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19産総研 TODAY 2011-12
Techno-infrastructure
半導体デバイス開発に貢献する国際規格 地下水の地図水すいもんかんきょうず
文環境図No.6「山形盆地」の出版
水文環境図とは?産総研では地質調査所の時代から約50年間、
地下水に関連する地図を整備してきました。2002年からは地下水資源の保全と有効利用を目的として、水文環境図(CD)を出版しています。水文環境図を用いることによって、どの程度の深さに、どのような水質、水温の地下水が存在するのかがわかります。また、地下水の流れを把握することも重視しており、それに関連する地球科学的な情報を収録しています。
水文環境図No.6「山形盆地」2010年に出版されたNo.6「山形盆地」(図1)
の作成に際しては、既存資料を整理するだけでなく、個人や自治体所有の井戸および温泉水の調査を実施し、各種のイオン濃度や同位体比を分析しています。
さらなる発展を目指して水文環境図の作成と並行して、地下水利用の
動向などについても調査を行っています。2009年には、これら調査結果を基にして、水文環境図の編集項目とそれにかかる指針を定めました
(図2)。この指針は上述の水文環境図No.6「山形盆地」に反映されています。今後もより有用な水文環境図を作成するための努力を続けていきます。
図 1 水文環境図 No.6「山形盆地」等値線図などを重ねて表示させることが可能。この図では異なる深度での地下水に含まれる塩化物イオン濃度
(mg/L)の分布を表示している。塩化物イオン濃度は浅層から深層に向かうにつれて高くなる。ナトリウム濃度も同様の傾向を示すことから、山形盆地では深層に向かうにつれて地下水は塩辛くなることがわかる。図中の●は浅層地下水の調査地点、○は深層地下水の調査地点である。
図 2 水文環境図の中心的な編集項目
町田 功まちだ いさお
地圏資源環境研究部門地下水研究グループ研究員
(つくばセンター)
地下水に関するわかりやすい情報発信を心がけています。現在はドイツのベルリン工科大学にて地下水保全に関する研究を行っています。将来的にはここでの研究成果も水文環境図の発展のために用いたいと考えています。
関連情報:●参考文献
町田 功 他:水文環境図 No.6「山形盆地」,産総研地質調査総合センター (2010).
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