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Our Priorities for a More Sustainable Future バクスター2009年サステナビリティ報告書 オンライン完全版 } sustainability.baxter.com

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Our Priorities for a More Sustainable Future

バクスター2009年サステナビリティ報告書 オンライン完全版 } sustainability.baxter.com

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バクスターインターナショナルインクは、その子会社を通して、血友病、免疫不全症、感染症、腎疾患、外傷などに対

する医薬品・医療機器を開発および製造販売し、患者さんの救命や生命維持に貢献しています。多様性に富むグローバ

ルヘルスケア企業として、医薬品、医療機器、バイオテクノロジーの専門技術を活用し、世界の医療の向上に寄与する

製品を創出します。

バクスターは、世界27ヵ国に製造拠点を置き、100ヵ国以上で製品を販売しています。米国外の市場における売上が全

体の約60%を占めています。2009年の総売上は約126億ドル、2009年末現在の従業員数は約49,700人です。

バクスターの3つの事業分野

バイオサイエンス事業血友病など出血性疾患の治療に使用する遺伝子組換え型たん白製剤および血漿たん白製剤のリーディングカンパニーです。また、免疫不全症、α1-アンチトリプシン欠損症、熱傷や出血性ショック、その他の血液疾患治療用の血漿たん白製剤、バイオサージェリー製品などの再生医療用の製品、ワクチンなども提供しています。

メディケーションデリバリー事業輸液製剤および輸液セット、プレミックス製剤、薬剤溶解システム、プレフィルドシリンジおよびバイアル製剤、栄養輸液、注入ポンプ、吸入麻酔薬など、ドラッグデリバリーの関連製品を製造しています。また、製剤技術や包装技術にかかわる製品やサービスなども提供しています。

透析製品事業慢性腎不全治療として在宅で行う腹膜透析療法のリーディングカンパニーとして、腹膜透析液や機器、関連サービスを提供しています。また、急性期病棟で行われる持続的腎代替療法の製品を製造販売し、その支援サービスを提供しています。さらに、医療機関で使用される血液透析用の製品も販売しています。

詳細は } sustainability.baxter.com/company_profile

企業概要

目 次

企業概要 2

会長兼CEOからのメッセージ 3

サステナビリティに関する優先事項と目標 4

従業員 6安全で健全な職場環境 7多様性のある包括的な職場環境 8倫理的な行動と法令遵守 9

事業活動と製品 10環境に配慮したサプライチェーン 11温室効果ガスの排出削減 12天然資源使用量の削減 13環境保全のための製造責任(プロダクト・スチュワードシップ) 15

社会 16医療へのアクセス向上 17教育支援 19

オンライン完全版ガイド 20

データ概要 22

認証取得の証明

「バクスター2009年サステナビリティ報告書」の特定の項目およびオンライン完全版の関連する内容について、第三者による検証をBUREAU VERITAS NORTH AMERICA, INC.に委託しました。BUREAU VERITASは、最新のベストプラクティスに基づき、サステナビリティ報告書の外部検証用の標準手順とガイドラインに照らして検証を実施しました。報告書中のチェックマークは、以下の項目について認証を取得していることを示します。

BUREAU VERITASは、報告書の環境・衛生・安全(EHS)に関する項目のうち、左のチェックマークを付けたものは、正確で信頼性が高く、重大な誤りや虚偽がないと判断しています。

BUREAU VERITASは、報告書のサプライチェーンに関する項目のうち、左のチェックマークを付けたものは、不正確または不適正な記述がないと判断しています

「バクスター2009年サステナビリティ報告書」は、サステナビリティ(持続可能性)に関する当社の9つの優先事項について、それぞれの取り組みの進捗状況をお伝えするものです。当社のすべてのサステナビリティ活動の成果と、本報告書で取り上げている優先事項の詳細については、オンライン完全版(英語)をご覧ください。

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3バクスター2009年サステナビリティ報告書詳細は } sustainability.baxter.com

会長兼CEOからのメッセージ今日、医療は困難な時期を迎えています。医療に対するニーズが継続的に高まっていますが、リソースには限りがあります。発展途上国の多くでは、血友病や慢性腎不全、その他重篤な疾患を抱える患者さんが依然として治療を受けることができずに取り残されています。また、米国では無保険者が約5,000万人にのぼり、その結果、メディケア導入後、最も重要な医療保険改革法が2010年初めに制定されました。

米国の医療保険改革法は、無保険者の医療保障へのアクセスを拡大し、医療費を長期的に抑制することを目指しています。製薬業界を取り巻くその他の変化も、継続する世界経済危機とともに、当社にとって厳しい環境を創り出しています。したがって、イノベーション、生産性およ

び効率性をさらに促進するために注力することが急務となっています。

サステナビリティには、あらゆる事業戦略と同様に長期的な視点が求められます。世界的な気候変動、天然資源の枯渇、政情不安、金融不安、質の高い医療や教育へのアクセスの不足などは、一夜で解決できるような問題ではありません。政府や非政府機関(NGO)、その他の団体と同様に、企業もこれらの問題を解決するうえで重要な役割を担っています。

医療や教育へのアクセスの向上など、これらの問題の一部には特に当社に関連する課題があります。グローバルヘルスケア企業として、当社は切実な医療ニーズを抱える発展途上国に対して、救命や生命維持に寄与する製品や治療法を提供しています。また、地域社会への支援として、恵まれない人々に対する医療サービスへのアクセスを拡大することに重点を置いています。さらに、特に科学・技術・工学・数学(STEM)の教育支援にも率先して取り組んでいます。

さまざまな意味から、サステナビリティ(持続可能性)は当社の事業や企業文化の延長線上にあります。サステナビリティに関する優先事項のそれぞれの取り組みに従業員がかかわることにより、より持続可能な社会の実現に貢献し、同時にそれが当社の事業にもよい影響をもたらすのです。たとえば、天然資源使用量の削減は、将来に向けて貴重な資源を保全するとともに、事業活動コストを削減します。多様性のある包括的な職場環境を促進することにより、従業員がさらに効果的に協力する文化を醸成し、優秀な人材の維持を可能にします。また、STEMの教育支援は、将来の科学技術の課題に対処できる子どもたちの育成の一助となるでしょう。

サステナビリティに関する優先事項と目標に対して継続的に前進していることを誇りに思いますが、私たちが満足することは決してありません。まだ取り組むべきことは多くあり、当社は数多くの課題への取り組みをさらに前進させるよう努力していきます。

また来年、当社のサステナビリティの取り組みについてさらなる進捗を報告できることを楽しみにしています。

2009年のサステナビリティハイライト

「FLEXBUMIN」(ヒトアルブミン)に対して、カーボントラスト社からカーボントラスト認証を取得しました。「FLEXBUMIN」は、世界で唯一の軟質プラスチックバッグ入りのアルブミン製剤で、世界で初めて医療用品としてカーボントラスト認証を取得しました。

水資源使用量を絶対値で2005年比9%、売上高を指標として同年比29%削減しました。

事業活動による温室効果ガスの純排出量を絶対値で2005年比5%、売上高を指標として同年比26%削減しました。

スイス・チューリッヒの欧州本部の社屋に、自然採光や太陽光パネルなど、さまざまな画期的な機能を備えたグリーンビルディング設計を導入し、同規模の一般的なオフィスビルと比較してエネルギー使用量を約80%削減しました。

当社のプログラム「Science@Work」を通して、シカゴ公立学校約400校の教師に対して、専門能力開発の機会を提供しました。また、24,000人以上の学生にバイオテクノロジーの授業を行い、「卓越したパートナー」として表彰を受けました。

「グローバル・サプライヤー・サステナビリティ・プログラム」を導入し、当社の購買プロセスに環境に関する20の基準を設けました。

労働損失を伴う就労中の傷病の件数を3年連続で低下させました。

特に医療へのアクセスの向上に重点を置き、助成金の提供、資金援助および製品の無償提供を含め、5,200万ドルを超える寄付を行い、世界各地の緊要なニーズに対応しました。

2010年6月バクスターインターナショナルインク 会長兼CEO

ロバート・L. パーキンソン・ジュニア

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製品開発、効果的な製品の無償提供を通して、医療へのアクセスを向上させます

理数科を中心とした教育支援を推進します

• 2010年までに、BOP市場(経済ピラミッドの底辺)または発展途上国における当社製品の妥当性を評価し、効果が高く経済的に持続可能な製品の導入機会を検討します。• BOP市場における医療へのアクセスを向上させるため、研究開発投資を2008年より増額します。• 外部の支援団体と協力し、2010年以降の製品の無償提供に関する計画を策定および実施します。災害や惨事において、製品を迅速に現地へ届けること、最も必要とされている製品が安定供給されるようにすること、後発発展途上国や発展途上国のニーズに合った製品を届けることなどを目的として、効果的な製品の無償提供を行います。

• シカゴ公立学校の教師および学生を対象としたバイオテクノロジー教育を通し、理数科教育を促進します。また、シカゴ以外の地域においても、教育機関と連携して同様の教育機会を提供します。

安全で健全な職場環境を推進します

多様性のある包括的な職場環境を推進します

倫理的な行動と法令遵守を推進します

事業活動と製品

従業員

社会

環境に配慮したサプライチェーンを推進します

温室効果ガスの排出削減を推進します

天然資源使用量の削減を推進します

環境保全のための製品責任(プロダクト・スチュワードシップ)の強化を推進します

• 米国内の社用車の排ガス量を2007年比で20%削減します。• 取引金額上位100社にあげられるサプライヤーからの購入計画にグリーン原則を導入します。

• 売上高を指標として、温室効果ガス排出量を2005年比で45%削減します。• 再生可能なエネルギーの使用を施設のエネルギー使用量全体の20%に増加させます。

• 売上高を指標として、廃棄物発生量を2005年比で30%削減します。• 売上高を指標として、エネルギー使用量を2005年比で30%削減します。• 顧客へ配送する製品の包装材料を2007年比で5,000トン削減します。• 売上高を指標として、水資源使用量を2005年比で35%削減します。そのために、2010年までに当社の施設に関連する水資源を調査することにより、脆弱な流域を特定し、リスクの高い地域の水資源保全について積極的な目標を設定します。• 脆弱な流域を保護し、また、地域の人々が清潔な水を得られるよう、2件のプロジェクトを実施します。

