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神戸の子供たちに確かな学力を! ~平成 29 年度 全国学力・学習状況調査結果~ 平成 29 年度 神戸市学力定着度調査結果 神戸市教育委員会・神戸基礎学力向上推進委員会 自律力・絆力・向上力の3つの力で、心豊かに、 たくましく生きる神戸っ子を育んでいきましょう! 「こうべ 学びの樹」 知識・技能 思考・判断・表現 関心・意欲・態度 自律力 絆力 向上力 ・早寝早起き朝ごはん ・学校生活 ・規範意識 ・けじめのある生活 ・あいさつ、手伝い ・思いやり、粘り強さ ・家族との対話 ・読書習慣 ・家庭学習 ・やる気、運動 授業アイデア版

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神戸の子供たちに確かな学力を! ~平成 29年度 全国学力・学習状況調査結果~

~ 平成 29年度 神戸市学力定着度調査結果 ~

神戸市教育委員会・神戸基礎学力向上推進委員会

自律力・絆力・向上力の3つの力で、心豊かに、 たくましく生きる神戸っ子を育んでいきましょう!

「 こ う べ 学 び の 樹 」

知識・技能

思考・判断・表現

関心・意欲・態度

自律力

絆力

向上力

・早寝早起き朝ごはん

・学校生活

・規範意識

・けじめのある生活

・あいさつ、手伝い

・思いやり、粘り強さ

・家族との対話

・読書習慣

・家庭学習

・やる気、運動

授 業 ア イ デ ア 版

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全国学力・学習状況調査、神戸市学力定着度調査の結果をもとに、児童生徒の学力向上の成果、

今回の調査結果の分析及び今後の改善の取組等について、学識経験者、教科研究部代表校長、指導

主事等をメンバーとする「神戸基礎学力向上推進委員会」において専門的見地からご意見をいただ

きました。本冊子では、その内容をもとに、課題を踏まえた指導方法の工夫・改善のポイントをま

とめ、課題改善に向けた教材・授業アイデア、すぐに使えるワークシートをまとめ、すべての神戸

市の教職員のみなさんへ配布しています。

今後の授業改善に役立てていただきたいと思います。また、調査に関するデータ分析につきまし

ては、各校 1冊配布しております「神戸の子供たちに確かな学力を!(平成 29年度 全国学力・

学習状況調査結果、平成 29年度 神戸市学力定着度調査結果)データ分析版」をご覧ください。

目 次

〔Ⅰ〕 はじめに・目次 p1

〔Ⅱ〕 全国学力・学習状況調査 調査の概要・調査結果の概要 p2

〔Ⅲ〕 神戸市学力定着度調査 調査の目的・概要、調査結果の概要 p3

〔Ⅳ〕 学力調査 全国平均(参考値)との比較 p5

〔Ⅴ〕 力のつく授業推進プラン p7

〔Ⅵ〕 「力のつく授業―神戸方式―」①・② p9

〔Ⅶ〕 全国学力・学習状況調査の 8 年間における成果と課題 p14

〔Ⅷ〕 課題改善に向けた教材・授業アイデア

小学校 国語 p16

中学校 国語 p23

小学校 算数 p30

中学校 数学 p37

小学校 社会 p44

中学校 社会 p47

小学校 理科 p52

中学校 理科 p55

中学校 英語 p60

〔Ⅰ〕 はじめに・目次

1

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1.調査の概要

・実施日 平成 29年4月 18日(火)

・調査内容 ①教科に関する調査(国語 A、国語 B、算数・数学 A、算数・数学 B)

A問題:主として知識に関する問題

B問題:主として活用に関する問題

②学習意欲や学習方法、生活の諸側面等に関する児童生徒質問紙調査

③学校質問紙調査

・調査に参加した学校数・児童生徒数

神戸市 学校数 児童生徒数

小学校6年生 165 校 12,154名

中学校3年生 84 校 11,360名

※ 小学校には、義務教育学校前期課程 1校、特別支援学校 1校を含む

中学校には、義務教育学校後期課程 1校、特別支援学校 2校を含む

2.調査結果の概要

(1)各教科区分の平均正答率

教科等 平成 29年度(今回) H28年度

本市 全国 比較 (全国比較)

小学校

6年生

国語 A 74 75 △1 △1

B 57 58 △1 +1

算数 A 79 79 ±0 △1

B 47 46 +1 +1

計 257 258 △1 ±0 +0.1

中学校

3年生

国語 A 78 77 +1 △1

B 72 72 ±0 △2

数学 A 68 65 +3 +5

B 50 48 +2 +2

計 268 262 +6 +4 +1.2

(2)教科に関する調査結果概要

・小学校は全国平均とほぼ同等、中学校は、2教科の合計の平均正答率が全国平均を6ポイント上回った。

・小学校では、算数Bにおいて全国平均を 1ポイント上回った。

国語A・Bにおいてはそれぞれ 1ポイント全国平均を下回った。全国平均との比較において、前年と比べ

てみると国語Bが2ポイント下回った。

・中学校では、3教科区分(国語A・数学A・数学B)において全国平均を上回った。

全国平均との比較において、前年度と比べてみると国語A・Bにおいてそれぞれ2ポイント上回った。また、

数学Aにおいては、2ポイント下回ったが、依然全国平均を3ポイント上回っている。

〔Ⅱ〕 全国学力・学習状況調査 調査の概要・調査結果の概要

2

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1.調査の目的

3.結果の概要

児童生徒一人一人の学力の定着状況や学習に対する意識及び生活実態を把握し、調査結果を指導方法

や指導内容の改善に役立てるとともに、児童生徒一人一人に応じた確かな学力の向上を図る。

2.調査の概要

○実施期間

小学校(部)・義務教育学校前期課程 平成 29年 4月 20日(木)~25日(火)

中学校(部)・義務教育学校後期課程 平成 29年 4月 18日(火)~21日(金)

○調査の対象学年と対象児童生徒数・教員数、調査方法と調査教科・内容

調査の種類と対象学年等 学校数 対象者数 調査教科・内容

教科に

関する調査

小学4年生 164校 12,331名 国語・算数

小学 5年生 164校 12,460名 国語・社会・算数・理科

中学1年生 82校 11,164名 国語・社会・数学・理科

中学 2年生 83校 11,186名 国語・社会・数学・理科・英語

質問紙

調査

小学4年生 164校 12,340名

学習に対する

意識・生活実態調査

小学 5年生 164校 12,463名

中学1年生 82校 11,160名

中学 2年生 83校 11,196名

教 員 小164校 3,483名 児童生徒の学習状況・

学校教育活動に関する調査 中 83校 1,900名

※小学校、中学校とも義務教育学校1校を含む。中学2年生については特別支援学校(中学部)1校を含む。

○教科に関する調査

(1)教科に関する調査結果概要

・小学校は、すべての教科において「概ね定着している」と評価できる。

・中学1年生は、国語で3ポイント以上参考値を上回っており「良好である」と評価でき、数学・理

科・社会では「概ね定着している」と評価できる。

・中学2年生は、全ての教科で3ポイント以上参考値を上回っており、「良好である」と評価できる

〔Ⅲ〕 神戸市学力定着度調査 調査の目的・概要、調査結果の概要

3

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(2)各教科の平均正答率 (単位:%)

教科等

平成 29年度神戸市学力定着度調査 28年度

知識・活用 教科全体 全体

本市平均 参考値 比較 本市平均 参考値 比較 比較

小学

4年生

国語 知識 71.7 72.6 -0.9

70.6 71.7 -1.1 -1.9 活用 65.6 67.8 -2.2

算数 知識 79.8 78.7 +1.1

72.9 71.4 +1.5 +2.6 活用 54.0 51.4 +2.6

小学

5年生

国語 知識 70.3 72.2 -1.9

69.4 71.4 -2.0 -1.4 活用 65.2 67.7 -2.5

社会 知識 71.9 70.8 +1.1

68.3 66.9 +1.4 +2.7 活用 59.8 57.9 +1.9

算数 知識 68.8 69.1 -0.3

69.4 69.0 +0.4 +2.8 活用 71.4 68.7 +2.7

理科 知識 70.0 72.0 -2.0

65.9 68.3 -2.4 -2.8 活用 55.0 58.4 -3.4

教科等

平成 29年度神戸市学力定着度調査 28年度

知識・活用 教科全体 全体

本市平均 参考値 比較 本市平均 参考値 比較 比較

中学

1年生

国語 知識 70.5 67.9 +2.6

71.0 65.4 +5.6 +6.3 活用 71.8 61.5 +10.3

社会 知識 67.5 68.1 -0.6

62.7 64.7 -2.0 +0.2 活用 55.4 59.6 -4.2

数学 知識 75.5 73.7 +1.8

71.3 69.4 +1.9 +3.3 活用 62.5 60.1 +2.4

理科 知識 62.7 65.6 -2.9

62.5 64.8 -2.3 -2.9 活用 62.0 61.7 +0.3

中学

2年生

国語 知識 73.8 69.9 +3.9

74.7 69.7 +5.0 +5.0 活用 76.5 69.4 +7.1

社会 知識 63.7 60.0 +3.7

62.7 59.1 +3.6 +2.2 活用 61.3 57.6 +3.7

数学 知識 68.5 60.9 +7.6

67.6 59.7 +7.9 +6.5 活用 65.8 57.2 +8.6

理科 知識 60.5 57.4 +3.1

59.3 55.6 +3.7 +2.3 活用 53.4 47.4 +6.0

英語 知識 74.4 69.6 +4.8

69.6 64.7 +4.9 +4.7 活用 57.6 52.6 +5.0

※参考値…学習内容が定着しているかどうかを判断する際の目安となる値

※上記の表中にある「知識」「活用」とは、以下のような意味である。

・知識…基礎的・基本的な知識や技能を問う問題

・活用…知識や技能を活用する問題

4

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※ 全国学力・学習状況調査(小6・中3)は、調査母数や問題傾向が異なるため、グラ

フには表していない

※ 平成29年度の中2は、小5(H26年度)のときから悉皆調査となった。26年度は 10

月に実施。

○ 学年別のグラフより、国語、算数・数学ともに学力は概ね定着している。中学校の学

力は良好となっている。

○ 同一集団のグラフより、概ね4教科とも学年が上がるに連れて上昇傾向にある。特に

算数・数学の伸びは大きい。

[Ⅳ] 学力調査 全国平均(参考値)との比較

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○ 学年別のグラフから、国語、算数・数学ともに全国平均と大きな差はなく、学力は

概ね定着している。中学校の数学は良好な結果である

○ 同一集団のグラフから、小6(H26)に比べ中3(H29)では全教科で学力は向上して

いる特に数学の知識に関する問題(A)は、大幅に上昇している。

○ 小学校では基礎的な内容、中学校では活用的な内容に課題がある。

全国平均

全国平均

6

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平成 18年度にスタートした「分かる授業推進プラン」は、各校における実践が積み重ねら

れ、基礎学力の定着や授業力の向上等、確かな成果を残してきました。しかし一方で、優れ

た実践の交流や次世代への継承等、新たな課題も明らかになってきています。そこで、平成

27 年度からは、「個に応じた指導の充実」、「授業の内容・質の向上」、「学校のチーム力の向

上」の3つの観点を3本柱とし、「力のつく授業推進プラン」の推進を図っています。

このプランにおける「力のつく授業」とは、これまでの「分かる授業」の成果を発展的に

継承し、「分かった!できた!活かせる!」を目指した授業とし、PDCAサイクルでの検証改

善を行っていきながら、子供たち一人一人の確かな学力の育成を目指していくものです。

「学校のチーム力」とは … 学力の傾向や課題を共通理解したうえで、児童生徒一人一人の「学

びの樹」を育んでいくために、教員が一丸となって取り組んでいく学校全体の組織としての力を

指します。

1 理解の定着を図るための指導の時間を授業の中で確保しましょう。

2 授業の中で、実生活と関連づけた指導を図りましょう。

3 自分の考えの根拠を明らかにして発表ができるように指導しましょう。

3 すべての教科で言語活動を取り入れ、指導の充実を図りましょう。

1 単元冒頭の授業で、児童生徒が単元全体の見通しをもち、興味・関心を高められるよう

な内容を工夫しましょう。

“個に応じた指導を充実させましょう”

