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SPL Analog Code Plug-in Manual Vitalizer® MK2-T

SPL Analog Code Plug-in Manual2 イントロダクション SPL Analog Code® Plug-ins ドイツSPLは、20年の歴史を持つ高なハンドメイド のアナログ・ハードウェア・プロセッサーのメーカー

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SPL Analog Code ™ Plug-in

Manual

Vitalizer® MK2-T

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SPL Analog Code ™ Plug-inマニュアル

Vitalizer MK2-T

Sound Optimizing Processor マニュアル

Native version (RTAS, VST and AU): Article Number 1030

TDM version (includes RTAS, VST and AU) : Article Number 1031 Manual Version 1.0 – 12 /2009

このユーザーズ・ガイドは製品の説明書です。使用の結果および特定の特徴の保証をするものではあ

りません。

この文書の情報は、文書が製品に添付された時点で確認されている製品情報に関して正しい情報が

慎重に編集され記述されています。

Sound Performance Lab (SPL)は、継続的に製品を改善するよう努め、事前の予告をすることなく、い

つでも本書で記述される製品情報を修正する権利を保有します。

この文書は SPLの資産であり、SPL electronics GmbHによる認可なしでは、どんな形であれ、一部お

よび全部をコピーすることはできません。

SPL electronics GmbH Sohlweg 80, 41372 Niederkruechten, Germany Phone. +49 (0)2163 983 40 Fax +49 (0)2163 983 420

E-Mail: [email protected] Internet: www.theanalogcode.com

SPLのロゴ、The Analog Codeおよび Twin Tube Processor は SPL electronics GmbHの登録商標

です。その他すべてのロゴは保有者の商標 ™および登録商標 ®です。

著作権: 2009 SPL electronics GmbH. All rights reserved. Made in Germany.