• プロジェクト・スチュワードシップ・プログラムに、サステナビリティに配慮した設計、製品の回収およびリサイクルの要素を適宜取り入れます。• 動物試験の代替手段の利用、回数の削減、改善(3R)の新たな可能性を特定します。

• 従業員の安全を守り、健康を増進するための最も優れたプログラムを実施し、業界トップ3の実績を達成します。7ページの脚注1を参照。

• 多様な意見や考え方、経歴、経験が尊重される包括的な企業文化を築き、維持します。

• 社内でも、業界全体においても、常に先頭に立って倫理的な営業およびマーケティング活動を推進します。 � 米国医療コンプライアンスプログラムおよび国際腐敗防止方針を強化し、導入します。 � 米国内外の業界団体、NGO、政府と協力し、医療従事者との金銭授受に関する基準を実施することにより、製品とサービスに関する適切な教育、研究、対話を可能にし、不適切なインセンティブを阻止します。

17ページまたはsustainability.baxter.com/community_support

19ページまたはsustainability.baxter.com/community_support

11ページまたはsustainability.baxter.com/supply_chain

12ページまたはsustainability.baxter.com/EHS

13ページまたは sustainability.baxter.com/EHS およびsustainability.baxter.com/product_responsibility

15ページまたはsustainability.baxter.com/product_responsibility

7ページまたはsustainability.baxter.com/EHS

8ページまたは sustainability.baxter.com/employees および sustainability.baxter.com/supply_chain

9ページまたは sustainability.baxter.com/governance_ethics_and_compliance

当社は明確な優先事項を定めることにより、取り組みを集中させ、イニシアチブを方向づけることが大切であると考えてい

ます。当社のサステナビリティに関する9つの優先事項は、「従業員」、「事業活動と製品」、「社会」の3つに大きく分類され

ます。この優先事項では、バクスターとそのステークホルダーが高い関心を持つ分野や、当社が特に大きく貢献できる分野

の課題を取り上げています。当社の長期目標(右表に詳細)は、当社のサステナビリティに対するコミットメントを示し、継

続的な取り組みを動機づけるとともに、ステークホルダーがその評価をできるようにするものです。

優 先 事 項

4 バクスター2009年サステナビリティ報告書 詳細は } sustainability.baxter.com/sustainability_at_baxter/priorities_goals

写真上:中国の医療機関向けに輸液製剤を配合する、中国・蘇州のプレミックス研究開発センターのフランク・コン(Frank Gong)。高まる医療ニーズに対応するため、バクスターは中国に大規模な投資を行っています。

サステナビリティに関する優先事項と目標

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製品開発、効果的な製品の無償提供を通して、医療へのアクセスを向上させます

理数科を中心とした教育支援を推進します

• 2010年までに、BOP市場(経済ピラミッドの底辺)または発展途上国における当社製品の妥当性を評価し、効果が高く経済的に持続可能な製品の導入機会を検討します。• BOP市場における医療へのアクセスを向上させるため、研究開発投資を2008年より増額します。• 外部の支援団体と協力し、2010年以降の製品の無償提供に関する計画を策定および実施します。災害や惨事において、製品を迅速に現地へ届けること、最も必要とされている製品が安定供給されるようにすること、後発発展途上国や発展途上国のニーズに合った製品を届けることなどを目的として、効果的な製品の無償提供を行います。

• シカゴ公立学校の教師および学生を対象としたバイオテクノロジー教育を通し、理数科教育を促進します。また、シカゴ以外の地域においても、教育機関と連携して同様の教育機会を提供します。

安全で健全な職場環境を推進します

多様性のある包括的な職場環境を推進します

倫理的な行動と法令遵守を推進します

事業活動と製品

従業員

社会

環境に配慮したサプライチェーンを推進します

温室効果ガスの排出削減を推進します

天然資源使用量の削減を推進します

環境保全のための製品責任(プロダクト・スチュワードシップ)の強化を推進します

• 米国内の社用車の排ガス量を2007年比で20%削減します。• 取引金額上位100社にあげられるサプライヤーからの購入計画にグリーン原則を導入します。

• 売上高を指標として、温室効果ガス排出量を2005年比で45%削減します。• 再生可能なエネルギーの使用を施設のエネルギー使用量全体の20%に増加させます。

• 売上高を指標として、廃棄物発生量を2005年比で30%削減します。• 売上高を指標として、エネルギー使用量を2005年比で30%削減します。• 顧客へ配送する製品の包装材料を2007年比で5,000トン削減します。• 売上高を指標として、水資源使用量を2005年比で35%削減します。そのために、2010年までに当社の施設に関連する水資源を調査することにより、脆弱な流域を特定し、リスクの高い地域の水資源保全について積極的な目標を設定します。• 脆弱な流域を保護し、また、地域の人々が清潔な水を得られるよう、2件のプロジェクトを実施します。

• プロジェクト・スチュワードシップ・プログラムに、サステナビリティに配慮した設計、製品の回収およびリサイクルの要素を適宜取り入れます。• 動物試験の代替手段の利用、回数の削減、改善(3R)の新たな可能性を特定します。

• 従業員の安全を守り、健康を増進するための最も優れたプログラムを実施し、業界トップ3の実績を達成します。7ページの脚注1を参照。

• 多様な意見や考え方、経歴、経験が尊重される包括的な企業文化を築き、維持します。

• 社内でも、業界全体においても、常に先頭に立って倫理的な営業およびマーケティング活動を推進します。 � 米国医療コンプライアンスプログラムおよび国際腐敗防止方針を強化し、導入します。 � 米国内外の業界団体、NGO、政府と協力し、医療従事者との金銭授受に関する基準を実施することにより、製品とサービスに関する適切な教育、研究、対話を可能にし、不適切なインセンティブを阻止します。

17ページまたはsustainability.baxter.com/community_support

19ページまたはsustainability.baxter.com/community_support

11ページまたはsustainability.baxter.com/supply_chain

12ページまたはsustainability.baxter.com/EHS

13ページまたは sustainability.baxter.com/EHS およびsustainability.baxter.com/product_responsibility

15ページまたはsustainability.baxter.com/product_responsibility

7ページまたはsustainability.baxter.com/EHS

8ページまたは sustainability.baxter.com/employees および sustainability.baxter.com/supply_chain

9ページまたは sustainability.baxter.com/governance_ethics_and_compliance

優 先 事 項 目 標(特に記載のない限り2015年の目標) 関 連 情 報

5バクスター2009年サステナビリティ報告書詳細は } sustainability.baxter.com/sustainability_at_baxter/priorities_goals

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写真右:カナダ・オンタリオ州アリストンの製造施設に勤務する、環境・衛生・安全マネジャーのシェリー・レイモンド(Shelly Raymond)。同工場は、北米で当社初の国際標準化機構(ISO)14001環境マネジメントシステム規格および労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS)18001の認証を取得しました。

患者さんの救命や生命維持に貢献

する製品の創出に欠かせないのは、

世界中で活躍する49,700人の従業

員です。当社は組織体制やプログラ

ムを継続的に改善し、安全かつ健全

であらゆる違いを受容する職場環

境を提供することに努め、誠実さと

イノベーションを促進する企業文化

を育んでいます。

従業員

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7バクスター2009年サステナビリティ報告書

優先事項

7詳細は } sustainability.baxter.com/EHS

常勤従業員は、起きている時間の大半を職場で過ごします。そのため、企業は安全で健康を増進する職場環境を築くことが大切です。当社は傷害の危険性を低減し、従業員の健康を促進する方法を常に追求しています。

1 国際人材コンサルティング会社ORC Worldwideに全世界の安全データを提出しているヘルスケア企業12社の比較では、最新の業界ベンチマークデータとの比較が可能な2008年において、バクスターの労働損失を伴う傷病の発生率は第4位。

2 職場の重傷者数とは、1日を超える入院、切断または重体状態を生じた従業員または請負業者の人数。

3 比率はすべて20万時間(常勤従業員100人の1年間の就業時間数に相当)当たりの発生件数または日数。記録の追跡を目的として、米国労働安全衛生局(OSHA)による記録管理法を全社的に適用。記録すべき休業や労働制限の日数について医学的見解が異なる場合は、最も権威ある医師の見解に基づいて記録。労働損失を伴う傷病:事故発生日翌日から1日以上の休業を伴う、業務にかかわる傷病。労働損失日数:業務にかかわる傷病により休業した日数(週末、休日を含む)。最も権威ある医師の見解に基づく日数。労働制限日数:業務にかかわる傷病により、従業員または指揮下にある請負業者が職務を完全に遂行することができない日数(週末、休日を含む)。最も権威ある医師の見解に基づく日数。傷病発生日と完全に職務復帰した日は含まない。記録対象となる傷病:応急手当後も治療を必要とする、業務にかかわる傷病(労働損失を伴う傷病を含む)。

4 2009年11月に、米国イリノイ州ディアフィールドの本社にある池を浚渫中に請負業者1人が死亡。イリノイ州レイク郡の監察医は、自然死であり、業務と無関連であると判断。よって、本件はこのデータに含まれない。

写真上:車輪付きの製品搬送装置によって、英国セットフォード工場のリン・キャロル(Lynn Carroll)をはじめとする従業員は、製品を持ち上げることなく、隔離室に製品を容易に収納することができます。

安全で健全な職場環境を推進します優先事項

進捗状況

2015年 目標従業員の安全を守り、健康を増進するための最も優れたプログラムを実施し、業界トップ3の実績を達成します。

最新情報当社は2009年、労働損失を伴う就労中の傷病の発生率を3年連続で低下させました。2006年と比較すると、52%減少しました。最新の業界ベンチマークデータとの比較が可能な2008年では、当社の実績は業界第4位に位置します1。

残念ながら、当社は重傷者数を減少させることができませんでした2。これらの事象の根本原因を調査し、事故を回避する方法を検討しています。詳細についてはオンライン完全版(英語)をご覧ください。

従業員の安全

安全実績を継続的に改善するために、2つの主要なプロセスを適用しています。

危険要因の特定とリスク評価:従業員の傷病の主な原因に対処するプログラムの最適化を可能にします。アイルランドのキャッスルバー工場では、人間工学的リスクを抑制するためにリスクに基づくアプローチを採用しています。人間工学的リスクは、当社が全社的に重点分野と特定したものです。その結果、同工場の手作業にかかわる傷害は2008年の21%から2009年の10%へと低下しました。

