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観光情報学の視点から見た函館公立はこだて未来大学

情報アーキテクチャ学科教授　鈴木恵二

函館学2007 11/10 2

公立はこだて未来大学　8年目を迎えて ■ 建学の理念が反映する施設

Open Space & Open Mind

■照明学会照明普及賞優秀施設賞　（!" # # #年）■北海道赤レンガ建築賞　（平成$ %年度）■日本建築学会作品選奨　（!" # # "年）■ & ' (（建築業協会）賞　（平成$ )年度）■公共建築賞　優秀賞　（平成$ *年度）

函館学2007 11/10 4

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函館学2007 11/10 5

自己紹介• 出身地 壮瞥町字蟠渓 農家の息子高校は室蘭へ→浪人後北大（学生、助手、助教授）→未来大開学とともに函館へ

• すぐ隣が大滝村北湯沢温泉‒ 名水亭

函館学2007 11/10 6

研究目標　陸・海・空を制覇！

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自律飛行船ロボットの構築自律飛行船ロボットの構築鳥形ロボットの開発鳥形ロボットの開発

芝刈ロボット群の開発芝刈ロボット群の開発室内室内GPSGPSロボット・オーサリングロボット・オーサリング観光情報観光情報学学群ユーザ群ユーザー支援ー支援

人工知能人工知能マルチエージェントマルチエージェント

函館学2007 11/10 7

• 観光の現状• 観光情報学研究会• はこだて観光情報学研究会‒ 生の声アンケート‒ 交通案内調査

• オンパクとはこだてまちナビ実験

観光を取り巻く現状$%&'()*+,-.

函館学2007 11/10 9

「観光」　語源と定義• 語源/「他の土地を視察すること。また、その風光などを見物すること。」0 『その国の光りであるところの、すばらしい人物に面接すること』を原意

0 定義–「人が日常生活圏を離れ、再び戻る予定で，レクリエーションを求めて移動すること」

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函館学2007 11/10 10

時代は観光振興ブーム• ビジットジャパンキャンペーン（平成15年4月～）‒ アウトバウンド約1,600万人‒ インバウンド約500万人

• 地方の経済不調‒ 地域再生　町おこしの手段としての観光•経済産業省「集客交流サービス産業」•国土交通省　観光カリスマ，各種データ開示‒ かつては「観光（遊び）につける予算はない」

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進展する世界の観光客数

• 飛躍的な進展を続ける観光産業は、現在では世界全体の総生産の10%以上を占め、2億人の 雇用を有する世界最大の産業になっている。世界の外国旅行者数は、2000年の7億人から2020年には16億人に倍増すると、WTOは予測している。 函館学2007 11/10 12

ハワイの場合12223456

観光改革

1990年に史上最高の年間観光入込客数697万人を記録した以降ハワイ観光の伸び悩みが顕著となっている。

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沖縄の場合

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沖縄観光の特徴

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沖縄における旅行形態の変化

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北海道• 北海道観光入込客数調査/平成= 9年度　7 d> = :万人（前年度比@ @ 8< B ）0 近年微減横ばい傾向0 道内客　7 d=9>万人　道外客　;: <万人

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北海道　観光消費額

昭和６３年 平成５年 平成１１年 平成１７年

生産波及効果で1兆 9,770億円農業生産高を越える北海道最大産業

3

函館学2007 11/10 19

北海道観光の特徴0 １．北海道は全国で最も人気のある観光地

/ （行ってみたい旅行先５年連続第１位）。0 ２．北海道は全国最大級の観光地

/ （都道府県別入込客数は全国の７％）。0 ３．北海道観光客の半数は道内客（7<％）、道外客では関東圏が多い（? ?％）。

0 ４．道外客は中高年の夫婦や女性グループ（< A～;A歳代）が主流。0 ５．道内客は小さな子供を連れた家族層（: A～7 A歳代）が主流。0 ６．宿泊先は道外・道内客ともにホテルが多い。（道外客の約６割）0 ７．滞在日数は、道外客の４割が２泊、道内客の７割が１泊。0 ８．道外客はバス移動による周遊観光が中心、一方、道内客は自家用車移動による温泉や自然を楽しむことが目的。