Vitalizer® Patents

EU: 1407544 USA: 7.352.872

Japan: 2003-514695 China: ZL02814524.0

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イントロダクション

SPL Analog Code® Plug-ins

ドイツSPLは、20年の歴史を持つ高名なハンドメイド のアナログ・ハードウェア・プロセッサーのメーカー

です。Transient Designer™の革新には、そのフロン トエンドからバックエンドに至るまで、完全なアナ

ログ領域での技術が伴っており、SPLの特許でありマ スターリングシリーズで頂点を極めた120Vテクノ

ロジーの恩恵が享受されています。

SPLのハードウェアが、ホームスタジオのオーナーからマスタリング・エンジニアに至るまで、オーディ

オ・プロフェッショナル達を魅了する世界で最も有名な機材である、という評価が高まる一方で、DAW

などのデジタルユーザー達から、このテクノロジーを楽しむことができるように、という要求、要望がい

つもありました。

そして、今、私達のソフトウェア設計チームは、苦労の末、私達のアナログプロセッサの品質と優秀さ

をデジタル領域に置き換えることに成功したのです。私達のアナログ回線設計を高精度にモデリング

するための最新の方法では、単なる数学的なアプローチを越えた形で、その結果を提示しています。

私達のデジタル製品は、それらをThe Analog Code™プラグインと呼ぶように、アナログ・ハードウェア

に驚くほど近似させることに成功しています。

The Vitalizer®

Vitalizer はサウンドを強調するという面において目ざましい結果を達成するために、音響心理学と聴

力検査の原理を活用したプロセッサーです。 Vitalizerがプロセスするのはオリジナルのシグナルだけ

で、人工的なシグナルは一切追加しません。特許取得のフィルタリング・テクノロジーはオーディオ・シ

グナルの豊潤さを強調し、インタラクティブなパラメータが音楽的かつ効果的な方法で実現します。

正確なフィルタリングと直感的なユーザビリティのこのユニークな組み合わせは、ミュージック・クリエイ

ションがより刺激的で自然に行われることを可能にします。音楽とスピーチを明確に区別可能にし、分

かりやすくし、ラウドネスを強調し、激しく、そして音像を拡げることさえ可能にします。

音楽を強調する技術

Vitalizer の主な機能のひとつはオーバーラッピングされたサウンドの “マスキング” をクリアして本来

のサウンドを取り戻す、ということです。その方法を原則的に説明すれば、MP3等で用いられる圧縮フ

ォーマットが行うことの反対のことを行います・・・不要だと言われている情報を削除する代わりに追加

するのです。

そのために、Vitalizerでは音量と周波数帯の感じ方が関連づけてプログラムされています。音量の大

きな周波数帯を僅かに移動させることによって、ソフトでオーバーラッピングされていたサウンドを前に

出すことができます。

この“マスキング“をクリアしたサウンドは一般的にはミックスにおいてより明快で奥行きのあるサウンド

であると言われています。低域はパワフルで明確になり、中域はより鮮明になり、高域はみずみずしさ

と輝きを取り戻します。ここのチャンネルで各楽器やヴォーカルのサウンド・キャラクターを強調するの

に使用しても良いでしょう。その明確さと解像度はミックスの中で十分な存在感を持たせます。

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もうひとつのVitalizer のプロセッシングにおける特徴的な機能は人間の聴覚感度に対応したサウンド・