~知識・技能の定着のために~

2 授業のめあて、ねらいを伝えることと合わせ、授業の最後には次の学習に対する意欲に

つながるようなふり返りの時間を確保しましょう。

2 宿題の与え方等について、校内・学年の共通理解をしましょう。

1 自校の学力の傾向や課題について、学年を越えて全教員で共通理解したうえで、授業を

どう組み立てるべきか工夫しましょう。

“授業の内容・質を高めましょう”

~児童生徒が、その日の指導事項を身に付けるために~

“学校のチーム力を高めましょう”

~学校全体の学力の傾向などを共通理解して授業に臨むために~

[Ⅴ] 力のつく授業推進プラン

7

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「力のつく授業推進プラン」における3つの観点に係る質問紙調査回答の経年変化

校種 H29 全国値 H28 全国値 H27 全国値 H26 全国値

小学校 47.3 ( 52.9 ) 45.5 ( 52.3 ) 48.2 ( 53.2 ) 45.5 ( 51.0 )

中学校 66.7 ( 60.2 ) 54.2 ( 60.2 ) 58.5 ( 60.3 ) 59.8 ( 57.9 )

小学校 52.7 ( 58.8 ) 46.7 ( 58.0 ) 55.5 ( 58.4 ) 47.9 ( 56.8 )

中学校 58.3 ( 54.2 ) 57.8 ( 55.9 ) 57.3 ( 55.9 ) 57.3 ( 51.5 )

小学校 9.1 ( 18.0 ) 10.3 ( 17.3 ) 8.5 ( 16.2 ) 4.2 ( 14.1 )

中学校 11.9 ( 18.3 ) 7.2 ( 18.2 ) 4.9 ( 17.6 ) 9.8 ( 14.7 )

小学校 29.1 ( 41.4 ) 25.5 ( 39.7 ) 25.0 ( 39.9 ) 23.4 ( 35.9 )

中学校 21.4 ( 32.7 ) 24.1 ( 33.1 ) 14.6 ( 31.0 ) 18.3 ( 27.7 )

校種 H29 全国値 H28 全国値 H27 全国値 H26 全国値

小学校 55.7 ( 58.6 ) 53.7 ( 56.9 ) 50.6 ( 57.5 ) 43.1 ( 50.9 )

中学校 36.3 ( 53.1 ) 32.9 ( 47.6 ) 24.1 ( 41.9 ) 17.6 ( 32.9 )

小学校 34.0 ( 40.3 ) 34.8 ( 39.9 ) 30.7 ( 38.9 ) 28.3 ( 34.5 )

中学校 14.1 ( 25.3 ) 12.8 ( 23.3 ) 10.5 ( 19.4 ) 9.3 ( 15.6 )

小学校 50.2 ( 46.9 ) 48.3 ( 45.2 ) 50.0 ( 46.7 ) 47.9 ( 49.1 )

中学校 32.3 ( 38.9 ) 28.9 ( 34.9 ) 26.6 ( 34.2 ) 13.4 ( 31.8 )

小学校 27.0 ( 26.9 ) 26.2 ( 26.4 ) 25.1 ( 25.2 ) 22.6 ( 22.7 )

中学校 17.8 ( 19.7 ) 17.8 ( 20.2 ) 16.0 ( 18.4 ) 14.4 ( 16.9 )

校種 H29 全国値 H28 全国値 H27 全国値 H26 全国値

小学校 47.9 ( 62.5 ) 50.3 ( 61.5 ) 54.9 ( 59.4 ) 50.9 ( 56.9 )

中学校 29.8 ( 56.5 ) 37.3 ( 55.4 ) 30.5 ( 52.0 ) 24.4 ( 48.3 )

小学校 27.9 ( 45.6 ) 24.8 ( 43.7 ) 23.8 ( 42.4 ) 20.4 ( 38.7 )

中学校 10.7 ( 33.6 ) 19.3 ( 33.2 ) 13.4 ( 30.5 ) 0.0 ( 28.1 )

観点3  学校のチーム力の向上 (学校質問紙調査)

観点1  個に応じた指導の充実 (学校質問紙調査)

質問項目

学校質問紙

(1)漢字・語句など基礎的・基本的な事項を定着させる授業をよく行った。

(2)計算問題などの反復練習をする授業をよく行った。

(3)国語の指導として補充的な学習の指導をよく行った。

(4)算数・数学の指導として補充的な学習の指導をよく行った。

質問項目

学校質問紙

(1)学校全体の学力傾向や課題について全教職員での共有をよくしている。

(2)家庭学習の課題の与え方について校内の教職員での共通理解をよく行った。

観点2  授業の内容・質の向上 (児童生徒質問紙調査)

質問項目

児童・生徒質問紙

(1)授業の中で目標がよく示されていた。

(2)授業の最後に学習内容を振り返る活動が  よくあった。

(3)学級の友達(生徒)との間でで話し合う活動をよく行った。

(4)学級の友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり広げたりすることができた。

8

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教員の世代交代が急激に進む神戸市では、優れた実践の交流や次世代への継承が大きな課題と

なっており、「めあて→学習活動→ふり返り」のサイクルを大切にした授業の進め方や、学習規律、

生活のきまり等、教員間の共通理解や共通実践の必要性が高まってきています。これらの観点か

ら、神戸における学習指導のスタンダードとして、「力のつく授業-神戸方式-」を作成しました。

〔Ⅵ〕①「力のつく授業-神戸方式-」について

POINT! 児童生徒が学習の見通しをもち、本時で何をどのよう

に学ぶのかが分かるようにする。 ①

例えば…

○前時の学びをふまえ、本時の目標が導かれるようにする。

○資料などをもとに気付きや疑問を出し合わせ、児童生徒の思考の

中に問題が浮かぶようにする。

○生活体験と結び付いた問題場面を取り上げたり既習事項と結び付

けたりするなど、児童生徒の興味・関心を喚起するようにする。

○目標を板書したりノートに書かせたりするなどして、授業の中で

常にふり返ることができるようにする。

アドバイス 本時で児童生徒に付ける力は何か、学ぶ意欲をどう高めていくかを明確にすること

が、授業づくりの第一歩です。目標を達成した児童生徒の姿を具体的にイメージする

ようにしましょう。また、単元目標に基づく本時目標の設定や確認が重要です。

POINT! 本時で何を学んだのかが分かるように整理し、児童生

徒が自己の変容や学びを実感できるようにする。

例えば…

○本時の目標と対応した学習のまとめをする。

○学習したことを生かして練習問題を解く、自分の言葉で説明する

等の機会をもつ。

○児童生徒に、できたことや分かったこと、発見したことや考えが

変わったことなどを自分の言葉で書かせる。

○児童生徒に、まだはっきりしないことや次に確かめたいことを書

かせるなどして、次時の学習につなげる。

目標(めあて・ねらい)を設定する

学習をまとめ、ふり返る

アドバイス ふり返りは、授業の感想を書かせたり、評価をつけさせたりするだけで終わるもの

ではありません。単元の目標も踏まえながら、自己の変容や学び方のよさを実感させ

学習内容の確実な定着を促すよう工夫しましょう。

9

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( 過

自分で考え、表現する(個の学び)

POINT! 一人一人の児童生徒が、目標(めあて・ねらい)に即して思考し、考

えを表現することができる場を設定する。

例えば…

○児童生徒が考えをもつための具体的な活動を提示する。

(ノートやワークシートに考えを書く・絵や図で表す・観察や実験をする・

資料を使って調べる・具体物を操作する など)

○児童生徒が、既習の知識・技能を活用したり、教材を手がかりにしたりして、

問題解決の見通しがもてるよう支援する。

考えを交流する(協働の学び)

POINT! お互いの考えを交流することで、考えを深めたり広げたりすることが

できる課題を用意する。

例えば…

○ペアやグループと、全体で、考えを交流する場を

設定する。(4人、3人横並びもあり)

○話し合うこと自体が目的ではなく、個人の思考を

深めたり広げたりするための活動を取り入れる。

(相手に自分の考えを説明する・互いの考えを比べる

・相手を説得するため根拠を示す・考えを整理してまとめるなど)

○グループから全体、全体からグループにフィードバックする等、児童生徒の

思考にゆさぶりをかけたり、他の考えとつなげたりして、再度話しあう機会

を持つなどの学習を深める。

アドバイス 児童生徒一人一人に、「伝えたい、他の人の考えを聞きたい」と思え

る「自分の考え」をもたせる等、問題解決の見通しをもたせることが

大切です。学び合いにおいても、それは同じです。

児童生徒が考えをもつための学習活動は、これまでにたくさんの実

践が積み重ねられています。教員自身が多様な活動について情報を収

集し、児童生徒が意欲的に活動できる方法を提示できるようにしてお

きましょう。

10

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① 導入での目標(めあて・ねらい)の提示

児童質問紙(61)

5年生までに受けた授業のはじめに目標(めあて・ねらい)が示されていたと思いますか

生徒質問紙(63)

1、2年生のときに受けた授業のはじめに、目標(めあて・ねらい)が示されていたと思いますか

55.7

56.3

58.6

30.7

30.2

29.6

10.2

10.1

9.1

3.2

3.1

2.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

神戸市

兵庫県

全国(公立)

当てはまる どちらかといえば,当てはまる どちらかといえば,当てはまらない 当てはまらない

55.7

53.7

30.7

31.4

10.2

11.4

3.2

3.4

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

H29

H28

当てはまる どちらかといえば当てはまる どちらかといえば当てはまらない 当てはまらない

36.3

40.2

53.1

42.7

40.3

34.7

16.1

15.0

9.4

4.6

4.4

2.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

神戸市

兵庫県

全国(公立)

当てはまる どちらかといえば,当てはまる どちらかといえば,当てはまらない 当てはまらない

36.3

32.9

42.7

42.9

16.1

18.9

4.6

5.1

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

H29

H28

当てはまる どちらかといえば当てはまる どちらかといえば当てはまらない 当てはまらない

〔Ⅵ〕②「力のつく授業-神戸方式-」のさらなる充実に向けて

【授業の改善】

目標(めあて・ねらい)を板書するなどして明確に提示しましょう

1 時間を通して課題が明確に意識できるように、ふり返りのまとめにつながるように、目標(めあて・

ねらい)はいつでも読み返せるような形(板書やワークシートなど)で提示しましょう。目標は、本時

の到達・達成ポイントが明確になるように、子供の発達段階に応じた分かりやすい明確な言葉で示すこ

とが大切です。

この目標が、授業の最後のまとめにつながり、その間の学習が本時の学習の成果となります。まとめ

と対になるように目標の設定をしましょう。本時の活動に値する目標を提示するよう心がけましょう。

11

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② 協働の学びの場の充実

学校質問紙(18)

児童生徒は、自らが設定する課題や教員から設定される課題を理解して授業に取り組むことができて

いると思いますか

学校質問紙(19)

児童生徒は、授業において、自らの考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組み立てなどを工夫

して、発言や発表を行うことができていると思いますか

18.2

18.3

21.9

14.3

12.5

17.6

68.5

72.8

69.9

65.5

72.8

70.5

12.7

8.4

7.9

20.2

14.8

11.7

0.0

0.3

0.1

0.0

0.0

0.2

小6神戸市

小6兵庫県

小6全国

中3神戸市

中3兵庫県

中3全国

当てはまる どちらかといえば,当てはまる どちらかといえば,当てはまらない 当てはまらない

4.8

6.2

5.6

7.1

5.5

6.1

55.8

58.7

57.4

50.0

57.1

55.1

37.6

33.9

35.8

41.7

36.8

37.9

0.6

0.9

0.8

1.2

0.6

0.9

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

小6神戸市

小6兵庫県

小6全国

中3神戸市

中3兵庫県

中3全国

当てはまる どちらかといえば,当てはまる どちらかといえば,当てはまらない 当てはまらない

【授業の改善】情報を「関係づける」指導を充実させましょう。 課題を主体的にとらえて取り組んだり、自分の考えを工夫して、発言や発表を行ったりすることがで

きていないようです。何が課題となっているのか、何のためにその課題に取り組んでいるのかなどを子

供たちと共有し、課題を自らのものにするプロセスを、見直す必要があります。

また、自身の考えを工夫して発言や発表するためには、「課題を把握する→根拠となる情報を集める

→情報を関係づける→自分の考えをまとめる」という段階があります。特に「関係づける」には比較・

類別・理由付け・推論・具体化等の論理的な思考の方法を指導していきましょう。

12

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③ 学習をまとめ、ふり返る場の重視

児童質問紙(62)

