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Shigeru Ishiba ( ) ( ) 退 調 PR 企画・制作毎日新聞社広告局 都市部の大企業等で事業の企画、 経営サポート、販路開拓などに実績 を持つ 歳代の層を中心とした 地方での就業を希望する人材を、地 域の中小企業にマッチングする。そ れにより、地域企業・産業の活性化 を促進する取り組み。 大学進学時に日本学生支援機構が 優先枠(地方創生枠)を設けて、無 利子で奨学金を貸与する。それとと もに、地方企業などへの就職時に、 奨学金の返還を支援する基金を地方 公共団体と地元産業界が協力して造 成する取り組みに対し、総務省が特 別交付金による支援を行う仕組み。 プロフェッショナル人材の 地方での活躍推進 地方創生奨学金制度 ) 沿 ( ) 石川・小松 コマツ 調 調 ( ) 宿 使 調 こまつの杜にあるコマツウェイ総合研修センタ ‖石川県小松市で、清水隆明撮影 アクサ生命保険の札幌本社が入居する「札幌三井JPビルディング」 札幌 アクサ生命保険 本社移転 大きな可能性 石破 茂 地方創生担当相 姿 便 地方で始める これからの 政府が東京一極集中の是正と人口減少の克服を目的に 地方創生 を進める中、本社機能を 都市部から地方へ移転させる企業が脚光を浴びている。地方での仕事と生活は、会社や社員、 家族、自治体にどんなメリットがあるのか。政府の支援策も含めて紹介する。【清水隆明】 統12版 (平成 年) 6 26日(金) 〔第3種郵便物認可〕 統12版 (平成 年) 6 26日(金) 〔第3種郵便物認可〕

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Shigeru Ishiba

「地方で

働こう」

活躍する若者と石破氏

5月

の両日に東京都内で開かれ

た新卒学生向け就職説明会「マイナビ就

職EXPO

東京会場」に

石破茂地方創

生担当相が参加。地域で活躍する若者2

人とトークセッションを繰り広げ、大勢

の来場者に地方での就職を呼びかけた。

石破氏と対談したのは、東京都と出身

地・鳥取県で活動するアートディレクタ

ー兼田舎プロデューサーの古田琢也さん

(

)と、東京都から鳥取県に移住し、農

業などをしている地域おこし協力隊OG

の渡辺萌生さん(

)。

古田さんは、地元の友人が衰退する故

郷を悲観するのを聞いて一念発起し、鳥

取で起業した。「起業するなら地方。地

方は人のつながりが濃密で、懐に入れば

すごく応援してくれる」と、対人関係の

深い地方の強みを強調。「国内なら東京

でも田舎でも食べていける。リスクより

勝負した方が面白い未来が開ける」と、

積極的に地方就職を勧めた。

一方、渡辺さんは大学で農業による海

外支援を学んでいたが、東日本大震災で

身近な地域に目を向けることに気づいた

という。「自分を受け入れてもらうのに

時間がかかったが、今は楽しく生活して

いる。地方は人手不足といった課題も多

いが、今後も大家族的な助け合い、つな

がりを残していくことにかかわりたい」

と、意欲を見せた。

石破氏は来場者に「地方に商売のネタ

はあると思うが、国や県の支援に頼ると

商売をする気がなくなる。いかに付加価

値をつけてコストを減らすかを考えない

と」と自立を求めた。そのうえで「地方

と若者が日本を変えてきた歴史がある。

政府も税制や情報提供など施策を打つ

が、共に頑張ろう」と、協力を求めて締

めくくった。

莢莢莢莢莢

莢莢莢莢莢PR 企画・制作 毎日新聞社広告局

都市部の大企業等で事業の企画、経営サポート、販路開拓などに実績を持つ ~ 歳代の層を中心とした地方での就業を希望する人材を、地域の中小企業にマッチングする。それにより、地域企業・産業の活性化を促進する取り組み。