スペクトラムの追加です。この現象は1930年代の聴力検査により証明され、フレッチャー・マンソンの

等ラウドネス曲線として知られています。これらのカーブによると人間の聴覚は中音域、すなわち、ス

ピーチの周波数帯域に最も敏感です。

結果的に、200Hz未満と6000Hz以上の周波数帯域は、バランス良く聴こえるためには補強を必要とし

ます--例えば、6kHzと約11kHzの間の周波数は 5dBほど小さく知覚されます。Vitalizer は人間の聴覚

の特性に従って聴こえ方のバランスをとるために等ラウドネス曲線を用いています。その結果、ミック

スの中の個々の素材は音量レベルを上げることなく良好なサウンドとなるでしょう。同時に、ミックス全

体もVitalizer の恩恵をうけて音圧レベルを変えずに同等のラウドネスを得ることができるのです。

機能紹介

・特許取得のオートマティック・サウンド修正と最適化

・複雑なプロセスをシンプルにコントロール

・中/高音域に対する倍音付加

・オーバーラッピングされたサウンドをクリアで明快なサウンドへ

・聴きとりづらい周波数帯域の補正しラウドネス感のあるサウンド

・小音量や低音域のサウンドをより聴きとりやすく

・高周波数帯域と倍音成分の独立したプロセッシング

・電子的なサウンドや音楽ジャンルにおける実験的なサウンド

・モノ、ステレオ、マルチチャンネル・オペレーション

使用例

・レコーディング、ミックスダウン、マスタリング、音楽再生など全てのサウンド・プロダクション

・各トラック、サブグループ、マスターにも最適

・ミックスに明快さと存在感を与える

・楽器やヴォーカルのサウンド・キャラクターを強調

・素晴らしい低音

・古い録音素材のレストア

・SEやサンプル素材にインパクトを

・空間的なサウンド・デザイン

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オペレーション マウス・ホイール・コントロール

全てのSPLプラグインではロータリー・コントローラーやフェーダーの操作をマウスのホイール・コントロ

ールで行うことができます。目的のコントローラーの上にカーソルを置き、マウス・ホイールを動かすだ

けでパラメーターの変更が可能です。CTRL(Windows)/Command(Mac)を押しながら操作することに

より、より細かい設定が可能になります。

Mono/Stereo/Multi Channel Vitalizerはモノ/ステレオ どちらでも使用できます。ステレオ使用時にはどのコントローラーも両方のチ

ャンネルに同時に作用します。Stereo Expander機能はその動作のしくみからステレオ使用時にしか

使えません。モノ使用時にはこのコントロールはグレイアウトして選択できません。この部分を見れば

Vitalizerがモノ/ステレオのどちらの状況でインサートされているか簡単に確認できます。

また、ホスト・アプリケーションが対応していれば、マルチ・モノ、あるいはマルチ・チャンネルのプラグイ

ンとして利用することもできます。

Basics

周波数帯域は通常 high/mid/low の3つの帯域に分割できます。 高域周波数では高音域と倍音成分

のプロセッシングを行い、3つの帯域をそれぞれ別々にコントロールすることも可能です。

低域と中域は明彩度をコントロールするツマミ“PROCESS” を共有しています。フィルターとそのレベル

を別々にコントロールするということはたった2つのツマミで非常に多くのサウンドを作り出す可能性を

持つということであり、低音域のキャラクターをディープ/ソフト/ドライと選択することができます。

PROCESSコントロールは常に中音域のフィルターと連動しています。これは低音域と中音域を音響心

理学と聴力検査の原理に基づいて強調することができるということです。例えば、中音域は人間の耳

にとても敏感な帯域ですが、Vitalizerをソフトな設定にすると自動的にその帯域を減衰させるのです。

デフォルト設定

次の設定はデフォルト設定であり、オーディオ・シグナルに全く影響を与えません。

• DRIVE at “0” (center position)

• BASS at “0” (center position)

• COMPRESSION at OFF (hard left)

• MID-HI TUNE at 3 kHz (center position)

• PROCESS at OFF (hard left)

• LC-EQ at LOW (hard left)

• INTENSITY at OFF (hard left)

• STEREO EXPANDER at OFF (hard left)

• OUTPUT at “0” (center position)

