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後期 建築材料実験 -コンクリートをつくる- -コンクリートの強度と耐久性- 担当:今本 啓一 普通コンクリート 高強度コンクリート コンクリートの中性化 火害によるコンクリートの劣化 φ10cm 高さ 20cm 高強度コンクリートと高層RC JASS5:圧縮強度36N/mm 2 を超えるコンクリート 椎名町アパート(1974 年竣工18階建て) 設計基準強度 30N/mm 2 Burj Khalifa (828m) 605mまではコンクリート 高強度コンクリート 水セメント比が小さい 単位セメント量が非常に多い 流動性を確保するために高性能AE減水剤を 使用

後期建築材料実験 コンクリートをつくる コンク …Burj Khalifa (828m) 605mまではコンクリート 高強度コンクリート 水セメント比が小さい

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Page 1: 後期建築材料実験 コンクリートをつくる コンク …Burj Khalifa (828m) 605mまではコンクリート 高強度コンクリート 水セメント比が小さい

後期 建築材料実験-コンクリートをつくる-

-コンクリートの強度と耐久性-

担当:今本 啓一

普通コンクリート

高強度コンクリート

コンクリートの中性化

火害によるコンクリートの劣化

φ10cm

高さ20cm

高強度コンクリートと高層RCJASS5:圧縮強度36N/mm2を超えるコンクリート

椎名町アパート(1974年竣工18階建て)

設計基準強度30N/mm2

Burj Khalifa (828m)605mまではコンクリート

高強度コンクリート

水セメント比が小さい

単位セメント量が非常に多い

流動性を確保するために高性能AE減水剤を使用

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高強度コンクリートを支える技術-高性能AE減水剤-

1930年:AE剤の開発(米国),1950年導入:親水基と疎水基

1950年翌年:天然樹脂系の界面活性剤系混和剤

1960年代~高性能減水剤

エルザタワー55(1998年竣工55階建て)Fc80-100N/mm2

(100N:w/c20%)

ペトロナスツインタワー(1997年竣工88階建て451.9m)設計基準強度60N/mm2

中性化

日本コンクリート工学協会 ひび割れ調査,補修・補強指針2003

超長期(Fd36N/mm2):計画供用期間としておよそ200年長期(Fd30N/mm2):計画供用期間としておよそ100年標準(Fd24N/mm2) :計画供用期間としておよそ65年短期(Fd18N/mm2) :計画供用期間としておよそ30年

黎明期のRC造建築物-国立西洋美術館の例-

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中性化領域

表層部

健全部

Ca(OH)2 +CO2→CaCO3+H2Oセメントのアルカリ 二酸化炭素 炭酸カルシウム(中性)

中性化

先輩が一年前に作製したコンクリート試験体の促進中性化

中性化深さの実測

中性化による構造物の寿命予測

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コンクリートの火害(高熱)

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加熱中のコンクリートの圧縮強度

一瀬賢一ほか:高温加熱を受ける高強度コンクリートの力学的特性に関する研究,コンクリート工学年次論文報告集,vol.19,No.1,pp.535-540,1997

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冷却後のコンクリート圧縮強度の回復状況予習レポートについて

品質基準強度:Fq・(構造)設計基準強度Fc →構造計算により決まる・耐久設計基準強度Fd →建物を何年使うかによって決まる

超長期(Fd36N/mm2):計画供用期間としておよそ200年長期(Fd30N/mm2):計画供用期間としておよそ100年標準(Fd24N/mm2) :計画供用期間としておよそ65年短期(Fd18N/mm2) :計画供用期間としておよそ30年

の高い方

調合管理強度(供試体として必要な強度)Fm=Fq+mSnFq :品質基準強度(構造体として必要な強度)

mSn :標準養生した供試体の材齢m日における圧縮強度と構造体コンクリート強度の材齢n日における圧縮強度の差による補正値(構造体コンクリート強度と供試体の強度の差+予想平均気温による補正値)

調合強度:F:品質基準強度に安全率を見込んだものF ≧Fm+1.73σ mは原則として28日。F ≧0.85Fm+3σ(許容される最小強度(調合管理強度の85%)を下回る可能性をほぼ0とする考え方) の大きい方σ (標準偏差):2.5N/mm2または調合管理強度の0.1倍の大きい方)。

建築学演習・実験2補足説明:調合計算の一般的な流れ

1.調合強度を決定する。2.水セメント比を決定する。:調合強度とW/C(C/W)の関係例)W/C=51/(F/K+0.31),F:調合強度,K:セメント強さ3.単位水量を決定する4.単位セメント量(kg/m3 )を決定する(水セメント比より決まる)5.単位粗骨材量=粗骨材かさ容積(m3/m3)×粗骨材単位容積質量

(kg/m3)単位粗骨材量(kg/m3) =粗骨材絶対容積(l/m3)×(表乾)密度(kg/l)粗骨材絶対容積(l/m3) =粗骨材かさ容積(m3/m3)×実積率(%)×1000/100

6.単位細骨材量(kg/m3 )を決定する。

★高強度コンクリートの場合は,あらかじめ水セメント比と単位水量が与えられているので,そこから計算を始める。

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粗粒率によって表す方法 Fineness Modulus (F.M.)

F.M. =W40+W20+W10+W5+W2.5+W1.2+W0.6+W0.3+W0.15

100

WXX:各ふるいに留まる質量百分率

含水状態 骨材の内部・表面に吸着する水量

表面水

絶乾状態 表乾状態気乾状態 湿潤状態

吸 水 量 表面水量

含 水 量

含水率 =含水量×100

絶乾重量吸水率 =

吸水量×100

絶乾重量表面水率 =

表面水量×100

表乾重量

実際に使用する骨材条件による補正調合

現 場 調 合

粗骨材:

細骨材:

単位水量:

1001" 表面水率GwGw

1001" 表面水率SwSw

100100" 表面水率表面水率 SwGwWW

骨材表面水補正後の粗骨材量(Gw”)、細骨材量(Sw”)、練り混ぜ水量(Ww”)

混和剤は水の一部として表記(練り混ぜ水+混和剤=合計の水)

予習レポート

後日Uploadします。URLは最後にお知らせします。

予習レポートは各自完成の上,実験当日に,実験室にて提出してください。

予習レポートはその日のうちに返却します。予習レポートは,本レポートの末尾に追加して再度提出してください。

実験要因と演習のポイント

調合計算を行う。

自分で材料を作るところから始める

自分で試験体を作製する。混和剤の効果を実感する。

強度特性

中性化深さの測定と評価

材料劣化と強度の関係

普通コンクリート

高強度コンクリート

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注意事項

集合場所:建築材料実験室前

サンダル履き,半袖は厳禁

試験機・および床上の機材等に注意

安全には十分注意の上参加してください。

テストピースの作製方法,スランプ・空気量の試験方法は各自予習のこと(資料は研究室にもあります)。

中性化深さの測定および評価方法について各自予習のこと(資料は研究室にもあります) 。

コンクリートの火害診断方法(資料は研究室にもあります) 。

http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/imamoto/experiment.html