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Title コルゲート円形導波管形円すいホーンに関する研究 Author(s) 武田, 文雄 Citation Issue Date Text Version ETD URL http://hdl.handle.net/11094/1030 DOI rights Note Osaka University Knowledge Archive : OUKA Osaka University Knowledge Archive : OUKA https://ir.library.osaka-u.ac.jp/ Osaka University

Osaka University Knowledge Archive : OUKA...第2章から第5章に拾いては,主として,EH11モード波の特性について述べたが,こ こでは,コルゲート円すいホーンの使用周波数帯で伝搬するEHuモード波以外の高次の

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  • Title コルゲート円形導波管形円すいホーンに関する研究

    Author(s) 武田, 文雄

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    Issue Date

    Text Version ETD

    URL http://hdl.handle.net/11094/1030

    DOI

    rights

    Note

    Osaka University Knowledge Archive : OUKAOsaka University Knowledge Archive : OUKA

    https://ir.library.osaka-u.ac.jp/

    Osaka University

  • コルゲート円形導波管形

    円すいホーンに関する研究

    武 田 文 雄

    昭和51年9月

  • 内 容 梗 概

    本論文は筆者が三菱電機株式会社鎌倉製作所電子機器研究部に拾いて行なったマイクロ波

    回路に関する研究のうち,コルゲート円形導波管形円すいホ」ンに関する研究をまとめたも

    のであり,つぎの7章から成る。

    第1章 序 論

    コルゲート円形導波管(Corrugated C i r㎝lar Wavegu ide)ぱ円形導波管の中に

    孔あき円板(ひれ)を管軸にそって周期的に配列した導波管で,ろ波器形回路の一つであ

    る。

    近年,コルゲート円形導波管の一つの応用として,コルゲート円形導波管のアンテナホ

    ーンヘの応用が研究されている。これは,コルゲート円形導波管を伝搬するハイブリッド

    モード波(EH uモード波)の特性をアンテナホーンに応用して,低サイドローブでかつ

    回転対称な放射指向特性を有するコルゲート円すいホーンを得るものである。

    コルゲート円すいホーンは,その放射指向特性が低サイドローブでかつ回転対称なことか

    ら高能率,低雑音であることが要求される衛星通信地球局用アンテナ,電波望遠鏡などの

    一次放射器として用いられる。

    しかし,コルゲート円すいホーンに関する従来の研究では,コルゲート溝形状の放射指

    向特性に及ぼす影響とか,コルゲート円すいホーンの広帯域化などについての研究が十分

    にはなされていない。

    本論文は,コルゲート円形導波管をより厳密に解析すると共に,新しく考案したひれの

    先端周辺に導体リングを装荷したコルゲート円形導波管(リング装荷コルゲート円形導波

    管)を用いて,コルゲート円すいホーンの特性改善,設計理論の確立を目標とするもので

    ある。

    ここでは,コルゲート円すいホーンに関する従来の研究と本論文で扱う問題との関連を

    述べ,この分野に拾ける本論文の位置を明らかにする。なお,本論文の研究成果は,既に

    電子通信学会論文詩〔27〕〔28〕,IEEE Trans.MTT〔30〕,I EEE Trans.

    AP-S〔29〕,1973 G-AP Inte rna“ona1Sympos ium〔31〕,19711EEE

    G-MTT Intemationa1M1icrowave Symposium〔32〕等に発表している。

    第2章 コルゲート円形導波管の特性

    従来,アンテナホーンヘの応用を考慮したコルゲ■卜円形導波管の解析は,コルゲート

    溝のピッチ,ひれの厚みが自由空間波長に比べて十分小さいという前提のもとに,コルゲ

    ート溝中の高次波,拾よび円筒部の空間高調波を無視して行なわれていた。このため,コ

    一一

  • ルケート溝のピッチ,ひれの厚みに対する設計基準が明確でなかった。

    ここでは,まずコルゲート溝中の高次波,円筒部の空間高調波を考慮して,コルゲ」ト

    円形導波管の解析を行ない,特性方程式,拾よび電磁界成分の計算式を与える。

    つぎに,これらの式を用いて,コルゲート円形導波管を伝搬する周方向に一つの定在波

    が立っ低次の二つのモ」ド波,すなわちH1Ell,埼よびEHliモード波のka一βoa曲線,

    拾よび電磁界分布にコルゲート溝のピンチ,ひれの厚みの及ぼす影響について数値計算を

    行なっている。ひれの厚みがコルゲート溝のピッチに比べて無視できなくなると,ひれの

    厚みの電磁界分布に及ぼす影響が強くなる。そして得られた結果をコルゲ」ト溝の呈する

    アドミタンスを用いて検討し,以後の章で述べるコルゲート円すいホーンの設計,コルゲ

    ート円すいホーンの特性改善,コルゲ■ト円すいホーン・円形導波管変換器の広帯域化な

    どを考察する上で必要なコルゲート円形導波管の基本的な特性を明確にする。

    最後に試作したコルゲート円形導波管について,上記理論と実測結果との比較検討を行

    をつている。

    第3章 コルゲート円すいホ‘ンの設計法

    コルゲート円すいホーンの放射指向特性については種々の数値解析結果が報告されてい

    る0

    しかし,従来,コルゲート溝形状と放射指向特性の関係,広帯域コルゲート円すいホー

    ンの設計法などが明確にされていない。

    開き角の小さいコルゲート円すいホーンの放射指向特性は,開口の振幅分布として内径

    の大きなコルゲート円形導波管の電界分布を,位相分布としてホーンの頂点に中心をもつ

    球面波の開口に歩ける位相分布を用いることにより近似的に求めることができ実用には十

    分である。

    ここでは,まず,内径の大きなコルゲート円形導波管を伝搬するEHHモード波の特性

    を検討する。そして,内径が大きい場合には,電磁界分布を一つのパラメータk.a(k。

    は横方向位相定数,aはひれの内半径)によって表わすことが可能なことを示し,この

    koaを用いてコルゲート溝の呈するアドミタニ/スとEHliモード波の電磁界分布との関係,

    拾よび電磁界分布の周波数特性を明らかにする。

    つぎに,ホーンの長さ,観測距離等に関するパラメータt(=a2(1/Zh+1/R)/

    (2λ),Zhぱホーンの長さ,Rは観測距離,λは自由空間波長)を加え,k.a,tに対し

    てユニバーサル放射パターンを求め,アンテナの要求から放射パターンを決めると,k.a,

    tを介してコルゲート円すいホ」ンを容易に設計できる設計資料を与えている。’また,反

    射形アンテナの一次放射器としてコルゲート円すいホーンを用いる場合に要求される広

    一ii一

  • 帯域に放射指向特性が回転対称で,かつ,一定のビーム幅を得るための条件を明らかにし

    ている。

    最後に試作したコルゲート円すいホーンの放射指向特性について理論値と実測値との比

    較検討を行なう。

    第4章 コルゲート円すいホーンの広帯域化(リング装荷コルゲート円すいホーン)

