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SPDを用いた等電位ボンディングと雷対策 ■ 大洋電機株式会社 はじめに において による している。 これまで といえ そして などの一 域だけに こりうる えられていたが、保 てみると、 ここ における の保 いが している。 ーダーに されない な「ゲ 雨」が い、1 きな たらした しい。 その による異 との意 が、これら による きな 々を の変 である 意しなけれ ならない。 それ ここ げたネット ーク のイ 因している。 といえ 、その から した サージが された るという であった。 って 安易なケースが かった。しかしながら に於ける 、その くがLAN などのネット ークを する して いる。 にビ などの システム セキュ ティシ ステムの ーカ 側の い。これ なぜであろ うか。それ ネット ーク・LANなどのイ システムに される くが、かなりのチャ ーカ 側に から、 りの となっている。 それら なりの しておりその からのサージ ノイズに とならざるを ない。その から した しのサージ イズで 易に れてしまう となる。 えて されたネット ークケーブ 、 サージの となる 、位 させ すい らさらに きな ける となってしまう。この がネット ーク えている きな である。 に、これらのイ した 、サ ージの 因( 因なのか ?)などの しく、 しくしてい る。その為、 かなりの すという こっている。この らせた一つの 因となっている。 ポートに依ると「 因の サージに 因する。」 がなされている。これだけ ネット クが してしまった に於いてこれらのシス テムにト した 変な まで してきた である。   しかしながら、これだけ ってい るに かかわらず、 々 あまりに による ぎるので ないだろうか。欧 にこれら の変 し、10 してきた。 この欧 きであろう。 による 」で ない。 のどの 域において いつで こりうるという しておく きである。 まさに 因の サージに 因する。」という めなけれ なら ない ているといえるのである。 2003 された、しいJIS による である「 システム」の「 位ボ ディ グ・SPDを いた 位ボ ディ グ( む)」についての