ニアミス報告:傷病に至らなかったものの、発生する可能性があった事象を従業員が特定します。あらゆるレベルの従業員が危険要因の特定と排除に積極的に取り組んで初めて、傷病を予防することができます。2009年までに、100人以上の従業員を抱える製造、研究開発および物流拠点の64%がニアミス報告制度を導入しています。たとえば、米国ミシシッピー州クリーブランドの製造施設では、2006年にオンラインのニアミス報告ツールを導入して以来、ニアミス報告が89%増加しています。

健康増進

「BeWell@Baxter」は、健康増進の取り組みを支える当社の包括的プログラムであり、その基軸として従業員の健康調査票があります。これは、ライフスタイルや家族歴などの要因が健康に与える影響を学べる、オンラインの健康リスク評価システムです。これをもとに、事業所単位の取り組みあるいは全社的な取り組みに必要なデータを収集することができます。

全世界で28%の従業員が2009年末までに健康調査票を記入しました(2008年に記入した従業員を含む)。この割合は目標の15%のほぼ2倍です。2009年末までに、回答率が20%を上回った19事業所に対して事業所単位の健康リスク報告と勧告を行い、各事業所の優先事項の設定とリスクに基づく取り組みの策定を支援しました。全社の従業員健康リスクデータをもとに、運動と栄養に焦点を当てた2つの健康増進キャンペーンを2010年に実施します。

2009年には職場の全面禁煙化の取り組みでも大きな進展を見ました。全面禁煙の事業所の割合は、2008年の77%から2009年末には82%に上昇しています。当社は、このような職場プログラムの制度化に制約を与える、欧州で想定される就業規則の制限にどのように取り組むべきかを検討しています。

労働損失を伴う傷病の発生率 0.15(21%改善)

労働損失日数率 4.16(2%改善)

労働制限日数率 12.68(35%改善)

記録対象となる傷病の発生率 1.07(17%改善)

従業員 / 請負業者の重傷者数2 12人/2人4

従業員 / 請負業者の死亡者数 0人/0人4

2009年の安全実績(2008年比)3

バクスター2009年サステナビリティ報告書

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優先事項

8 バクスター2009年サステナビリティ報告書 詳細は }

2015年 目標多様な意見や考え方、経歴、経験が尊重される包括的な企業文化を築き、維持します。

最新情報当社のグローバル・インクルージョン協議会の助言に基づき、2009年に事業部や地域ごとにインクルージョンの推進に向けた計画を立案しました。たとえば、米国の企画渉外本部と透析製品事業部は、米国腎臓財団や黒人議員連盟、ヒスパニック議員連盟、その他のマイノリティ団体と協力し、アフリカ系米国人やヒスパニック系米国人、ネイティブアメリカンに影響が偏っている慢性腎不全の教育に対するメディケアの新たな給付に関する啓発に取り組んでいます。また、バイオサイエンス事業部は、ヒスパニック系米国人における血友病の診断・治療に関する啓発と教育促進を目的としたプログラムを企画しました。2010年には、当社のすべての地域、事業部、管理部門がインクルージョンの推進計画を立案・実行し、インクルージョン戦略を事業活動に取り入れるようグローバル・インクルージョン協議会が支援します。また、より包括的な企業文化の構築に向けて従業員が果たす役割について理解を促進するため、全社的な従業員教育を新たに推進します。

2009年、当社は、性別や民族、役職レベルなどの特徴を網羅した従業員の属性データ「グローバル・インクルージョン・スコアカード」を作成しました。このスコアカードは、当社のグローバル・インクルージョン戦略の推進にあたり、ギャップと機会を特定するために使用します。たとえば、組織の構成人員を描いたり、人材を強化するため、外部組織の協力を得て、多様性を促進する方法を検討したりする際にスコアカードを使用しています。

小規模なサプライヤーをはじめ、多様なサプライヤーとの相互利益の関係を築くことを引き続き重視しています。多様なサプライヤーを支援することは、経済活力に寄与し、当社の多様な従業員と顧客の基盤を反映するものです。2009年には、サプライヤー契約概要書にサプライヤーの多様性に関する情報を追加し、当社のサプライヤー多様性プログラムの可視化を向上させました。また、同年中、米国およびプエルトリコにおいて、サプライヤーへの支払額の約20%に相当する4億8,400万ドルを小規模企業に支出しました。女性が経営する企業への支払は約8,000万ドル、マイノリティが経営する企業への支払は2,000万ドルとなっています。詳細については22ページをご覧ください。

従業員の多様性を維持することは、包括性を推進するインクルージョン戦略の基本的な一面ですが、それだけでは十分ではありません。当社は従業員が互いを尊重し、全員が効果的に協力できる包括的な企業文化の育成に努めています。個人を尊重し、多様な貢献を尊重することを含め、「バクスターで期待されるリーダーシップの要素」に示す行動を従業員一人ひとりが実行することが求められています。

多様性のある包括的な職場環境を推進します

写真上:キャリア・デーのパネルディスカッションで、バクスターでのキャリアパスについて話すダグ・ヤンガー(Doug Younger)。パネルディスカッションは、高校生を対象として米国イリノイ州ディアフィールドの本社で開催されました。

進捗状況

sustainability.baxter.com/employees および sustainability.baxter.com/supply_chain

多様な人材を構築、育成、維持することによりバクスターのブランドを強化し患者さんや、顧客

の需要を喚起し、満たす

患者さん/顧客のより適切な人口学的分析とセグメンテーション、より包括的な臨床試験、多様なニーズに対応する製品設計により、製品およびサービスに対する需要を拡大し、収益を増加させる

従業員の革新性を高め、患者さんと顧客の需要を満たすことにより、費用を削減し、効率を高める

事 業製品および

サービスへの効果

人 材従業員の関与、維持、育成への効果

営業活動社内システムとプロセスへの効果

© 2010 Hewitt Associates 転載許可

バクスターにおけるインクルージョンおよび多様性の効果

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9バクスター2009年サステナビリティ報告書

優先事項

進捗状況

腐敗行為は世界経済に大きな問題をもたらします。腐敗行為は持続可能な成長を妨げ、不平等を拡大するだけでなく、公的機関を弱体化させ、経済成長を減速させます。企業にとっては事業コストが増加するとともに、法的問題や企業の評判にかかわる重大なリスクが発生し、持続可能な取引関係の構築ができなくなります。

倫理的な行動と法令遵守を推進します

2015年 目標以下の取り組みにより、社内でも、業界全体においても、常に先頭に立って倫理的な営業およびマーケティング活動を推進します。米国医療コンプライアンスプログラムおよび国際腐敗防止方針を強化し、導入します。

最新情報当社は、製品の特長と価値に基づいた販売促進活動に重点を置いています。教育や実践的なリソース、ツールを提供し、従業員が誠実に行動し、法令を遵守して業務を行えるようにしています。

2008年に新しい行動規範を定め、従業員教育を開始しました。この行動規範は、当社が世界各国において倫理的かつ法令を遵守した営業・マーケティング活動に注力することを示すものです。2009年、行動規範の従業員教育を完了し、腐敗行為や、医療従事者等との交流に関する方針を改訂したほか、各国の特例などコンプライアンス関連のツールを掲載した国際ポリシーのウェブサイトを立ち上げました。この特例は、当社が事業活動を行う米国外の腐敗行為防止法や業界および専門職の規範の概要を示し、従業員の行動について具体的なガイダンスを提供するものです。

このような方針を効果的に施行するために、腐敗行為に関するeラーニング教材を導入しました。また、約3,500人の従業員に対して、19ヵ国語でのべ100回以上の腐敗行為防止に関する研修を実施し、3,000人を超える従業員に対して、のべ90回以上の米国の医療コンプライアンスに関する研修を実施しました。

世界的な法の執行回数増加の傾向に基づき、上級管理職に対して定期的にコンプライアンスの注意喚起を行うなど、啓発活動を通して研修を補完しています。今後、その他の従業員に対しても教育を継続します。

2015年 目標以下の取り組みにより、社内でも、業界全体においても、常に先頭に立って倫理的な営業およびマーケティング活動を推進します。米国内外の業界団体、NGO、政府と協力し、医療従事者との金銭授受に関する基準を実施することにより、製品とサービスに関する適切な教育、研究、対話を可能にし、不適切なインセンティブを排除します。

最新情報腐敗行為防止に取り組む100ヵ国以上の組織と22の地域組織、国際組織、または多国間組織を2009年に特定しました。営業およびマーケティング活動に関する業界規範の策定に向け、当社が各国で直面するリスクや当社が効果を発揮できる分野に基づき、今後、協力すべき組織の優先順位を決定していきます。

また、国連グローバル・コンパクト、世界経済フォーラム腐敗防止作業部会(World Economic Forum Partnering Against Corruption Initiative)、OECD原則などの腐敗行為防止に関する広範なイニシアチブを評価し、当社の取り組みをどのように補完するかについて検討します。2010年中に、これらの取り組みへの関与の是非とその方法を決める予定です。

詳細は } sustainability.baxter.com/governance_ethics_and_compliance

バクスターの行動規範に高い評価

当社の行動規範は、従業員の行動を統制する基本原則と、当

社がどのように事業活動を行うかを定めています。この行動規

範は、2009年11月にエシスフィア・インスティテュート(Ethis-

phere Institute)より総合スコアA-の評価を受け、週間最優秀規

範(Code of the Week)に輝きました。当社は、規範の公開、価

値観とコミットメントの表明、考察したリスクテーマ、無報復に基

づく問題提起の取り組みに対して最高のスコアを獲得しました。

従業員に課せられた倫理とコンプライアンスの責任や、各基準を

遵守することの重要性を全世界の従業員が理解できるよう、行

動規範に関するオンラインおよび対面式の研修を実施していま

す。2009年は、2,200人以上の従業員に対して、のべ100回以上

の倫理・コンプライアンスに関する対面式の研修を行いました。

バクスターのアジア・パシフィック地域の事業所に掲示された行動規範の各種ポスター

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写真右:カナダ・ケベック州のシャーブルック工場に勤務するジョナサン・ニコル(Jonathan Nicol)らは、約6,000本の樹木の管理を支援しています。この樹木は、同工場の製造活動に伴う温室効果ガス排出量を相殺するために、バクスターが過去5年間にわたって植樹したものです。シャーブルック工場は、2005年にカナダで初めてカーボンニュートラル認証を取得した製造施設です。