0 ９．一人あたりの旅行費用は道外客が７～= A万円、道内客は１～２万円

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北海道　市町村別

函館学2007 11/10 21

入込み客数と消費額から見れば．．．

停滞気味ながらも微増（ハワイの２０年前を後追い傾向，やがて追いつく？）

４０００億円５１５万人沖縄（県）

減少傾向生産波及効果・・・・1755億円　　　　　　市内生産額の約10%雇用効果・・・・・19966人　　　市内の全就業者数の約15%

1246億円５２５万人函館（市）

横ばい（受け入れキャパシティの飽和）

1 兆 1,133 億円(98 年)７００万人ハワイ（州）

状況消費額観光客数

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函館学2007 11/10 22

函館観光の課題（ある指摘から）• 従来型観光からの脱却‒ 市民の意識変革• 市民のホスピタリテイ• 観光客と交流する仕掛け

‒ 市の意識改革• 受け入れ体制の整備

‒ 標識、トイレ、駐車場など‒ 歩ける街づくり

‒ 旅館の意識改革• 食べ物、おもてなし、泊食分離• 連泊対応

‒ 業界の意識改革• みやげ物、接客、• 旅行代理店の商品内容の改善

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函館学2007 11/10 23

観光について誰が考える？

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産学官連携で戦略的取組みを観光情報学会はこだて観光情報学研究会

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熱い思いの人々• 地方で観光による町おこしを実践している三もの（三者）がいる

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観光情報学会• ２００３年4月設立• 設立趣旨‒ 「観光」を「情報」の視点で捉え、•新しい学問領域の創出•人材育成•観光振興による地域の活性化

　に貢献する

函館学2007 11/10 27

アプローチ

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函館学2007 11/10 28

情報をキイとした観光に関する学問的研究の必要性

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体制• Ｘ（エックス）研究会の集合体

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各観光情報学研究会取組み

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観光情報学会全国大会

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観光情報学会公式サイト

www.sti-jpn.org函館学2007 11/10 33

はこだて観光情報学研究会の活動状況

• はこだて観光情報学研究会‒ 生の声アンケート•交通標識調査（交通分科会)• オンパク支援

函館学2007 11/10 34

研究会• 定例研究会　!"#$%!&'$（月１回）‒ ４／２５、５／２６、６／２７、７／２５、９／２７、12／11

‒ 国際会議AAMASを開催してー国際観光都市を目指すためにー‒ バル街‒ 全国大会経過報告‒ 交通調査会報告‒ 函館観光施設のハングル語対応の予備調査結果‒ 函館観光の現状分析と今後の展開について‒ 別府おんぱく視察報告‒ 函館湯の川おんぱくの報告‒ はこだて検定について

函館学2007 11/10 35

調査会調査会　第１０回～第14回（隔月）‒ 観光ポイントの現地見学• 第１０回　「昼バル街をノエインツアーで散策する」バル参加企画（４／２５）• 第11回 「広域観光ー恵山つつじバスツアー」（６／４）• 第12回 「いか釣りおよびバーベキュー大会」（８／２７）• 第1３回 「学生と歩く湯の川 Part II ～明治・大正ロマン編～」(10/30)• 第１４回 「冬の大沼、観光バスで巡る冬の体験型観光を実践するツアー」（２／１７）

函館観光　生の声アンケート収集と分析

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函館学2007 11/10 37

函館観光に対する満足度• 函館市観光基本計画より

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背景• 観光客や観光に携わる人々は何らかの不満・問題点（クレーム）を持っている• クレームを公表しあう場がない• それぞれの組織の枠を越えた課題に対して提案する術がない　　　　　　　　　　　↓クレーム提言集 「生の声」 の作成

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アンケート

函館学2007 11/10 40

アンケート調査　1• はこだて観光情報学研究会で収集した　　アンケートとハガキの総数　474件

　　クレームが出た件数　278件

函館学2007 11/10 41

アンケート結果　１年齢

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アンケート結果　４旅行形態別クレーム内容

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アンケート結果　５旅行回数別クレーム内容

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アンケート分析問題点! 駐車場が足りない! 道が狭い(観光地)! 夜にお店が開いていない! 移動時間がかかる! 函館山など観光名所がこんでいる

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考察　1

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交通に関するクレーム多数家族旅行や友人・知人との「個人旅行」増えてきている

函館学2007 11/10 50

考察　2

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函館学2007 11/10 51

「生の声」まとめ　良い点0 歴史ある建造物や街並みの維持0 温泉・食べ物

　改善すべき点0 交通関係0 情報提示・案内の徹底0 活気の無いイメージ

函館学2007 11/10 52

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交通情報分科会の発足「函館観光　生の声アンケート」の中間まとめ　　　　　　　第５回研究会 （１６年１０月２２日）