    コルゲート円形導波管を伝搬するEHuモ」ド波の特性を応用して,通常の円すいホL

    ンの放射指向特性より優れた放射指向特性を得ることができる周波数範囲は,コルゲート

    溝の呈するアドミタンスが容量性サセプタンスを呈する約1オクターブの周波数範囲に限

    足される。

    筆者はさらに性能向上を図るため,一つの方法としてリング装荷コルゲート円形導波管

    を考案した。

    ここでは,まずリング装荷コルゲート円形導波管に拾いては,コルゲート溝の呈するア

    ドミタンスが容量性サセプタンスとをる帯域が,従来のコルゲート円形導波管の場合に比

    べて広くなることをスミス図表を用いて定性的に説明する。

    つぎに,界方程式を用いて解析した結果を示す。これによると,リング装荷コルゲート

    円形導波管をアンテナホーンに応用すると,放射指向特性の改善できる周波数範囲が1オ

    クターブ以上に広帯域化される1二とがわかった。

    最後に試作したリング装荷コルゲート円すいホーンについての実測結果を理論的考察結

    果と対比して示す。試作したリング装荷コルゲート円すい赤一ンてば,放射指向特性の改

    善できる周波数範囲が従来のものに比べて約1,35倍広帯域である。

    第5章 コルゲート円すいホーンと円形導波管との変換器の設計法

    コルゲート円すいホ‘ンの実用化には,円形導波管とコルゲート円形導波管との良好な

    変換器が不可欠である。従来の変換器では,コルゲート溝の深さを変える方式が用いら

    れている。これは,変換部に拾いて,コルゲート溝の呈するアドミタンスを円形導波管

    の壁面アドミタンスに漸次近づけることにより,両導波管の特性インピーダンスを一致さ

    せようとする考えに基づくものである。しかし,この方式では広帯域整合が困難である。

    筆者はこれを改善するために,第2章、第4章の解析結果に基づき,コルゲート溝のピ

    ツチを一定に保ち,ひれの厚みを徐々に変える方式,およびリング形状を徐々に変えたり

    シグ装荷コルゲート円形導波管を用いる方式の変換器を考案した。そして,これらの変換

    器により円形導波管とコルゲート円形導波管との1オクターブにわたる広帯域整合が可能

    となった。

    一1ト

  • ここでは,これらの変換器の動作原理,設計論理,ならびに試作した各種変換器の実測

    結果について述べる。

    第6章 コルゲート円すいホ■ンのE H llモード波以外のモード波に対する特性

    従来,コルゲート円すいホーンは,基本波のみを伝搬する円形導波管に接続される場合

    が多くこのため,E H Hモード波以外のモード波に対する考察が十分なされていなかった。

    しかし,コルゲート円すいホーンを広帯域に用いる場合には,E H llモード波以外のモー

    、 ド波の特性を明確にする必要がある。

    第2章から第5章に拾いては,主として,EH11モード波の特性について述べたが,こ

    こでは,コルゲート円すいホーンの使用周波数帯で伝搬するEHuモード波以外の高次の

    ハイブリッドモード波の特性について述べる。

    ’まず,コルゲート円形導波管を伝搬するEH11モード波以外のモード波の電磁界分布,

    寿よび伝搬特性について検討し,従来明確でなかったEH11モード波以外のモード波の放

    射指向特性に及ぼす影響について述べる。

    つぎに,オーバサイズ円形導波管とコルゲート円形導波管との変換器について考察し,

    両導波管の伝搬特性の相違に起因する変換器の問題点を明確にし,変換器の設計指針を示

    す。

    最後に,これらのE H11モード波以外のモード波の伝搬特性の実測結果,およびオーバ

    サイズ円形導波管・コルゲート円すいホーン変換器の試作結果について述べる。

    第7章 結 論

    コルゲート円すいホーンの特性改善と設計理論の確立を目橡として行なったコルゲート

    円形導波管形円すいホーンに関する研究の結果を総括的に述べる。要約すると,

    (1)パラメータk・aを用いる・ひれの厚みを考慮したコルゲート円すいホーンの設計法を

    明確にした。アンテナの要求から放射パターンがきまると容易にコルゲート円すいホー

    ンの設計ができるようになった。

    (2) コルゲート円すいホーノの特性改善を目的として,リング装荷コルゲート円形導波管

    を考案した。この導波管をアンテナホーンに応用ナると,使用周波数帯域が1オクター

    ブ以上となる。試作したリング装荷コルゲート円すいホ■ンの使用周波数帯域は従来の

    ものに比べて,1.35倍広帯域である。

    (3)ひれの厚みを変える方式拾よびリング装荷コルゲート円形導波管を用いる方式の広帯

    域在コルゲート円すいホーンと円形導波管との変換器を考案した。これにより,1オクターブ

    にわたり良好な電圧定在波比特性を有するコルゲート円すいホーンを得ることができた。

    一1V一

  • (4) EH11モード波以外のモード波に対する考察を行ない,コルゲート円すいホーンを広

    帯域に使用する場合の設計指針を一与えた。

    これらの研究成果をとりいれたコルゲート円すいホーンは,広帯域でかつ,高能率,低

    雑音であることが要求される衛星通信地球局用集束ビーム給電カセグレンアンテナの一次

    放射器などに数多く実用されている。

    一V一

  • 目 次

    内 容 梗 概

    日 次

    主要記号表

    Vi

    X

    第1章 序 論 ・…・ 1

    第2章 コルゲート円形導波管の特性 一・……・…・・…・……… ……・……・・…・

    2.1序言……一・・…一・・一・一…………一・・…………………一・一・・

    2・2 高次波,空間高調波を考慮した解析

    2,2.1 各領域に拾ける電磁界成分 …・一.…__.一._____._一..、

    2.2.2 特性方程式 …一・・……・一・……・一・一・・……・…一・…・一・・

    2.2.3 特性方程式の近似式 ……一一・……一・・……・……・・…・・

    2,3 コルゲート溝のピッチが自由空間波長に比べて十分小さい場合の特・さ

    2-3.1 アンテナホーンに応用されるコルゲート円形導波管形状蔚よび

    モード波の定義 …………………一・・………・一・・一…・・・・……・・・…

    2.3.2 特性方程式の近似式

    2,3.3 コルゲ’卜溝の呈するアドミタンス ・・…・…・一・………・一・…一

    2-3-4 コルゲート溝の呈するアドミタンスと電磁界分布

    2・3・5 コルゲート溝中の高次波ならびに円筒部領域の空間高調波の

    電磁界分布に及ぼす影響 …………一・…・…・一・……一・・…・

    2.4 コルゲート溝のピッチが比較的大きい場合の特性

    Z41 E H Hモード波の特性の概略 ……・・・………・…一・

    2.4.2 ひれの厚み,溝のピッチのka一βoa曲線に及ぼす影響………・・

    2.4.3 ひれの厚み,溝のピッチの電磁界分布に及ぼす影響 …・一・………・・

    2.5 位相特性拾よび電磁界分布の実測例 ………………・…

    2.5,1 位相特性(ka一βoa曲線)………一一・・……・一・…・一・……・・…

    2.5.2 磁界分布の実測例 ……一・…・・・・……一…一…一・一・…一一・…

    2.6緒言______。、______.、、一._.__.。_一一。_一。一.一_一_.一

    7

    7

    8

    9

    12

    17

    19

    19

    2王

    23

    24

    25

    29

    29

    31

    33

    36

    36

    38

    40

    一一ui・

  • 第3章 コルゲート円すいホーンの設計法 …・…一…・……一……・…

    3.1序言一一・……一…一・………一・・……一…・…一…

    3.2 EH11モート“波の電磁界分布 一…一・一一・……一・一 ・一一

    3・2・1 内径の大きなコルゲート円形導波管に拾ける電磁界分布

    3-2.2 振幅分布の回転対称性 ・・・……………・・・……・・………・…… 一・

    a2.3 EH llモード波の振幅分布 一・・………一・・………・

    3.3 EH11モード波の電磁界分布とコルゲート溝の呈する

    アドミタンスとの関係 ……………………・・.・……・

    ← 3.3.1 Y.1/j=±。。の場合……一・一・・・…一・。・・。・一一…

    ← a3.2 Y.1/j=・0の場合………・……一・一・一………・・・・・・・……・…

    3.4 E H nモード波の電磁界分布の周波数特性 ・…・一……一・・… …・・

    a41 アンテナホーンに応用できる周波数範囲 ・・…・………・・・…

    3.4.2 導波管形状の周波数特性に及ぼす影響一一…・……・・…・・… ・・…

    3.5 コルゲート円すいホーンの設計法 …一・…・…一・・一一…・…

    3.5,1 ユニバーサル放射パタ」ン …….’’.…’川I’I.…...

    3.5,2 コルゲート溝形状の設計

    3-6 コルゲート円すいホーンの放射指向特性の実測例

    3-a1 コルゲート円すいホ』ンの形状

    3.6.2 放射指向特性およびVSWRの実測結果

    a7緒言・・…・一…一・…………・…・・一・・一一・・…・・ ……

    42

    42

    43

    43

    45

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    50

    50

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    51

    51

    53

    56

    56

    62

    63

    63

    65

    69

    第4章 コルゲート円すいホーンの広帯域化(リング装荷コルゲート円すいホーン)

    4.1序言…一・・……一・・一・・…………・・……・…一・…・・・……・……一…・

    4.2 リング装荷コルゲート円形導波管の構成 一…・…一……………………・…

    4.2.1構造一・・…・・…一…一……・・・・・・・・・・・・………

    4.2・2 コルゲート溝の呈するアドミタンスの周波数特性

    4.3 リング装荷コルゲート円形導波管の解析 …・一・…………一…

    4.3.1 各領域に拾ける電磁界成分 ……………一・・…一・・一一…・

    4.3.2 特性方程式 ………一・…・……一…・・…一・・………………………

    ← 4,3・3 Y・1/j〉Oとなる周波数範囲拾よびk・aの周波数特性

    4.4 リング装荷コルゲート円すいホーンの放射指向特性の実測例 ………一・・

    4.4.1 リング装荷コルゲート円すいホーンの形状

    4.4.2 放射指向特性およびV SWRの実測結果

    71

    71

    72

    72

    73

    74

    74

    76

    79

    84

    84

    86

    山Viト

  • 44.3 コルゲート円すいホ・一ンとの対比 ………・・…・… 89

    4.5緒言…一・…・…一・・…・・一一・・……一一一一……・……一…・・90

    第5章 コルゲート円すいホーンと円形導波管との変換器の設計法

    5.1序言・一……・・一・………一・・……………一・・一・・………

    5,2 従来の変換器 ……・・…・…一・・一・・…一…一・……………一・・

    5.3 変換器の広帯域化 ・・・…………・・・………一・一……一一・・、.

    53.1 ひれの厚みを変える方式の変換器 …………・一・…………

    5.3.2 リング装荷コルゲート円形導波管を用いる方式の変換器

    5.4 変換器の設計 …………….………………・・・……… …..’

    5,4.1 反射係数 …__..。_._._..____。...___.__....