環境に対する責任を果たすことは、30

年以上前から当社の中心的な課題と

なっています。環境パフォーマンスを

継続的に向上させるために、当社は製

品開発やサプライヤーの管理から製

品の製造、輸送、そして使用後に至る

まで、製品ライフサイクル全体にわた

るプログラムを定めています。

事業活動と製品

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11バクスター2009年サステナビリティ報告書詳細は } sustainability.baxter.com/supply_chain

環境に配慮したサプライチェーンを推進します

当社の事業活動がもたらす環境負荷の大半は、サプライチェーンにかかわるものです。たとえば、当社の温室効果ガス排出量の推計38%はサプライヤーによるものです。輸送関連の排ガス量の最小化や、環境負荷の少ない原材料やその他の物資、サービスの調達、サプライヤーの環境パフォーマンス改善の支援を重点として、環境に配慮したサプライチェーンの構築に取り組んでいます。

1 各カテゴリーの質問の90%に対して肯定的な回答をした場合、そのカテゴリーについて、サプライヤーは環境に配慮していると判断。

進捗状況

2015年 目標米国内の社用車の排ガス量を2007年比で20%削減します。

最新情報2009年、米国の社用車の排ガス量はCO2換算で10,331トンとなり、2007年比で1.5%増加しました。当社は、2012年を目標に、6シリンダー車両から燃費の優れた4シリンダー車両へと社用車の大半の切り替えを進めています。また、オンライントレーニングやメンテナンス報告の監視を通して、低燃費運転を今後も推進します。

米国外においても社用車の温室効果ガスの排出削減に取り組んでいます。日本では、2012年末までに営業車250台のうち200台をハイブリッド車に転換する予定です。これにより、排ガス量をCO2換算で年間約400トンを削減できる見込みです。

2015年 目標取引金額上位100社にあげられるサプライヤーからの購入計画にグリーン原則を導入します。

最新情報2009年、「グローバル・サプライヤー・サステナビリティ・プログラム」を導入し、安定供給を確保し、コストを管理する一方で、環境負荷を軽減する物資やサービスの調達などに取り組んでいます。当社は購買手続きに20の環境関連の基準を導入し、サプライヤーのサステナビリティの取り組みを評価する枠組みを設けました。この基準には、環境パフォーマンスの追跡調査と報告、天然資源の使用、有害物質の管理、製品と包装の回収プログラムのほか、エネルギー使用量、温室効果ガス排出量および水資源使用量の削減目標などの項目が含まれています。サステナビリティはサプライヤーの決定要素の1つであり、サプライヤーの選定・評価には品質やコストも考慮します。

2009年、取引金額、安定供給および温室効果ガス排出量に基づいて100社のサプライヤーを特定し、前述の基準(右表を参照)に対するサプライヤーのパフォーマンスを評価しました。サプライヤーの取り組みが、基準の90%以上を満たす場合、サプライヤーは環境に配慮していると判断します。2009年には、回答企業70社のうち10%がこの定義を満たしました。サプライヤーの環境パフォーマンスに対する理解を深めることにより、さらなる改善に向け、サプライヤーと協調して取り組むことができます。また同年、e-インパクトプログラムを開始し、環境に関するサプライヤーの成功事例を広く伝えたり、環境の取り組みに関して従業員やサプライヤーを表彰したりしています。たとえば、サプライヤーのレキシントン・プレシジョン(Lexington Precision)はゴム成形のプロセスを改善し、その結果、原材料の使用量を約50%削減し、品質向上とコスト削減をもたらしました。

当社は、環境に配慮したサプライチェーンを推進するため、外部団体と協力しています。たとえば、サプライヤーが資源をより効率的に使用できるよう、グリーン・サプライヤーズ・ネットワーク(Green Suppliers Network)と連携し、また、当社のサプライチェーンにおける温室効果ガス排出に関する報告を改善するため、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(Carbon Disclosure Project)と連携しています。

製品輸送におけるイノベーション

2009年、ベルギー・アントワープ港、オランダ・ロッテルダム

港および当社のベルギー・レシーヌ工場を往来する貨物につ

いて、地上輸送ではなく内陸水路輸送を導入しました。この

内陸水路輸送へのシフトにより、運送費を40%削減したうえ

に、燃料使用量および関連する温室効果ガス排出量を80%

削減しました。

-35

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0Total Water

Total Energy

Total Waste

サプライヤーのサステナビリティに関する年次調査の結果概要(2009年)

カテゴリー グリーン比率1

環境/サステナビリティプログラム基準の例:環境情報を測定し、報告している

温室効果ガスの排出削減基準の例:温室効果ガス排出量の削減目標を設定し、取り組みを行っている

天然資源使用量の削減基準の例:廃棄物発生量の削減目標を設定し、取り組みを行っている

プロダクト・スチュワードシップの強化基準の例:プロダクト・スチュワードシップ/ライフサイクル・アプローチを採用している

23%

31%

30%

14%

写真上:バクスターは製品輸送に伴う燃料使用量や温室効果ガス排出量の削減策を常に追求しています。欧州の事業所で使用されている空気力学的に優れたダブルデッカー・トラックはその一例です。

優先事項

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12 バクスター2009年サステナビリティ報告書 詳細は }

優先事項 温室効果ガスの排出削減を推進します

全世界の温室効果ガス排出量の約20%は産業活動によるものです1。したがって、企業は、気候変動に影響を及ぼす温室効果ガスの排出削減に対して重要な役割を担っています。当社は、省エネルギーの推進、エネルギー効率の優れた技術や再生可能エネルギーの活用、高性能施設の新設、カーボンクレジットおよびオフセットの利用などを通して、事業活動による温室効果ガスの排出削減に取り組んでいます。当社の広範なアプローチの詳細については、オンライン完全版(英語)をご覧ください。

進捗状況

2015年 目標売上高を指標として、温室効果ガス排出量を2005年比で45%削減します2。

最新情報2009年の当社の事業活動による温室効果ガス排出量はCO2換算で751,000トンであり、売上高を指標した場合、2005年比で26%削減、絶対値で5%削減しました。

事業活動による温室効果ガス純排出量の96%はエネルギー使用が占めているため、省エネルギーは当社の排出削減プログラム(詳細については13ページを参照)の中心を成すものです。このプログラムにより、2009年中にエネルギーコストを670万ドル削減しました。

環境に配慮した施設は多くの利益をもたらし、従業員の生産性を高めるとともに、事業経費を削減しています。スイス・チューリッヒの欧州本部の社屋には、自然採光、水を用いた冷暖房、太陽光パネルなどを導入しています。その結果、快適な職場環境を提供すると同時に、同規模の一般的なオフィスビルと比較してエネルギー使用量を約80%削減しました。その他の複数の事業所においても、環境に配慮したグリーンビルディング設計を採用しています。

当社は、再生可能エネルギーから生成した電力の購入、カーボンクレジットおよびカーボンオフセットにより温室効果ガス排出削減の取り組みを補完し、2009年にはCO2換算で49,000トン削減しました。また、同年、オーストリアにおいて74,100メガワット時相当の100%再生可能エネルギーを購入し、米国では29,500メガワット時相当の再生可能エネルギー証書(RECs)を購入しました。これにより、当社は米国で第28位の法人購入者となりました3。

当社は、市場原理に基づく排出権取引であるキャップ・アンド・トレード制度を支持し、シカゴ気候取引所に2003年より創設メンバーとして参加しているほか、EU排出権取引制度にも2005年より参加しています。また、インド気候取引所や中国の天津気候取引所の設立にかかわる技術委員会への参加にも合意しています。

再生可能エネルギーから生成した電力の購入やカーボンクレジット、第三者検証を伴う植樹を通して、当社は米国イリノイ州ディアフィールドの本社をはじめ、複数の事業所の電力使用量と燃料消費量についてカーボンニュートラルを達成しました。

2015年 目標再生可能エネルギーの使用を施設のエネルギー使用量全体の20%に増加させます。

最新情報2009年における当社事業所のエネルギー消費量の17%は再生可能エネルギーに由来し、この数値は2008年と変わりありません。消費量の内訳は、当社が購入した再生可能エネルギーから生成した電力(4.3%)、当社事業所に電力を供給する電気事業者の再生可能エネルギー部分(5.1%)4、および当社の事業所1ヵ所での木材燃料ボイラー使用によるエネルギー(7.6%)5です。

施設における再生可能エネルギーの導入は、当社にとって引き続き大きな課題です。主として、たとえエネルギープロジェクトに最低限求められる内部収益率を引き下げても、プロジェクトの資金回収が相対的に少ないためです。

sustainability.baxter.com/EHS

「メイプルクロフトの気候革新指数(Climate Innovation In-dexes)の米国企業上位100社にバクスターが名を連ねていることは、再生可能エネルギーの使用やエネルギー効率に関する先進的で画期的な活動と環境マネジメントシステムとが強力に結び付いていることを反映しています」メイプルクロフト気候革新指数CEOアリソン・ウォーハースト(Alyson Warhurst)

1 IPCC気候変動2007:統合報告書36ページ http://www.ipcc.ch/pdf/assessment-report/ar4/syr/ar4_syr.pdf2 当社の主要な温室効果ガス削減目標は、事業所のエネルギー使用(消費燃料および購入電力の双方に由来するもの)、営業用および配送用車両、その他の車両、冷却材の損失を含む、事業活動を対象とする。事業活動による純排出量には、再生可能エネルギーの購入、カーボンクレジットおよびカーボンオフセットも勘案されている。グラフに記載したその他の排出カテゴリーについても、取り組みを推進している。その他の排出カテゴリーは、当社と第三者機関の推計による。サプライチェーンと製品配送に関する情報については、11ページを参照。

3 www.epa.gov/grnpower/toplists/fortune500.htmを参照。4 電気事業者に対して再生可能エネルギーの要件を定める国の増加に伴い、当社が購入する再生不能エネルギーから生成された電力の割合は低下すると予想される。