5年生までに受けた授業の最後に学習内容を振り返る活動をよく行っていたと思いますか

生徒質問紙(64)

1、2年生のときに受けた授業の最後に、学習内容を振り返る活動をよく行っていたと思いますか

34.0

37.0

40.3

36.6

35.4

35.9

21.5

20.7

18.3

7.6

6.6

5.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

神戸市

兵庫県

全国(公立)

当てはまる どちらかといえば,当てはまる どちらかといえば,当てはまらない 当てはまらない

34.0

34.8

36.6

36.5

21.5

21.4

7.6

7.1

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

H29

H28

当てはまる どちらかといえば当てはまる どちらかといえば当てはまらない 当てはまらない

14.1

15.1

25.3

34.2

35.6

40.8

38.8

36.6

26.7

12.8

12.6

7.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

神戸市

兵庫県

全国(公立)

当てはまる どちらかといえば,当てはまる どちらかといえば,当てはまらない 当てはまらない

14.1

12.8

34.2

32.7

38.8

39.7

12.8

14.6

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

H29

H28

当てはまる どちらかといえば当てはまる どちらかといえば当てはまらない 当てはまらない

【授業の改善】子供が自分のことばでふり返ったり、まとめたりする時間を

確保しましょう その時間で学習したことを、もう一度自分のことばでまとめたり、自分でやってみたりすることは、

より確実に定着させるためには必要なことです。単に“楽しかった”“がんばった”という感想ではな

く、目標に込められた「問題解決が~のようにできた」「目標に至る条件を~のように克服できた」と

いう学習活動の取組の成果を過程が示されるように、徐々に育てていきましょう。

また、毎時間しっかりとノートにまとめることで、わからなくなったらノートを見る習慣ができると、

自分で学習を進められるようになります。ふり返りの時間を確保し、子供たちが自分でまとめる習慣を

身に付けることができるように指導しましょう。

13

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小学校6年生 平均正答率の経年変化グラフ

(全国の平均正答率との差)

改善のポイント

国語

・正しく読んだり書いたりできる漢字を増やし、既習の漢字を使おうとする

態度を養う。

・文及び文章の構成に関する知識・技能を確実に修得させる。

・さらなる言語活動の充実。学校の実情に合わせた授業改善に取り組む。

算数

・答えが出ても、問い続ける子供を育てる。

・「具体→抽象」の過程を丁寧に指導する。

・授業のねらいに応じた「振り返り」の時間を 15分程度は確保する。

・算数授業のモデルを確立する。

0.0

0.8

0.2

-1.0

-0.7

-0.6 -1.0

2.0 1.4 1.5

1.2

-0.4 -0.4

0.8

-1.0

0.0 0.7 0.6

-0.7

-1.5

-0.3 0.0

0.7 1.0

1.7

0.8

3.2

0.6

1.0

-2.0

-1.0

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

H19年 H20年 H21年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年

小国A

小国B

小算A

小算B

〔Ⅶ〕全国学力・学習状況調査の8年間における成果と課題

14

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中学校3年生 平均正答率の経年変化グラフ

(全国の平均正答率との差)

改善のポイント

国語

・漢字の書き取りの習熟、多様な語句・語彙の習得

・根拠として取り上げる内容が適切かどうかを吟味して書く力の育成

・課題解決に向けて、理由を明確にして見通しを持って情報を集める力の育成

数学

・一人一人の生徒の状況に合わせたきめ細かな指導

・数学的な活動や言語活動を意識した授業改善

・生徒自身が考え判断したことを言葉や数・式・グラフなどを用いてまとめ、

伝えたり書いたり表せたりできるように心がける。

・数学的な考え方や活用する力の定着を意識した授業の工夫

1.1 0.4

-0.1

0.4

0.3

1.4

-0.2

1.0

-1.0

-1.8

-0.3

0.3

-0.3

-1.5

0.0

3.9

4.4

3.3

2.7 2.8 3.0

4.3

3.0

2.3

3.1

1.6

3.8

2.1 2.2 2.2

2.0

-3.0

-2.0

-1.0

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

H19年 H20年 H21年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年

中国A

中国B

中数A

中数B

15

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Ⅷ 授業改善に向けた教材・授業アイデア

1.小学校 国語

指導方法の工夫・改善のポイント

※P17参照

※P18参照

※P19~22参照

文及び文章の構成に関する知

識・技能を確実に習得させる。

正しく読んだり書いたりでき

る漢字を増やし、既習の漢字を

使おうとする態度を養う。

さらなる言語活動の充実を。

学校の実状に応じ、視点を明

確にもって授業改善に取り組

む。

・新出漢字の教えっぱなしからの脱却を。

個々の児童が、習った漢字を正しく読み、

書くことができるかについてこまめに評

価し、定着を図りましょう。

・既習の漢字を、全教科の学習で、日常生

活の中で使う習慣を付けさせましょう。

・主語と述語との関係、修飾と被修飾との

関係など、語句の役割や語句相互の関係

について理解できるよう、指導を積み重

ねましょう。

・一問一答のやりとりで教材の内容読み取

りに終始する指導から、単元に言語活動

を位置付け、関係付けの思考を使って読

む力を育てる指導への質的発展を図り

ましょう。

・児童の思考力・判断力・表現力を育てる

ために、言語活動に指導事項を位置付け

ましょう。

・指導事項に関わる学習用語は、教師が意

識して授業で使うようにしましょう。

・単に読ませたり書かせたりする量を増や

すのではなく、「関係付ける」論理的思

考を言語活動に位置付けることで、児童

の思考力を鍛えましょう。

・どんな思考を働かせて読んだのか、児童

自身が学習をふり返る時間を確保し、読

み方の習得につなげましょう。

・単元に並行読書を位置付け、読書を質的

に確保しましょう。

〔Ⅷ〕 授業改善に向けた教材・授業アイデア

16

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・新出漢字の指導は、計画的に行いましょう。

・新出漢字を書く練習を保障した上で、こま

めに習得状況を評価し、指導の改善につな

げましょう。

・教科書の「漢字の広場」で、言葉の意味を

考えながら既習の漢字を書く経験を積み

重ねましょう。場合によっては、他学年の

「漢字の広場」を繰り返し活用することも

効果的です。

・文脈の中で、言葉の意味を考えて漢字を使

う場を、定期的に設定しましょう。

・国語辞典や漢字辞典を日常的に利用して調

べる学習を習慣付け、語彙を広げながら正

しく適切に漢字を書くことができるよう

に指導しましょう。

小学校国語【授業改善に向けた教材・授業アイデア】①

日常生活で漢字が使える子供を目指して、毎日の指導をしていますか?

・新出漢字の指導に時間をか

けすぎて、学習進度が遅れ

てしまう。

・漢字練習は、字形を整えて

書くことを重要視してい

る。

・漢字テストの返却時に、間

違い直しの時間を設けてい

ない。

・家庭学習は、漢字を視写す

ることに偏っている。

こんな指導をしていませんか?

H29全国調査の問題を

活用した授業展開例①

【授業の流れ】

①「委員会活動体験のお知らせ」

全文を読み、誰が誰に対して何

の目的で出すプリントなのか

を捉える。

②問題箇所で意味を確かめたい

言葉は、国語辞典で確かめる。

③同音異義語が存在する「たいし

ょう」については、全員で正し

い答えの導き方を共有する。

④グループで答え合わせをする。

⑤「委員会活動の体験のお知ら

せ」ひらがな版と完成版を比較

し、漢字を使った表記の分かり

やすさについて確認する。

17

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小学校国語【授業改善に向けた教材・授業アイデア】②

【「主語と述語」や「修飾語」についての指導の系統の一例】

2年下 「主語と述語」 主語と述語の役割を知る。

2年下 「漢字の広場5」 公園の様子を表す絵を見て、主語と述語のつながりに気を付けて、1年生で

習った漢字を使いながら、文で書く。

3年下 「修飾語」 主語と述語に修飾語を加えることで文を詳しくすることを知る。

3年下 「漢字の広場6」 四季の絵を見て、誰(主語)が何をしているのか(述語)、2 年生で習った

漢字を使いながら、文で書く。さらに、修飾語を使って周りの様子も詳しく

文で書く。

4年下 「漢字の広場5」 休日の様子を表す絵を見て、どこで、どんな人(主語)が、どんなことをし

ているか(述語)を、3年生で習った漢字を使いながら、文で書く。

5年 「文の組み立て」 文章中の主語と述語の関係に注意し、文の内容を捉えたり書き表したりす

る。

※その他、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の指導にも、必要に応じて主語や述語を意識

して使う場面を位置付けることが重要です。

文を読んだり書いたりするために必要な言葉の知識を、習得させていますか?

H29神戸市学力定着度調査問題(5年生) より抜粋 ~修飾と被修飾との関係~

H29神戸市学力定着度調査問題(4年生) より抜粋 ~国語辞典の使い方~

数年来の神戸市定着度調査や全国学力・学習状況調査の結果から、神戸の子供た

ちに「言葉の特徴やきまりに関する事項」が身に付いていない傾向があることが分かっ

ています。具体的には、主語と述語の関係、修飾と被修飾との関係、マス目における「 」

の使い方ならびに適切な改行の仕方、送り仮名に注意して書くこと、辞典を利用して調

べる方法を理解することなどです。

教科書の「言葉」の小単元で丁寧に指導するとともに、「話す・聞く」「書く」「読む」

単元の学習の内容とも関連付けて、系統的・螺旋的・反復的に指導を積み重ねる必要が

あります。

正答率

45.3%

正答率

38.3%

18

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※右のように、平成 29年度全国学力・

学習状況調査 B問題の設問1の問

題文を一枚の用紙に貼り合わせたも

のを、教材として用意しましょう。

小学校国語【授業改善に向けた教材・授業アイデア】③(1)

◆今年度の全国学力・学習状況調査のB問題を活用した授業に取り組んでみましょう。

複数の文章(情報)を関連付けて読む経験をさせていますか?

・ 次ページの授業アイデア例に沿って

授業を展開すると、どの文(言葉)

と文(言葉)、どの文章と文章を関連

付けて読めば、設問に答えることが

できるかを、無理なく導くことがで

きます。

関連

関連

関連

関連

関連

関連

19

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小学校国語【授業改善に向けた教材・授業アイデア】③(2)

導 入

(1)これまでに経験したスピーチについて振り返る。

○誰に、どんな内容のスピーチをしたことがあるか。

○スピーチは、どのようにしてつくるか。(学習過程に目を向ける)

○どんなことに気を付けて、スピーチをしたか。(話し方・内容)

展 開

(2)問題文の【スピーチメモ】【スピーチの練習の様子】【グループ話し合いの様

子】を読んで、それぞれの言語活動の目的や内容を捉える。

○メ モ:スピーチの内容の構成を書き留めたもの

スピーチでは、話す内容を確認するために使える

練 習:動画で自分の話し方をふり返り、改善につなげることが可能

話し合い:話し方や内容について、助言し合う

(3)スピーチメモを使うことのよさについて考える。

○スピーチメモを見ながら話す方法と、スピーチ原稿を見ながら話す方法

では、どのような違いがあるかを考える。

○スピーチメモのよさについて自分なりの考えをもった上で、【グループの

話し合いの様子】を読み、よさについて述べられている発言を見つける。

○上野さん②と石田さん①の発言の中の言葉を使って、スピーチメモを

使うことのよさを40字以内でまとめる。

(4)石田さんのスピーチの改善点について考える。

○【グループの話し合いの様子】を読み、石田さんのスピーチの内容につ

いて、友達がどのような助言をしているかを捉える。

○友達の助言内容と【スピーチメモ】の内容を関連付けて読み、 の

内容をよりよいものに直し、隣同士で交流する。

○設問三の3つの条件を意識して、石田さんの の言葉を書く。

まとめ

(5)紹介したいことがよく伝わるスピーチをするために、大事だと思ったことに

ついて、自分の考えをまとめる。

【出題の意図】

目的や意図に応じ、自分が伝えたいことについて、

的確に話すことができるかどうかをみること。

H29全国調査の問題を

活用した授業展開例②

20

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小学校国語【授業改善に向けた教材・授業アイデア】④

.

指導事項に関わる学習用語を、教師が意識して授業で使っていますか?