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SPDを用いた等電位ボンディングと雷対策

■ 大洋電機株式会社

はじめに  近年、首都圏において落雷による電子機器の被害が

急増している。

 これまで雷の被害といえば、北関東・九州そして冬

季の北陸地方などの一部の地域だけに起こりうるもの

と考えられていたが、保険会社の統計を見てみると、

ここ数年、首都圏における雷被害の保険金支払いが急

増している。

 今年の夏にも気象庁のレーダーに観測されない局

地的な「ゲリラ雷雨」が東京を襲い、1時間に4000回

の落雷を観測、都内各地に大きな被害をもたらした事

は記憶に新しい。

 その原因は温暖化による異常気象との意見が多い

が、これら雷による被害増加の最も大きな要因は、我

々を取り巻く社会環境の変化である事に留意しなけれ

ばならない。

 それはここ数年の間に急激な発展を遂げたネットワ

ーク社会のインフラに起因している。

 従来の雷の被害といえば、その多くは電源から侵入

した雷サージが接続された機器の電源部分を破壊す

るという被害が中心であった。従って侵入路の特定や

対策も比較的安易なケースが多かった。しかしながら

都市部に於ける雷被害の場合、その多くがLANや通

信機器などのネットワークを構成する機器に集中して

いる。特にビルなどの空調システムやセキュリティシ

ステムのローカル側の被害が多い。これはなぜであろ

うか。それはネットワーク・LANなどのインフラの場合、

システムに接続される機器の多くが、かなりのチャン

ネル数をローカル側に持つ事から、機器自体が出来う

る限りの省電力の設計となっている。当然それらはか

なりのローレベルで動作しておりその分、機器自体は

外部からのサージやノイズに対し脆弱とならざるを得

ない。その結果、外部から侵入した少しのサージやノ

イズで容易に壊れてしまう事となる。加えて網の目の

様に敷設されたネットワークケーブルは、雷サージの

格好の侵入路となる上、電位差を発生させやすい事か

らさらに大きな被害を受ける事となってしまう。この

事がネットワーク機器の雷被害が増えている大きな理

由である。

 更に、これらのインフラに雷被害が発生した場合、サ

ージの侵入経路・被害の要因(本当に雷が原因なのか

?)などの特定が大変難しく、対策自体を難しくしてい

る。その為、本格的な雷対策を行う場合かなりの費用

を要すという問題が起こっている。この事が日本の雷

対策を遅らせた一つの原因となっている。

 海外の研究機関のレポートに依ると「電子機器の原

因不明の故障原因の85%は雷サージに起因する。」

と言う報告がなされている。これだけ通信ネットワー

クが普及してしまった現代社会に於いてこれらのシス

テムにトラブルが発生した場合大変な社会的な混乱を

招く事は今まで多く経験してきた事である。  

 しかしながら、これだけ雷の危険が身近に迫ってい

るにもかかわらず、我々日本人はあまりにも雷による

被害に無関心過ぎるのではないだろうか。欧米各国で

は既にこれら社会状況の変化を予測し、10年以上前か

ら本格的な雷対策を実施してきた。我々はこの欧米の

姿勢を見習うべきであろう。

 雷による被害は「対岸の火事」ではない。今後、国内

のどの地域においてもいつでも起こりうるという事を

十分理解しておくべきである。今まさに我々は「電子

機器の原因不明の故障原因の85%は雷サージに起

因する。」という警告を深刻に受け止めなければなら

ない時期に来ているといえるのである。

 今回は2003年に改正された、新しいJIS規格による

雷対策の中で最も重要な改正点である「内部雷保護

システム」の「等電位ボンディング・SPDを用いた等

電位ボンディング(接地対策を含む)」についての基本

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株式会社

的な部分を解説していく。また、今回は紙面の都合も

あり、本来説明すべき、旧JIS規格による対策方法との

比較や、国内の給電システム(T-T系統)と欧米の給電

システム(T-N系統)との比較、それに伴う接地方式の

違いなどの説明については省略してある。これらは様

々な文献に詳しく説明されているので、読者ご自身で

ご確認願いたい。 雷対策の為の新JIS規格とは?  2003年と2005年に改正された新しいJIS規

格は下記の通りである。

(1)JISA4201-2003…IEC61024-1を翻訳

  建築物全般の一般的な雷保護

 ◎ 外部雷対策…避雷針と引き下げ導体について。

 ◎ 接地極…基礎接地極と1点接地の重要性につい

   て。

 ◎ 内部雷対策…建物内部の人や電機機器を雷サー

   ジから保護する対策

等電位ボンディング…電位傾度を減少させるこ

             との重要性について。

        SPD(アレスタ)による等電

           位ボンディングについて。

(2)JISC0367-1…IEC61312-1を翻訳

  雷による電磁インパルスに対する保護

 ◎ 等電位ボンディングの施工方法

 ◎ 基礎接地極の施工方法

 ◎ SPD(アレスタ)の選定と取り付け方法

(3)JISC5381-1・12・21…IEC61643-

   1、12、21を翻訳

  低圧配電システム及び通信・信号回路に接続

  するSPDの選定方法と基本性能

 ◎ SPD(避雷器)の選定方法

 ◎ SPD(避雷器)に求められる性能 基礎接地極と等電位ボンディングについて  新JIS規格では建物への直接の落雷だけでなく、

近傍に落雷があった場合もそのエネルギーは必ず建

物内部に侵入する(全エネルギーの50%が侵入する)

という考え方に改められた。従って建物内部の機器

や人を雷の被害から守る為には、内部雷対策(建物

導電部の等電位ボンディングとSPDによる等電位ボ

ンディング)に依る雷サージの効果的な分流化と、

それらを速やかに地中に放電させる為の、適切な接

地極対策が必要という考えに改まった。(旧JIS規

格では建物と隔離された避雷針とその引き下げ導体

・接地極があれば雷のエネルギーは建物内部に侵入

しないという解釈であった。)

 この中で接地極に関して新JIS規格では、建物に

敷設する接地極を従来の様な系統接地極(A種・B

種)機器接地極(C種・D種)避雷針要接地極など

に分けて別々に設置するのではなく、建物の基礎部

にメッシュ・環状などの形状の平面的に広く埋設さ

れた接地極を全ての共用接地として使用するという

考え方に改まった。(統合接地=1点接地の考え方

)これを従来のA接地極(接地棒・90CM角の接地

極板)に対し、B種接地極(基礎接地極)という。

 