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ファースト・ステップ

デフォルト設定に基づいて、Vitalizerをより良く知るための設定法をご紹介します。

1) PROCESSコントロールをゆっくり上げていきます。MID-HI TUNEコントロールは3kHzに設定されて

いるため3kHz以上の周波数帯が強調されていきます。

2) BASSコントロールを右に回してみましょう。低音域がタイトでドライになります。逆に左に回すとソフ

トで丸くなっていきます。お好みのサウンド・キャラクターを選んでください。低音域のレベルのばらつき

が気になるようでしたらCOMPRESSIONコントロールで補正できます。

3) MID-HI TUNEコントロールを動かしてみてください。右に回していくとサウンドはブライトになり

1.5kHz周辺の中音域が強調されます。左に回してカットオフ周波数を上げていくとサウンドは緩くなっ

ていきます。

4) LC-EQコントロールを左に振りきり(LOW)、INTENSITYコントロールを10に設定することにより高音

域をちょうど良く強調することができます。

5) その名の通り STEREO EXPANDERコントロールでステレオ・イメージの拡がり感を調整します。通

常は7-12位の設定が適切でしょう。

6) ACTIVEコントロールでVitalizerエフェクトのOn/Offを聴き比べてください。この設定を基にして色々

なセッティングをお試し下さい。

Control Elements コントロール・エレメンツ

Active

Active sw.を使ってVitalizerをOn/Offすることができます。プラグイン版では

POWER sw.は常にONのままです。プラグインをインサートした直後はこのActive

sw.が数秒間点滅しますが、これはハードウェア版の真空管のウォームアップを再

現したものです。このActive sw.の実際の機能はOn/Offを通してエフェクトのかか

り具合をオリジナル・サウンドと比較することにあります。この様な比較を作業中に

頻繁に行うことはオーバー・プロセッシングによる誇張を防ぐ意味においてとても有

効です。更に、リファレンスとなるサウンドと比較試聴することも重要でしょう。

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Drive

DRIVEコントロールはVitalizer のフィルターがオペレートするレベルを

設定します。入力信号の感度を調整することにより最終的なエフェクト

のかかり具合をコントロールします。 0dB(センター・ポジション)では

アウトプット・レベルはインプット・レベルと同じになります。DRIVEの値

を上げていくとより強力に各ツマミのエフェクトが反応するようになりま

す。この値を低く設定しすぎると他のツマミを最大限に設定してもほと

んどエフェクトはかからないかも知れません。

Bass BASSコントロールでローエンドの2つの異なった音色を強調できます。セン

ター・ポジションでは音色に変化はありません。ツマミを左に回していくと、

ウォームでソフトなサウンドになります。 ツマミの左側に表示される丸型

のマークは左に回すごとに音色がよりソフトになっていくことを示していま

す。右に回していくとドライでパーカッシブなタイト・サウンドになっていきま

す。ツマミ右側の四角いマークはこのサウンドの変化をシンボライズしたも

のです。

BASSコントロールはダイレクトにPROCESSコントロールに関係しています。

PROCESSコントロールはエフェクトされたBASSシグナルがどの位オリジナ

ル・シグナルにミックスされるかを決定します。この2つのツマミのコンビネ

ーションによって結果的に多くのサウンド・バリエーションを簡単に得ること

ができます。

Compression VitalizerはBASSコントロールでプロセスされたシグナルのみにかか

るコンプレッサーも装備しています。オリジナルシグナルのロー・エ

ンドや中高音域には全く影響しません。このようにして、

Compressionコントロールで低音域のエフェクトによるレベルの変動

を補正できます。従ってCompressionコントロールはプロセッシン

グ・レベルの最適化においてとても重要な部分であると言えます。

GR(ゲイン・リダクション)LEDはコンプレッサーが作動しているときに

点灯します。このコンプレッサーは「ソフト・ニー」と呼ばれる、サウン

ド的にほとんど動作に気付かないほどのソフトなカーブを持ったも

のです。Compressionコントロールを右に回していくとコンプレッサ

ーのレシオは増加し、スレッショルドは減尐します。操作を簡便にす

るため他のパラメーター類はあらかじめ設定されており、コントロー

ルするのはこの1つのツマミのみです。

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Mid-Hi Tune Mid-Hi Tuneコントロールはカットオフ・フリーケンシーを設定します。こ

こで設定された周波数より高い帯域は増幅され、低い帯域はカットさ

れます。かかり具合はPROCESSコントロールの値によって設定されま

す。設定できる帯域は1.1kHz(右一杯)から22kHz(左一杯)です。結

果としてツマミを右に回せばより明るいサウンドになっていきます。

1.5kHz以上の値では中音域がより強調されます。10kHz周辺に設定

してPROCESSコントロールでかかり具合を調整することによって過度

にブライトすぎるサウンドをやわらげることも可能です

Mid-Hi Tuneのフィルターは一般的なEQの固定フィルターと違って同じ

オペレーションは摘要できません。それはフィルター・ネットワークと統

合していてとても幅広い周波数帯域に反応します。設定値は必ずしも

選択した値のみに作用するという訳ではありません。それは選択され

た値にフォーカスしますが全体のスペクトルの中で拡散します。

Mid-Hi Tuneコントロールの設定にはシンプルなグラフィックEQの設定よりも全体のサウンドを確認し

ながら、より注意深く行う必要があるでしょう。この事の利点はBASSコントロールとPROCESSコントロー

ルと同時にセッティングすることによってより広く、深くサウンドをコントロールできる点です。

前ページで記述したようにVitalizerは音響心理学と聴力検査の原理に基づいてデザインされています。

そのため全てのプロセッシングはあなたのサウンドをより最適化することを実現します。他のどんなシ

ステムより素早く、より良いサウンドで。

Process

BASSコントロールとMid-Hi Tuneコントロールはオリジナル・シグナル

とエフェクトのかかったシグナルの異なった2つのシグナル・パスで動

作していますが、最終的にはミックスされてアウトプットします。

PROCESSコントロールではBASSコントロールとMid-Hi Tuneコントロ

ールによって作り出されたエフェクト・サウンドをどのくらいミックスす

るかを決定します。さらには、前段で記述したとおり設定によっては

過度にブライトなサウンドを和らげる働きもします。

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LC-EQ 高音域のフィルターも広い周波数帯域に対して作用するもので、中

