29
シンギュラリティがやって来る 1 2015-04-21

The Singularity is Near

Embed Size (px)

Citation preview

シンギュラリティがやって来る

1

2015-04-21

Technological Singularity 技術的特異点

コンピューターが人類の知性を超えるとき

2

2045年:シンギュラリティに到達

3

2045年 コンピューターが、人類の知性を超える。

(レイ・カーツワイル予測)

レイ・カーツワイル

2005年 レイ・カーツワイル

『シンギュラリティは近い』刊行

中核となる技術「ディープラーニング」

4

2000年代後半、 「ディープラーニング(深層学習)」が ブレイクスルーを起こした。

実はブレイクスルーは起きたばかりだが、 急速に進歩して、世界を変え始めている。

AIは人類に選択を迫る ~2つのシナリオ~

5

~ Good Scenario ~

AI。 それは人類に、労働からの開放をもたらすものである。

~ Bad Scenario ~

AI。 それは人類から、仕事と富を奪い取るものである。

人工知能技術の周辺で、 「いま既に起きていること」、

「これから先に起きそうなこと」を、 知り得る限りでまとめてみた。

6

2029年、コンピューターは意識を持つ

7

レイ・カーツワイルhttp://wired.jp/2013/05/02/kurzweil-google-ai/

──開発したシステムが複雑な自然言語を本当に理解できるようになったとき、それは「意識」であると言い切れますか?

カーツワイル そう呼ぶでしょう。わたしは以前から、2029年にはそのようなシステムができると予想してきました。そして、このシステムは単なる論理的知能(logical intelligence)ではなく、感情的知能(emotional intelligence)を意味します。つまり、ふざけたり、ジョークを言ったり、魅了したり、何かを愛したりし、人間の感情を理解するものです。実際、われわれの研究でもっとも複雑なのは、この部分です。これは今日のコンピューターと人間を分かつものですが、わたしはこの溝が2029年には縮まると考えています。

2025年、AIは人間の仕事を奪うのか? 専門家の意見は ”真っ二つ”

8

ロボットや人工知能の進化は人間の仕事を2025年までに奪い尽くすのか?

http://gigazine.net/news/20140808-ai-robotics-and-future-job/

ロボットや人工知能の進化は 人間の仕事を2025年までに奪い尽くすのか?

No(奪われない)という回答 全体の52%が「ロボットに取って代わられる仕事はあるものの、仕事を奪われるという事態にまではならない」と回答しました。

多くの楽観論者が「技術の進化によって人間が置き換えられる仕事はあるとしても、技術の進化に伴って生み出される新しい産業によって多くの雇用が生まれるので仕事を奪われることはない」と考えています。

Yes(奪われる)という回答 これに対して、全体の48%がホワイトカラー・ブルーカラーを問わず大部分の仕事がロボットに取って代わられると回答しました。このような悲観論者は、大多数の雇用が失われる結果、所得の格差が今以上に広がること、社会秩序が荒廃することなどを強く懸念する見解を明らかにしています。

戦略系コンサルタントのジェリー・ミチェルスキー氏は「ロボットと人間との競争では人間が負ける」と断言しており、園芸やベビーシッターなど地域の人が関わる仕事や、高度な思考や信頼関係の構築が求められる一部の仕事のみが安全圏で、それ以外の仕事は自動化の荒波に巻き込まれるとの見解を示しています。

2018年:コンピューターの性能は、人間の脳を超える

9

ソフトバンク 孫正義

http://webcast.softbank.jp/ja/press/20100625/

孫さん曰く、1980年ころに立てた予測とのこと。

2010年現在に検算してみても、およそ計算通りに進歩している。(ムーアの法則)

先進国の80%を占める労働は、コンピューターに置き換えることが可能になる

10

ジェレミー・ハワード TEDプレゼンテーション https://www.ted.com/talks/jeremy_howard_the_wonderful_and_terrifying_implications_of_computers_that_can_learn?language=ja