    5.↓2 変換器の等価回路および反射係数の近似式 ………・・…一・・

    5.4,3 電圧インピーダンス ._.__.__.__..._一_...__

    5,5 VSWR特性の実測例 …………………………・・…….…一_一

    5.5.1 コルゲート円すいホーン・円形導波管変換器

    5.52 円形導波管・コルゲート円形導波管変換器 ・…・・…

    5,6緒言・一・一一・・一・……………・・・…一・……一

    91

    91

    92

    93

    93

    95

    96

    96

    97

    98

    105

    105

    107

    108

    第6章 コルゲート円すいホーンのE H l1モード波以外のモード波に対する特性

    a1 序 言

    6.2 電磁界分布 …一一・…・・・……一・・……・・…・…………・・・・・・…一・・………

    6.2.1 HE胆,E Hl・モード波の電磁界分布 …………一一・…一・…一

    6.2.2 TM81,TM金モード波の電磁界分布 ………・…一・…一…

    6.3 伝搬帯域 ………………………………一・・…一一・・……・・・・…

    a3,1 β。=0に拾けるしゃ断周波数 一一・…………………………・・・………・・

    6.3.2 βop=πに拾けるka……………_・、、…__…_・・..。.___…_、

    6.4 放射指向特性に及ぼす影響 …一一・…一・・…一一・…・…・・………一・…

    6・5 オーバサイズ円形導波管とコルゲート円すいホーンとの変換器 ……一一・

    a5.1 変換器に歩ける問題点 一一・……………一・・……一・・………………・・一

    6.5-2 変換器の設計指針 …一・…一・・・………………・一・…一_.一_・_._一

    6.6 下限しゃ断周波数拾よびオーバサイズ円形導波管・

    コルゲート円すいホーン変換器の実測例 一……・…・………・…

    6,6.1 βFOにおけるしゃ断周波数 …一一・一・・… 一…

    110

    110

    111

    112

    117

    118

    119

    125

    129

    132

    132

    134

    135

    135

    一V111一

  • 6.6.2

    6.7結

    オーバサイズ円形導波管・コルゲート円すいホーン

    変換器の試作結果 …」…一・・……・・一……………… ..・。.・・・… @136

    142

    第7章結 口調 143

    辞一献・・

    145

    146

  • 主 要 記 号 表

    (各章、各節固有のものは除く)

    a

    AZb

    bl

    Bz

    C皿

    d,do,d回

    D。

    号 名 称

    ひれの内半径

    コルゲート構内の管軸方向電界の振幅(領域肛)

    コルゲート溝の底までの半径

    リングの外半径

    コルゲート構内の管軸方向磁界の振幅(領域皿)

    円筒部領域におけるn次の空間高調波の管軸方向電界の振幅(領域i)

    コルゲート溝の幅

    円筒部領域に拾けるn次の空間高調波の管軸方向磁界の振幅(領域1)

    Erl,Er2,Er3

    Eθ1,Eθ・,Eθ・

    E21,E22,Ez3

    領域I,皿ならびに㎜に存ける径方向電界成分

    領域1,皿ならびに㎜に拾ける周方向電界成分

    領域I,皿ならびに㎜に拾ける管軸方向電界成分

    E.

    EHmi

    Hrl,Hr2,Hr3

    Hθ1Hθ2 Hθ3

    H.1,H・・,H・・

    管軸上周方向電界に対するX軸上Eθ一の相対電界

    管軸上径方向電界に対するY軸上E.1の相対電界

    コルゲート円形導波管,リンケ装荷コルゲート円形導波管モード波

    領域I,皿ならびに㎜に拾ける径方向磁界成分

    領域I,皿ならびに皿に拾ける周方向磁界成分

    領域1,m在らびに㎜に拾ける管軸方向磁界成分

    Ho

    H.

    HEmi

    Im(刈

    }(刈

    j

    Jm(カ

    J4(カ

    k

    管軸上周方向磁界に対するY軸上Hθ1の相対磁界

    管軸上径方向磁界に対するX軸上H・1の相対磁界

    コルゲート円形導波管.リング装荷コルゲート円形導波管モード波

    m次の第1種変形ベッセル関数

    Im(カのXに関する微分

    虚数単位

    m次の第1種ベッセル関数

    Jm(x)のxに関する微分

    2π/λ 自由空間中の位相定数

    一X一

  • 記 号

    k.

    K.

    z

    m皿

    P

    r

    R

    t :

    TEよi,TM山 :

    TEよ… TMlぶi :

    UmZ(γZ r) :

    U4z(rz r) :

    V㎜4(rZ r) :

    V4Z(アZ r) :

    Xmi ・

    ’ Xmi :

    Ym∠(x)

    Yん(x) :

    ← Y.m :

    → Y。㎜ :

    Z .

    油(K・・)

    Zmn(knr) :

    Z㌔皿(k皿r) :

    1+α㎜ :

    β0 :

    β。 :

    アz ・

    δ・Z(・Z・,ワy):

    δ山ア。・,・∠y):

    εO ・

    名 称 十二(kしん2) 横方向位相定数

    士=(一k.2)

    コルゲート溝中の高次波の次数

    周方向定在波の数

    空間高調波の次数

    コルゲート溝のピッチ間隔

    径方向座標

    放射電界の観測距離

    =a2(1/へ斗1/R)/(2λ)

    円形導波管モード波

    コルゲート円形導波管,リング装荷コルゲート円形導波管モード波

    =δmZ(r∠b,γパ)/δmZ(rZb,アZ・)

    =一 ツ㍑(rμ・rZb)/δmZ(アZb,㌦・)

    =ξmパrμ,㌦b)/ξmZ(アZ・,rZb)

    =δ。Z(・パ,・Zb)/ξ。Z(アZ・,アZb)

    Jm(x)=O の x=Oを除く.i番目の根

    J{(x)=O の x=Oを除くi番目の根

    m次の第2種ベッセル関数

    Ym次)のxに関する微分

    r=aからコルゲート溝側をみたアドミタンス

    r=aから円筒部をみたアドミタンス

    管軸方向座標

    =I孟(Kna)/Im(K皿a)

    =Jm(k11r)/Jm(k皿a)

    =J’(k皿r)/Jm(k-1a)

    =一 高im(ko a)/〔koaJ急(ko a)〕

    コルゲート円形導波管,リング装荷コルゲート円形導波管の位相定数

    =β・十2πn/P

    士=〔k2一(πZ/d)2〕

    :Jぺ(㌦・)Ym(ア〃)一J。(γ〃)Yぺ(アZ・)

    :J‘(γZx)Yぺ(アZy)一Jぺ(アZy)Y^(アZx)

    自由空間中の誘電率

    一Xi一

  • εm

    θ

    λ

    μO

    ξmZ(勿X,絶y):

    π .

    名 称=1(m≒0), 2{m二0)

    方位角自由空間波長

    自由空間中の透磁率

    一J㎜(ア・・)Y・(・〃)一J皿(・〃)Y。(ぴ)

    円 周率

    な拾,本論文はMKS合理化単位を用いる。

    一Xト

  • 第1章 序 論

    大陸間通信の手段として発展してきた人工衛星を用いた衛星通信は,人工衛星技術の発展

    に支えられ年々増大する通信量,情報の多様化に対処すべく国内衛星通信にも広く適用され

    るようになり,我国に拾いても打上げ計画が進められるなど,その重要度が年々増している。

    このような衛星通信の地球局用アンテナには,衛星電力の有効利用を図る,地上マイクロ

    波通信回線との混信を避けることなどから高利得,高能率,低雑音な特性が要求される。ま

    た,このような高性能アンテナは,衛星通信のみならず,たとえば,高分解能,低雑音であ

    ることが必要在電波望遠鏡などにも要求され,その用途は広い。

    高利得,高能率,低雑音なアンテナの実現には,大形反射鏡形アンテナの反射鏡系の特性

    向上が重要かつ不可欠であることはいう重でもないが,それを励振するための一次放射器の

    性能向上も欠かせをいものの一つである。

    一般に優れた一次放射器の条件としては

    (1)指向特性(放射拾よび位相指向特性)が回転対称であること,

    一(2)放射指向特性が低サイドローブであること,

    (31入力電圧定在波比(VSWR)特性が良好なこと,

    (4)(i)~(3)の特性が広帯域であること,

    などが挙げられる。(1)~(3)は高能率化に,(2),(3)は低雑音化に主として関連し,(4)は一つの

    大形反射鏡形アンテナでの送受信帯共用を可能とするため経済性の向上に関連する。

    本論文は,このような条件を比較的よく満足するアンテナの一次放射器として,近年考案

    されたコルゲート円すいホーンに関して行なった研究をまとめたものであり,その目的はコ

    ルゲート円すいホーノの設計手法の確立,特性改善を図ることにより,多少とも高性能アン

    ひれ

    コルゲート構

    図1.1 コルゲート円すいホーン

    一1一

  • ナナの特性改善に貢献せんとするものである。

    コルゲート円すいホーンは,ホーン内壁に軸対称な溝を多数隣接して設けたアンテナホー

    ノであって,その放射指向特性が広帯域に回転対称であり,かつ,低サイドローブであるこ

    とにその大き在特徴がある。

    以下本章てば,コルゲート円すいホーンに関する従来の研究の概略経緯,拾よび,本論文

    であつかう問題との関連を述べ,この分野における本論文の位置を明らかにする。

    円形導波管の基本モード波であるTE8モード波で励振されている円すいホ■ンに拾いて

    は,放射指向特性がE面とH面とで異なる。このため,円すいホーンを反射鏡形アンテナの

    一次放射器に用いる場合には,アンテナの高能率化,低雑音化に限界が生じる。

    円すいホーンの放射指向特性の改善を図る一つの方法に複モード励振ホーンがある・ 〔1〕 。 これは,1963年P.D.Potter により考案されたもので,円すいホーンをT E Hモ

    ード波とTM乳モード波とで励振し,円すいホーン開口に拾いて,両モード波の合成電界の

    振幅を回転対称にするとともに,ホーン内壁近傍に拾ける電界強度を弱くすることにより回

    転対称な指向特性,低サイドローブの放射パターンを得ようとするものである。この複モー 〔2〕〔3〕ド励振ホーンは構造が簡単な利点があり,種々の研究がなされている。

    しかし,モード波合成による方法では,合成しようとするモード波間の位相差の強い周波

    数特性のため,広帯域にわたり放射指向特性を改善することが困難である。この点を改善す

    るために考案されたものがコルゲ0ト円すいホーンである。 〔4〕 1964年A.F.KayはTE波に対しても,TM波に対しても同一の反射係数を有する

    壁面をアンテナホーンに用いるという着想のもとに,コルゲート円すいホーンを考案し,ホ

    ーン内壁に設けるコルゲート溝の呈するアドミタンスが容量性サセプタンスとなる周波数範

    囲に拾いて,コルゲート円すいホーンの放射指向特性が低サイドローブで,かつ回転対称と

    なることを実験的に示した。 〔5〕 その後,1966年H.C.Minnet,B.MacA.Thomasが最適状態にあるパラボラア

    ンテナの焦点近傍の電磁界は,TE波的な波とTM波的な波の合成,すなわち,ハイブリッ

    ドモード波で表わされることを理論的に示し,ハイブリッドモード波を励振できる一次放射

    器としてコルゲート円すいホーンが有効であることを明らかにした。

    コルゲート円すいホー;・に関するその後の研究は,開き角の大きなホーン(開き角20~ 〔6〕140度)を対象として球面波モードで解析するものと,開き角の小さなホーン(開き角 〔7〕30度以下)を対象として円筒波モードで解析するものとに概略大別できる。 〔8〕 前者に関する研究は,1969年P.J.B.C1arricoatsがコルゲート溝の深さが4分