【物語「きつねの写真」の一部】

Q.下の問題は、平成 29年度 全国学力・学習状況調査の設問の中で、最も正答率が低

かった(27.8%)B問題三の一部です。詳しく分析すると、アとイの発言のうち、ア

の意図を正しく解答することができたのは、実に 35.2%でした。この正答率の低さは、

何によるものなのでしょうか。

A1.「意図」という言葉の意味を理解していないのでは?!

「構成」「意図をとらえる」「計画的に」「引用・要約」「表現の効果」「情景」「筋道を立てて」「主張」「説得力」「根拠」「事例」…。 これらの国語の学習用語を教師が意識して使うことで、児童にも、その学習で自分たちが付けるべき力とこれらの用語との関連性が、捉えられるようになっていきます。

A2.自分の考え(解釈)の根拠を物語の本文から見つけられないのでは?!

C「~は、~だと思います。」 T「それは、どこから分かりますか?」 「どこを読んで、そう思ったのですか?」 C「○頁の○行目、~という言葉から~だ

と思いました。」 国語の時間には、叙述を基に、物語を読んで思ったことや考えたことが説明できるように、指導を心がける必要があります。

関連

関連

関連

関連

21

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小学校国語【授業改善に向けた教材・授業アイデア】⑤

A1.≪書く力≫だけではなく、≪読んで考えて書く 一連の力≫が必要です。

「読んで 考えて まとめながら書く」力を鍛えていますか?

Q.下の問題は、前頁のB問題3の設問三です。物語を読んで、登場人物の松ぞうじい

さんがきつねであると考えた根拠を、【話し合いの様子の一部】以外の本文から見つけ、

以下の条件にしたがって書きまとめるという問題です。正答率は 46.8%ですが、無解

答率が 19.6%と全ての問題の中で最も高いことが気になる問題です。

この問題を解くには、どんな国語の力が必要なのでしょうか。また、この無解答率

の背景や改善策は、どのようなものなのでしょうか。

≪読んで≫ ・登場人物の行動、会話、心情、場面についての描写などに着目して読む。

・複数の叙述を相互に関連付けながら読む。

≪考えて≫ ・どの言葉や文を取り上げて書くかを考える。

・取り上げた言葉や文から登場人物がきつねだと考えられるわけを考える。

≪書く≫ ・引用する叙述は、「 」に入れて書く。

・六十字以上、百字以内にまとめて書く。

・発言の言葉という設定を

意識して話し言葉で書く。

A2.無解答の背景としては、

≪読んで考えて書く力≫が不十

分であることだけでなく、自分の

考えを書いてまとめる学習経験

が足りないことも考えられます。

↓↓↓↓ ↓↓↓↓

・各教科の授業の中で、自分の考え

を書きまとめる活動を意識して

取り入れる。

・朝の学習タイムなどを活用し、短

作文や読み聞かせの感想などを

短時間で書きまとめる活動に、継

続して取り組む。

・各教科の授業に、めあてに対する

ふり返りを文章で書かせる。

など、書く「体力」を付けることを

意識して、取り組んでみましょう。

改善策の一例

22

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2.中学校 国語

指導方法の工夫・改善のポイント

・漢字の書き取りの習熟・多様な語句の理解

・根拠として取り上げる内容が適切かどうかを吟味して書く力の育成

・課題解決に向けて、理由を明確にして見通しを持って情報を集める力の育成

必要

事象や行為などを表す多

様な語句について理解す

文章の中でどのように関連づけて使用されているか

書き取り練習量不足の解消

小学校との情報交換。つまずきの学年を探る。

書き取りの時間の確保する (授業・宿題)

伝えたい事実や事柄について

根拠として取り上げる内容が

適切かどうかを吟味する

自他のものの見方や考え方の交流活

動を取り入れる

文脈に即して正しく書き取る習慣を身に付けさせる

るるるるる

課題解決に向け必要な情報を集める

その情報が必要であると考える理

由を明確にし、見通しを持って収

集する

自分が表現する際どのように活用すればよいか

分かりやすい表現や内容になってい

るか振り返る活動を取り入れる

どの情報を集めればいいのか

どのような効果があるのか

選んだ理由を明確にする

23

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中学校2年国語【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

【課題改善のための重点項目】

・伝えたい事実や事柄について、根拠として取り上げる内容が適切かどうか吟味する。

【具体的な授業展開例】

めあて

・「比喩を用いた表現」に着目して文章を読み、印象に残った部分を抜き出して、その表

現の工夫について理解する。

〔指導事項:C2年読むこと エ〕

展開

(1) 比喩表現がふくまれる文章(例「走れメロス」)から、印象に残る比喩表現に着目し

て抜き出して、ワークシートに記入する。

(2) 抜き出した表現について、どのように読み取ったかを書く。

ポイント

・比喩表現は「だれ(何)」の、「どのような」様子なのかを明らかにする。

・ペアまたはグループで、感じたこと考えたことを交流する。

※ 机間指導でよい意見・視点を全体に広げる。

(3) 他の箇所にある別の比喩表現をみつける。

交流して、内容を確認しあう。

振り返り

比喩表現は筆者の伝えたいことにどう効果をもたらしているかを確認する。

(読者に分かりやすい表現や内容になっているかという視点)

留意したいこと

・他者との交流を通して、自分の視点との違い(ズレ)に気づかせる。

・取り上げた比喩表現を自分の表現に使うようにさせる。

小作文を作り、発表させることもあり。

※ 自分の伝えたいことの根拠の内容が適切かどうかを確認させる。

・比喩表現以外の表現技法についても、目を向けさせる必要がある。

比喩表現の確認、復習は済ませておく。

話し合いが停滞したら、全体

指導に切り替えて指導する。

なぜその表現がいいのかを吟

味させるための全体指導。

ここが授業者の最大の腕の見

せ所。

例 倒置法・反復法・体言止めなど

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2年ワークシート(例)

○印象に残った比喩表現 ( 直 喩 法 )

・162ページ 10行目

その王の顔は蒼白で、眉間のしわは、刻みこまれたように深かった。

( 王 )の ( 深く悩み苦しんでんでいる )様子

今日は六人も殺した王の顔が蒼白で、眉間のしわが深いのはなぜかと思った。

○印象に残った比喩表現 ( 直 喩 法 )

・168ページ 11行目

メロスは、ざんぶと流れに飛び込み、百匹の大蛇のようにのた打ち荒れくるう

波を相手に、必死の闘争を開始した。

( 波 )の ( 激しく大きく流れる )様子

メロスの必死の形相で波と戦う様子が思い浮かんだ。命がけの覚悟がわかる。

○印象に残った比喩表現 ( 法 )

・ ページ 行目

( )の ( )様子

○印象に残った比喩表現 ( 法 )

・ ページ 行目

( )の ( )様子

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中学校3年国語【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

【課題改善のための重点項目】

・課題解決に向けて、理由を明確にして見通しを持って情報を集める。

【具体的な授業展開例】

めあて

・修学旅行で神戸を訪れる予定の中学生に対して、分かりやすい「神戸市の魅力」

という紹介資料を作る 【指導事項 3年B書くことア 】

見通しを持って情報を検討し、班ごとに 1枚の資料を作る。

展開 ※ 個人活動 → グループ活動

(1)・どのような情報が必要かを考える。

・どのように示すかその方法を考える。

(2)・その情報を掲載する理由、効果について話し合う。

ポイント

・図表・グラフの利用 アンケートの実施などで

どのような効果が期待できるかの見通しをたてさせることが肝心

※ 机間指導でよい情報は全体に紹介する

(3)・グループで分担を決め、情報を収集する。

・情報の収集方法等を話し合う。

インターネット・図書・パンフレットなど

(4)・収拾した情報を基に、資料を作成する。

振り返り

・各グループで作成した資料を交流し、意見交換する。(評価する)

留意したいこと

・授業前に神戸市ホームページやパンフレット等の資料を用意しておく。

・情報を伝える対象を意識させ、何をどう伝えるのがいいのかを考えさせる。

・「情報の分かりやすさ」「情報の重要度」「情報提示の効果」などの意見の交流が

できるように指導する。

・情報収集の方法について、提示する。(教科書 P228・260 参照)

・必要に応じて、情報を再収集するよう指導することも重要である。

・完成したものを実際に他地域に発信することも考えられる。

文化・産業・特産品・土産

歴史・食べ物・観光地など

話し合いが停滞するようなら、

全体に引き戻して指導する

自他の違う意見を吟味

させる。ここが授業者の

最大の腕の見せ所

観点は分かりやすさ

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3年ワークシート①(例)

3年ワークシート②(例)

紹介したい情報 紹介する理由 情報の収集方法、示し方

土 産 品 修学旅行では必ず買うか

ら。迷う時間を減らして

あげたいから。

人気ランキングをネットで調べる。

一覧表にして、ワンポイントアドバ

イスもつける。

グルメ 自由行動で昼食をとると

きの参考にしてもらいた

いから。

料金別で調べる。

三宮周辺を地図で紹介する。

ファッション

神戸市の魅力

★ これだけは食べておきたい絶品グルメ

・神戸牛・ステーキ(ちょっと高いけどランチなら・・・)

・明石焼き(たこ焼き)

・ぼっかけ焼きそば 写真

・いかなご釘煮

★ ここだけはいっておきたい人気スポット

・北野異人館

・ハーバーランド(アンパンマンミュージアム)

・神戸ポートタワー

・布引ハーブ園

写真 店舗情報

地図 見どころ

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中学校全学年国語【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

【課題改善のための重点項目】

・漢字の書き取りの習熟・多用な語句の理解

【具体的な授業展開例①】

漢字の書き取りの習熟

・毎日または曜日を決めて5~10分間の漢字の書き取りの時間を確保する。

・学習支援ツールを活用する。(裏面 プリント作成画面参照)

ポイント 教員の習熟が必要。

・単元ごとの新出漢字のプリントを準備しておく。

・小学校の漢字も検索できる。

※解答印刷可。プリント裏面に解答印刷することもできる

※ランダム機能を利用して、繰り返しの演習が可能。

・定期的な漢字小テストを実施する。(評価)

留意したいこと

・文脈に即して書くような問題を設定する。(小テスト)

・漢字を正しく用いる態度と習慣を養う必要がある。(辞書の利用)

【具体的な授業展開例②】

身近な生活の中から見出した多様な語句の理解

・新聞やテレビ、ネット上の言葉の中で意味の気になった(分からない)言葉を選び、

調べる。

・どのような場面で使用するのか考えて、文例を作る。

ポイント

・語句の使い方が正しいのかをペアまたはグループで検討する。

・ペアまたはグループごとに検討した使い方で語句を紹介する。

留意したいこと

・一人で調べるのには、数的に限度があるので、交流、紹介するとよいが、

その際の検討が大切。

・語彙集を作成することも考えられる。

・新しく知った語句を使って文章を書かせる。

(テスト→評価)

慣れると数分で作成可能

小学校の総復習も可能

似た意味の語句も調べさせる

目的や場面を踏まえて、その場にふ

さわしい使い方かを考えさせる

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学習支援ツール(漢字プリント作成画面)

教科書名を選ぶ

学年を選ぶ

チェックボッ

クスで問題を

選ぶ

タイトルを自由に設定できる

文字をクリ

ックすると

全選択

プレビューをクリック

するたび問題順が変化

する設定

チェックで解答も印刷可能

単元ごと検索も可能

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3.小学校 算数

指導方法の工夫・改善のポイント

※事例①・②参照

※事例①参照

※事例③参照

※事例①・②・③参照

「具体→抽象」の過程を丁寧に指導しましょう

例えば、「小数倍」が理解できないのは、5年生の指導だけが

原因ではない。「いくつ分」から始まったかけ算の意味を、「も

とになる数を1と見たとき、〇にあたる数」という割合の見

方に拡張する必要がある。低学年と高学年をつなぐ3・4年

生の学習を丁寧に行うこともその前提となる。

算数に向かう教員の

姿勢

振り返りの充実と焦

点化された学び合い

問題解決のパターンにこだわる必要はありません

様々な考え方から一般化していく学び合いでなくていい。式の

意味を、半具体物で操作したり、図を使って説明したりしてそ

の理解を深めることも、低学年にとっては学び合いである。

算数授業のモデルを確立しましよう

校内研修を活性化し、各校の子供の実態に応じた算数の授業

について、共通のモデルをつくる。算数科重点推進校や力の

つく授業研究指定校で授業実践し、さらに、新教材「ステッ

プ算数」を「神戸市教育情報ネットワーク イントラネット」

で、現在、配信中である。

算数で育てたい子供

答えが出ても、問い続ける子供を育てましょう

「答えが出てからが算数」。問題を解決した後、条件を変えて

発展させたり、理由を考えたりする、等の学習が大切である。

活動のねらいを教員がしっかりもち、形だけの問題解決にな

らないよう、子供が新たな問いを見いだせるよう意識する。

授業のねらいに応じた「振り返り」の時間を 15分程

度は確保しましよう

ノートにねらいに応じたまとめや学習感想を書かせる、類題

を解いて子供たち一人一人に「できた」という実感をもたせ

る、等する。そのためには、学習のポイントに絞った学び合

いを意図的に行う必要がある。

低学年の問題解決と

概念を拡張時につま

ずきの原因

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小学校2年算数【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

