIP4Dとの間で手入力によるデータの受け渡しを行い、災害対策活動支援に関する検証を実施。⇒手入力によるデータの受け渡しでは時間や労力を要し、迅速な対応ができないことが判明

●令和元年度、国は、本県からの要望を受けて令和2年度に実施する「SIP4Dを活用した災害情報リアルタイム共有促進技術」の実証において、モデル都道府県を公募。三重県はこれに応募し、モデル都道府県として採択され、この事業の中で自動連携を実現する予定。

県民への避難情報等の提供

三重県 国

自動連携

避難勧告等避難所情報被害情報

防災情報システム

ISUTによる支援

自動連携等要望

ISUTサイト( 全県被災状況の作成・提供

避難行動促進事業マッピング・AIスピーカー

市町災害対策本部 県災害対策本部

情報提供閲覧

リアルタイム被害推定情報

インフラ被災情報 民間企業

からの提供情報

道路通行規制情報

被災地で入手した情報

ため池情報SIP4D

災害時保健医療情報

自動連携の実現

迅速な災害対応

様々な情報を地図上に重ね合わせて整理

本県の防災情報システムとSIP4Dとの間で自動連携が必要

県の防災情報システムとSIP4Dとの連携に関する取組

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Page 9: 「アフターコロナ」を見据えた戦略 三重県知事 鈴 …DS.INSIGHT Place」 例えば、休日の津駅周辺では前年との比較により 密集ポイントが減っていることがわかる

航空機とドローンの間に位置し、「電動」、「自動(パイロットレス)」、「垂直離着陸」 する新しいモビリティ。個人の日常生活や産業界での人・物の移動への活用が期待される。

地域課題に解決に向けた新しい挑戦 ~「空飛ぶクルマ」による新たなビジネス創出 ~

2018年12月、空飛ぶクルマ実用化に向けたロードマップを策定。 事業者による利活用化の目標として、2023年からの事業スタートを掲げる。「空飛ぶクルマ」を活用して、交通、観光、防災、生活等の様々な地域課題を解決し、誰もが住みたい場所に快適に住み続けることができる社会の創出を目指す。

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中山間地での活用イメージ 離島間での活用イメージ 空飛ぶクルマとは?

実用化には最新の技術が必要!

AI・ビッグデータを活用した

新たなオペレーションシステムの構築

既存の航空管制・運航管理システム等のアップデート

センサーや画像データ、気象情報等の収集

通信環境の整備

(5G普及など)

【直近の取組】

楽天株式会社の協力の下、無人航空機を活用してスーパーマーケットから離島へ食料品等を配送。片道約5kmを完全自動で荷物を配送し、離陸場所まで帰還。

住民からは「待ち望んでいた」「本当に夢のよう」などサービス定常化への期待の声が大!

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①オンライン受診勧奨の実証実験(平成30年度実施)特定健康診査受診率(全国第10位)に比べて、特定保健指導実施率(全国第33位)の全国順位は低くなっている

特定保健指導実施率の向上

●スマホにアプリ(疾患管理システム)をインストール●アプリを使って、オンラインで医療専門職から1対1の専門的アドバイス協会けんぽに加入している小規模事業所の従業員(ハイリスク者)40人平成30年10月~平成31年3月

実施者 株式会社インテグリティ・ヘルスケア

期間

対象

方法

目的

6割の受診者が生活習慣を改善(行動変容)

<オンライン受診勧奨を受けるまでの流れ>

【資料提供】株式会社インテグリティ・ヘルスケア

生活習慣病対策・介護予防×ICT~これまでの取組

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<平成30年度実施>①オンライン受診勧奨の実証実験

<今後の取組>②ウェアラブル端末を活用した実証事業③AIと電力データを用いたフレイル検知の実証実験

ICTを活用した実証事業の取組

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「介護予防に向けたAI・データ活用研究会」が設立され、実施者のほか、三重大学、東員町、三重県が参画

③AIと電力データを用いたフレイル検知の実証実験早期の介護予防対策を講じるには、フレイルの検知が有効

東京大学と三重県との連携協定を活用電力データからフレイルを検知する技術の確立居宅に設置するスマートメーターおよびセンサーから得られたデータをAI解析し、フレイル検知が可能か検証東員町の単身高齢者30世帯(予定)

令和2年度 約1年間(予定)

実施者 東京大学株式会社日本データサイエンス研究所合同会社ネコリコ

※フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能等の低下がみられる状態のこと

期間

対象

方法

目的

生活習慣病対策・介護予防×ICT~今後の取組

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アプリ

配布された端末を装着し、行動データを蓄積

②ウェアラブル端末を活用した実証事業(案)

生活習慣の「見える化」

(目的)●運動や食生活分野の課題改善●健康無関心層へのアプローチ●青壮年及び中年層のロコモ予防

(対象)大学生、企業の従業員(ハイリスク者)500人程度(期間)6か月間

アプリや健康教室により、行動変容を促すデータの収集・分析により、エビデンスを構築し、県民健康会議等において横展開を図る

生活習慣の改善エビデンスの構築

・横展開

大学生、企業の従業員

データ分析データ収集 エビデンス構築

県民健康会議等で横展開

ウェアラブル端末

カメラで撮影

今日の歩数は目標に届かなかったので、明日は頑張ろう

今日は野菜をたくさん食べられたので、目標をクリアできた

データ データ

データ

見える化

運動データ・歩数・エネルギー消費量・移動距離など

栄養データ・野菜摂取量・塩分摂取量・カルシウムなど

介入介入 アドバイス(例)

栄養バランスが良い食事がとれています

健康教室

身体活動・運動や栄養・食生活の指標が目標値に達していない●歩数(男性) 実績値 6,717歩 < 目標値 8,600歩

(女性) 実績値 6,240歩 < 目標値 7,700歩●平均野菜摂取量 実績値 244g < 目標値 350g