5 2009年中の木材燃焼ボイラーからの温室効果ガス排出量はCO 2換算で156,000トンに相当、温室効果ガス排出量に計上されている。しかし、「温室効果ガスプロトコル:事業者排出量算定報告基準改訂版」(63ページ)に準拠し、生物学的に固定化されたCO2に由来するCO2換算排出量(例:バイオマス/バイオ燃料によって生じるCO2換算排出量)は、事業活動による総排出量(スコープ1および2)または2015年温室効果ガス排出削減目標に対する進捗状況に含まれていない。詳細についてはオンライン完全版(英語)の表「Baxter Energy Usage and Greenhouse Gas Emissions」を参照。

バクスター全世界の2009年温室効果ガス排出量の内訳(総量=CO2換算で300万トン)

サプライチェーン38%

製品の使用/使用後 3%

事業活動 25%

従業員の出張/通勤 5%

製品輸送24%

木材燃料ボイラー5

5%

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13バクスター2009年サステナビリティ報告書

優先事項 天然資源使用量の削減を推進します

世界の人口は、1959年の30億人から2010年の68億人へと2倍以上の伸びを示し、2040年までには90億人に達すると予測されています1。この著しい人口増加と急速な経済発展によって、多くの国において天然資源に大きな負荷がかかっています。次世代が天然資源を引き続き利用できるようにするために、当社は効率的な天然資源利用に取り組んでいます。それにより、環境パフォーマンスや競争の優位性の向上も実現しています。

写真上:米国カリフォルニア州のロサンゼルスにある血漿分画施設において、2009年に完成した新しい廃水処理設備を点検するロレンゾ・ハトソン(Lorenzo Hutson)とマイケル・ベロモ(Michael Bellomo)。

詳細は } sustainability.baxter.com/EHS

進捗状況

2015年 目標売上高を指標として、廃棄物発生量を2005年比で30%削減します。

最新情報当社の主な非有害廃棄物は製造過程で発生するプラスチックくずであり(2009年の総排出量の約30%)、特定廃棄物は主に供血活動や血漿処理過程で発生する生物廃棄物とヒト血液由来廃棄物です(総排出量の54%)。2009年には61,290トンの廃棄物が発生しました。売上高を指標とした場合、2005年比で16%減少し、絶対値では7%増加しました。この結果は、主として事業の成長と拡大によるものです。

当社は、多量な廃棄物の流れ、大量の廃棄物を発生する施設、特に大きな改善の可能性を有する施設などの要因を考慮し、廃棄物削減の機会を特定しています。

施設間の輸送用梱包材削減プロジェクトを開始し、使い捨て容器を再利用可能な容器へ切り替えました。米国やプエルトリコのプロジェクトでは、包装廃棄物を400トン以上削減しました。また、2009年中に非有害廃棄物の90%以上を再生利用した事業所は15施設を超えました。

血漿の収集量および処理量の増加により、昨年の血漿関連廃棄物は増加を示しました。プラスチック廃棄物については、引き続き改善する余地があり、2010年に正式なプログラムとして取り組む予定です。

2015年 目標売上高を指標として、エネルギー使用量を2005年比で30%削減します。

最新情報当社の施設で主に使用するエネルギーは、照明、基幹システムおよび製造設備に供給する電力(総エネルギー使用量の41%)と、加熱や蒸留水、減菌に必要な蒸気を発生させるための燃料(同59%)です。2009年中に8,572兆ジュールのエネルギーを消費し、売上高を指標とした場合、2005年比で21%の削減、絶対値では1%の増加となりました。

当社は、製造工程においてエネルギー効率を向上させることに重点的に取り組んでいます。さらなる向上を実現するため、年次目標を設定し、リーンエネルギープログラムを導入しています。また、継続的な進展を確保するために、生産協議会に対して拠点別にパフォーマンスの四半期報告を行っています。

当社は、主要施設でエネルギー収支分析2を実施しています。エネルギーや水道の請求書、電力使用量の測定値、燃料消費データに基づき、省エネルギーの機会を特定し、優先順位付けを行っています。このプロジェクトを通して、生産単位当たり10~25%のエネルギー関連コストの削減を見込んでいます。この取り組みにより、2005年以降、2,760万ドルのコスト削減を実現しました。

エネルギー使用量を削減するために革新的な技術も活用しています。2009年には、英国セットフォードに所在するメディケーションデリバリー事業部の製造施設がLED照明の導入を開始し、現在までに照明の25%を切り替えました。この試験的な取り組みにより、年間推計240メガワット時の電力を削減でき、当社の将来的な照明戦略に影響を与えることでしょう。カリフォルニア州サウザンドオークスに所在するバイオサイエンス事業部の製造施設では、ボイラーの効率を94%向上させるボイラーエコノマイザーを導入しました。これは米国で3件目の導入事例です(オンライン完全版(英語)の「case study」をご覧ください)。

(この優先事項は次ページに続きます)

2015環境目標の進捗状況(絶対値を含め、詳細については22ページを参照)

-35

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0Total Water

Total Energy

Total Waste

TOTAL WASTE TOTAL ENERGY TOTAL WATER

-35%

-30%

-25%

-20%

-15%

-10%

-5%

0%

2005 2006 2007 2008 2009

0%

0%

0%

0%

-5%

-8%

-6%

-12%

-17%

-13%

-19%

-27%

-16%

-21%

-29%

2015 目標

-30%

-30%

-35%

廃棄物発生量

エネルギー使用量

水資源使用量

売上高を指標とする削減率

1 米国国勢調査局、国際データベース http://www.census.gov/ipc/www/idb/worldpopinfo.php2 エネルギー収支では、事業所におけるすべての時点のエネルギー消費量・使用量を明らかにする。

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14 バクスター2009年サステナビリティ報告書 詳細は }

進捗状況

2015年 目標顧客へ配送する製品の包装材料を2007年比で5,000トン削減します。

最新情報当社は包装材料の最小化に取り組み、特に生産量の多い製品を中心に環境負荷を考慮しながら材料を選んでいます。2009年に着手したプロジェクトにより、段ボール消費量を年換算で933トン削減し、中間目標の800トンを上回りました。2007年以降の総削減量は年換算で1,410トンに相当します1。

一例をあげると、2009年にメディケーションデリバリー事業部は、5リットル輸液の梱包箱のサイズを縮小し、梱包用段ボールを年間68トン削減しました。当社は、より組織的な方法によって、自律的な包装材料削減に取り組んでいます。2010年も引き続き包装材料の追跡システムを改善し、組織全体でベストプラクティスを普及させる仕組みを強化する予定です。

2015年 目標売上高を指標として、水資源使用量を2005年比で35%削減します。そのために、2010年までに当社の施設に関連する水資源を調査することにより、脆弱な流域を特定し、リスクの高い地域の水資源保全について積極的な目標を設定します。

最新情報当社は主として、冷却塔、減菌装置、蒸気ボイラーなど製造関連の工程に多くの水を使用します(総使用量の80%)。2009年中に1,340万立方メートルの水を使用し、売上高を基準とした場合、2005年比で29%削減しました。絶対値は4年連続で減少しています。

生産量の多い施設において水収支分析2を実施し、水資源使用を削減する機会を特定しています。たとえば、米国ニュージャージー州のチェリーヒルにある製造施設では、給水システムの排水量と給水フィルターの逆洗頻度を削減し、水処理システムの廃水を再生利用しました。2008年から2009年までに、同施設は水使用量を27%、47,000立方メートル削減しました。水と廃水の詳細情報については、オンライン完全版(英語)をご覧ください。

2015年 目標脆弱な流域を保護し、また、地域の人々が清潔な水を得られるよう、2件のプロジェクトを実施します。

最新情報持続可能な開発のための世界経済人会議(World Business Council for Sustainable Development)や世界資源研究所(World Resources Institute)などが提供するツールを用いて、自社の水資源使用量を考慮しながら、帯水層保護や清潔な水へのアクセス確立を支援するための候補地を選定し、優先順位付けを行っています。

当社は、ウォーター・アドボケイツ(Water Advocates)と協力する予定です。この非政府機関(NGO)は、地域でその存在が認められ、水問題に重点的に取り組むNGOなどの組織と企業とを結び付けています。当社従業員や地域の人々からのフィードバックとともに、ウォーターアドボケイツからのアドバイスを活用し、2010年に当社のサステナビリティ運営委員会と上級管理職に対して2件のプロジェクトの候補地を提案し、承認を申請します。

1 全社的に特定されているプロジェクトの総削減量を表す。プロジェクトが開始された初年度についてのみ算定。

2 水収支は、取水から最終処理段階まで施設全体における水の使用をマッピング。

3 水使用量上位40位の当社施設が対象。当社の年間総水消費量の92%を占める。

4 再生可能な水の供給力は、持続可能な開発のための世界経済人会議のグローバル・ウォーター・ツールを用いて評価。「水不足」の地域は再生可能な給水量が1人当たり年間1,000立方メートル未満。「確保困難」な地域は同1,000立方メートル以上、1,700立方メートル未満。「十分に確保可能」な地域は同1,700立方メートル以上。

「企業の関心はますます水や公衆衛生プログラムに向かっています。水への取り組みが具体的で明白、かつ費用対効果に優れた結果をもたらすことと、水に関する課題の重大さがより明らかになったからです」ウォーターアドボケイツ上級副社長ジョン・オールドフィールド(John Oldfield)

天然資源使用量の削減を推進します

sustainability.baxter.com/EHS および sustainability.baxter.com/product_responsibility

(この優先事項は 前ページから続きます)

供給力別の水使用量3,4(1,000立方メートル単位)

0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

14000

16000Scarce

Stressed

Sufficient

14,000

12,000

10,000

8,000

6,000

4,000

2,000

0

2005 2006 2007 2008 2009

1,885

3,943

7,829

1,983

3,821

7,345

1,974

3,641

7,285

2,074

3,532

7,044

2,047

3,490

6,857

水不足

確保困難

十分に確保可能

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15バクスター2009年サステナビリティ報告書

優先事項

当社は、環境負荷を最小限にとどめ、人々の生命を守る製品を創出することに取り組んでいます。そのためには、製品設計や材料選定の初期段階から製造、輸送、そして最終的には使用後に至るまで全体を見渡したアプローチが不可欠です。

環境保全のための製造責任(プロダクト・スチュワードシップ)の強化を推進します

進捗状況

2015年 目標プロジェクト・スチュワードシップ・プログラムに、サステナビリティに配慮した設計、製品の回収およびリサイクルの要素を適宜取り入れます。

最新情報当社は、輸液の容器から透析装置まで、すべての医療機器の製品開発について初期段階に製品のサステナビリティ評価(PSR)を導入しています。PSRの結果は、製品の要件の明確化や潜在的な健康への影響と環境負荷の最小化に役立てています。2010年には、バイオサイエンス事業部の製品開発にPSRを拡大する予定です。