大学進学時に日本学生支援機構が優先枠(地方創生枠)を設けて、無利子で奨学金を貸与する。それとともに、地方企業などへの就職時に、奨学金の返還を支援する基金を地方公共団体と地元産業界が協力して造成する取り組みに対し、総務省が特別交付金による支援を行う仕組み。

プロフェッショナル人材の地方での活躍推進

地方創生奨学金制度

っかけは、東日

本大震災だっ

た。

アクサ生命保険(東京

都)は2014年

社機能の一部を札幌市に

移転した

入居した「札幌

三井JPビルディング」

(地下3階、地上

階建

て)は昨夏に完成した。

同市の象徴であり赤レン

ガで有名な北海道庁の目

の前にあり、

時間電気

を供給できる非常用発電

機や優れた耐震構造など

最新設備を備える。

同社は仏アクサグルー

プの傘下で、1994年

に日本に拠点を設立し

た。従業員数は約800

0人、保険売上高は約5

500億円に上る。

震災では、東北地方の

沿岸部にあった営業所9

カ所が倒壊し、従業員も

2人失ったという。その

翌年、東京が災害などで

被災した際のリスクを分

散するため、非常時に備

えた態勢を検討する「危

機管理事業継続部」を設

置した。「保険会社はい

ざという時こそ、事業を

継続し、お客様に寄り添

わなければならない。で

も、保険金の支払いや経

理など重要な部署が東京

に集中していたのです」

と、札幌本社長の小笠原

隆裕氏(

)は説明する。

「一カ所が壊滅的な打

撃を受けても、ほかで業

務が続けられるように」

と、半年後には2本社体

制の確立を決定。移転先

の都市の選定に入り、多

くの候補市の中から

に札幌市を選んだ。決め

手となったのは、まず災

害が少ないとされるこ

と。次に、札幌市には約

195万人もの人口があ

り、北海道内での就職を

希望する質の高い人材を

継続的に採用できる雇用

環境があった。さらに地

方への本社移転について

は「地方に営業拠点が多

く、東京以外にも目を向

けている土壌があったこ

とも影響した」と、小笠

原氏は解説する。元々、

2000年に経営統合し

た日本団体生命は、商工

会議所などが設立母体と

なった生命保険会社で、

全国各地の商工会議所会

員向けに生命保険などを

取り扱っていた。経営統

合後も取引を続けていた

ため、地域社会に浸透し

ていたという。

本社機能移転に際して

は、受け入れ側の札幌市

や北海道も全面的にバッ

クアップした。東京から

の転勤者向けに、生活や

子育て、学校の環境など

を紹介するメールマガジ

ンを配信して不安を取り

除いた

また

同社からの

相談や要望にも応え、信

頼関係を深めることに力

を注いだ。ソフト面での

手厚い支援の一方で、同

社は助成金の額は判断材

料にしなかったという。

小笠原氏は「どんなに多

くの助成金をもらって

も、1年分の会社のコス

トくらいにしかならな

い。行政がお金をいっぱ

い積んで、我々が移って

きたらあとは知らん顔で

は困る。むしろ、移転後

も相談に乗ってくれた

り、地元経済界との接点

をつくってくれたりして

ケアをしてもらった方

が、安心感がある」と指

摘する。

こうして札幌本社には

▽保険金の支払い▽新契

約▽保全手続き||など

の機能の一部が移り、社

人が異動。現地では

100人を雇用した。協

力会社を含めると500

人の体制となった。小笠

原氏は「お客様が札幌本

社を見て、そこまで万が

一のことを考えているん

ですね、ありがとうござ

いますと、感謝されるこ

とが多くなりました」と、

ほおを緩ませる。北海道

には、東京から遠くて冬

の気候が厳しいイメージ

があったが、「遠いから

こそ東京での災害の影響

を受けない。雪が多くて

も除雪がしっかりしてい

て問題ない」と、意に介

していない。

今後は東京で有事があ