音域にプレゼンスやシャープさを付け加えます。特にボーカルには有

効です。周波数は 20kHz(右一杯)から 2kHz(左一杯)の間で作用し

ます。INTENSITYコントロールは LC-EQで設定されたエフェクトの強

さを決めます(次項を参照してください)。LC-EQという呼称は、パッシ

ブ・コイル・フィルターをベースにした Vitalizerハードウェア・バージョ

ンの高音域フィルターからとられています。コイル・フィルターは誘導

性フィルターでありインダクタンスのシンボルは“L”です。“C”はコンデ

ンサーを表し、コイル・フィルターの略語は”LC”となります。コイル・フ

ィルターはその音楽的でソフトなサウンドで良く知られています。1960

年代まではコイル・フィルターは標準的なパーツでしたが、より安価な

抵抗コンデンサー”RCフィルター”にとって代わられました。

ヴィンテージ機器のクラシック・サウンドはこういったパーツにより成り

立っていました。VitalizerプラグインをプログラムするにあたってオリジナルのLC-EQのサウンド・キャラ

クターをイミュレートすることに細心の注意を払いました。

LC-EQコントロールでは不自然に硬くなることを避けながら、個々のトラックやミックスされたシグナル

の輝きを増すことができます。Vitalizerのプロセッシングでは人工的なシグナルは一切追加されません。

いわゆる「エキサイター」のように耳に疲労を与えるような高音域の周波数を強調するようなこともあり

ません。Vitalizerはシンプルにオリジナル・シグナルの持つ自然な構成に磨きをかけるのです。

Intensity

LC-EQコントロールはオリジナル・シグナルとエフェクトのかかったシグ

ナルの異なった 2つのシグナル・パスで動作していますが、最終的には

ミックスされてアウトプットします。この INTENSITYコントロールは LC-

EQのエフェクト・サウンドをどのくらいオリジナル・サウンドに追加するか

(エフェクトの強さ)を決定します。MID-HI TUNEコントロールと LC-EQ

コントロールは補足的なツールとして使用できるようにデザインされてい

ます。例えば、MID-HI TUNEコントロールで中音域をカットし、5-8kHz

を増幅しようとした時、ボーカルのプレゼンスが失われてしまうことがあ

るかも知れません。そういった場合は LC-EQコントロールと INTENSITY

コントロールでボーカルの周波数帯を強調してやることができるのです。

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Stereo Expander

STEREO EXPANDERコントロールはステレオ音像の拡がり感を調整し

ます。スペース・イメージは左、あるいは右のチャンネルの信号をダブ

リングし、逆相にしたのちにもう一方のチャンネルに混ぜ合わせること

で作り出されます。これによりオリジナル・シグナルがより良く聴こえる

ことになります。このプロセスによりセンターに定位するモノ・シグナル

は弱められます。ツマミの設定値は6-14の間をお奨めします。高い値

に設定したときや、ソース・シグナルの種類によっては注意深くモノ・

シグナルや位相についてチェックする必要があります。

Output

OUTPUTコントロールは出力レベルの増減を調節します。コントロール

範囲は-20dBから+6dBです。0dBはセンターポジションになります。一

般的に言ってVitalizerのプロセッシングが出力レベルを増加させる傾向

があるので、OUTPUTコントロールで最終的なレベルを抑えてやる必要

があるかも知れません。DRIVEコントロールを0dBに設定していると

Vitalizerのプロセッシング後にはある程度出力レベルが増加しているで

しょう。

!IMPORTANT OUTPUTコントロールを有効に利用して歪みを避けつつ可能な限りダイナミック・レンジを生かすセッテ

ィングを心がけてください。そういった場合、OUTPUTコントロール右脇のOVL(オーバーロード)LEDは

とても有用です。OVL LEDは歪みの原因となる、プラグインのアウトプット段階でのオーバーロードを表

します。常にOVL LEDは消灯している状態でなければなりません。点灯する場合はOUTPUTコントロー

ルを下げてください。

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Settings

SETTINGSでは4つまでの設定を記憶しておけます。A/B/C/Dのうち、

ボタンが点灯しているプログラムの設定が常に記憶されています。

例えば、Aボタンが点灯しているときに各種設定を行い、その後、他

のボタン(B)を押すとそれまでのプログラム(A)は自動的にAボタン

にセーブされます。

A/B/C/D それぞれのプリセットはクリックひとつで簡単に呼び出す

事が可能であり、ホスト・アプリケーションが対応していれば各セッテ

ィングをオートメーションで切り替えることができます。

特定のセッション・ファイルで作業している時には、4つの設定は自動的にセーブされ、次回そのセッシ

ョン・ファイルを立ち上げたときにはそのまま読み込まれます。Vitalizer プラグインをホスト・アプリケー

ションから外すとプリセットは失われます。全てのプリセットをクリアしたいときは一旦Vitalizer プラグイ

ンを外して再度インサートするのが良いでしょう。

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国内輸入代理店 株式会社宮地商会

〒101-0052 東京都千代田区神田小川町 1-4

TEL 03-3255-2888 FAX 03-3255-0382 URL www.miyaji.co.jp/MID/ E-mail [email protected]