2009年に複数のライフサイクル評価を実施し、外部機関による検証を受けた結果、「FLEXBUMIN」(ヒトアルブミン)の環境面の利点が証明されました。「FLEXBUMIN」は、ガラス容器入りの類似製品と異なり、世界で唯一の軟質プラスチックバッグ入りのアルブミン製剤です1。「FLEXBUMIN」の容器システムは、製品の規格(サイズ)や地理的条件にもよりますが、温室効果ガス排出量を55~77%削減します(オンライン完全版(英語)の「case study」をご覧ください)。

2009年も継続して病院プラスチックリサイクル推進協議会(Hospital Plastics Recycling Council)に参加しました。同協議会はヘルスケア事業の連合によるもので、米国オハイオ州のクリーブランド・クリニックと提携し、術前用のプラスチック製品(注入ボトルやブルーラップ2など)を回収し、再生利用する試みを開始しました。中間結果では成功を収め、他の都市への取り組みの拡大に向けて関心を呼んでいます。

また、当社は廃棄物管理やリサイクルの分野において他のパートナーと協力し、輸液製品から発生する廃棄物のより効率的な管理について、経済・物流の両面から見た実現可能性を検証しています。リサイクル材料から製品を生産し、医療サプライチェーンで再利用する可能性が考えられます。合成プラスチック輸液バッグやパッケージから生産したプラスチックパレットなどがその例です。

2015年目標動物試験の代替手段の利用、回数の削減、改善(3R)の新たな可能性を特定します。

最新情報研究や試験に必要な動物の使用を削減する代替的なプロトコール、方法論、モデルの開発と運用に取り組んでいます。2009年には、当社の最高科学責任者がグローバル動物福祉委員会を設立しました。同委員会は、当社の研究開発組織に所属する獣医で構成され、動物使用プログラムのあらゆる側面を監視しています。

委員会は以下に重点的に取り組んでいます。1)動物福祉を向上させ、当社の3Rや動物の使用に関する取り組みを遵守するプログラムの開発と実施、2)当社の動物試験施設や外部協力者における動物のケアと福祉に関する普遍的な原則の改善、3)当社の動物福祉プログラム、方針、基準、ベストプラクティスの定期的なレビューと社内教育や研修プログラムに関する最新情報の提供、4)将来の取り組みに向けた戦略的方向性の設定。

当社の動物福祉に対する取り組みを裏付けるイニシアチブやイノベーションについては、オンライン完全版(英語)をご覧ください。

1 アルブミンはヒト血漿中の必須たん白。2 ポリプロピレン製シート。滅菌前の手術用備品を覆い、無菌バリアを形成する。

詳細は } sustainability.baxter.com/product_responsibility

写真上:ベルギー・ニヴェルの研究開発施設のシニア・ラボラトリー・スペシャリストであるイザベル・レグリーズ(Isabelle Leglise)。十分な栄養を摂取することができない患者さんが使用する3層式の栄養輸液バッグの密封状態を検査しています。

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写 真 右:バクスターインターナショナル基金(Ba x ter International Foundation)から助成を受けた慢性疾患治療基金(Chronic Care Foundation)の支援により、医療教育を受けるインドの貧困地域の子どもたち。バクスターインターナショナル基金は、特に恵まれない人々や十分なサービスを受けられない人々のために医療へのアクセスを向上させる取り組みを重点的に助成しています。

イノベーションを重視するグローバル

ヘルスケア企業として、当社は世界的

に最も重要な医療の課題に積極的に

取り組みます。特に、次世代のイノベー

ターを育成するための理数科教育の推

進や、恵まれない人々の医療へのアク

セスの向上に力を入れています。

社会

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17

製品開発、効果的な製品の無償提供を通して、医療へのアクセスを向上させます1

社会基盤の未整備や政情不安、教育不足、貧困、規制による制限、医療品の供給力や購入力など、医療を受ける機会を妨げる要因は数多くあります。当社は、資金援助や製品の無償提供とともに、製品やビジネスモデルのイノベーションを通して、世界の医療へのアクセスを向上させることに取り組んでいます。

写真上:2009年の「Making a Meaningful Difference」キャンペーンの一環として、無料健康診断の提供など、インドの従業員ボランティアが恵まれない子どもたちのための活動を行いました。

進捗状況

2015年 目標2010年までに、BOP市場(経済ピラミッドの底辺)または発展途上国における当社製品の妥当性を評価し、効果が高く経済的に持続可能な製品の導入機会を検討します。

最新情報医療へのアクセス確保は依然として世界的な課題ですが、企業としては特にBOP市場向けに医療品を開発し、提供することにより、問題解決に寄与できる可能性があります。BOP市場には、年間1,500ドル未満で生活し、医療へのアクセスが限られている人々が約40億人います。

当社は、BOPの居住地域において、すでに基盤があり、製品開発と販売のチャネルを整備しています。国際通貨基金が新興経済国および発展途上国と指定した151ヵ国(2008年データによる)のうち、当社は2009年現在、84ヵ国(56%)で事業を行っています。今後、新興市場における経験を活かし、BOP市場向けの戦略を策定していきます。

全社の製品の長期計画の整合性を高め、BOP市場に対する潜在的な新しいビジネスモデルと連携させるために、各事業部のマーケティング担当者のネットワークを構築しました。次に、各地域において、BOP市場のニーズに合った事業目標を設け、ニーズに対応する最適なビジネスモデルを特定していきます。また、ポートフォリオレビューの一環として、BOP市場向けの製品やサービスの提供を拡大する機会を引き続き検討していきます。

2015年 目標BOP市場における医療へのアクセスを向上させるため、研究開発への投資を2008年より増額します。

最新情報BOPモデルの構築と目標設定のため、BOP市場向けの研究開発の投資額を評価しました。また、2009年、スチュ・ハート(Stu Hart)博士および「持続可能な世界のための事業」(ESW: Enterprise for a Sustainable World)と正式に協力関係を結びました。ハート博士は、コーネル大学ジョンソンスクールのサミュエル・C・ジョンソン・サステナブル・グローバル・エンタープライズ寄附研究部門教授および経営学教授です。この協力関係は、BOP市場におけるビジネスチャンスや研究開発投資の機会を調査するプロセスを構築することを目的としています。

2009年には、BOP市場に対する取り組みを前進させるため、以下の3つの手段を講じました。

組織の構築:当社の幹部がハート博士およびESWと長期的なBOPアプローチを議論し、また、戦略企画マネジャーを任命しました。さらに、当社の取り組みを開始するプロジェクトチームとBOPプロトコル・リーダーシップ・チームを編成しました。

戦略的取り組みとしてのBOPの理解促進:既存品や新製品のBOP市場における可能性を検討するにあたり、バクスター・イノベーション協議会の参加を得るとともに、上級管理職に継続的な支援を求め、各分野の専門家と協力しました。

着手すべき地域の特定:分析結果をもとに、BOP市場に対する取り組みを中南米において試行することを決定しました。

(この優先事項は次ページに続きます)

BOPプログラム開発の各段階

1 プログラム組織を編成し、計画立案を開始する

3 試行を開始する

2 事業計画を現地の地域社会と共同で作成する

4 成長に向けて持続可能なビジネスモデルを進化させる

1 以前掲げていた目標である「米国における資金援助や寄付を評価する審議会を設置し、医療向上を目的とした公共政策の優先課題に沿った戦略を策定および実施します。当社の寄付総額のうち、医療プログラムに対する寄付が占める割合を2010年までに設定します」を2009年に廃止しました。審議会を設置して検討した結果、審議会は、地域社会のニーズに対応するためには、現地や各事業部の意思決定が最も効果的であるという当社の見解を再確認しました。

バクスター2009年サステナビリティ報告書詳細は } sustainability.baxter.com/community_support

優先事項

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18 バクスター2009年サステナビリティ報告書 詳細は }

製品開発、効果的な製品の無償提供を通して、医療へのアクセスを向上させます

進捗状況

2015年 目標外部の支援団体と協力し、2010年以降の製品の無償提供に関する計画を策定および実施します。災害や惨事において、製品を迅速に現地へ届けること、最も必要とされている製品が安定供給されるようにすること、後発発展途上国や発展途上国のニーズに合った製品を届けることなどを目的として、効果的な製品の無償提供を行います。

最新情報2009年も、アメリケアーズ(AmeriCares)やダイレクト・リリーフ・インターナショナル(Direct Relief International)とのパートナーシップを継続しました。当社のグローバル・コミュニティ・リレーション・チームはこれらの組織と協力し、水分補給に不可欠なメディケーションデリバリー製品や疾病予防に必要な注射薬など、最も必要とされる製品を特定しました。信頼性の高い医療提供システムが存在しない地域の患者さんの治療を継続するために必要であるとして、血友病製品や透析液も要求がありました。これを受け、その取り組みを支援するプロセスを定めました。

sustainability.baxter.com/community_support

災害救助への協力

2010年1月に発生したハイチ地震の救助活動を支援するた

め、バクスターとバクスターインターナショナル基金は、250

万ドル以上の寄付を行いました。

2009年に完了した活動の結果として、大地震発生時には当社

製品がアメリケアーズの倉庫に準備されていました。必要とす

る人々に医療品を届けるため、アメリケアーズと当社が20年以

上にわたり協力してきた取り組みが実を結んだものです。

また、当社とダイレクト・リリーフ・インターナショナルの協

力により、大地震発生後に聖ダミアン病院へ搬送された最

初の犠牲者は、当社製品とその他11団体の製品を収めた非

常用パックによる治療を受けました。

製品の無償提供 資金援助 1製品の無償提供および資金援助 1

バクスターによる地域支援活動の概要 (2009年)

1 バクスターおよびバクスターインターナショナル基金による寄付を含む。

写真上:医療に不可欠な輸液は、2010年1月に発生したハイチ地震後の救助活動を支援するためにバクスターが無償提供した製品の1つです。

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(この優先事項は 前ページから続きます)