【 課題改善のための最重点項目 】

「数と計算」領域 大きな数の表し方

数の概念の理解

【 課題改善のための授業のアイデア 】

【 事例① 】 2年「100より大きい数をしらべよう」

導 入

(1)既習事項を確認し、ねらいを共有する。

T:昨日の問題と違うところは何ですか。

C:昨日は、算数ブロックの個数がいくつになるかを考えて、今日は、数カードが表す数がいくら

になるかを考えるところ。

T:それでは、数カードを机の上に置いて、いくらになるか考えましょう。

展 開

(2)自力解決から学び合いへ

※黒板に提示された数カード

と同じように、各児童も机に数カードを並べ、操作活動をさせながら、位取り板に数字を書き、

3位数を書き表す。さらに、何故、その数になるのか説明をさせる。

←数カードを示しながら、説明する。「100 が8こで 800、10 が4こで 40、1が7こで7、

800 と 40 と7を合わせて 847 になる。」

←誤答例を教員の方から提示をして、子供に揺さぶりをかける。

まとめ・振り返り

(3)ねらいに応じたまとめをする。

どんな数でも 数カードであらわすことができる。

(4)振り返り活動を行い、学んだことの意味を確かめる。

(活動例)

ペアでそれぞれ数カード並べ、それがいくらを

示すか説明して、答えを確認し合う。

算数日記を書き、お互いの学びを共有する。

「ステップ算数」を活用して、まとめ・振り返りを行う。ノートの右のページに貼る。(15分程度)次頁を参照。

数カードを操作させ、数の構成を理解す

ることが本時のねらいとなる。活動では

個人差が出て、また、煩雑になりがちだ

が、位取りの仕組みを確実に理解させる

ためには、児童一人一人に操作させるこ

とが大切である。

※数の概念の理解には、10の○つ分、100の○つ分、…というように十進位取り記数

法に着目させて指導することが必要である。低学年のうちから、半具体物による操

作と数を関連付けて、根拠のある説明をできるようにすることが大切である。低学

年から中学年に向けて徐々に抽象化する等、丁寧に指導していくようにしたい。

ならべた数カードをあわせると、いくつをあらわしていますか。

数カードがあらわす数を かんがえましょう。

操作活動で終わらせることなく、何故、その数となるのか、説明をさせる活動を必ず入れる。それが十進位取り記数法の定着につながる。

本単元では、4位数までについて十進位取り記数法による数の表し方を学習するが、今後、億・兆の学習へ、さらに4年生では小数に拡張していく。10や 100のまとまりに着目した数の表し方をしっかりと定着させたい。

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ステップ算数 100より大きい数をしらべよう 2年上 P.52

なまえ( )

①つぎの に あてはまる ことばを かきましょう。

どんな数でも であらわすことが できる。

②下に ある数カードは、いくつをあらわしていますか。せつめいをしなが

ら こたえましょう。

(せつめい)

(こたえ)

③数カードをならべて、友だちともんだいを 出し合いましょう。

こたえる人は、せつめいをしてから こたえを言いましょう。

100 1

100

100

100

100

100

100

1

1

1

1

1

1

1

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小学校3年算数【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

【 課題改善のための最重点項目 】

「数と計算」領域 基本的な計算問題

計算の意味理解

【 課題改善のための授業のアイデア 】

【 事例② 】 3年「あまりのあるわり算」

導 入

(1)既習事項を確認し、ねらいを共有する。

T:どんな計算になるでしょう。 C:13÷4 T:ゆみさんは、 13÷4=2あまり5

しんじさんは、13÷4=3あまり1 と考えました。 ※どちらも全体は13であることより、困り感を共有する。

展 開

(2)自力解決から学び合いへ

※両方の考え方を図に表して書くことで視覚的に考えられるようにする。

※余りの数に着目し、5はわる数の4よりも大きいことを言葉で言えるようにする。

←「13÷4=2あまり5だと、あまりの5が4よりも大きいから

まだ4つをふくろに入れることができる。」

←「13÷4=3あまり1は、あまりが1でこれ以上4つずつ

ふくろに入れることができないから3ふくろで合っている。」

まとめ・振り返り

(3)ねらいに応じたまとめをする。

(4)振り返り活動を行い、学んだことの意味を確かめる。

(活動例)

類題を解いて、商と余りの大小関係について、 隣の子に言葉で説明する。 算数日記を書き、お互いの学びを共有する。

いつも同じ、「~の計算の仕方を考えよう」

ではなく、前時の学習を振り返りながら、

子供たちの困り感を出しながら、めあてを

明確にし、共有していきたい。いきなり、

教員の方から「今日のめあてを書きます」

と言ってノートに写させる授業を目にする

が、子供たちの主体的な学びを阻んでいる。

※知識や技能の習得にあたっては、形式的に処理させるのではなく、「計算の意味を理解すること」「計算の仕方を考えること」「計算に習熟し活用すること」という手順をどの学年においてもきちんと踏むことが大切である。人に説明したり、学習場面で目的に応じて使ったりする活動も意図的に取り入れる。3年生では、わり算について、形式的な指導ではなく、おはじき等を用いた操作活動や図と式を関連付けて説明しながら、徐々に抽象化する等、丁寧に指導していくようにしたい。

わり算のあまりの数に注意して考えよう。

おはじきの操作と商と余りの関係について関連付けて説明したり、わり算をしながら、その仕方を言葉で説明したりする等の言語活動を取り入れ、商と余りの関係の根拠をどの子も説明できることが大切である。

問題に合わせておはじきを動かす、友達のおはじきの操作に合わせて、計算の仕方を説明する等の活動を全員にやらせることが大切である。

わり算のあまりは、わる数より小さくなるようにします。

わる数>あまり

あめが13こあります。1ふくろに4こずつ入れると何

ふくろできて、何こあまりますか。

わり算の商と余り(形式的なこと)は、考えさせることではなく、きちんと教えることである。2数の大小については教員が教え、最初はクラスで徹底させたい。

「ステップ算数」を活用して、まとめ・振り返りを行う。ノートの右のページに貼る(15分程度)。次頁を参照。

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ステップ算数

わり算を考えよう 3年上P71

名前

1. 次の に、あてはまる言葉や記号を書きましょう。

わり算のあまりは、わる数より なるようにします。

わる数 あまり

2. 次の問題をときましょう。

➀7÷2= ➁31÷7=

➂58÷6= ➃40÷6=

➄60㎝のリボンを8㎝ずつに切ります。

8㎝のリボンは何本できて、何㎝あまりますか。

60cm

図 8cm 8cm 8cm

答え

★答えのかくにんをしましょう。

あまりの cmは、わる数の cmより

数が から、正しい。

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小学校4年算数【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

【 課題改善のための最重点項目 】

「数と計算」領域 基本的な計算問題

計算の意味理解

【 課題改善のための授業のアイデア 】

【 事例③ 】 4年「倍の計算」

導 入

(1)既習事項を確認し、ねらいを共有する。

T:何算でできますか。C:何倍だから、かけ算かなあ。 わり算やで。

T:それでは、一緒に図をかいていきましょう。まず、子どものキリンは何センチメートルですか。

※子供と一緒に、数直線にテープ図を組み合わせた図をかいていく。

展 開

(2)自力解決から学び合いへ

※どうしてかけ算になるのかを話し合う。

←「子どものキリンは 180cm だから、180cm の3つ分がいくらになるか考える。」

「親キリンの身長を□にすると、180×3=□ だから、□は、540 になる。」

※式や言葉だけでなく、図を使って説明できるか投げかける。

まとめ・振り返り

(3)ねらいに応じたまとめをする。

180cm を1とみたとき、3にあたる大きさが

540cm となる。

(4)振り返り活動を行い、学んだことの意味を確かめる。

(活動例)

図を完成させて、類題を解く。

隣の子に、かけ算になるわけを説明する。

算数日記を書き、お互いの学びを共有する。

「ステップ算数」を活用して、まとめ・振り返りを行う。ノートの右のページに貼る。(15分程度)次頁を参照。

このような問題では、「図をかいて考

えましょう」というめあてで授業を

進める場合があるが、本時のねらい

は、「倍の意味を拡張する」ことにあ

るので、教科書通りこの図を提示す

る、教員と一緒にかく等して、ねら

いをしぼる必要がある。

※15分間のまとめ・振り返りを行うには、これまでの授業の意識を変える必要がある。授業のポイントを理解した上で、どのようなねらいにするか、どのような活動を仕組むかで、学び合いの質が変わってくる。それが、学び合いの焦点化である。 ただ、授業のポイントを理解するためには、算数科の特性である、学びの継続性や学習内容の系統性を理解することが不可欠である。特に、図の指導においては、かかせればいいというものではなく、図と式を行き来した説明させる活動をする等、意図的に指導する必要がある。

子どものキリンの身長は 180cm で,親のキリンの身長は,子ど

ものキリンの身長の 3 倍です。

親のキリンの身長は,何 cm ですか。

何 cm になるのか、この図を使って考えましょう。

第3時になると、「図を見て考えましょう」という文章が教科書からなくなっている。子供たちの実態に応じて、図をかかせることで、活用する力を付けていきたい。

「図をかいて考えましょう」というめあてにすると、いろいろな図をかくことが目的になる。子供たちは、図の細かな違いに目が行き、学び合いでは、「図のかき方や正しさ」が焦点になりがちである。

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ステップ算数 4年上P.53

名前( )

①次の( )に合う言葉や数を書きましょう。

②次の問題に答えましょう。

(1)数直線で表しましょう。

□ 円

大人

料金

子ども

料金

0 倍

(2)大人の料金は、いくらになりますか。

式 答え 円

(3)わり算で、けん算してみましょう。

☆180cm を( )とみたとき、3にあたる大きさが

( )cm となる。

電車の子ども料金りょうきん

は 370 円で、大人料金は、子ども料金の2倍です。

大人料金は、いくらですか。

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4.中学校 数学

指導方法の工夫・改善のポイント

生徒自身が考え判断したことを言

葉や数・式・グラフなどを用いてま

とめ、伝えたり書いたり表したりで

きるように心がける

学習意欲を高め、仲間と学び合い

達成感を味わえる取組みをさせる

こと

一人一人の生徒の状況に合わせた

きめ細やかな指導

(式の計算など基礎的な技能でつまず

く生徒への支援)

生徒自身が考えたことを言葉や

数、式、表、グラフなどを用いて、

根拠を明らかにして説明したり、

まとめたり、伝えたりできるよう

な授業に取り組むこと

数学的な活動や言語活動を意識した

授業改善

日常生活における資料の活用の例

を積極的に取り上げ、数学的な表

現をしたり、説明したりする場面

を作ること

数学的な考え方や活用する力の定着

を意識した授業の工夫

小学校の分野(分数のかけ算・わ

り算、小数・分数・整数の乗除混

合計算)も含め、基礎的な式の計

算においてどの形の計算でつま

ずきがおきているかを知り、生徒

の支援をすること

数学を活用する場面として生活に

役立つ例を取り上げ、その良さを

知ること

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※「資料の活用」の代表値の意味を

理解する

※代表値を使って、考察の根拠を

数学的表現を用いて説明できる

ようにする

中学校1年数学【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

【課題改善のための重点項目】

日常生活における課題に対して「資料の活用」

の代表値の意味を理解する。

【具体的な問題例】

「都道府県別の体育館数」についての問題

【課題改善のための授業のアイデア】

【 事例 】代表値の意味を理解する。

※・ある「資料(データ)」から代表値を求める。

・設問に対して自分が考察した根拠を、数学的表現を用いて説明できるようにする。

導入 (発問例)与えられた表から数値等を読み取れるようにする。

問:上記の表より、体育館が最も多い都道府県と最も少ない都道府県を求めな

さい。また、その範囲を求めなさい。

展開 (発問例)考察した根拠を、数学的表現を用いて説明できるようにする。

問:体育館が最も多い都道府県と最も少ない都道府県を求めなさい。

また、その範囲を求めなさい。

問:「兵庫県の体育館の数は、全国的に見て多い方ですか、少ない方ですか。

またそのように考えた理由を説明しなさい」について班で話あってみま

しょう。

まとめ

※与えられた表・ヒストグラムから必要な情報を読み取らせる。

※代表値(平均値、中央値、最頻値、階級値)の求め方だけでなく、意味をきちんと

理解させる。

※数学的な表現を使って説明するとは、どういうことかを理解させることかが大切で

ある。

※自分の意見が言える、他者の意見を聞ける環境づくりを普段の授業からつくること。

代表値のどれを使えばいいか考えさせる。

範囲の意味をおさえる。

・自らの考えを他者に数学的表現を用いて説明できることを目標とする。

・他者の考えを聞くことで、一人では気づかないことを知ることで新しい視点をもてる

ようにする。

38

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兵庫県の体育館は多い?