    の1波長で,かつ,コルゲート溝がホーン軸に垂直な面内に設けられたコルゲ’ト円すいホ 〔9〕~〔14〕一ンを球面波モードにより解析したものを初めとし,種々の研究がなされている。 し

    一2一

  • かし,円筒波モードで解析する場合に比べて解析が繁雑となるため,いずれの場合も,コル

    ゲート溝の間隔が波長に比べて十分小さく,かつひれの厚みが無視できる形状に限られてい

    る。

    一方,後者に関する研究は,コルゲート円すいホーンの放射指向特性を,ホーン開口の電

    界分布として,コルゲート円形導波管の電界分布を,また,位相分布としてホーン頂点に中 〔7〕心を有する球面波の位相分布を用いることにより求め,コルゲート円すいホーンの解析を行

    なうものである。このため,アンテナホ■ンの開き角が大きくなると解析精度が悪くだるが, 〔6〕開き角が20度以下の場合には球面波モードで数値解析するより高精度といわれている。ま

    た.高能率,低雑音が要求される衛星通信地球局,電波望遠鏡などの大形カセグレンァンテ 〔15〕 〔16〕〔17〕

    ナの一次放射器や,集束ビーム形放射系のロンチャなどには,比較的開き角の小さいコルゲ

    ート円すいホーンが多用されるので,この解析法は,実質的に広い適用範囲を有する。

    このような,開き角の小さなコルゲ■ト円すいホーンの研究においては,コルゲート円形

    導波管のハイブリッドモード波の伝搬特性,電磁界分布の解析に,その重点が拾かれる。

    本論文は筆者が開き角の小さな,コルグート円形導波管形円すいホーノに関して行なった

    研究をまとめたもので,コルゲ、ト円形導波管をより厳密に解析するとともに,新しく考案

    レたコルゲート円形導波管を用いて,コルゲート円すいホーンの特性改善,設計理論の確立

    を目標とするものである。

    さて,コルゲート円形導波管は,円形導波管の中に孔あき導体円板,ひれ(Fin)を一定

    間隔に多数ならぺた導波管であり,仮装荷導波管とも呼ばれる一種のろ波器形回路である。

    コルゲート円形導波管に関する研究は古く,すでに1940年代後半にはE.C.Chu, 〔18〕W.W.Hansen,L.Br i11ouin などがこの導波管を電子線形加速器の加速管に用いるた

    め,位相速度が光速より遅い遅波領域における電磁波,とくにTM波の特性を解析している。 〔19〕その後1963年G.Saxon,T.R.Jarvis,I.Whi te が,高密度め電子ビームを用

    いる線形加速器に赤いてみられる・P㎜Ise・Shortening’の現象を解明ナるためハイブリ

    ッドモード.波の遅波領域に拾ける特性を解析した。

    しかし,コルゲート円形導波管形円すいホーンは,前述のように,コルゲート円形導波管

    を伝搬するハイブリッドモード波(EHllモード波)の特性をアンテナホーンに応用して,

    低サイドローブでかつ回転対称在放射指向特性を得ようとするものであり,その特性解明に

    はコルゲート円形導波管の速波領域における特性を明確にすることが重要である。 〔20〕 1969年G.H.趾yant はコルゲート円すいホー二・の特性解明を前提として,コルゲ

    ート円形導波管の速波領域の解析を行なった。つづいて,1970年R J.B.C1arricoats, 〔21〕P.K.Saka がEH11モード波の伝搬特性,放射指向特性について報告し,その後,伝送損 〔22〕~〔25j失などに関する研究結果が種々 発表されている。

    山3一

  • しかし,G.H.Bryantの解析に代表される従来の解析においては,コルゲート溝のピッ

    チ間隔が波長に比べて十分小さく,かつ,びれの厚みが十分薄いという仮定がなされている

    ため,コルゲート溝のピッチ,ひれの厚みに対する設計基準が明確でなかった。このことは,

    前述の開き角の大きいコルゲート円すいホーンの場合も同様である。

    そこで,本論文では,第2章で,まず,コルゲート溝中の高次波,円筒部の空間高調波を

    考慮してコルゲート円形導波管の解析を行ない,特性方程式,拾よび電磁界成分の計算式を

    与える。つぎに,とれらの式を用いて,コルゲート円形導波管を伝搬する周方向に一つの定

    在波が立っ低次の二つのモード波,すなわち,H E u拾よびE Hllモード波のka一β。a曲線

    (位相特性),拾よび電磁界分布にコルゲート溝のピッチ,ひれの厚みの及ぼす影響につい

    て数値計算を行なっている。そして,得られた結果をコルゲート溝の呈するアドミタンスを

    用いて検討し,以後の章で述べるコルゲート円すいホーンの設計,コルゲート円すいホーン

    の特性改善,コルゲート円すいホーン・円形導波管変換器の広帯域化などを考察する上で必

    要なコルゲート円形導波管の基本的な特性を明確にする。

    コルゲート円すいホー二・の放射指向特性については種々の数値解析結果が報告されてい〔6〕~〔13〕〔15〕〔21〕〔23〕

    る。 しかし,コルゲート溝形状と放射指向特性の関係,広帯域コルゲート円

    すいホーンの設計法などが明確にされていない。これは・ホーン開口分布として用いるコル

    ゲ‘ト円形導波管の電磁界分布のみを考えても,分布が溝のピッチ,深さ,ひれの内径,厚

    みなど多数の要素に関連するためである。コルゲート円すいホーンの設計法確立にはコルゲ

    ート円形導波管形状と電磁界分布との関係を適当在パラメータで結びつけることが,’まず重

    要となる。

    第3章では,一まず,アンテナホーンの開口に相当する内径の大きなコルゲート円形導波管

    を伝搬するE H liモード波の特性を検討する。そして,内径が大きい場合には,電磁界分布

    を一つのパラメータk.a(横方向位相定数とひれの内半径の積)によって表わすことが可能

    なことを示し,このkoaを用いてEHHモード波の電磁界分布とコルゲート溝の呈するアド

    ミタンスとの関係,拾よび,その周波特性を明らかにする。

    つぎに,汎用性のある放射指向特性を得るため,ホーンの長さ,開き角,観測距離を表わ

    すパラメータtを導入し,前述のk.aとtに対して種々の放射指向特性を求めている。これ

    により,アンテナの要求から放身オ指向特性を決定すると容易にコルゲート円すいホーンが設

    計できる。また,koa拾よびtを用い広帯域に放射指向特性が回転対称,低サイドローブで・

    かつ一定のビーム幅を得るための条件を明らかにする。そして,最後に試作したコルゲート

    円すいホーンの放射指向特性について理論値と実測値との比較検討を行ない,k.aを用いる

    設計法が有効であることを示す。

    コルゲ■ト円形導波管を伝搬するE H Hモード波が放射指向特性の改善に有効な電磁界分

    一4一

  • 市となり得る周波数範囲は.コルゲート溝の呈するアドミタンスが容量性サセプタンスを呈

    する約1オクターブの周波数範囲である。しかし,円形導波管とコルゲート円形導波管(あ

    るいはホーン)との整合に良好なVSWR特性が要求されると前述の1オクターブの周波数

    範囲より,実際に使用できる周波数範囲は狭くなるという問題がある。

    筆者はさらに性能改善を図るため,一つの方法としてリング装荷コルゲート円形導波管を

    考案した。リニ・グ装荷コルゲート円形導波管は,コルゲート円形導波管のひれに,ひれの内

    径と同一の内径の導体リングを付加した導波管である。第4章では,まず,リング装荷コル

    ゲート円形導波管に拾いては,コルゲート溝の呈するアドミタニ/スが容量性サセプタンスと

    なる帯域が,従来のコルゲート円形導波管の場合に比べて広く在ることをスミス図表を用い

    て定性的に説明する。つぎに,界方程式を用いて解析した結果を示す。これによると,リン

    グ装荷コルゲート円形導波管をアンチナホー;・に応用すると,放射指向特性の改善できる周

    波数範囲が1オクターブ以上に広帯域化されることがわかった。また,試作したリング装荷

    コルゲート円すいホーンについての実測結果は理論的考察結果とよく一致し,優れた放射指

    向特性,VSWR特性が得られる周波数範囲は,従来のコルゲート円すいホーンの場合に比

    べて1.35倍広帯域である。

    さて,アンテナの一次放射器は,円形導波管あるいは方形導波管を介して送受信装置に接

    続される。したがって.コルゲ■ト円すいホーンの実用化には,円形導波管とコルゲート円

    形導波管あるいはコルゲート円すいホーンとの良好な変換器が不可欠である。従来の変換器 〔20〕〔26〕では,コルゲート溝の深さを変える方式が用いられている。 これは,変換部において,