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19バクスター2009年サステナビリティ報告書

優先事項 理数科を中心とした教育支援を推進します

世界のリーダーは、今日の青少年にとって、科学・技術・工学・数学(STEM)教育が最優先事項の1つであると認識しています。当社は、専門能力の開発と実践的な体験に基づいた教育を促進する地域的な取り組みを2008年に開始し、次世代を担う青少年が数学や科学に触発されるよう、教育支援に力を入れています。

写真上:米国イリノイ州シカゴのリンドブロム理数科アカデミー(Lindbrom Math and Science Academy)の学生、ダマーニ・ボールデン(Damani Bolden)さん。バクスターが主催する学習プロジェクトで、学生が開発した児童患者さん向けの透析装置のプロトタイプについて発表しました。

進捗状況

2015年 目標シカゴ公立学校の教師および学生を対象としたバイオテクノロジー教育を通して、理数科教育を促進します。また、シカゴ以外の地域においても、教育機関と連携して同様の教育機会を提供します。

最新情報2008年、シカゴ公立学校に対して「Science@Work: Expanding Minds with Real-World Science」(生きた科学を学び、視野を広げる)と称する複数年にわたるプログラムを提供しました。「Science@Work」は、シカゴ公立学校の歴史上、科学教育に対する企業の寄付として最大のものであり、教師のバイオテクノロジーの専門能力を開発し、学生に科学の実践的な経験を提供します。2008~2009年度のプログラムの参加者は109校で学生24,000人以上、教師352人に達しました。当社は、研究所見学や講義、キャリア・デー(職業紹介プログラム)、学習プロジェクトなど、教師や学生向けに24の体験プログラムを主催しました。学習プロジェクトでは、学生は、児童の腎臓病患者さんのニーズに合った透析装置のプロトタイプを作成しました。当社の科学教育に対する貢献が評価され、2009年10月、シカゴ公立学校より「卓越したパートナー」(Outstanding Partner)に指定されました。イリノイ州シカゴの本社周辺は、米国で第3位の規模を誇る学区に属しています。当社は、同学区の教師と学生の支援に従業員の参加を促し、引き続きプログラムを発展させていきます。

詳細は } sustainability.baxter.com/community_support

教育に関するその他の取り組み1970年代から、米国イリノイ州において、学生に自由市場と起業家精神の基礎を教えるグローバル組織であるジュニア・アチーブメント(Junior Achievement)を支援しています。2009年には従業員ボランティア116人が5校の130教室で1,600時間以上活動し、ジュニア・アチーブメントに対する参加を68%増加させました。2010年はイリノイ北部における参加をさらに50%拡大し、約6,000人の学生を対象にする予定です。また、カナダや中国、アイルランド、中南米の従業員50人が2009年中にジュニア・アチーブメントの活動に450時間以上貢献しました。

1992年、当社は、米国FIRSTロボット工学(U.S. FIRST Robotics: For Inspiration and Recogni-tion of Science and Technology)の創設メンバーになりました。FIRSTは、学生が科学、工学、技術のスキルを構築するメンタープログラムに取り組んでいます。また、2009年には、FIRSTによる中西部地域選手権の開催に資金援助を行うとともに、米国アーカンソー州のマウンテンホーム工場に勤務するエンジニアと14年間にわたり協力関係にある現地チームのスポンサーを務めています。

2009年、血友病A患者さんを対象とする奨学金プログラム「Education Advantage」を開始しました。同プログラムでは、学資援助や物資の提供を行い、血友病患者さんの教育計画、キャリア開発、地域社会への参加、生活習慣の管理を支援しています。「Education Advantage」は第三者機関であるスカラシップ・アメリカ(Scholarship America)が独立して運営しています。

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2009年環境会計報告

衛生・安全2009年実績対策と取り組み

バクスター2009年サステナビリティ報告書オンライン完全版ガイドこの表は、バクスター2009年サステナビリティ報告書オンライン完全版の広範な内容を図解したものです。オンライン完全版には、本書(印刷版)に掲載しているサステナビリティの優先事項に対する進捗状況に加え、その詳細が記載されています。また、本書に掲載していないその他のサステナビリティ活動や、さまざまな成功事例のケーススタディも取り上げています。オンライン完全版(英語)については、sustainability.baxter.comをご覧ください。

バクスターのサステナビリティ 企業概要 ガバナンス・倫理・ コンプライアンス 従業員 環境・衛生・安全(EHS)

会長兼CEOからのメッセージ

バクスターのアプローチ

優先事項と目標

ステークホルダーの参加

加盟団体

イノベーション

受賞歴

サステナビリティの歩み

人材管理

サステナビリティに関する教育

報酬および福利厚生

企業文化に関する 従業員意識調査

グローバル・インクルージョンおよび多様性

ワークライフバランス

環境・衛生・安全(EHS) プログラム方針およびビジョンプログラム・ガバナンスEHS 2010年目標EHS管理システムEHS監査

コンプライアンス環境衛生・安全

ケーススタディ

水資源およびエネルギー使用量の削減に向けた欧州における取り組み

米国ノースカロライナ州のマリオン工場における廃棄物発生量の削減

米国カリフォルニア州サウザンドオークス工場におけるエネルギー節減に向けた革新的な技術の導入

コーポレートガバナンス

倫理およびコンプライアンス行動規範組織体制と取り組み従業員へのガイダンスおよびコンプライアンス

バクスター世界環境週間

多様な人材の獲得に向けたハワード大学との協力

ケーススタディ

倫理的な行動と法令遵守を推進します

優先事項

最高科学責任者と取締役会の新科学技術委員会による協議

中国における倫理およびコンプライアンスの強化

ケーススタディ多様性のある包括的な職場環境を推進します

優先事項

20

2009年 環境実績環境実績の概要排気ガス生物多様性環境効率 / 原料の使用エネルギー温室効果ガスの排出量および気候変動廃棄物発生量水資源使用量および廃水

温室効果ガスの排出削減を推進します

優先事項

天然資源使用量の削減を推進します

優先事項

安全で健全な職場環境を推進します

優先事項

バクスター2009年サステナビリティ報告書 詳細は } sustainability.baxter.com

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製品責任 サプライチェーン 地域支援 経済への影響 公共政策 サステナビリティの報告

サプライヤーの パフォーマンス管理

環境に配慮した グローバル・サプライチェーン

医療へのアクセス製品開発経済ピラミッドの底辺資金援助製品の無償提供バクスターインターナショナル 基金

ケーススタディ

HOPEプロジェクト

「Making a Meaningful Difference」キャンペーン

直接効果

間接効果

事業価値

地域社会のニーズへの対応

従業員の参加

2009年政治献金報告 外部機関の報告基準

2008年報告書に関する フィードバック

記載内容の保証Bureau Veritas認証意見書

GRIインデックス

製品開発および効果的な製品の無償提供を通して、医療へのアクセスを向上させます

優先事項

品質

安全性

研究開発および製品設計製品サステナビリティ評価生命倫理動物福祉臨床試験

原料の使用

製造

製品の輸送

包装材料

製品の使用

使用後の製品

希少疾病への対応:乳児ボツリヌス症

「FLEXBUMIN」ライフサイクル評価

原料の使用規制

ケーススタディ

環境負荷の軽減に向けたサプライヤーとの協力

ケーススタディ

Bureau Veritasは、このチェックマークを付けたものは、不正確または不適正な記述がないと判断しています。詳細は2ページをご覧ください。

理数科を中心とした教育支援を推進します

優先事項

21

Bureau Veritasは、このチェックマークを付けたものは、正確で信頼性が高く、重大な誤りや虚偽がないと判断しています。詳細は2ページをご覧ください。

環境保全のための製品責任(プロダクト・スチュワードシップ)の強化を推進します

優先事項 1

環境に配慮したサプライチェーンを推進します

優先事項

サプライヤーの多様性

顧客

1 この優先事項の1つ目の目標は第三者による検証済みです。詳細は15ページをご覧ください。

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2005年~2009年データ概要

項目および指標 2005 2006 2007 2008 2009企業概要

売上高(100万ドル単位) $9,849 $10,378 $11,263 $12,348 $12,562

バクスターに帰属する純利益(100万ドル単位) 956 1,397 1,707 2,014 2,205

株価(ドル単位、各年度末) 37.65 46.39 58.05 53.59 58.68

研究開発費(100万ドル単位) 533 614 760 868 917

ガバナンス・倫理・コンプライアンス倫理・コンプライアンス電話相談および COIC1問い合わせ件数(総数) 274 341 234 273 322

従業員従業員総数 46,900 47,600 46,500 48,500 49,700

役員および幹部の多様性2

人種(非白人の比率) 役員 8.3% 8.3% 7.7% 7.7% 7.7% 幹部 16.7% 13.3% 13.3% 13.3% 14.3%

性別(女性の比率) 役員 16.7% 16.7% 15.4% 15.4% 15.4% 幹部 25.0% 33.3% 33.3% 33.3% 28.6%

性別の多様性(女性の比率)3

バイスプレジデント以上 19.6% 19.0% 17.7% 18.5% 19.2%

統括部長/部長 38.2% 39.1% 47.7% 48.1% 48.5%

非管理職 57.0% 56.5% 56.4% 56.3% 55.8%

全体 54.1% 53.7% 52.7% 52.8% 52.5%

環境・衛生・安全(EHS)環境(特に記載がない限り絶対値)4

製造工程中のフロンガスおよび大気汚染物質の排出量 トン単位 31.2 33.3 31.1 20.8 18.7 売上高100万ドル当たりkg単位 3.2 3.2 2.8 1.7 1.5

硫黄酸化物の排出量 トン単位 616 619 629 610 573 売上高100万ドル当たりkg単位 63 60 56 49 46

窒素酸化物の排出量 トン単位 475 466 463 457 446 売上高100万ドル当たりkg単位 48 45 41 37 36

事業活動に伴うエネルギー使用量 兆ジュール単位 8,473 8,455 8,484 8,606 8,572 売上高100万ドル当たり10億ジュール単位 860 815 753 695 682

事業活動に伴う温室効果ガス排出量5 CO2換算1,000トン単位 793 759 753 763 751 売上高100万ドル当たりCO2換算トン単位 81 73 67 62 60

非有害廃棄物発生量 トン単位 53,000 56,000 56,000 57,000 55,000 売上高100万ドル当たりトン単位 5.38 5.40 4.97 4.60 4.38