1年 組 番名前

次の表は、Aさんと Bさんが全国の体育館の数を調べ都道府県別にまとめたものです。

また、下の図は、都道府県別体育館数をヒストグラムにあらわしたものです。下の各問い

に答えなさい。

資料 文部科学省「社会教育統計(社会教育調査報告書)」

(1) 上記の表より、体育館が最も多い都道府県と最も少ない都道府県を求めなさい。

また、その範囲を求めなさい。

(2) 兵庫県の体育館の数は、全国的に見て多い方ですか、少ない方ですか。またそのよう

に考えた理由を説明しなさい。

(3) (2)について班で話あってみましょう。

02468

1012141618

0~50 51~100 101~150 151~200 201~250 251~300 301~350 351~400

都道府県数

体育館数

都道府県別体育館数のヒストグラム

都道府県名 体育館 都道府県名 体育館 都道府県名 体育館

北海道 397 富 山 129 鳥 取 134

青 森 98 石 川 137 島 根 110岩 手 182 福 井 94 岡 山 94宮 城 125 山 梨 117 広 島 160秋 田 185 長 野 271 山 口 116山 形 105 岐 阜 177 徳 島 77福 島 248 静 岡 127 香 川 80茨 城 133 愛 知 223 愛 媛 140栃 木 132 三 重 94 高 知 80群 馬 139 滋 賀 90 福 岡 210埼 玉 172 京 都 110 佐 賀 70千 葉 156 大 阪 192 長 崎 138東 京 233 兵 庫 232 熊 本 238神奈川 258 奈 良 120 大 分 86新 潟 266 和歌山 84 宮 崎 158

鹿児島 145沖 縄 51

39

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※身のまわりの事象を取り上げ

既習の知識から数学的考察を

する。

※自分で考えたことを数学的表

現を用いて他者に伝える。

中学校2年数学【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

【課題改善のための重点項目】

身近な例を取り上げ,その現象を数学的表現を用い

て他者に説明しようとする。

【具体的な問題例】

「水の温度変化」(全国学力・学習状況調査

H25年度数学B問題より)

【課題改善のための授業のアイデア】

【 事例 】ビーカーに入った水の温度変化を調べる。

※ ・必要な情報を適切に選択すること。

・事象を数学的に解釈し、問題解決の方法を数学的に説明できること。

導入 (発問例)

問:水温は、熱し始めてから 10分間で何℃上がりましたか。10分間で上がっ

た温度を求めなさい。

展開 (発問例)

問:太一さんは、水温が 80℃になるまでにかかる時間を求めるために、調べた

結果のグラフにおいて、水を熱した時間と水温の関係を表す点Aから点Fまで

のすべての点が一直線上にあると考えることにしました。

このとき、水温が 80℃になるまでにかかる時間を求める方法を説明しなさい。

問:上記の問について班で意見交換してみましょう。

与えられた表から必要な情報を適切に選択し、処理することができるかどうかをみる。

・事象を数学的に解釈し、問題解決の方法を数学的に説明することができるかどうかをみる。

・水を熱した時間と水温の関係を表したグラフの点の並びが一直線上にあると考えることで、

その関係を一次関数とみなすことが理解できているかをみる。

①グラフ、②式、③変化の割合、①~③のどれかを用いて求めることになるが、自分の考えを説

明し、他の人に伝える力を養う。また、他の人の考えを聞いて、別の視点から設問を捉える力

を養う。

40

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≪ビーカーの水の温度を調べよう≫

2年 組 番 名前( )

太一さんは、水を熱したときの水温の変化を調べました。そして、水を熱した時間と

水温について下の表のようにまとめ、χ分後の水温をy℃として、グラフに表しました。

次の各問に答えなさい。

(1) 水温は、熱し始めてから 10分間で何℃上がりましたか。10分間で上がった温

度を求めなさい。

(2) 太一さんは、水温が 80℃になるまでにかかる時間を求めるために、調べた結果

のグラフにおいて、水を熱した時間と水温の関係を表す点Aから点Fまでのすべ

ての点が一直線上にあると考えることにしました。

このとき、水温が 80℃になるまでにかかる時間を求める方法を説明しなさい。

(3) (2)について班で意見交換してみましょう。

41

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※数学を活用して問題解決でき

るようにするために,グラフ

や表を用いて事象と関連付け

て考える。

※自らの考えを数学的表現を用

いて他者に説明できる。

中学校3年数学【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

【課題改善のための重点項目】

問題解決の方法を数学的に説明できるようにする。

【具体的な問題例】

「どちらがお得?」

(学校図書 中学校数学 2年 P.99)

【課題改善のための授業のアイデア】

【 事例 】一次関数

※日常生活にある事象を数学を用いることで解決する力を育てる。

導入 (発問例)・AプラントとBプランではどちらが得か、使用時間によって

料金が変わることを考えましょう。

展開 (発問例)

問:2つの料金プランが等しくなる時間を求める方法を、上記のどちら

かの資料を用いて説明しましょう。

問:どちらかの方法を選びそれぞれどのように求めたかを他の人に説明

してみましょう。

まとめ

・ 日常的な事象の問題解決にむけて、普段から数学的な見方・考え方を働かせる。

・ 数学的表現を用いて解答に至るまでの過程を説明できるようにする。

・資料1(表)をうめて料金が等しくなる使用時間を求める。

・資料2(グラフ)を書いて料金時間が等しくなる使用時間を求める。

・数学的表現を用いて説明する力を養う。他の人の説明を聞いて、その説明を

自ら確かめることができる。

42

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≪どちらがお得?≫

3年 組 番 名前( )

次の表は、ある電話会社における1か月当たりの携帯電話の料金プランを示した

ものです。

Aプラン Bプラン

基本使用料 1,600円 3,600円

通話料 1分当たり50円

25分まで無料

25分を超えた時間について、

1分当たり40円

【資料1】(表)

Aプラン Bプラン

【資料2】(グラフ)

問:2つの料金プランが等しくなる時間を求める方法を、上記のどちらかの資料を

用いて説明しましょう。

使用時間(分) 0 10 20 30

料金(円)

使用時間(分) 0 10 20 30

料金(円)

43

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5.小学校 社会科

指導方法の工夫・改善のポイント

①学習問題をつかみ、学習問題に対して、自分なりの予想を立てる。

②予想を検証するために、資料を探し、調べる。

③自分の考えをまとめたり、話し合ったりして、学習問題を解決する。

④学習問題に対して(自分の予想に対して)ふりかえる。

・学習して得た知識をしっかりとまとめ振り返る。

・教科書に出てくる重要語句は、子供の発言をとらえながら確実におさえる。

(子供の発言の整理、板書の工夫)

・新聞記事、ニュース、地図帳等を有効活用して、社会事象への興味を喚起する。

・教科書に出てくる遠い出来事を身近な出来事に置きかえるなどして、社会科を身近に

感じるようにする。

問題解決的な学習の一層の推進

社会事象への興味の喚起や確認 社会を身近に感じる

「観察・資料活用技能」「社会的な

思考力・判断力・表現力」の向上

推進

社会的事象の知識理解の推進 学習後のまとめや振り返りの徹底

44

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【参考】

資料のワークシート

小学校4年社会【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

1.課題改善のための最重点項目

「安全で安心なくらし」の領域

※110番の仕組みを調べ、速く的確に事故処理するための通信指令室の役割を理解する。

2.具体的な問題例

○今回の調査問題から

5(1)交通事故発生時の関係諸機関の仕事の様子や、当てはまる機関を答える。

3.課題改善のための授業のアイデア

導 入

(1)110番はどこにつながるのかを予想する。

(児童の反応例) ・交番?近くの警察署? ・パトロールカー?

めあて「110番の仕組みについて調べ、通信指令室につながるわけや役割についてまとめる ことができる。」

展 開 (2)110番の仕組みについて調べ、通信指令室に連絡が集まるわけを話し合う。 ○わたしたしの神戸 P96「110 番のしくみの図」や文章資料等を使って通信指令室の仕事

について調べる。

「110番のしくみの図」 ・指示を示す矢印を一つ一つ確認させながらどん なところへ指示が行くのかをおさえる。

・なぜ連絡先が異なるのかについても自分の意見を書かせる。 ○本文から通信指令室の仕事について調べる。 ・通信指令室の仕事を具体的に調べさせる

○110番が通信指令室につながるわけを話し合う。 (児童の発言例) ・全体を見て、速く、スムーズに指示を出すことができる。 ・現場に一番近いパトカー等に指示を出すことができる。

・他の事故や事件が起こっても指示を出すことができる。 まとめ (3)学習したことをワークシートにまとめる。 (まとめの例) ・通信指令室が連絡の中心となることで、速く、スムーズに解決できる。 ・他の事故や事件に対しても指示を出すことができる。 ・全体を見て、一番よい指示を出すことができる。

本時の学習 重要語句例

「110番」「通信指令室」「警察署」

45

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110番のしくみ

1.110番のしくみの図を見て、通信指つうしんし

令室れいしつ

からどこに指令が出されているか

見つけましょう。

○なぜ、連絡先れんらくさき

が分かれているのか、自分の考えを書きましょう。

2.わたしたちの神戸(96ページ)から通信指つうしんし

令室れいしつ

の仕事について調べ、

書きましょう。

3.今日の授業でわかったことをまとめましょう。

通信つうしん

指し

令室れいしつ

46

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6.中学校 社会

指導方法の工夫・改善ポイント

ICT等を活用し体験的な理解に至る工夫

を行ったり、振り返りの場面で書かせた

り発言させたりする繰り返し学習を重

視する。

学力調査、定期考査等の結果をもとに、

生徒の理解が不十分な事項を把握し、よ

り丁寧な授業を行う。

一層の言語活動の充実に努める。

話し合い活動等、ともに学びあう場面を

設定し、授業の中で多角的・多面的に考

察する場面を取り入れる。

社会的事象に対して主体的に考えたり、

公正に判断したりする場面を導入する。

調査、レポート作成、発表などの学習活

動を積極的に組み込む。

複数の資料と関連付けて考えることで、

社会的事象に関する理解を深めさせる。

地域教材の開発、保護者を含めた地域人

材の活用を通し社会的事象を身近なも

のと捉えさせる工夫を行う。

地域等の調査活動を通し、地域等の課題

に気付かせ、その解決に主体的に取組も

うとする態度を育成する。

47

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CHECK

中学校 1年社会【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

1. 課題改善のための最重点項目

(地図や統計等の)複数の資料と関連付けて考えることで、社会的事象に関する理解

を深めさせる。

2. 具体的な問題例

1(3)日本の位置と領土について理解しているかを問う問題

3. 課題改善のための授業アイディア

第6節 オセアニア州 -強まるアジアとの結びつき-

3 人々によるアジアのつながり

【学習指導要領やその解説に記載されていることを参考に、まず「ね

らい(目標)」を明確にして、授業を構成する。

○ 学習指導要領から、この単元の目標は「オセアニア州の地域的特色を理解させる。」と

いうことになります。

○ その際、「オセアニア州に暮らす人々の生活の様子を的確に把握できる(かつ、我が国

の国土の認識を深める上で効果的な観点から)地理的事象を取り上げ、それを基に主

題を設け」ることとなります。教科書では、学習指導要領解説で例示された「アジア

諸国の結びつき」をテーマとしています。

○ となると、この単元での学習の流れは(学習指導要領解説に示されているように)次

のようになります。

① 「なぜオセアニアは、ヨーロッパに代わってアジアとの結び付きが強まったのか」

という問いを立てる。

② オーストラリアやニュージーランドの貿易の量や額の動向や輸出入の相手国、国内

の資源開発や各産業の推移、アジア諸国からの移民の受け入れなどを追及する。

③ オーストラリアやニュージーランドがアジア諸国と結びつきを強め、多文化社会が

進むオセアニアの人々の生活の様子が明らかになり、オセアニアの地域的特色の理

解につながる。

(1) これまでの授業で学んだことを復習する中で、オーストラリアは経済的にアジアと

の結びつきを強めていることを確認する。

・中国の躍進も再確認する。

(2) オーストラリアは経済面ではアジアとの結びつきを強めているが、移民等人のつな

がりはどうなっているのだろうか。

・移民とはどういう人たちだろう?教科書のさくいんで調べよう。

・教科書 110ページの2、オーストラリアの移民の出身別割合の移り変わりを見

導 入(前時までの復習=既習事項の確認)