    コルゲート円形導波管のコルゲート溝の深さを円形導波管に近づくにしたがって,次第に半

    波長にし,すなわち,コルゲート溝の呈するアドミタンスを円形導波管の壁面アドミタンス

    に漸次近づけることにより,両導波管の特性インピーダンスを一致させ良好な整合特性を得

    ようとするものである。しかし,この方式では,溝の深さが深いため広帯域整合が困難であ

    るO

    筆者はこれを改善するために,第2章.第4章の解析結果にもとづき,コルゲート溝のピ

    ッチを一定に保ち,ひれの厚みを徐々に変える方式,拾よびリング形状を徐々に変えたリン

    グ装荷コルゲート円形導波管を用いる方式の変換器を考案した。そして,これらの変換器に

    より円形導波管とコルゲート円形導波管との広帯域整合が可能となった。第5章てば,これ

    らの変換器の動作原理,設計理論,ならびに試作した各種変換器の実測結果について述べる。

    第2章から第5章に巻いでは,主として,放射指向特性の改善に有効なEH Hモード波の

    特性について述べたが,第6章では,コルゲート円すいホーンの使用周波数帯域で伝搬する

    EH・モード波以外のモード波の特性について述べる。

    従来,コルゲート円すいホーンは基本波のみを伝搬する円形導波管に接続される場合が多

    一5一

  • く,このため,EHllモード波以外のモード波に対する考察が十分なされていなかった。し

    かし,コルゲート円すいホーンを広帯域に用いる場合には,EH。モード波以外のモード波

    の特性を明確にする必要がある。第6章では,まず,コルゲート円形導波管を伝搬するEH11

    モード波以外のモード波の電磁界分布,拾よび,伝搬特性について検討し,従来明確でなか

    ったEH-1モード波以外のモード波の放射指向特性に及ぼす影響について述べる。

    つぎに,オーバサイズ円形導波管とコルゲート円形導波管との変換器について考察し,両

    導波管の伝搬特性の相違に起因する変換器の問題点を明確にし,変換器の設計指針を示す。

    そして,最後に,これらのE H111モード波以外のモード波の伝搬特性の実測結果,券よび,

    オーバサイズ円形導波管・コルゲート円すいホーン変換器の試作結果について述べ,コルゲ

    ート円すいホーンに奉けるE HHモード波以外の千一ド波の諸特性を明確にする。 〔27〕〔28〕 〔29〕〔30〕 これらの研究結果は,すでに,電子通信学会論文詩, IEEE Trans., IEEE 〔31〕〔32〕 〔33〕~〔37〕

    Intemat iona1Sy㎜pos ium, 電子通信学会研究専門委員会 等に発表して

    いるO

    一6一

  • 第2章 コルゲート円形導波管の特性

    21 序 言

    開き角が小さいコルゲート円形導波管形コルゲート円すいホーンの特性はコルゲート

    円形導波管の特性の影響を強くうける・

    このようなコルゲート円すいホーンの設計法の確立,特性改善,コルゲート円すいホ

    一1・と円形導波管との変換器の改良などを図る場合はコルゲート円形導波管の特性を明

    確にすることが重要である。本章では,アンチナホー;・への応用を考慮したコルゲート

    円形導波管の解析結果について述べる。

    周方向に一つの定在波が立つコルゲート円形導波管のハイブリッドモード波をアンチ

    ナホーンに応用すると通常の円すいホーンより優れた放射指向特性を得ることができる。

    〔19〕 周方向に一つの定在波が立つハイブリッドモード波に重点を拾いた研究にはG.Saxon, 〔20〕 G.H.Bryant などの報告がある。

    G.Saxonらは電子線形加速器に拾いてみられる不要モード波の発振現象(Pu1se-

    Shortening)を解明するため周方向に一つの定在波が立つハイブリッドモード波の解

    折を行なっている。しかし,電子ビームと電磁波との結合を考えるため位相速度が光速

    より遅い周波数範囲に解析の重点が拾かれている。

    一方,位相速度が光速より速い周波数範囲に重点を拾い解析には前述のG.H.Bryant 〔7〕 〔21〕 の他にM.E.J.Jemken, P.J.B.C1arricoats などの解析がある。G.H1.

    趾yantは,コルゲート円すいホーンの特性解明を目的として,溝のピッチが自由空間

    波長に比べて十分小さく,かつ,ひれの厚みの薄いコルゲート円形導波管の解析を行な

    った。そして,コルゲート溝の深さが4分の1波長のとき,コルゲート溝ぱ,Eθ、(周

    方向電界成分)に対して電気壁,Hθ1(周方向磁界成分)に対して磁壁となグEθ。と

    Ho1の振幅分布が一致するとともに,コルゲート溝入口でE伽拾よびH伽の振幅が零

    と在ることを明らかにした。

    M.E.J.Jemkenは,インピーダンス壁を有する円形導波管を考え,任意のインピ

    ーダンス壁が得られるものとして,ハイブリッドモード波の電磁界分布を検討し,適当

    在ハイブリッドモード波をアンテナホーンに応用すると,回転対称でかつ低サィドロー

    ブの放射指向特性が得られることを示した。そして,上述のハイブリッドモード波がコ

    ルケート円形導波管で実現できることを述べている。

    また,P.J-B.C1arricoatsはG.H.趾y舳tの解析に基づき,周方向に一つの

    定在波が立つハイブリッドモード波について検討し,横断面内の電磁界分布,ka一/。a

    一7一

  • 曲線,損失などについて論じている。

    しかし,G.H.Bryantに代表される上述の解析に拾いては,溝のピッチが自由空間

    波長に比べて十分小さく,かつ,ひれの厚みが非常に薄いという仮定がなされている。

    このため,コルゲート円形導波管をアンテナホーンに応用する場合に重要危,ひれの厚

    み,溝のピッチの許容範囲などを明確にすることができない。

    そこで,本章では,コルゲート円形導波管の溝の中の高次波,円筒部領域の空間高調

    波を考慮して,コルゲート円形導波管の解析を行ない,コルゲート溝のピッチ,ひれの

    厚みの電磁界分布に及ぼす影響を明らかにする。

    まず,第2節に拾いては,コルゲート溝中の高次波,円筒部領域の空間高調波を考慮

    してコルゲート円形導波管の解析を行ない,電磁界分布,特性方程式を導出する。つぎ

    に,第3節,第4節に拾いては,それぞれコルゲート溝のピッチが自由空間波長に比べ

    て十分小さい場合,および溝のピッチが比較的大きい場合について,了ンテナホーンの

    特性改善に有効なEH1、モート“波に重点を拾いて,ひれの厚み,溝のピッチの電磁界分

    布に及ぼす影響を明らかにし,コルゲート円形導波管の設計指針を与えるとともに以後

    の章で行なう近似の妥当性を明確にする。

    最後に,第5節に拾いて,位相特性拾よび電磁界分布の測定結果について述べる。理

    論的考察結果は実測結果とよく一致している。

    2.2 高次波,空間局調波を考慮した解析

    コルゲート円形導波管の断面図,拾よび座標系を図2,1に示す。電磁界の解析にあた

    り,便宜上コルゲート円形導波管を円筒部領域(領域I)とコルゲ』ト溝の領域(領域

    皿)とに分ける。重た,コルゲート円形導波管は完全導体で構成されているものとし,

    各領域の電磁界はE。一,E.2のように右隅に添字1,2を付して区別する。

    Y

    X 一 X’

    ト・十・H

    領域

    r領域

    2bZ 2a

    ⊥S=一1 s=O S=1 S=2 領域

    領域皿

    下域1

    領域皿

    Y’

    図2.1 コルゲート円形導波管

    一8一

  • 時間関数をejωt,横方向伝搬定数をrとすると,界方程式から,管軸方向の電磁界成

    分叫,H1・に対して次式が成立する。

    ∂2E2 1 ∂Ez 1 ∂2E2 + + +r2E!=0∂r2 r∂r r2∂θ2

    62H竈 1∂H, 1∂2H1, 十一 十=7 +r2H18:0∂r2 r ∂r r ∂θ2

    ∂2

    r2:k2+一 ∂z

    (2.1)

    (2.2)

    (2.3)

    式(2.1),(2.2)が成立すると,界方程式から横断面内の電磁界成分は次式のよ 〔38〕うに表わされる。

    ・・一 ?O三簑一、書写字

    ・1一 ㈹|1・半周実2

    ・F÷1三号1・若冴許

    ・。=÷1;芸;十仔1…2

    (2.4)

    (2.5)

    (2.6)

    (2.7)

    式(2.1),(2.2)を変数分離法で解き.式(2.4)~(2.7)に代入すると各電

    磁界成分の一般解が得られる・

    2.2.1 各領域に拾ける電磁界成分

    同 円筒部領域(領域I)に拾ける電磁界成分 〔39〕 この領域は周期構造であるので電磁界はF1oquet の定理により表わされる。

    r:0に拾いて,

    1:1二1 / (・・)

    なる条件のもとに式(2.1),(2.2)を解き,式(2.4)~(2.7)に代入する

    と各電磁界成分は次式のように表わされる。ここで,時間関数ejωtは省略する。

    E,、一2C.Z㎜(k皿。)・cosmθ・。■伽 n=一〇〇 Sin【nθ

    (2.9)

    一9一

  • 叫一一工/…絆一(叶・皿細孔皿(・皿・)〕

    ・si皿㎜θ・。ψ・ (。、。) COS mθ

    ・・1一一H/吋・・一(・藺・)土・・課冴・一(・皿・)〕

    。COSmθ・。ψ・ (Z11) sin mθ

    ooH呂,_ΣD皿Z、(。皿、)・sinmθ・、一価 (。、。) n白一〇〇 C-0S mθ

    ト・斗・皿駕・一(…)1・皿音仔・㌔皿(…)〕

    .COSmθ・。一j^・ Sin mθ

    (2.13)

    …r芝/・・昔・㌧皿(…)・・皿芸吊・一(…)1

    .Sinmθ.。一j^・

    COS㎜θ

    ただし,符号はCoS,Sinに対して複合同順であり,ここで

    Jm(k.r) Z㎜皿(knr) = Jm(k.a)