先進国の労働の80%は、 サービス業で構成されている。

これらの仕事は、 人工知能に置き換えることが可能である。

(ジェレミー・ハワード)

人工知能は人間から労働を奪うのか? 超格差社会の可能性

11

80% 失業者 (=生産性ゼロ、収入ゼロ)

20% 富裕層 with AI & Robots

いま、既に起きていること

12

Google開発のAI「DQN」、ビデオゲームで人間に大勝

13

日経新聞「グーグル、自ら学ぶ人工知能開発 ゲーム繰り返し遊んで攻略」2015/2/26 3:00 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO83685140W5A220C1EA2000/

「ゲーム49種類のうち29種類で、人間並みかそれ以上の得点を得られた」 「ブロック崩しでは人間の13倍の得点」

「最も上手になった「ピンボール」では25倍に達した」

開発したのは、人間の脳の神経回路をまねた学習機能を持つAI「DQN」。スペースインベーダーやブロック崩しなど懐かしのゲーム49種類をAIに与えた。ゲームの事前知識を教えなくても、人間のように繰り返し遊ぶことでやり方を学び、高得点を取る秘訣を編み出す。

病理学分野

14

ジェレミー・ハワード TEDプレゼンテーション https://www.ted.com/talks/jeremy_howard_the_wonderful_and_terrifying_implications_of_computers_that_can_learn?language=ja

CT画像からがん細胞を発見する精度は、 すでにコンピュータの方が高い。

このシステムは、医療の知識がない技術者によって開発された。 (ジェレミー・ハワード)

音楽のヒット予測AI

15

2015年 NHKスペシャル『NEXT WORLD』

https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2014060160SA000/?spg=P201300111400000

アメリカのある音楽プロデューサーは、 過去の音楽のヒットチャートと楽曲のデータを学習したAIに、

人間が作った楽曲の音情報を「聴き」、 売れ筋パターンと、どの程度適合しているか評価させる。

この現場では、AIが高い評価を出すまで、 人間(ソングライター)は曲を作りつづける。

「4回に1回は、人間よりもよい説明を書くことができる」

16

ジェレミー・ハワード TEDプレゼンテーション https://www.ted.com/talks/jeremy_howard_the_wonderful_and_terrifying_implications_of_computers_that_can_learn?language=ja

文章読んで、何について何を言っているかを理解できる。 画像について説明するテキストを、自動生成できる。

「4回に1回は、人間よりもよい文章を書くことができる」 「2016年中くらいには、人間以上の文章力を獲得する可能性」

(ジェレミー・ハワード)

2015年: 動画を解析して、見たいシーンを探してくれるAI

17

人工知能が動画から見たいシーンを探してくれる検索システム http://wired.jp/2015/02/10/incredible-ai-can-watch-videos/

“つまり、このソフトウェアは、ユーザーがある言葉を検索すると、動画の中でその言葉に対応する映像が登場するときを教えてくれるというわけだ。この表示には、半年間で10,000件作成された視覚カテゴリのデータベースが使われている。”

人工知能が動画から見たいシーンを探してくれる検索システム

2014年、人工知能によるウェブデザインツール「The Grid」

18

デザイナー vs 人工知能 WEBデザイナーは人工知能「The Grid」に勝てるのか http://u-note.me/note/47500068

“ そのサービスの名は「The Grid」。何と、AIがWebサイトのデザインを行ってくれるという驚きのサービス。様々なメディアを分析し、ユーザーのニーズに最適なデザインのサイトを作ってくれます。まさに自分専用のWebデザイナーといった感じでしょうか?