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函館学2007 11/10 53

交通情報分科会の活動0 交通情報分科会構成メンバー　　未来大学、建設コンサルタント、道路資材（案内標識など）関係、市議会議員、ボランティアガイド、コンピューターシステムメーカー関係、報道関係、バス交通、タクシー関係者など。K（１７年２月現在）

0 活動内容　　①現地での実態調査や関係団体への聞き取り調査　　②活動テーマに沿った討議・研究活動　　③研究会（毎月）での問題提起や報告　　④調査研究結果のまとめと発表　　⑤各方面への提案

函館学2007 11/10 54

交通関係クレーム項目別割合

　　生の声アンケートによる交通関係クレーム項目別割合

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函館学2007 11/10 55

観光地までの案内看板の調査クレーム① （４０～５０歳）　　湯の川町が広く（地図を持っていないせいもありますが）大変迷いました。

クレーム②　（６０歳～　女性）　　湯の川温泉の目じるしが少ない。もう少し、案内板があってもいいかと思いました。

クレーム③　（２０～３９歳　女性）　　五稜郭駅から五稜郭までわかりにくい

クレーム④　（２０～３９歳　男性）　　車の運転中に案内標識がわかりにくい。

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函館学2007 11/10 56

実証！案内看板で目的地へ、たどり着けるか？FGpõg.HUIHUTUJÿK¨Ù�#ºîïHÙñòQRSU�]óÊ,Ü¥{°

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函館学2007 11/10 57

おや？• 同じ目的地なのに、表記内容が・・・　（例1）目的地-五稜郭公園

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函館学2007 11/10 58 函館学2007 11/10 59

案内標識設置状況

函館学2007 11/10 60

現在• 開発局　道路案内標識の改善策

» ともえ大橋の利用

• 函館市 見難かった標識の改善• 湯の川 「湯の川活性化懇談会」

» 案内標識設置に向けて協議中

ITは？

函館学2007 11/10 62

ところでIT（TI?）の話は？

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モバイル観光の事例カーナビ　９００万台‒ 道案内機能から観光情報提供へ発展

マンナビへの期待（モバイル観光案内実験）（１）２０００年　長崎県長崎市

修学旅行生の位置情報配信（２）2000年　松江市　　　観光客へ道案内，観光スポット情報を提供（３）? AA:年　愛媛県松山市周辺　携帯電話から音声ガイダンスで観光案内情報提供

（４）fwナビウォーク＋ＱＲコード

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函館学2007 11/10 64

モバイル観光は観光客を増やせるか？満足度を高められるのか？

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モバイル観光情報は新しい観光動態調査手法• ハンディGPSを用いたレン タカー利用観光客の観光動態調査‒ (北大・さっぽろ観光情報学研究会)

• QRコードを用いた観光地巡回データの抽出‒ （金沢大・かがのと観光情報学研究会）

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観光客の動態がわかれば？• どのような嗜好を持った観光客が、いつ、どんなときに、何処へ行っているのか‒ 「何を求めているのか」を知る

観光客の嗜好に合わせた「満足度」を上げる為の観光情報戦略が立てられる！

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函館学2007 11/10 67

では実際にナビしてみましょう「はこだてまちナビ」実験&�';�l5}ßµ�νm~ÀXUa}ßskc8

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函館学2007 11/10 68 函館学2007 11/10 69

目指すものùú'ÈZ�g{ÜF���Z�{£��Øí

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はこだて湯の川オンパク

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オンパクの仕組み（大イベントから小イベント集合形式へ）

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オンパク小リスクで観光資源発掘

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湯の川オンパクへの観光客参加に向けて

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参加したい。。。空き情報の確認•予約

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個別観光情報提供実験概要

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展望

• 函館観光ICカード‒ バス、市電、観光施設をICカードで支払い‒ モバイルを利用した動態に応じた誘導情報提供‒ カスタマイズドサービスの具現化

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まとめ• 観光産業は「複雑系」‒ 地域内の結びつき（地域交流）を情報によって支援‒ 現状分析「生の声アンケート」• 交通分科会：交通案内環境の改善

• 地元民が楽しめる場所へ観光客は来たがる‒ 地域交流を促進する観光情報の創出‒ モバイル技術を使った新しい動態調査• はこだてまちナビ実証実験

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