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TMT で観る太陽系外惑星の大気

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TMT で観る太陽系外惑星の大気. 国立天文台 カリフォルニア大学サンタバーバラ校 成田憲保. 発表の概要. 太陽系外惑星観測は地球型惑星の時代へ 2009 年はトランジットをする地球型惑星が複数登場 今後数年間で飛躍的にターゲットは増加 太陽系外惑星の大気を調べたい! 組成は? 系外惑星の天気? 生命の兆候? TMT を使って何ができるか? 2009 年 10 月の光赤天連シンポでは高分散分光に限った検討結果を報告 今回は他の観測装置にまで拡大した検討状況を報告. 目次. 背景 系外惑星の大気観測の方法論 追加吸収の特徴 3 つの 観測戦略 - PowerPoint PPT Presentation

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TMTで観る太陽系外惑星の大気

国立天文台カリフォルニア大学サンタバーバラ校

成田憲保

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発表の概要• 太陽系外惑星観測は地球型惑星の時代へ

– 2009 年はトランジットをする地球型惑星が複数登場

– 今後数年間で飛躍的にターゲットは増加

• 太陽系外惑星の大気を調べたい!– 組成は? 系外惑星の天気? 生命の兆候?

• TMT を使って何ができるか?– 2009 年 10 月の光赤天連シンポでは高分散分光に限った検

討結果を報告

– 今回は他の観測装置にまで拡大した検討状況を報告

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目次• 背景

– 系外惑星の大気観測の方法論– 追加吸収の特徴– 3 つの観測戦略

• TMT で可能になるサイエンス(の概要)– ナトリウムの検出可能性– 酸素分子と近赤外分子の探索方法– 他の観測装置とのシナジー

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系外惑星のトランジット (食 )

少しだけ減光する

系外惑星のトランジット(空間的には分解できない)

太陽系での食現象

系外惑星の軌道が太陽系から見てたまたま主星の前を通過する場合、惑星の公転周期に同期した主星の減光が観測される。

ひのでによる水星のトランジッ

ト月のトランジット

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トランジット惑星の大気吸収探索

主星

惑星および

外層大気

主星元素の吸収線

主星の光

惑星由来の追加吸収

惑星の昼と夜の境目の部分を透過した光を分光し惑星大気による吸収を調べることができる

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初期の理論的予言

2009/7/28

特に可視領域のナトリウム線や赤外の分子吸収バンドで強い追加吸収が予想されていた

Seager & Sasselov (2000) Brown (2001)

-1.71% (peak)

-1.53% (base)

-1.47% (base)

-1.70% (peak)

雲がないホットジュピターに対する透過光モデル

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追加吸収の強さの特徴

• 惑星による吸収が起こるのは惑星の外層大気の opacityが小さい円環部分

• 追加吸収量はおおざっぱに ~ 2πRpH / πRs2 T∝ p / μ ρp Rs

2

– H : 大気のスケールハイト、 Tp : 惑星の温度

– μ : 大気の分子量、 ρp : 惑星の密度、 Rs : 主星の半径

– 惑星の温度、密度、分子量と主星の大きさによる– 実は惑星の半径や軌道長半径にはよらない

• 好ましい観測ターゲット– 温度が高く、密度が低い惑星– 主星が小さい ( 晩期型の ) 方がよい

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追加吸収に関するその他の要因• 惑星の高層に雲があるかどうかで吸収量が大きく変わる

– 雲がないホットジュピターのモデルでは ナトリウムで~ 0.2%

– 実際に観測された吸収量は~ 0.02%

• 雲や霞の原因となるもの– ホットジュピターの場合、 TiO/VO の凝集が影響を及ぼす– 地球型惑星では水・メタン・硫化物など

• c.f. 地球の場合– スケールハイト ~ 8km

– 通常の雲 ( 水 ) ~ 10km まで– 真珠母雲 ( 極成層雲 ) 20 ~ 30km 、夜光雲 ( 極中間圏雲 ) ~

80km

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雲がない状態 (cloudless)

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上層に薄い雲・霞がかかった状態 (high cloud/haze)

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上層に厚い雲がかかった状態 (high cloud decks)

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雲の量と大気吸収の大きさ

• 雲の量が増えると・・・– 惑星大気を透過してくる光が減る– ベースラインの減光量は増える– 吸収線ごとの追加吸収量は小さくなる

• 雲の量の変化( i.e., 天気)が吸収量を変化させる– モデルと観測の比較が必要– 強いナトリウムの吸収量などが雲量変化の指標とな

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系外惑星大気の 3つの観測戦略

• 宇宙望遠鏡による分光・測光 ( HST, Spitzer, JWST, SPICA など )