    J㌔(k.r) Z㌔m(k皿r) = Jm(k皿a)

    止。・一k・一β皿・

    2πn ん=β。十 P

    n=O,土1,土2 ……

    m=O,1,2 ……

    C。,D。ば境界条件からきまる定数である。

    (2.14)

    (2.15)

    (2.16)

    (2.17)

    (2.18)

    一10一

  • lbl コルゲート溝領域(領域皿)における電磁界成分

    この領域に歩ける境界条件は,

    :1:二1/・一リ・一・… !…)

    :二ニト・ (舳 ∂r

    である。式(2.19),(220)の境界条件のもとに式(2.1),(2.2)を解き,

    式(2.4)~(2.7)に代入するとっぎに示す電磁界成分を得る。

    oo E,、一2A.V。。(・μ)…h。(・一・p)・cos㎜・・一jβ・sp (Z21) 一己’0 Sin I=nθ

    ・…Σ/l・嶋舳・)1・・㍑・1〃電

    ・、i。・パ、一、。)・Sinmθ・、一jβ…

    COS mθ(2.22)

    ト外箒舳・)・峠厚叫〃〕 ・、i。・パ、一、。)・6●参mθ・。一j榊 (。。。) ε㈹mθ

    ooH,、一2・。U㎜〃μ)。i。・。(、一、。)・sinmθ・。一j榊 (。。・)

    Z;0 COS mθ

    ・・一Q。庁・哨・一州1・・郁舳・)〕

    ・。。。hルー岬)・㏄sm6・。’jβ・・p Si皿mθ

    (2.25)

    …一一A三トか州…雛・一・(刈

    Sinm6 -jβ。Sp・coshZ(z-sp)… COS mθ

    (2.26)

    一11一

  • ただし,符号はCoS,Sinに対して複合同順であり,ここで

    Jm(㌦r)Y集(㌦b)一J㍍(㌦b〕Ym(γzr)U・・(アμ)=

    E、(㌦、凧(州一・㌧(1川・、(㌦、)

    一δm4(rZb, γZr)

    一δmZ(γZb,r∠a)(2.27)

    J㍍(㌦r)Y集(㌦b)一J㌧(㌦b)Y㌧(rZr)U念・(「μ)=。、(㌦、凧(1川一・㌔(州・、(㌦、)

    δ㍑(γμ,㌦b)

    V㎜Z(rZr)=

    一δmZ(㌦b,γ∠a)

    Jm(㌦r)Ym(㌦b〕一J㎜(㌦b)Y㎜(ア4r)

    Jm(アZa)Ym(アZb)一Jm(r4b)Ym(rZa)

    (2.28)

    ξ〃(rμ,㌦b)

    V^Z(㌦r)=

    ξ㎜Z(アμ,㌦b)

    J㌧(㌦r)Ym(㌦b)一Jm(rZb)Y^(㌦r)

    Jm(㌦a)Ym(㌦b)一Jm(㌦b)Ym(rZa)

    (2.29)

    δmZ(rμ,㌦b〕

    ξm4(アμ,γZb)

    γZ2=k2-hZ2

    π∠

    hZ=. d

    s二〇,±1,±2 ……

    ∠=O,±1,±2 ・・・…

    AZ,BZは境界条件からきまる定数である。

    (2.30)

    (2.31)

    (2.32)

    2.2.2 特性方程式

    r:aに拾いて,領域1券よび領域皿の電磁界の接線成分は連続であるという条件

    から特性方程式を求める。

    電磁界の接線成分が連続である条件は,

    E.1二E.2

    Eθ。=Eθ2

    H.1=H.2

    Hθ一=H32

    r=a

    spくz≦lsp+d(2.33)

    一12一

  • E21二E伽:0 r二a (2.34)

    Sp+dくZく(S+1)P

    である。式(2.21)~(2.26jは,任意のsに対して成立するので,s二〇とす

    る。そして,次式に示す関数の直交性を用いてC。,D。,AZ,BZの関係を求める。

    グ・州)…一/1:1:1 (…)

    {吻’州 ¥1111;1(”6)

    4d・・…川…’…一 ・ ・〉 (…) d Z二∠=O d - Z=∠≒0 2

    まず,管軸方向電界成分の連続条件から,式(2.9),(2.21)を等しく置き両

    辺にej^Zを乗じ一周期にわたり積分する。

    4p・…jんz・・一4p・…jβlz・・ (…)

    式(2.33),(2.34)ならびに,式(2.35)を考慮すると,式(2.38)からC皿は次

    式で一与えられる。

    oo oo

    ・。一⊥∫・2・。。。。・μ。帆・・、一⊥Σ。〃、M (。。。) p o Z凹0 P Z=0

    全く同様に,周方向電界成分の連続条件から,C皿,D。,AZ,BZについて次式が与

    えられる。

    ・・皿鴛・・皿昔滑…(・皿・)

    一÷側1・・誌1・・ト〃〕

    ・・i.hμ。j伽d。

    一ザ。ト・嶋…㍑M小∠(…)

    一13一

  • つぎに管軸方向磁界の連続条件から,式(2.12),(2.24)を等しく置き,両辺に

    sin hZzを乗じ,式(2.33),(2.36)を考慮し0からdまで積分するとBZが次

    式で表わされる。

    ・・一 ナ1払・i・・μ・一肌z・・

    2 o。 皿Z

    =一 QD皿N. d n!一〇〇(2.41)

    また,周方向磁界成分の連続条件から,式(2.13),(2.25)を等しく置き,両辺

    に。os hμを乗じ,式(2.33)老らびに式(2.37)を考慮して,Oからdまで積分

    するとC皿,D。,AZ,BZについて次式が得られる。

    (’十ャ0)dト・・蒜・峠冴・1・(・μ)〕

    一准。。←・藺』鵠・・皿昔仔舳・・)〕

    ・… hμ・一j^・d。

    一工/・・。鵠…汗・1皿(…)〕ぺ

    ここで,

    N:4一∫・。。。・μ・。一肌・・。

    0

    _2ん 。川んd+πZ.。1合(β・d+π・) β卜hZ2 2

    N,M一∫・、i、㍑、・。一j伽・、

    0

    __2~、1、んd+π4.。1女(β。d+π・) β~一hZ2 2

    ポーハ。。・μ・。伽・、 0

    _2β・ 、川β皿d+πZ.、去(β口・十π・)

    β。2-hZ2 2

    (2.42)

    (2.43)

    (2.44)

    (2.45)

    一14一

  • M二Z一∫d.i。・μ・。伽 0

    _2jh乙、川んd+πZ.、去(μ・π・)

    β~一hZ2 2

    δ0: P:1:1

    式(2.39)~(2.42)に捺いて,

    ・ jβ回m 皿Za・m= B。・、Nl

    ・レ昔偲・㌧皿(…)・㌣

    皿 2 皿Z

    dZ二一N. d

    jβ皿mf口m= k皿2a

    ・一一ケ慨・・聰(・皿・)

    z 1 皿zE。二一Ml P

    4 πZmF皿m= Prz2・d

    皿4M2

    ・1・一倍荒}州1Z

    1+δ0HZm=一 2

    πzm 2㌧a

    1加一 C’圭㌣・㌧~)・・

    と拾くと,式(2.39)~(2.42)は次式のようにをる。

    oo 乙 C皿= 2AZ E皿 Z’0

    (2.46)

    (2.47)

    (2.48)

    (2.49)

    一15一

  • o. z z ±C皿f㎜十D.g㎜=2 (士AZFnm+BZG㎜) Z三〇

    〇〇 皿 BZ=2d4D皿 n’一〇〇

    〇〇士B.H加十A.I加一2(±~。。D皿十b皿加C皿) 一1=.OO

    つぎに,式(2.49)~(2.52)からC皿,D皿を消去する。

    式(2.49),(2.50)からD。は,

    ・・一A1、。三ト(・1一・lf一〕…舳り

    式(2.51),(2.53)からBZは,

    ・・一B葺/士・仁一。去(・1一・1・一)/

    …、Σ。。d姜書さ一〕

    ’また,式(2.52)ぱ,式(2.49),(2.53)を’ pいて次式で表わされる。

    ±BZH伽十AZ I Z㎜

    一貞ト峰(^一市11

    ・“去判

    式(2.54),(2.55)を書き変えると

    oo

    B4:2(士AqSqZm+BqTqZm) q=O

    oo ±BZH加十A乙IZm:2(Aq W“m±8qXqZ㎜.) q凹0

    ここで,

    ・田・・、~一。鶏1ξ・怯一苦)仔z幕111、、、

    。。。、一38h^峯1叫(7・・)・。、皿 n=一〇〇アqpdZmi1(klla)

    一16一

    (2.50)

    (2.51)

    (2.52)

    (2.53)

    (2.54)

    (2.55)

    (2.56)

    (2.57)

  • ・一一五等}、(㎞)(ザ割

    十・帆・)〕μ加

    地・・一五…1鈴ど船1)・・^(2.58)

    j一(。一z)π e・ β。d+qπ んd+ZπKq加= s i n s i n (β~一h♂)(κ一V) 2 2

    式(2.56),(2.57)の一次無限連立方程式を解けば,位相定数と周波数の関係を

    与える特性方程式が求まる・式(2・56),(2・57)は複雑であるので,次節に釦いて

    近似式を用い検討する。

    2・2・3 特性方程式の近似式

    同 溝のピッチが自由空間波長に比べて十分小さい場合の特性方程式。

    AZ,BZは式(2.51),(2.52)などを検討するとZが大きく在ると小さくなること

    がわかる。

    ま先,p<<λの場合には,

    1/1-H・一・・一(升・・ (…) Z≒0

    すなわち,㌦1が純虚数となり,かつ,その絶対値が大きく在る。このため,rが Z≒O aから次第にbに近づくと,高次波(4≒0の項)は基本波(Z:0の項)に比べ急激