 使い方も非常にシンプル。ユーザーは画像とテキストをアップロードするだけでOK。後はAIがレイアウトやタイポグラフィ、配色などのバランスを自動で調整してくれます。”

デザイナー vs 人工知能 WEBデザイナーは人工知能「The Grid」に勝てるのか

2015年、人工知能によるウェブサイト分析ツール「AIアナリスト」

19

人工知能がWebサイトを分析し、改善案まで出す「AIアナリスト」を、(株)WACULが提供開始 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000011052.html

“人工知能「AIアナリスト」は、Google Analyticsのアクセス解析データと連携することで、人間では集計困難な大量データを分析し、サイト内の課題を自動的に発見する。さらに課題のパターンごとに、改善方針まで自動で提案する。対応する業種・サイトは現状180種類に及び、長く使うほどに機械学習によって提案力が強化されていく。”

人工知能がWebサイトを分析し、改善案まで出す 「AIアナリスト」を、(株)WACULが提供開始

自動運転自動車、行動で試験運用中

20

日産は、2016~2020年の間に自動運転車を実用化する計画

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/010900115/

Googleの自動運転カー、 初の衝突事故(ただし人間の運転中)“これはGoogleの自動運転カーが前方のプリウスに突っ込んだ写真をJalopnikの読者が撮影し、寄稿したことで明らかとなった。事故はカルフォルニア州マウンテンビューにあるGoogle本社付近で、しかも皮肉なことに、自動運転カーを人間が運転している時に起きてしまったという。Googleのスポークスマンは、「安全を最優先にしています。我々の目的の一つにこのような軽度の自動車事故を防ぐことがありますが、この事故は人が運転しているときに起きました」と話している。”

http://it.slashdot.jp/story/11/08/08/0729234/

様々なロボット関連技術

21

Android Girl "ASUNA" :アンドロイド「アスナ」

22

https://www.youtube.com/watch?v=sEp8ml9nW2M

株式会社エーラボ(http://www.a-lab-japan.co.jp/)が開発したアンドロイド。

2014年: アメリカ海軍が善悪を判断できるロボット開発

23

善悪を判断するロボット、米海軍が開発支援 http://wired.jp/2014/05/19/robo-ethics/

戦場で、傷ついた兵士を助ける衛生兵ロボット。 「善悪の判断」とは例えば次のような判断を指す。

• 「命を救うためには、負傷者に非常な痛みを与える応急処置が必要だとする。ロボットは、命を救うために人間に苦痛を与えることを善だと考えるべきなのだろうか?」

• 「医療ロボットに対して、重傷を負った兵士を最寄りの野戦病院に移送するよう命令したとする。この医療ロボットは移送中に、脚を骨折した別の海兵隊員に出会った。医療ロボットは、立ち止まって手当を施すべきなのだろうか? それとも与えられた任務を遂行し続けるべきなのだろうか?」

そんな優秀なロボットがいても、戦場で戦い傷つく役割は、まだ人間が担うのか?

2015年、コンピューターが銀行員に内定獲得

24

読売ONLINEhttp://www.yomiuri.co.jp/economy/20150322-OYT1T50022.html

日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXMZO84596040Z10C15A3X11000/

Softbank「Pepper」、 みずほ銀行に内定

IBM「Watson」、 三井住友銀行に内定

大手IT各社、AI製品市場に参入

25

• Microsoft、クラウドベースの機械学習プラットフォームAzure MLを正式リリース

• http://jp.techcrunch.com/2015/02/19/20150218microsoft-officially-launches-azure-machine-learning-big-data-platform/

• IBM Watson • http://www.ibm.com/smarterplanet/jp/ja/ibmwatson/

オープンソースの機械学習ツールも

26

torch 7 Facebook 社製のオープンソース・機械学習ツール

など、いくつかのオープンソースツールが存在する。

ジェレミー・ハワードの警告

27

“人間がお金をもらってやっていた仕事が コンピュータでもできるようになっている。

この新しい事実を踏まえて、社会構造や経済構造を どう調整したら良いか、考え始めるべきである。”

AIは人類に選択を迫る ~2つのシナリオ~

28

~ Good Scenario ~

AI。 それは人類に、労働からの開放をもたらすものである。

~ Bad Scenario ~

AI。 それは人類から、仕事と富を奪い取るものである。

ありがとうございました。

~おしまい~

29

by Tomoya Koyanagi Twitter: @tomk79 WebSite: http://www.pxt.jp/