 この接地極はサージインピーダンスを下げる事に

効果がある。この基礎接地極に、全ての鉄筋・鉄骨

・金属配管・導電部を接続するというのが等電位ボ

ンディングの基本的な考え方である。これらを的確

に施工する事により、建物内部の電位差の発生を無

くし、侵入する雷サージを効果的に分流させること

が出来る。更にこの等電位ボンディングのケージ構

造は、これまで通信ネットワークや計測装置などの

技術者を悩ませ続けてきたEMCノイズに対しても

十分な遮蔽効果を発揮する。(欧米においては雷サ

ージ対策とノイズ対策は同じものとして扱われてい

る。)

 この考え方(統合接地=1点接地)は北関東など

の多雷地域では雷対策の一つの方法として以前から

経験的に実施されていた内容であり何も目新しい技

術ではない。(次頁上記画像参照)

 この統合接地と等電位ボンディングはT-T系統の

給電方式を採用する欧米諸国においては一般に採用

されていたものであるが、T-T系統の給電方式を採

用する我国に於いてはPEN・PE・N線の方式の違

いの為、ほとんど実施される事が無かったが、最近

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は国内の大手ゼネコンなどを中心にこの接地極の方

式の採用が進み、多くの建物に採用されている。

 また、従来問題となる事が多かった接地抵抗値で

あるが、新JIS規格では接地極に関して従来のよう

なA種10Ω以下、D種100Ω以下などの規定は無い。

基礎接地極を埋設する事により十分低い抵抗値(1

Ω以下)を得られると説明されている。

 さらにこの基礎接地極と他の設備や建物の接地極

同士を連接接続(スター接続・メッシュ接続)する事

で、より良好な接地極を形成する事が出来る。この

連接接地極は従来の国内の工場や広い敷地内に点在

する設備に対する雷対策を行う場合に有効である。

(別図「JISC0367-1による連接接地極」参照)

JISC0367-1ではこれらの連接接地極を5mのメッ

シュ構造にする事を推奨している。

 しかし、最近の建物やこれから設計される建物な

らば、この様な統合接地極も施工可能ではあるが、

既設の古い建物や工場設備に対する対策の場合、施

工工事を実施する事自体が不可能な事が多い。この

ような場合のひとつの解決策として、接地ギャップ

をご紹介したい。(下図)

 これはSPD(アレスタ)のバリエーションの中の

ひとつであるが、このアレスタは互いに絶縁された

導電体(電線だけではなく金属部全て)の間に設置

され、それぞれの導電体間に電位差が生じた場合の

み導通するというものである。従ってこのアレスタ

を各接地極間に設置しておけば外部からのサージ・

キュービクル内での各接地極の統合例

JIS C 0367-1による連接 接地極

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過度のノイズによる電位差が発生した場合、各接地

極間が導通状態となり、電位差を解消できる。

 また、この接地ギャップは接地間の電位差解消だ

けではなく全ての導電部間の電位差解消のためのツ

ールとして使用出来る。その他の使用法として、絶

縁対策が重要となる通信機器の電位差解消やノイズ

対策などにも十分効果を得ることが出来る。 等電位ボンディング及びSPDによる等電位ボンディング  新JISの中で初めて取り入れら

れた内部避雷対策とは建物内部

の電子機器や人を雷サージから

守るという対策のことを言う。

この対策の根幹をなすのが「等

電位ボンディング」である。こ

の施工なしに雷対策はありえな

いといっても過言ではない。

 「等電位ボンディング」とは建物

内部の鉄筋鉄骨・金属配管など全

ての導電部分を相互に接続すると

いうもので、電源線や通信線のシ

ールド・接地線なども含まれる。こ

の様に鉄筋鉄骨や金属管などを

直接接続する事を「直接ボンディ

ング」と呼ぶ。また本来、電源線や

信号線もサージにより過電圧が発

生する導体である以上、ボンディ

ングの対象になるわけだが、AC1

00V200Vの交流電源線や通信線

自体を建物の鉄骨に直接接続す

る事は出来ない。その場合、SPD

(アレスタ)を介してボンディング

するという事となる。この様にア

レスタを用い電源線・通信線など

の充電線をボンディングする事を

「間接ボンディング」と呼んでいる。

つまりSPD(アレスタ)は雷サー

ジから機器を守る部品と考えるの

ではなく、本来は等電位ボンディン

グを完成させる為の「電線の延長上の部品」と考える

のが正しい認識である。

 この2つのボンディング方法を的確に行ってはじめ

て建物全体の等電位が完成し効果のある雷対策とな

る。(別図 「等電位ボンディング概念」参照)