• 地上望遠鏡の高分散分光器 (Subaru, Keck, TMT, E-ELT など )

– 高分散にするほど追加吸収シグナルは大きくなる– 吸収線周辺の連続光部分を用いてフラックス補正ができる– 地球大気の影響を強く受けるところは苦手– ナトリウム D 線では有望、酸素 A 線は解析に工夫が必要

• 地上望遠鏡の広視野多天体分光器 ( 今回新しく検討 )

– 視野内の高速自転星や似たスペクトル型の星を撮る– 大気の変動を同時モニターしてフラックス補正ができる– 酸素 A 線や赤外の分子吸収線で有望( Subaru/FMOS で実証可

能)

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もうひとつの観測戦略

• 大口径望遠鏡+ナローバンドフィルター測光観測– 参照星との相対測光観測を見たい吸収線まわりのナローバ

ンドフィルターで行う– ワイドなフィルターの場合とのトランジット深さを比較– 原理的には Subaru/Suprime-Cam で可能– 明るい星を大型望遠鏡で測光?、と言われかねないが

• GTC10m望遠鏡では 2010 年から 200hr の大規模観測 (PI. Sing)

– 視野内に参照星がある多くのホットジュピターの系– ナトリウムとカリウムがターゲット

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3つのケーススタディ• ナトリウム D 線 ( ~ 589nm) の探索

– 生命とは関係ないが、雲の量 ( 天気 ) の指標となる– TMT/HROS が有望 (c.f. 2009 年光赤天連シンポ集録 )

• 酸素 A 線 ( ~ 760nm) の探索– 部分月食の観測から地球ではナトリウムより透過吸収量

が強いことが実証されている– TMT/HROS or TMT/WFOS が有望 (参照星があれば後者 )

• 近赤外の分子線 (H2O, CO, CO2, CH4, etc)

– 参照星との同時観測による地球大気補正がおそらく必須– TMT/IRMS が有望、また SPICA とのシナジーも考えられ

る– H~10 のホットジュピターに対しては Subaru/FMOS が有効

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TMT/高分散分光装置でのナトリウム探索

• TMT/ 可視高分散分光器で 2 晩 ( トランジット中と外 ) 観測 公転周期が数十日以上の惑星は 1 晩中トランジットする トランジット観測時間は 8 時間以上 トランジット中と外で SNR ~70000 が達成できる差分を取ると、 1σ ~ 0.002%

• 雲のない大気モデルでホットジュピターは~ 0.2% の追加吸収 ∝ Tp / μ ρp Rs

2 の関係式を用いると、地球は~ 0.01%

( ただし、正確には地球型惑星の大気透過モデルを解くべき )

V=9 より明るい主星なら雲の有無の判断は可能 雲が少なければナトリウムを検出することも可能 K 型晩期のまわりのハビタブル惑星が面白そう

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酸素 A線の場合

こんなに簡単にできるだろうか・・・?

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解析方法の課題

• 問題点地球大気の広くて強い吸収に埋もれている波長分解能が低いと大気吸収線同士がブレンドするcontinuum 領域が少ない (blaze function の補正が難し

い ) Instrumental Profile (IP) が時間変化する

• 解決策波長分解能をできるだけ高く設定する固有視線速度の大きな主星だと有利高速自転星+ヨードセルなどで IP を測定して

deconvolutionRossiter効果の手法が使えそう (Snellen et al. 2004)

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新しい解決策:多天体分光観測

• 地球大気の影響を高精度で補正したい!同時に参照星を分光できれば波長分解能は低くてもよ

い高速自転星やターゲットと似た星が撮れると有利視野内に参照星がないとだめ宇宙観測より大気の影響という点で劣るかもしれない

が、口径は SPICA の 10倍• 適用できるターゲット

酸素 A 線や近赤外の分子吸収線精度実証には同様の装置での観測が必要Subaru/FMOS がやや暗めのホットジュピター観測に最適

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トランジット (ハビタブル )惑星観測の将来

TMT や SPICA で惑星の大気吸収を観る

SEIT で惑星の反射光を観る

SPICA で惑星の熱輻射を観る

トランジット+視線速度で惑星の質量・大きさ・密度も既知!

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検討結果のまとめ

• TMT では系外惑星の大気を観ることができる• 好ましい観測ターゲットは

主星が小さいほどよい (K 型晩期星、 M 型星など )

惑星の密度が小さいほどよい (オーシャンプラネットなど )

• TMT/ 可視高分散分光器は ナトリウムの探索に有望 V=9 より明るい主星の地球型惑星で雲の有無を確認できそ

• TMT/ 高視野多天体分光器は 酸素 A 線や近赤外の分子吸収線探索に有望 SPICA の中間赤外観測と相補的な観測が可能と思われる

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