項目および指標 2005 2006 2007 2008 2009環境・衛生・安全(EHS)(続き)環境(続き)

特定廃棄物発生量 トン単位 4,150 4,090 5,130 5,820 6,290 売上高100万ドル当たりトン単位 0.42 0.39 0.46 0.47 0.50

水資源使用量 1,000m3単位 14,814 14,297 13,948 13,654 13,437 売上高100万ドル当たり1,000m3単位 1.50 1.38 1.24 1.10 1.07

BOD56(生物化学的酸素要求量)(トン単位) 26 26 28 28 31

COD6(化学的酸素要求量)(トン単位) 111 119 134 132 102

TSS6(総浮遊物量)(トン単位) 45 49 53 48 31

環境関連の違反通告 17 17 10 10 9

環境関連の罰金(ドル単位) $11,825 $1,500 $4,591 $0 $800

2009年環境会計報告

環境コスト総額(100万ドル単位) $21.2 $22.3 $24.6 $25.8 $27.2

環境関連の収入、コスト削減、コスト回避 (100万ドル単位) 90.1 90.3 87.2 120.7 107.8

職場の安全衛生

労働損失を伴う傷病の発生率7,8 0.30 0.31 0.25 0.19 0.15

労働損失日数率7,8 7.08 6.94 5.45 4.23 4.16

就業制限日数率7,8 22.80 16.80 15.72 19.46 12.68

記録対象となる傷病の発生率7,8 1.52 1.35 1.41 1.29 1.07

従業員 / 請負業者の重傷者(総数)9 9/0 4/0 12/1 7/2 12/210

従業員 / 請負業者の死亡者(総数) 2/2 0/1 0/0 0/1 0/010

労働災害補償費推計 (100万ドル単位)11 $20.6 $15.2 $14.9 $14.4 $15.9

安全衛生関連の解決済み違反通告 1 3 2 2 6

安全衛生関連の罰金(ドル単位) $0 $10,74012 $0 $45,00013 $1,733

サプライチェーン

サプライヤーへの支払(概算100万ドル単位) $4,000 $4,100 $4,100 $4,400 $4,400

サプライヤーの多様性14

小規模企業への支払(100万ドル単位) $454 $504 $399 $457 $484

マイノリティが経営する企業への支払 (100万ドル単位) 36 40 23 24 20

女性が経営する企業への支払 (100万ドル単位) 68 95 95 88 80

地域支援

製品の無償提供 (100万ドル単位)15 $17.82 $14.85 $31.09 $10.86 $18.94

資金援助 (100万ドル単位)16 17.60 20.72 23.51 32.93 33.96

1 COICはCertificate of Integrity and Compliance(誠実さと遵守証明書)の略。 2 幹部にはオペレーション委員会のメンバーおよび各地域の代表が含まれる。 3 2009年の数値には、全従業員の約0.1%を占めるバクスター・クレジット・ユニオン(Baxter Credit Union)の従業員は含まれない。 4 買収や売却に伴い修正や改訂が加えられた結果、過去のデータが既報のものとは異なる場合がある。 5 事業活動に伴う温室効果ガス(GHG)排出量には、事業所のエネルギー使用(消費燃料および購入電力の双方に由来するもの)、営業用および配送用車両、その他の車両、冷却材の損失が含まれる。事業活動による純排出量には、再生可能エネルギーの購入、カーボンクレジットおよびカーボンオフセットも勘案されている。シカゴ気候取引所(CCX)に参加する独立機関が、カナダ、メキシコ、プエルトリコおよび米国における当社の事業活動に伴う直接的なGHG排出量を検証。米国環境保護庁の「気候リーダープログラム」(Climate Leaders)のコンサルタントが、米国およびプエルトリコにおける事業活動に伴う直接的・間接的なGHG排出量を審査。 6 直接水路に排出される処理水の総水質汚染レベル。データには、現地の規制要件を遵守しゼロ排出システムを導入している事業所2ヵ所は含まれない。2006年以前の実績データがない一部の事業所については、同等施設のデータに基づいて推計。 7 比率はすべて20万時間(常勤従業員100人の1年間の就業時間数に相当)当たりの発生件数または日数。米国労働安全衛生局(OSHA)による記録管理法を全社的に適用。記録すべき休業や労働制限の日数について医学的見解が異なる場合は、最も権威ある医師の見解に基づいて記録 8労働損失を伴う傷病:事故発生日翌日から1日以上の休業を伴う、業務にかかわる傷病。労働損失日数:業務にかかわる傷病により、休業した日数(週末、休日を含む)。最も権威ある医師の見解に基づく日数。労働制限日数:業務にかかわる傷病により、従業員または指揮下にある請負業者が職務を完全に遂行することができない日数(週末、休日を含む)。最も権威ある医師の見解に基づく日数。傷病発生日と完全に職務復帰した日は含まない。記録対象となる傷病:応急手当後も治療を必要とする、業務にかかわる傷病(労働損失を伴う傷病を含む)。 9 職場の重傷者数とは、1日を超える入院、切断または重体状態を生じた従業員または請負業者の人数。 10 2009年11月に、米国イリノイ州ディアフィールドの本社にある池を浚渫中に請負業者1人が死亡。イリノイ州レイク郡の監察医は、自然死であり、業務と無関連であると判断。よって、本件はこのデータに含まれない。 11 労働災害補償費は、業務にかかわる傷病によって生じた医療費および労働不能となった期間の給与。国際的なプライバシー保護に関する法令により全事業所の正確なデータの入手が困難なため、米国のデータから全世界のデータを推計。 12 米国メリーランド州ベルツビル工場で米国連邦航空局(FAA)との問題に関連して支払った罰金7,500ドルを含む。 13 米国フロリダ州タンパ工場で米国FAAとの問題に関連して支払った罰金30,000ドルを含む。 14 米国およびプエルトリコを含む。会計年度(10月1日~9月30日)による。支払勘定データに基づき第三者が分類。その他の分類には、退役軍人が経営する企業、傷痍退役軍人が経営する企業、社会経済的に不利な立場にあると認定された中小企業、HUB Zone(低開発地域)の企業などが含まれる。 15 平均卸売価格および平均販売価格に基づいて算出した、無償提供製品の価値を含む。詳細はオンライン完全版の「Baxter and The Baxter International Foundation Charitable Giving」の表を参照。金額の年次変動は、地域のニーズや規制環境、製造工程、マーケティングの変化によるものである。適宜地域のニーズに応じて無償提供の機会を特定。 16 バクスターおよびバクスターインターナショナル基金による寄付を含む。

詳細なデータとグラフについては、オンライン完全版(英語)sustainability.baxter.comの関連項目をご覧ください。

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写真上:コロンビアのへき地に暮らすエルマー・オルドニェス(Elmer Ordoñez)さんは、在宅で透析療法を行っています。オルドニェスさんには、ラバを使って透析液が届けられます。バクスターは、慢性腎疾患治療用の在宅透析製品の世界的なリーディングカンパニーであり、同事業の売上の80%以上を米国外の地域であげています。

本報告書について

本報告書は世界各国で使用されることを想定しています。各国の詳細は当該国のバクスターのウェブサイトをご覧ください。本• 報告書の「企業概要」にある製品または取り扱いに関する記述は、各国で承認されている適応と異なる場合があります。必ず、当該国の製品概要や添付文書、使用上の注意をご確認ください。詳細は当該国のバクスターまでお問い合わせください。

本報告書のデータは、特に記載のない限り、2009年のデータを使用しています。一部の取り組みや事例には、2010年の情報• が含まれています。

本報告書は、特に記載のない限り、子会社を含む全世界のバクスターの事業所を対象としています。環境・衛生・安全(EHS)• に関するデータには、バクスターが株式の過半数を所有する合弁事業のデータが含まれています。

本報告書にある金額の通貨は、特に記載のない限り、米ドルです。•

オンライン完全版(英語)には、グローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)のインデックスを掲載しています。•

本報告書の詳細については、Center for One Baxterまでお問い合わせください。1-800-422-9837または1-847-948-4770• までお電話いただくか、[email protected]にEメールをお送りください。日本においては、バクスター株式会社コーポレートコミュニケーション部(03-6204-3680または[email protected])までお問い合わせください。

フィードバックステークホルダーの皆様からのフィードバックは、当社のサステナビリティ活動および年次報告を継続的に改善するための重要な要素となります。皆様のご意見やご提案をsustainability.baxter.com/surveyよりお寄せください。

バクスターはさまざまなサステナビリティ関連団体やプログラムに加盟し、評価されています。

Corporate Citizens

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バクスター2009年サステナビリティ報告書の史実以外の記載には、将来のコンプライアンスや業績に関する記述など、現時点における将来の見通しが含まれています。将来の見通しにはさまざまなリスクや不確定要素が伴います。したがって、多くの要因により、実際の将来の結果と現時点における将来の見通しとの間に著しい乖離が生じる可能性があります。それらの要因には、米国食品医薬品局(FDA)を含む規制当局やその他の政府機関の施策、経済情勢の影響、医療技術の進歩、環境保護の進展が含まれます。その他の要因については、Form 10-Kを含む米国証券取引委員会(SEC)への提出文書に記載されています。当社のSEC提出文書については、ウェブサイト(www.baxter.com)をご覧ください。なお、当社は将来の見通しを更新する一切の責任を負いません。

本報告書における「バクスター」とは、バクスターインターナショナルインクおよび米国内外のその子会社を集合的に言及するものです。

Baxterはバクスターインターナショナルインクの登録商標です。

本報告書中のすべての製品名または商標は、それぞれの所有者がその所有権を保有します。

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表紙写真

バクスターは、患者さんの生命を守るため、世界100ヵ国以上に製品を提供しています。へき地で在宅透析療法を行う患者さんには、異例の輸送手段を使って製品が届けられることもあり、コロンビアのある地域では、透析液の配送にラバが使われています。

バクスター

「適切に管理された森林の木材(認証材)」を原料とした紙として、森林管理協議会(Forest Stewardship Council, FSC)から認証を受けた紙を使用しています。

有害な廃液の発生が少なく、環境に優しい「水なし印刷方式」で印刷しています。

太陽光発電されたグリーン電力で印刷しています。本報告書の印刷に使用した電力量は約55kwhと計算されています。

健康被害・大気汚染の原因となるVOC(揮発性有機化合物)を含まない、植物油100%のインキを使用しています。

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