 この事は、「等電位ボンディング対策」なしに、高性

能のアレスタを使用しても効果は得られないという答

えに他ならない。つまり従来の雷対策として一般に行

われてきた“雷対策=SPD設置”という方法では十分

等電位ボンディング概念

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な効果は得られないということである。(・・・よく聞か

れる「アレスタを取り付けたのに効果が無い。」という

疑問への回答)

 また、建物の同一フロア内で行う等電位ボンディン

グを「水平ボンディング」と呼び、最上階と最下部階の

間は距離が大きければ大きい程その間に大きな電位

差を生じやすい事から、各階のフロア間で行う等電位

ボンディングを「垂直ボンディング」と呼ぶ。これらの

ボンディングを確実に行い、建物のどの部分にも電位

差が発生しないようにしなければならない。

 次にSPDを用いて内部雷対策を行う場合のSPD

設置の基準となる建物の保護ゾーンについての考え

方を示す。

 保護ゾーンとは下記の通り建物の内外部を雷のサ

ージエネルギーが通過していく場合その減衰をそれ

ぞれゾーンに分けて判断する基準である。

 つまり雷サージが、建物外部(雷サージエネルギー

大)から建物内部(雷サージエネルギーが少)に入って

いく場合、段階的にサージエネルギーが減少していく

という事を各ゾーンに分けて区別するという考え方で

ある。この事は前に述べた「SPD(アレスタ)は等電

位ボンディングを完成させる為の部品と考える。」と

いう解釈と一致している。 

 つまり通常、直接ボンディングされている建物の鉄

筋・鉄骨・その他の導電体は常に同じ電位となってい

るが、各電源線や通信線などの充電線に接続されるS

PDを通過するサージ電流・電圧は、状況によって大き

く変化する。   

 その為各ゾーン間に設置されるSPDは、そのゾー

ンを通過するサージエネルギーに十分耐えられる容

量を持ったものが求められる。この選別をクラス(電源

)とカテゴリ(通信)という基準で選定しなければならな

い。

 雷保護ゾーンでは建物とそこに配線される各電源

ライン・通信ネットワークラインのどの位置にどの様な

SPD(避雷器)を設置するかが規定された。この事に

より使用されるSPDは自動的に選定出来る事となる。

新JIS規格ではそれぞれの雷保護ゾーンの間に設置

されるSPDをクラス(電源系)とカテゴリ(通信ネット

ワーク系)別に分類しており、使用される各SPDの選

定はこの仕様を満足する物を用いると定めている。(

これらの各クラス・各カテゴリはメーカーのSPDカタ

ログに明記されている。)

 上の図の中で各ゾーンに設置されるSPD B C Dを

次頁上表に示す。

 次頁上記で規定したSPDによる間接ボンディングと

直接ボンディングを重ね合わせる事で、効果の高い内

部避雷対策システムを構築することが出来る。 雷対策の具体例  次頁下記に実際に雷対策を施工した実例を示す。

(「SPD(アレスタ)による等電位ボンディング例」参照)

 この建物はあるメーカーの北関東工場の管理棟で

ある。工場敷地にはほかにも何棟かの工場がありそ

れらの建物と管理棟間は電源・社内LAN・各種セ

ンサーラインが地下埋設で配線されている。

 対策を実施したのは1F・2Fの配置された各設

備・通信ネットワークシステムと電源回路である。

 この対策に使用するSPD(アレスタ)を次々頁上記

の表に示す。

 現地を調査し、各設備の配置されている保護ゾー

ン(LPZ)と接地極・接地線の状態を確認した。その

調査結果に基づき各機器に適切なSPDを配置した。

JIS C 0367の雷保護ゾーン

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また接地線に関してはJISA4201 2003により十

分な容量を持つ電線に変更した。更にキュービクル

のA種接地極と他の工場棟の基礎鉄骨間を22sq以

上のIV線で接続(スター接続)する事により、連接

接地極を形成し各建物を等電位とした。

(別図「JISC0367-1による連接接地極」参照)

※ クラスⅠの性能を持つクラスⅡのSPD

通信電源の区別

電源

通信

クラスⅠ or

※クラスⅠ・Ⅱ

カテゴリー D1・D2

サプレッサダイオード+ガス

クラス (カテゴリ)