    に減少する。そこで,ここでは高次波の項を無視し領域皿の電磁界成分を尼二〇の項の

    みで近似したときの特性方程式を導く。

    いま,式(2.56),(2.57)に拾いて,

    Aq=Bq:0 q≒O

    とすると,次式が得られる。

    Bo=±Ao Soo㎜十Bo Too㎜

    士Bo Hom+Ao Io㎜=AoWoom士BoXoom

    (2.60)

    (2.61)

    (2.62)

    一17一

  • また,式(2.61),(2.62)中のSoom,Toom,Hom,Xoomは,式(2.58)から

    Soom二Too㎜=Hlom=Xoo㎜:0 (2.63)

    となる。したがって,式(2・61),(2.62)から特性方程式は,

    Io㎜二Woo㎜ (2.64)

    すなわち,

    ・・WV半a〕

    一峰隣。。半)ザ1、、缶㎞〕2/

    ・(守 (2.65)

    となる。

    溝のピッチが比較的大きい場合の特性方程式

    ここでは,領域皿の電磁界成分をZ:0,1の項で近似したときの特性方程式を求め

    る。

    l:ll l:1:l /(州とすると式(2.56),(2.57)から次式が得られる。

    Bo=O

    Bl=土AoSo1m±A-SH㎜十BlTllm (2.67) Ao Iom二AoWoo㎜十AlWlo㎜±Bl Xm

    ±Bl H1㎜十Al I-m:AoW川十AlW-1m±Bl X”m

    式(2.67)をマトリックス表示すると,

    r《1∴±∴、π1+[l/(一

    〔40〕 と在る。Ao,A一,BIが零でない解を有するには係数の行列式が零になれぱよい。

    この条件から特性方程式として次式を得る。

    一18一

  • (W・。・一1。・)/(W・・一11・)(T・1・一・)一(Xll・一・1・)S.m〕

    十S01mW1om(XH㎜一H㎜)十SHmXmmW㎝m

    一(THm-1)W1om W㎝m-Xlom(W-1m-I lm)S01㎜:0 (2.69)

    また,このときのA1,B。とA。の関係式は

    (一〇m-Woom〕(Hl㎜一Xllm)一Wo…Xlo㎜Al= w、。。(W、、。一1、㎜)十W、。、(H、。_X、、㎜)A・

    ・一一1gー一・・…(l1烹11告書)誤制 (2.70)

    1 ・ Ao 1-T。川

    と在りC皿.D皿とAo,Al,B1との関係は次式で一与えられる。

    C。=A.E含 十A,E二

    ・・一m/・(・lr・1・一)・土(・1・一・1・一)山

    ・・1一・り

    (2.71)

    したがって,電磁界分布を求めるには,式(2.70)のA一,Blを式(2,71)に代入し,

    C口,D皿をAoなる定数で表わし,式(2.9)~(2.14),券よび式(2.21)~(2.26)

    に代入すればよい。’また,電磁界分布としては,周方向に正弦波あるいは余弦波分布を

    する波のうち一方の波の分布について考慮すれば十分であるので,以下本論文では管軸

    方向電界が周方向に正弦波分布と在る波については省略する。

    2.3 コルゲート濤のヒッチが自由空間波長に比べて十分小さい場合の特性

    2.3.1 アンテナホーンに応用されるコルゲート円形導波管形状拾よびモード波の定義

    同 コルゲート円形導波管形状

    β。pが2πだけ増加しても,式(2.18)の関係からん一。はもとのんと等しくなる。

    したがって式(2.9)~式(2.14)のように位相定数がんなる空間高調波の和で表わざ

    れる電磁界は何ら変化しない。このため1opを1周期の範囲に限り諸特性を検討すれば

    他のβOPに対する特性もわかる。一般には位相速度が最も速く在る部分の1周期1β0Pl 〔39〕 くπが基本波にとられる。 本論文に呑いても~=れに習い,アンテナホーンに応用され

    るコルゲート円形導波管の特性を論じる。

    さて,コルゲート円形導波管をアンテナホーンに応用して放射指向特性の改善を図る

    一19一

  • には,コルゲート溝の深さ(b-a)が適当在場合にコルゲート溝入口部がEθ。に対し 〔20〕電気壁,Hθ1に対し磁壁となり得ることが必要である。 この条件はコルゲート溝のピッチ

    pが自由空間波長λに比べて十分小さく(pくλ),かつ,ひれの厚みが薄い場合に成立する。

    pくλの場合には,式(2.17)から与えられるk㌔a21は負となる。す危わち n判 k.a lぱ純虚数となる。このときには,式(2.9)~(2.14)で与えれる円筒部の空 n≒0 間高調波成分(n≒O)の半径方向へ6分布は変形ベッセル関数で表わされる。そして,

    r=aからr=0に近づくとその振幅は急激に小さくなる。また,その振幅C。・D皿は

    式(2.71)からnが大きくなると小さ〈なることがわかる。

    また,放射指向特性がTE1.0モード波で励振されている円すいホーンのように,ホー

    ンの正面方向に主ビームを持つにはn=1のモート“波のE。。,Eθ。が,それそれ管軸部

    に赤いて強い振幅を有することが必要である。EH,Eθ、は,それそれ式(2.11),

    (2.10)に示すように,前述のn≒0の空間高調波拾よび皿=Oの基本波の和で表わざ

    れる。したがって,E.1,Eθ。の半径方向への分布が管軸部で強く在るには基本波の半

    径方向への分布が管軸で強く在ることが必要となる。このためには,k。>O,すなわち,

    k>β。と在り基本波の半径方向への分布がベッセル関数で表わされることがすくなく

    とも必要と在る。

    したがって,アンテナホーンに,できるだけ理想状態でコルゲート円形導波管を応用

    する場合には,コルゲート溝のピッチと自由空間波長λとの関係ぱpくλであり,また,

    使用周波数範囲はk>βo,すなわち,位相速度が光速より速い範囲となる。

    つぎに,コルゲート溝の深さについては,pくλの場合にはコルゲート溝が円筒部の

    電磁界に対して終端が短絡されたラジアル伝送線路として動作するので,基本的にばそ

    の深さが零からλ/2重でを考察すれば工く,その他の深さに対する特性はこれから類

    推できる。

    このような観点から本論文では,pくλの具体的許容範囲について考察を行をう本章

    の2.4,および各種モード波の伝搬帯域について考察を行在う第6章の6,3を除いては,

    k>βo,pくλ,(b-a)くλ/2の条件下に拾いてコルゲート円形導波管拾よび,そ

    の応用としてのコルゲート円すいホーンの諸特性を論ずることにする。

    同 モート’波の定義

    式(2.9)~(2.14)から明らかなように,m=0の回転対称なモード波以外の波は,

    TM波とTE波との混成波(ハイブリッドモード波)となる。ハイブリッドモード波の 〔21〕〔23〕 名称の定義としては,いろいろあるが, m:m’に持ける特性方程式のi番目の解

    (ko:Oを除く)を満足するモード波をHEm’i(あるいはEHm’i)波と定義する方 〔41〕 法がよく用いられている。

    一20一

  • しかし,この方法では円形導波管モード波との対比を行なうときに不便である。とく

    に,コルゲート円形導波管をアンテナホーンに応用する場合には,円形導波管モード波

    に対応するようにハイブリッドモード波の名称を定義すると放射パターンの考察,円一形

    導波管との変換器の設計などに拾いて好都合である。

    本論文では,放射指向特性の改善に用いられるコルゲート円形導波管に巻いてはコル

    ゲート溝の深さが比較的浅いことに着目して,コルゲート溝の深さを次第に浅くして,

    コルゲート円形導波管形状をひれの内径と等しい内径の円形導波管に近づけた場合に円

    形導波管の

    TE島iモード波に変換されるモード波をHlE㎜i,(m≒O)

    TM㌫モード波に変換されるモード波をEHmi,(m≒O)

    TE毛iモード波に変換されるモード波をTE言i,

    TMもi{一ド波に変換されるモード波をTM言i

    モード波と定義する。

    この定義にしたがうと,放射指向特性の改善に用いられるモード波は,位相速度が

    TEI青モード波の位相速度より速い周波数範囲に拾けるEH。、モード波である。

    EH1。モード波の特性については,2.4でその概略を述べ,第3章で,その詳細を放

    射指向特性との関連に拾いて述べることにし,この節ではpくλ,k>βoの場合につ

    いてコルゲート溝形状の電磁界分布に及ぼす影響を一般的に論じ,つぎにpくλ,k〉βo

    のもとになされる近似の精度を,EHHモート.波を例にとり数値計算により検討し,第

    3章以降で行在う近似の妥当性を明らかにする。

    2・3・2 特性方程式の近似式

    コルゲート溝のピッチが自由空間波長に比べて十分小さい場合の特性方程式は式

    (2・65)で与えられる。この式を,k>βoの条件のもとに検討する。

    式(2・65)を変形すると,

    牛居V半一j苧㍑}・L、、、搬1、、、、〕

    ・←;麦→(2.72)

    一21一

  • ここで,

    ε「1二:1

    式(2.72)の右辺をn:0の項と他の項とにわけて表わすと

    j宇π仔V半)

    ここで,

    Kξ:一kも=β言 一k2 (2.74)

    I㌔(K.a)

    μKla)r、(・、、) (Z75)

    式(2.73)~(2.74)に拾いて,k>βo,pくλを考慮すると

    K皿=βn二2πn/p (2.76)