展 開

48

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NOTICE

て、移民の変化について読み取れることを班で話し合ってみよう。

どれくらい増えているか、出身州の変化はどうか、その変化が見られるよ

うになったのはいつごろか、人口に占める移民の割合はどれくらいだろう。

(3) 日本はオーストラリアに比べて、移民をあまり受け入れていません。なぜオースト

ラリアはたくさんの移民を受け入れているのか考えよう。

移民を受け入れる目的は何だろう。→働いてもらうため。

「日本より国土が広いのに人口は少ない。人手不足なのでは?」

どのような仕事をしているのだろうか。→輸出品の変化に着目させる。

「以前は牧場や農場で働いていたのではないか。今は鉱山や炭鉱で働いていそ

う。どちらも体力のいる大変な仕事。自分にはできそうにない。」

アジア出身の移民が増えだしたのはいつごろからだろうか。(何がそれまでと

変わったのだろう)

→オーストラリアの変化(政策の変化)があった。「白豪主義をやめた。」

→外部の変化(ヨーロッパ統合、アジア諸国の経済発展)があった。「イギリス

はヨーロッパ重視になった。」「アジアは発展し続けている。」

→勤勉で低賃金で働くアジア系移民「移民が働く仕事の雇い主にすれば安く働い

てくれた方が助かる。」

(4) 移民を受け入れるときに配慮しないといけないことは何だろう。班で話し合い、そ

れに基づき自分の考えをまとめよう。

教科書の「金の採掘が進む中、19世紀の後半から中国系の移民が増加し、イギ

リス系の移民との対立も生じました」との記載に着目させ、移民の増加が移民

間の対立を生む理由を考える。

→安い賃金で働くアジア系の移民にヨーロッパ系の移民の仕事が奪われる。

→文化の違いに対する反発や差別が起こる。

これらの問題を解決するにはどうすればよいだろう。「このクラス(40 人)が

オーストラリア社会だとすると 11 人が移民です。言葉も文化も異なる人たち

です。でも、社会の一員として大切な仕事を受け持ってもらっています。仲良

くしていくにはどうすればよいだろう。」

→仲間意識を持てるようにお互いを理解する。

→言葉や文化が異なる人たちと一緒に暮らしているという前提での社会づく

りを行う。(標識の多言語化、学校教育の多文化化、交流機会の拡大 等)

→少数者(先住民、ヨーロッパ・アジア以外からの移民等)にも配慮する。

将来的には生徒たちが日本は移民労働者を受け入れるべきかどうかという問

題を解決しなければならないことに留意し、今後の学習(3 年の公民や高校で

の学習)につながるように配慮する。

まとめ

49

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中学校2年社会【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

1. 課題改善のための最重点項目

歴史的事象が起こった背景やその結果に着目し、社会的事象に対して主体的に考え、

公正に判断する場面を取り入れる。

2. 具体的な問題例

5(5)平安時代に生まれた国風文化の背景について、資料をもとに考察し、表現さ

せる問題

3. 課題改善のための授業アイディア

第4章 近世の日本 第3節 産業の発達と幕府政治の動き

4 享保の改革と社会の変化

学習指導要領やその解説に記載されていることを参考に、まず「ねら

い(目標)」を明確にして、授業を構成する。

○ 学習指導要領から、この単元の目標は「幕府の政治が行き詰まりをみせたことを理解

させる。」ということになります。

○ その際、「百姓一揆などと結び付く農村の変化や商業の発達などへの対応という観点か

ら、代表的な事例を取り上げる」ようにします。その際、財政の悪化などの背景や、

改革の結果に着目させます。

○ なお、新学習指導要領においては、この単元での学習の流れは次のようになります。

① 社会の変動や欧米諸国の接近、幕府の政治改革、新しい学問・思想の動きなどを基

に(学習対象とする)

② 交易の広がりとその影響、統一政権の諸政策の目的、産業の発達と文化の担い手の

変化、社会の変化と幕府の政策の変化などに着目し

③ 事象を相互に関連付けるなどして,近世の社会の変化の様子を多面的・多角的に考

察し、表現することにより

④ 幕府の政治が行き詰まりをみせたことの理解にいたる。

(1) これまでの授業で学んだことを復習する中で、幕府の財政が悪化していたこと、町

人文化が開花し、庶民の生活にも貨幣経済が浸透してきたことを確認する。

(2) 吉宗が将軍となったころ、幕府財政は大変厳しい状況でした。あなたが将軍であれ

ばどのように対応しますか。

財政難の原因は「お金を使いすぎて、お金がたりなくなった」と大まかに捉え

させる。大まかには次の2点(またはその併用)に意見が集約されると思われ

る。

「お金がないのなら、使わないようにする」(支出抑制)

「お金が足りないのであれば、お金を増やすようにする」(収入増加)

具体的にはどのような政策を取りますか。

(支出抑制)お金を使わないよう命令を出す、武士の給料を減らす 等

導 入(前時までの復習=既習事項の確認)

CHECK

展 開

50

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(収入増加)増税、水田を増やす、海外貿易の制限の継続 等

それぞれの政策の欠点は何ですか。

(支出抑制)世の中の活気が失われる、人々の不満が募る 等

(収入増加)増税すると生活が苦しくなる、一揆が増える 等

(3) 当時の人々は実際にはどうしたのか知る。

吉宗の政策(緊縮財政)と尾張藩・宗治の藩政(積極財政)の概要を提示する。

「君たちならどちらの政策を採用しますか。」(理由も考えさせる。)

幕府は吉宗の政治を採用します。その結果はどうだったのだろうか。

「127ページの一揆・打ちこわし発生件数の推移を参考に考えよう」

享保の改革期は発生件数が比較的少ないので成功と言えるが、改革後、増

加している。根本的な解決ができていなかったのでは。

江戸時代全般では改革の時期は減っている、全体的には増加傾向、天明の

ききんの頃や幕末期は非常に多い(政情不安な状態)

※今後の学習につなげたいが深入りは避けたい。

(4) 改革は財政問題の根本解決にはいたらなかったが、その原因は何か。班で話し合い、

それに基づき自分の考えをまとめよう。当時の社会のようす(それまでの社会との

違い)に着目して考えよう。

「長崎貿易制限の影響、農業が発達したことによる影響がどのようなものであ

ったか、教科書の記載事項や資料からまとめるよう」

輸入品が減ったことで輸入品の国産化が図られた。(⇒市場の存在に気付か

せたい。)

「農民にも貨幣が必要となった」ことで起こる社会(農村)の変化につい

て理解を深めさせたい。

(5) 吉宗の改革は「一時的な立ち直り」には成功したが、根本的な解決にはいたらなか

った。その後、幕府は改革を繰り返すことになるが、根本的な解決を目指すにはど

うすればよいだろうか。(以後の学習に対し、生徒なりの予測・見通しを持たせる。)

「貨幣が使われるようになってから、貧富の差が拡大するなどの課題が見

られるようになったので、貨幣の使用を抑えるような政策を行う」⇒時代

の変化に抗するような政策が成功するのだろうか?

「貨幣が重要な社会にあわせ政治の仕組みを変える」⇒社会のあり方を根

本的に改めるような政策を人々は受け入れることができるのだろうか?

留意点

将来的には生徒たちが日本の財政問題を解決しなければならないことに留意し、今後

の学習(3年の公民や高校での学習)につながるように配慮する。

本時においては、歴史的事項を題材に当時の状況におかれた場合の判断を促している。

情報が限られており、実際には予測の域を出ないが、限られた情報の中で論理的に考

えることが大事なのであって、実際の歴史的事実を「当てる」ことが目的でないこと

に留意したい。

まとめ

NOTICE

51

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7.小学校 理科

指導方法の工夫・改善ポイント

小学校3,5年理科【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

【課題改善のための重点項目】

観察の視点を持たせるための工夫

【具体的な問題例】

「こん虫のかんさつ」3年(P.65~66)「メダカのたまご」5年(P.32)

【課題改善の考え方のポイント】

○実験教材だけでなく、観察教材においても問題解決の過程を踏まえた授業の流れ

を構成する。

校内研修の活性化

実験結果から考察する

活動の充実と科学的な

学習用語の定着を図る

観察教材でも問題解決

の過程を踏んだ学習を

行う。 板書の工夫・改善

問題解決の流れを板書やノートに表せるよう

に、「問題」「予想」から「結果」「考察」まで

の表示を作成し、毎時間活用する。

観察教材において、観察前に予想図を描くこ

とで、観察時の視点を明確化する。

科学的な学習用語の定着のために

実験結果を表やグラフなどに整理し、考察

する活動の時間を確保する。この後、科学

的な学習用語を用いて結論を導出する。そ

の定着のための指導の工夫が必要。

OJTを活用した示範授業の実施

モデルとなる理科授業の公開や授業動画の

活用を通して、若手教員の理科の指導力の

向上を図る。

学年研修、学年打ち合わせにおける予備

実験の推進

理科の授業において、事前の予備実験は欠

かせないものである。経験の少ない教員に

対して、観察・実験の研修の場を確保する

ことが大切である。

52

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<観察教材にも問題解決の展開を!>

観察教材において、観察前に予想する活動を取り入れる授業展開

3年こん虫の体のつくり(こん虫のかんさつ)

導入

<問題>いくつかのこん虫のせい虫をくらべ

ると、どんなところが似ているだろうか。

展開

<予想>

<観察>

まとめ

<考察>

<結論>

・頭・むね・はらからできている。

・むねには、6本のあしがついている。

・頭には目や口、しょっ角がある。

・はらにはふしがあり、曲げることができる。

5年メダカのたまご(メダカのたんじょう)

導入

<問題>メダカを飼うには、どんな環境に

すればいいのだろう。

展開

<予想>

<観察>教科書で、雄雌を確認しておく。

まとめ

<考察>

<結論>

・おすのせびれに切れこみがある。

・めすには、せびれのきれこみがない。

・おすのしりびれの後ろが長い。

・めすのしりびれの後ろが短い。

モンシロチョウの体は、頭、むね、はら

からできていたね。

カブトムシやバッタ、アキアカネなどのこん

虫も、モンシロチョウと同じように、頭、む

ね、はらからできているのだろうか。

→「多様性と共通性」の見方を働かせている。

① 観察する前に、何も見ないで、こん虫(1つ)やメダカ(雄雌)の予想図を描く。

バッタの足は何本だったかな。足は、体

のどの部分についていただろう。

メダカのたまごが生まれるように、オス

とメスを一緒に飼いたいな。

メダカのオスとメスを見分けることができ

るように、メダカをじっくり観察したい。

② 実際の姿を観察し、スケッチする。

→予想図を描いたことで、実際の観察では、観察の視点が明確になる。

メダカのひれはいくつあったかな。どんな

形だったろう。

③ 自分で描いた観察前と観察後のスケッチを見比べ、話し合う。

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メダカのたんじょう [ 月 日]

5年 組 名前[ ]