った際の機能切り替えリ

ハーサルを繰り返し、2

本社体制の実効性を高め

る。社の課題をクリアし

て地域活性化にも大きな

役割を果たしている同社

は、北の大地にしっかり

根を張りつつあるよう

だ。

石川・小松コマツ

R小松駅の目の

前に、建設機械

メーカー・コマ

ツの「こまつの杜」は広

がる。8万3700平方

㍍の敷地は「社員研修・

会議」と「一般開放」の

2エリアに分けられてい

る。だれでも入場できる

一般開放エリアには、ホ

タルも飛び交う小川や林

など加賀地方の自然を再

現した緑地・げんき里山

や高さ7㍍を超える世界

最大級ダンプトラックな

どが展示されていて、休

日には親子の歓声が響き

渡る。

連結売上高約2兆円、

世界151カ国に代理店

を展開する業界トップの

コマツは、2000年代

初めから、本社機能の一

部を創業地・石川県小松

市など地方に分散させて

いる。

まず2002年、資材

や部品を買い付ける購買

・調達機能の一部を主力

工場の一つである小松市

の粟津工場に移転した。

前年度に1921年の創

業以来初の赤字を出し、

当時社長に就任した坂根

正弘・現相談役が取り組

んだ社内改革の一環。周

辺には技術力の高い協力

企業が多いうえ、調達に

関する意思決定が生産現

場で素早く行われ、コス

トダウンの効果も見込め

た。

さらに、

年には金沢

港近くに移った小松工場

の跡地を「こまつの杜」

として整備。「コマツウ

ェイ総合研修センタ」を

建設し、東京本社や各地

の工場で実施されていた

人材育成機能を集約させ

た。「会社創立

周年の

節目を機に、発祥の地に

グローバルな人材を育て

る施設を造ったのです」

と、同センタの佐藤真人

所長(

)は説明する。セ

ンタは300人が入室可

能な大会議室など

会議

室あり、計650人を収

容できる。社全体の入社

式が開かれるのもここ。

ほかに、小松空港から

分強という地の利を生か

して世界的な会議も開催

される。海外からの視察

団をここで出迎え、近く

の粟津工場までスムーズ

に見学してもらえるのも

特長だ

研修

会議での利

用者は年間3万人、一般

開放エリアも合わせると

9万人が訪れるという。

地元の活性化にも貢献

している。同センタには

食堂や宿泊施設を造らな

かった。利用者に小松市

内のホテルや飲食店でお

金を使ってもらうため

だ。また、本社機能の一

部移転で150人が東京

などから石川県に異動し

た。さらに、若者の生活

・価値観の変化や優秀な

人材確保のため、

年か

ら地元での大学卒業生の

採用を始めた。地方事業

所が独自に採用できるこ

の事業所採用制度は、東

京本社採用と違って基本

的に異動がない。反応は

良く、応募者は年々増え

ているという。

部品管理部門の

代女

性社員は、粟津工場採用

年に入社した。祖母

と住むため小松市の実家

に残る必要があったとい

う「地元が好きだし友人

も多い。都会で就職した

大学時代の友人から、相

談相手がいなくて寂しい

と聞かされると、自分は

恵まれていると思う」と

語る。また、こまつの杜

開業と同時に、新規の地

元採用により東京から実

家のある金沢市に戻って

きた

代女性社員は、小

学3年生の長男がいる。

子育て面で格段の差があ

ると主張する。「長男が

小さい時、東京では自転

車で

分かかる保育園に

しか入れなかった。夜が

遅いと寝ている長男を連

れて帰るのは大変で、維

持費のかかる車を買わざ

るを得なかった。今は息

子との会話も増えた。隣

の粟津工場では実家の祖

父母に子供を預けて生き

生きと働いているママさ

ん従業員も多いですよ」

コマツの社内調査によ

ると、

歳以上女性社員

の既婚率は東京で

%な

のに対し、石川県では

%に上った。同じ対象者