    治。(K皿a)=1 (2.77)

    β。d sin 2 31 β。d (Z78) 丁式(2.76)~(2.78)が成立するので,式(2.73)ぱ次式のように表わすことがで

    きる。

    ll‡∵イ(島ツー

    一外(釧正午)/ (一

    一22一

  • pくλの場合には,式(2.79)の右辺第2項,すなわち空間高調波成分の位相特

    性に及ぼす影響が小さいことがわかる。

    2.3.3 コルゲート溝の呈するアドミタンス

    コルゲート溝の幅が波長に比べて十分小さい場合には,コルゲート溝中を径方向に

    伝搬する電力は,Z成分電界とθ成分磁界によって表わせる。そこで,径方向への伝

    送電力ならびにr=a,θ:0に拾ける電圧を用いて,r=aに歩いてs番目のコル

    ← ゲート溝の底をみたときのコルゲート溝の呈するアダミタンスY㎜,ならびにs番目

    → のコルゲート溝入口(r=a)から円筒部領域をみたときのアドミタンスY㎝を,そ 〔42〕. れぞれつぎのように定義する。

    ㌦一

    ㌦一

    ←式(2-80〕に式(2・21〕,(2・25)を代入するとY.mぱ

    予・一一1牢傷・い・)

    →となる。つぎにY㎝を求める。電磁界を基本波成分のみで近似すると

    Eθ。=O

    である。したがって,E何はr二aに赤いて

    Eθ一 =O r=3

    この条件からC皿とD皿の関係はつぎのように与えられる。

    許一一{瑞保zら÷、、。、、

    (2.80)

    (2.81)

    (2.82)

    (2.83)

    (2.84)

    (2.85)

    式(2.33),(2.85)を考慮して,式(2.81)に式(2.9),(2.13)を代入すると

    →Yomぱ次式となる。

    も・一千億ユ峠…(…)

    一23一

  • 一品(鉗★(ヂ)

    ÷中川協2点・)/

    一升側叶デ)/(2.86)

    → ← 式(2.79)と式(2.82)(2.86)を比較すると式(2.79)の右辺は一Y㎝と,左辺はY。㎜

    と一致している。また,式(2.86)の右辺第2項は,空間高調波の影響を考慮した

    場合に現われるサセプタ1・スで・p<λの場合には無視することができる。したがっ

    ←てk〉βo,pくλの場合には,コルゲート円形導波管を周期性のない1/Y・mなるイ

    ソビータ’シス壁を有する導波管とみなすことができる。 〔43〕 また,式(Z82)のV㍍(ka)は近似的に一。otk(b-a)と等しい。す在わち,

    ←Y㎜はkaに対して近似的に周期的な変化をするが・2・3・1で述べたように本論文で

    はk(b-a)くπの範囲を対象として考慮する。

    23.4 コルゲート溝の呈するアドミタンスと電磁界分布

    一“ ←■ ← 周期性を無視すると,式(2.79)から明らかなようにY.m,Y。㎜のうちY.mのみ

    が,ひれの厚みとコルゲート港の深さに関係する。まず,ひれの厚みを変えた場合の

    ← 電磁界分布について考察する。ひれの厚みを変えたときのY。㎜の変化はコルゲート溝

    の特性アドミタンスの変化によるものである。したがって,式(2.82)に拾いて,ひ

    れの厚みを厚くする(溝の幅dを小さくする)一と,V二。(ka)が正の場合には,

    ← Y・㎜ は太さな容量佳サセプタンスを呈するように在り,V4o(ka)が負の場合には,

    ← Y・mは大き在誘導性サセプタ1/スを呈するようになる。しかし,V^。(ka)が零の

    ← 場合には,Y.mはひれの厚みの影響を受けない。」 ← ←

    い.ま,Y目m≒0として,d/p→0すなわちY・m/j二士。。の場合について検討す

    ると特性方程式 {一 一“

    Y㎜二一Yom (2,87)

    は,

    Jm(k.a)1O (Z88)

    または,

    一24一

  • Jいk.a)1O (2.89)

    となる。

    一方,円筒部領域E.1,H”の基本波成分の振幅であるC。とD⑪との間には式

    (2.85)に示す関係がある。したがって,

    Jm(koa)10 のときには lDol<lCol (2,90)

    J集(koa)=0 のときには lDo l>lCo1 (2.91)

    と在り,式(2.90)が成立する場合には,コルゲート円形導波管のモード波の電磁

    界分布は円形導波管のTM島iモード波の電磁界分布に,また,式(2.91)が成立す

    る場合には,TEもiモード波の電磁界分布にそれぞれ近づくことがわかる。これば,

    →Y目m/j1土。。場合には半径aの円筒面が等価的に導体壁と考えられることからも明

    らかであり,コルゲート溝の深さを変えても同様なことが成立する。

    2.3.5 コルゲート溝中の高次波在らぴに円筒部領域の空間高調波の電磁界分布に及ぼす影響

    2・3・2~2・3・4に釦いて,pくλ,k>βoの場合には,コルゲート溝中の高次波な

    らぴに円筒部領域に歩ける空間高調波成分を各領域の基本波成分に対して無視するこ

    とができ,コルゲート円形導波管をインピーダ1ノス壁を有する導波管として考えるこ

    とができることを示した。ここでは,EH11モード波を例にとり,数値計算により,

    pくλ・k>β・の場合には・高次波・空間高調波成分のka一βoa曲線拾よび電磁

    界分布に及ぼす影響が小さいことを示す。

    同 EHl・モード波のk卜β・a曲線に及ぼす影響

    式(2.79)から明らか在ように,空間高調波成分の影響はd/p:1あるいは,

    d/P20の場合はほとんどない。そこで,空間高調波の影響が比較的大きいと考えられ

    るd/p:O.5のときに,空間高調波,高次波を考慮しない場合のka一β。a曲線と空間

    高調波のみを考慮した場合のka一βo a曲線を数値計算により求めた。図2.2に対比し

    て示す。

    一25一

  • 5.0

    4.0

    ka

    3,O

    Z=O@ \n二’0、\Z=0

    腕=一3~3

    b/a=1.444

    d/P=α5

    P/a=α167

    0 1.O 2.0 3.O 4.0 5.0

    β・a

    図2・2 空間高調波のka一βoa曲線に及ぼす影響

    (EH.1モード波)

    コルゲート円形導波管形状はb/a=1・444・p/a=O・167・d/p=O.5であり,空

    間高調波成分を無視したことにより位相速度が約1%速く在っている。これは式(2.86)

    →から明らかなように空間高調波成分の項がY.mに容量性サセプタンスを増加するように

    寄与するためである。

    コルゲート溝中の高次波成分の影響は溝の幅が広いとき強くなる。そこで,d/p:

    O.89の場合について,高次波の影響を考慮した場合と考慮し危い場合のka一βo a曲線

    を求めた。図2.3に対比して示す。ここでb/a=1,444・p/a=O.167である。高

    次波成分を無視すると位相速度が約1%速くなる。

    図2.2・2.3からpくO・14λの場合には空間高調波,高次波成分のka一β。a曲線に

    及ぼす影響は約2%であることがわかる。

    一26一

  • ka

    5.O

    4.O

    3.O

    Z=0n=一3~3 \ Z=O.1

    n=一3~3

    b/a=L444

    d/P=O,89

    P/a:O.167

    0 1.0 2.0 3.O 4.0 5.0

    β0a

    図2.3 高次波成分のka一βoa曲線に及ぼす影響

    (EHnモード波)

    同 EHuモード波の電磁界分布に及ぼす影響

    図2.2にk卜βoa曲線を示したコルゲート円形導波管の電界分布を空間高調波を考慮

    した場合と無視した場合とについて求めた・図2・4にka=3・96の場合の相対電界面、,

    Eθを示す。ここでE。拾よびEθは,それぞれ図2.1に示すY-Y’軸上のE。一,拾よび

    X-X’軸上のEθ1の相対電界である。

    実線は空間高調波を考慮した場合,破線は空間高調波を無視した場合の電界分布である。

    pくO.1λの場合には空間高調波の電磁界分布に及ぼす影響は小さいことがわかる。

    な拾,図2.4中の一点鎖線で示す分布は対比のために示す半径aの円形導波管の丁酬1

    モード波の分布である。EHHモード波の方がE。とEθの一致度がよい。

    2.3.51a〕,ωから結論として,p<λ,k>β。の場合には,ひれの厚みの影響を空間

    高調波成分を無視して考察でさることがわかる。

    一27一

  • L0

    Y0.5

    Y’

    0

    \. _ ■■

    \、 、、

    、\ぐ

    Y 、Z二0r \。=_3~3

    、一。べ

    n=0、 、

    X一 一X’、

    ・・1、

    8/2 8

    1.O

    Xα5

    X’

    4=0m=一3~3

    。一。\

    誠=0 、

    0 8/2 8 半径図2.4 相対電界(EHHモード波)

    ka二3.96 b/a=1一.444,d/p=O.5,p/a=0.167

    一28一

  • 2.4 コルゲート溝中のピッチが比較的大きい場合の特性

    コルゲート溝のピッチ,溝の幅が自由空間波長に比べて十分小さくなくなると,コル

    ゲート溝中の高次波,ならびに円筒都の空間高調波成分は,それぞれコルゲートの底な

    らびに管軸周辺部にも分布するようになり,各領域の基本波成分に対して無視できなくなる。

    このため諸特性を表わす式が繁雑となり,一般的に論じにくい。

    そこで,ここでは溝のピッチが自由空間波長に比べて比較的大きい場合にひれの厚み,

    溝のピッチが放射指向特性の改善に有効在EH。。モード波のka一β。a曲線,電磁界分布

    に及ぼす影響を数値計算により明