直撃雷 誘導雷 B

LPZ0A・0B直撃雷 誘導雷

試験の種類 試験電流(電圧)

0,5KA、1KA又は2,5KA 10/350μsec 1KA又は2,5KA 10/250μsec

Iimp 10/350μsec In 8/20μsec

SPD素材 使用されるゾーン

電源

通信

クラスⅡ

カテゴリー C2・C3 サプレッサダイオード 誘導雷

C LPZ1

誘導雷

誘導雷

誘導雷

1KA、2KA又は5KA 8/20μsec

10A、25A又は100A 10/1000μsec

Imai 8/20μsec In 8/20μsec

電源

通信

クラスⅢ

カテゴリー C1

サプレッサダイオード

スパークギャップ(バリスタ)

バリスタ ガス

バリスタ コンデンサ

D LPZ2

0,25KA、0,5KA又は5KA 8/20μsec

UDD1.25/50μsec 8/20μsec

SPD(アレスタ)による等電位ボンディング例

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 しかし、この様に既製の建物・設備に対して雷対策を

行う場合、現実には、効果の高い等電位ボンディングの

施工や新JIS規格に基づく接地母線の引きなおし、統

合接地の施工などの対策工事を行う事は不可能であ

る事が多い。(特に壁や床をはがさなければならない

等電位ボンディングの施工は難しい。)しかしながら少

なくとも、建物内の接地母線の引きなおしと、接地ギャ

ップによる接地極間の電位差発生の解消、出来れば他

の建物との連接接地など最低限の改善工事は行いた

い。

 「具体例のSPD選定表」中に対策に使用したエム・

テイ・エル・インストゥルメンツ株式会社SPD(アレス

タ)を明記したので参考として頂きたい。

改善案 具体例のSPD選定表

設置場所

(2)2F会議室

(1)1Fサーバールーム

LPZ1-LPZ1

LPZ1-LPZ1

LPZ1-LPZ1 LPZ1-LPZ0B

LPZ1-LPZ0B (外部配線)

カテゴリC1~C3 カテゴリD1

LPZ1-LPZ1 (同一建物内) LPZ1-LPZ0B (別棟)

LPZ1-LPZ0B (キュービクル間) LPZ1-LPZ1 (屋内配線)

建物内主電源 (キュービクル間) 建物内副電源 (主電源間)

種類 用途

SPD(アレスタ)の選定

カテゴリ クラス 種別

電源 クラスⅡ MA15/D/1/SI分岐電源

LPZ1-LPZ1 クラスⅡ MA15/D/1/SI分岐電源

カテゴリD1 SDPSTN

クラスⅠor Ⅰ・Ⅱ クラスⅡ

16100

16100

クラスⅡ MA15/D/1/SI分岐電源

24540

カテゴリC1~C3 カテゴリD1

24540

LAN CAT5

LAN CAT5 計装信号

アナログ ダイアルアップ

通信

電源

通信

電源

電源

等電位

通信

ゾーン

配線ゾーン MTL適合SPD

LPZ1-LPZ0B クラスⅠ・Ⅱ LTX91035接地ギャップ

(4)建物内主電源・   副電源

(3)電話回線

LPZ1-LPZ0B (カメラ~レシーバー)

カテゴリD1 91126 24528

映像信号 制御信号

通信

LPZ1-LPZ0B (カメラ~レシーバー)

クラスⅠ・Ⅱ 14400分岐電源 電源

(6)接地極

(5)外部監視カメラ

改善案(接地関係)     変更前               変更後

◎接地線 1F 1, 25sq    5, 5sqに変更し屋内機器のボンディング母線とした

     2F 1, 25sq    5, 5sqに変更し屋内機器のボンディング母線とした

◎接地極 1F 埋設なし

 キュービクル A種B種D種 22sqの電線で他の工場棟の基礎鉄骨と接続し、

              連接接地する。(スター接続)

              直接接続されていたA・B・C各接地極を接地ギャ

              ップを介して接続する方法に変更した。(電位差解消)

(統合済み)

※建物内部に埋設されるボンディング母線は5,5sq~14sqを用いる。 ※建物外の別設備との連接接地極を完成させるために使用されるボンディング母線は22sq以上  (出来れば38sq)を使用する。