の子供の数は東京で0・

7人、石川県では1・9

人とほぼ3倍だった。同

社の女性社員にとって

は、地方勤務の方が仕事

と私生活のバランスが取

りやすいと言えるのかも

しれない。

こまつの杜にあるコマツウェイ総合研修センタ

‖石川県小松市で、清水隆明撮影

アクサ生命保険の札幌本社が入居する「札幌三井JPビルディング」

札幌アクサ生命保険

リスク分散

女性が輝く

本社移転 大きな可能性

石破茂 地方創生担当相

石破茂・地方創生担当相

に、現在の状況や推進策を聞

いた。

||地方創生の現状をどう

とらえますか。

石破

地方創生への取り組

みは各地で進みつつあるが、

まだ点が面になっていない。

また、東京の一極集中や地方

の人口減少は

年かかっ

て起こってきたもので、一朝

一夕に変わるはずがない。地

方の高齢化はピークを過ぎつ

つある一方、東京では今後

年間で経験したことのない規

模とスピードで超高齢化が起

きる。時間はなく、今が対策

を立てる最後の機会だ。

||都市部住民の地方への

関心度は。

石破

東京圏に住む

代男

性の

%、

代の男女

%が地方への移住を希望また

は検討している。この方々の

希望に応えるため、就労、医

療、教育などについて、地方

からの情報発信を政府が後押

しする場所やシステムをつく

った。以前のような公共事業

や企業誘致ではなく、例えば、

潜在能力のある農林水産業や

外国人誘客など、その地域特

有の産業の魅力を高めること

で雇用を創出していきたい。

||地方の生活と仕事のメ

リットを。

石破

都会では隣近所の人

をよく知らないし、大企業で

は自分の役割が明確に見えな

かったりするが、地方では自

分の努力で地域が良くなる実

感と存在感を強く自覚でき

る。これまで、短い通勤時間

と早い帰宅で家族団らんがで

きるという、地方の生活の良

さに光があたらなかった。地

方で暮らすことにより、新た

な自己発現の場が得られると

いう考え方が広まるといい。

||政府の支援策は。

石破

プロフェッショナル

人材の地方での活躍推進を本

格的に起動させるとともに、

まだ元気な

代前後が地方で

活躍できる選択肢を提示した

い。経済的な理由で大学に行

けない人には地方創生奨学金

制度で後押ししたい。また、

来年には地域おこし協力隊員

を3000人に倍増する。1

〜3年間の任期終了後に地方

に定住する割合は6割(20

13年6月末時点)で、これ

は歓迎すべきことだ。

||受け入れる地方の姿勢

について。

石破

全国各地で地方創生

への取り組みを見ているが、

立派だと思った自治体は、交

通は不便で貧しく、この地域

はもうだめだと言われた所が

多い。それを財政不足やイン

フラ未整備のせいにせず、自

信と誇りを失わず、創意工夫

により人々に驚きや感動を与

えている。そういう頑張る地

域を政府は応援する。「どう

せできないよ」と最初からあ

きらめるのではなく「やって

やろう」という気になっても

らうことが、一番のポイント

ではないか。

新卒者に地方への就職を呼びかけた石破氏(左)、

古田さん(中)、渡辺さん‖東京都江東区の東京

ビッグサイトで5月

日、清水隆明撮影

菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀菀

地方で始めるこれからの

地域で活躍

支えたい

政府が東京一極集中の是正と人口減少の克服を目的に 地方創生 を進める中、本社機能を

都市部から地方へ移転させる企業が脚光を浴びている。地方での仕事と生活は、会社や社員、

家族、自治体にどんなメリットがあるのか。政府の支援策も含めて紹介する。【清水隆明】

統12版   年(平成 年)6月26日(金) 〔第3種郵便物認可〕統12版   年(平成 年)6月26日(金) 〔第3種郵便物認可〕