【問題】

【観察前】めだかを見ないで、予想しながらスケッチしよう

【観察後】 めだかを見て、観察してスケッチしよう

【考察】

おす めす

おす めす

54

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8.中学校 理科

指導方法の工夫・改善のポイント

○基礎的・基本的な知識や技能、科学的な概念の定着について、振り返りの場面で、書か

せたり言わせたりする学習活動を充実させる。

○知識・技能を活用することでは、理科で学習した知識・技能に関連した自然の事物・現

象や科学技術などについて、考えたり説明したりする学習場面を単元全体の課題として

設定したり、単元の終わりに設定したりする。

○分析して解釈することでは、観察・実験の結果を予想や仮説と比較させたり、理科で学

習した知識・技能と関連付けた視点を持たせたりする。

○実験を計画することでは、変化すること(従属変数)と、その原因として考えられる要

因(独立変数)に着目して自然事象を捉えさせる。

○検討して改善することでは、課題に対して正対した考察になっているか(仮説と実験結

果が一致しているか)を確かめる視点を持たせる。

1.調査で課題が見られた領域・問題

・小学校では、物質・エネルギー領域において「電気のはたらき」「物の体積と温度」、

生命・地球領域において「植物のつくりとはたらき」「動物のからだのつくりとはたら

き」、中学校では、エネルギー領域において「力と圧力」、粒子領域において「水溶液

の性質」「物質の状態変化」、地球領域において「火山」に課題が見られる。

・中学校では、特にエネルギー領域「力と圧力」で、ばねにつるしたおもりとばねのの

びを測定する実験で、おもりの質量を重力の大きさに変換してグラフを書くことに課

題がある。

・自然事象について、理科用語の理解等(知識・理解)やガスバーナーなどの実験器具

の正しい操作の仕方(技能)に課題が見られる。

2.課題を改善するための対策

(1)

(2)

※市教育委員会では、理科研究部と協力して、神戸SSS推進事業によりデータベース教材の作成に取

り組み、教材データベースにビジュアルコンテンツをアップデートしている。

(3) ・生徒が事象を書いたり、説明したりするなどの言語活動

教員と生徒、生徒相互の双方向学

習を意識した授業づくり

・実物を用いた観察体験 ・ビジュアルコンテンツやモデル (模式図)の効果的な利用

観察・実験の充実

・観察・実験の基礎的な技能の習得 ・観察・実験の結果を分析し解釈する学習活動

・年間計画の工夫による観察・実験の時間確保

実感を伴った基本的な自然事象

への理解

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中学校1年・理科【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

1.課題改善のための最重点項目

① 観察・実験の充実

② 実感を伴った基本的な自然事象への理解

③ 教員と生徒、生徒相互の双方向学習を意識した授業づくり

2.具体的な問題例

○今回の調査問題から

5(1)でんぷんの有無を調べるために用いる液の名前と色の変化を表すことができる。

(2)対照実験の条件を指摘できる。

3.課題改善のための授業のアイデア

(1)授業の流れ

【 事例 】光合成が葉の細胞のどの部分で行われるのか、顕微鏡で観察しよう。

導入 (1)小学校6年生の「植物と養分」(小6教科書 P51~56)を振り返る。

(2)実験にオオカナダモの葉を使うことを予告し、顕微鏡で葉の細胞を観察し、葉緑体を

確認する。

(3)目標を提示する(本時は①のみ)。

展開 (4)観察方法を考える。

【課題の提示】

【個人・グループでの学習】

まとめ 【観察カードの共有】

・個人で考え、グループで協議した観察カードを発表する。

・他のグループの発表を参考に、各個人・グループの観察カードを仕上げる。

①植物の葉が光を受けて光合成を行っていることを調べる観察方法を考える。

②①で考えた観察を通して、光合成が葉のどの部分で行われているのかを確かめる。

【光合成のはたらき】

・植物が光を受けて、でんぷんなどの栄養分をつくるはたらき。

【でんぷんがあるかどうかを調べる液体】

・ヨウ素液→でんぷんがあれば、青紫色に変化する。

・植物の葉が光を受けて光合成を行っていることを調べる観察はどのようにすればよいか。

観察カードを作成する。

①対照実験の条件を考える。

・光が当たっている葉と当たっていない葉。

②光を受けたことででんぷんができたことの根拠。

・一晩暗室に置いたオオカナダモを使用する。

※葉を熱湯に入れ、ヨウ素液の反応を見やすくすることは、あらかじめ提示しておいても

よい。(小6教科書 P52.53)

小学校での植物のつくりとはたらき

の単元の定着に課題があり、小学校と

の関連を十分に図ることが重要

小学校6年生で、ジャガイモの葉を使って観察を行っています。対照実験の考え方を身に付ける演習として設定 しました。 植物のはたらき では頻繁に対照 実験が利用され ています。

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(2)留意したいこと

・ICT機器を活用し、共通理解を図る。

・顕微鏡の使い方、スケッチの技法など基本的な技能を習得させることも目的である。(早い段階

で観察器具等の基礎的な技能の習得のために、パフォーマンステストを行うなどの工夫をする)

・生息時期や生息場所を把握しておくことで、毎年、実物を用いた観察が行える。

(3)ワークシート例

観察カード(例)

光合成が葉の細胞のどの部分で行われるのか、顕微鏡で観察しよう。

【オオカナダモの葉の細胞】

【課題】

植物の葉が光を受けて光合成を行っていることを調べる観察はどのようにすればよいか。

1.観察に必要なもの

2.観察方法

④熱湯に短時間つけた後、スライドガラスに

のせ、軽く水分をとる。

⑤うすい( )を1滴落として

プレパラートをつくり、顕微鏡で観察

する。

⑥観察結果からどこででんぷんがつくられたかを

考察する。

スケッチ 気がついたこと

・対照実験についての理解を問う部分。

・観察方法の後半(④~⑥)を事前に示し、考えたいポイ

ントをしぼってもよい。

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中学校2年・理科【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

1.課題改善のための最重点項目

① 実験器具の正しい操作方法の理解

② 実験結果の処理方法(グラフの書き方と読み取り方)

③ 教員と生徒、生徒相互の双方向学習を意識した授業づくり

2.具体的な問題例

○今回の調査問題から

6(2)硝酸カリウムの溶解度曲線について、グラフを正しく読み取ることができる。

7(1)ガスバーナーを正しく操作することができる。

10(1)表をもとに、力の大きさとばねののびの関係をグラフに表すことができる。

3.課題改善のための授業のアイデア

(1)授業の流れ

【 事例 】金属と酸素が化合するときの金属と酸素の質量の関係を調べよう。

導入 (1)「誤差を考えたグラフの書き方」(中1教科書 P212)を振り返る。

(2)「ガスバーナーの使い方」(中1教科書 P116~117)を振り返る。

(3)目標を提示する。

展開 (4)実験方法と注意事項の確認。

【課題の提示】

【個人・グループでの学習】(ワークシートの作成)

まとめ 【ワークシートの共有】

・作成したグラフをもとに、各班で話し合った結果を

発表する。

・他のグループの発表を参考に、各個人・グループの

ワークシートを仕上げる。

①正しい操作で実験を行い、化学反応前後の質量を測定する。

②実験結果をグラフに表し、化学反応の規則性を見いだす。

軸の設定、測定値の記入、誤差を考慮した線の記入などについて確認する。

①班ごとに質量を変え、銅とマグネシウムの加熱を行い、反応前後の質量を測定する。

②グラフの結果から、各班で話し合い化学反応の規則性について考える。

①各班で役割分担をして実験を行う。

・ガスバーナーの操作方法について確認。(点火、火力の調整など)

・十分に反応が進むように火力の調整などを行う。(火傷に十分に注意する)

②各班の結果を表にまとめ、グラフに表す。

・誤差の扱いに注意してグラフを作成し、規則性について班で話し合う。

※誤差を考えたグラフの書き方について確認しながら行う。(中1教科書 P212)

特に、軸の設定、原点の取り方、線の引き方に注意する。

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(2)留意したいこと

・ICT機器(書画カメラなど)を活用し、共通理解を図る。

・ガスバーナーの使い方について全員が基本的な技能を習得させることも目的である。(早い段階

で観察器具等の基礎的な技能の習得のために、パフォーマンステストを行うなどの工夫をする)

(3)ワークシート例

ワークシート(例)

金属と酸素が化合するときの金属と酸素の質量の関係を調べよう。

【目的】金属が酸素と化合するとき、金属の質量と、それと化合する酸素の質量の関係を調べる。

【実験】

1.実験に必要なもの

金属(銅、マグネシウム)、ステンレス皿、三脚、三角架、ガスバーナー、電子てんびん など

2.実験方法

①班ごとに質量を変えて銅の粉末とマグネシウムをはかりとる。

②金属をステンレス皿に入れ、全体の質量をはかる。

(マグネシウムは飛散を防ぐため、金網でふたをする)

③強い火で5分間加熱する。

④皿が十分に冷えてから全体の質量をはかる。

※質量変化がなくなるまで繰り返し加熱を行う。

※銅の粉末は空気中の酸素と酸化している可能性があるため、新しいものを使うことが望ましい。

【結果の整理】

マグネシウム 銅

① ② ③ ④ ① ② ③ ④

金属の質量(g)

加熱前の質量(g)

加熱後の質量(g)

化合した酸素の質量(g)

①加熱後の色の変化について

マグネシウム( )色 銅( )色

②グラフからどのようなことが分かるか。

③各班の発表から分かったこと、疑問に感じたこと。

測定値の記入、誤差の考慮、線の引き

方に注意。理論値から大きく外れた結

果は除外する。

金属と酸素が化合するとき、常に一定の割合

で化合することを理解する。

※金属:酸素=( ):( )

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9.中学校英語

指導方法の工夫・改善のポイント

〇教科書本文の内容を材料とした言語活動を設定し、必要に応じて補助教材を活用する。

〇教科書を素材に、実際のコミュニケーションの場面を設定する。その際、情報を伝え合

う必然性や情報を伝え合う際の相手意識を持たせる工夫をする。

〇語、連語及び慣用表現は、活用することを通して定着を図り、また文法事項は、実際に

活用できるように工夫する。

〇話の内容や書き手の意見などに対して感想を述べたり、賛否やその理由を示したりする

など、実際に言語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合う4技能統合的な活動を設定

する。

〇即興性を意識した言語活動の場面では聞いたり読んだりした内容について「その場」で

思考・判断・表現させる場面を設定する。その際には、正確さよりもむしろ伝えたい内

容に重点をおくことも必要である。

1.調査で課題が見られた領域・問題

「読むこと」領域

・「あるまとまりの文章を読み、内容や情報を整理して理解する」という点に課題があ

る。そのため「読み取った情報を基に総合的に考えて答えを導き出す」、「複数の情

報を統合して答えを導き出す」といったことには対応が不十分である。

・文章を読み取る際には、一文一文から読み取った内容を積み重ねていくのではなく、

全体を通して「大まかな把握から細部の理解へ」といった読解プロセスをたどるよ

うな言語活動を工夫する必要がある。全体を見通した上で、部分の理解を行なった

り、筆者の主張・意図を読み取ったりすることに取り組ませたい。

・内容理解にとどまらず、同一テーマについて考察する、理由をつけて賛否について

意見表明するなど、学びを深めアウトプットにつながる言語活動を工夫したい。

2.課題を改善するための対策

(1)

(2)

・読み取るべき情報にフォーカスを当

てたタスクの工夫

・全体を見通した上で総合的に判断し

答え求めるような発問の工夫

読み取らせる内容を意識し

た活動の設定

・読み取った内容を整理し再構成し発

表したり、ペアやグループで読み取

った題材について各自の感想や意

見を理由など含め交流したりする

などアウトプットにつなげる工夫

得られた情報を活用した

り、考察し深めたりしてア

ウトプットにつなげる言語

活動の設定

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中学校 2年英語【課題改善に向けた教材・授業アイデア】

【課題改善のための最重点項目】

『まとまりの文章を読み、内容や情報を整理して理解した上で、考察しアウトプットに

つなげる』

【具体的な問題例】

読み取った内容を整理確認し、意見形成を行ない、理由を交えて発表・交流する。

【課題改善のための授業のアイデア】 ※授業内容は2~3単位時間に相当

【事 例】 通信手段に関する人気度調査の結果発表

(2年次教科書 P92~93 Lesson 7 USE READを題材として使用)

【ねらい】 読み手が必要とする情報を整理しながら読み取る力を育成する。また、読み取った内容に

関して、自分の意見を、理由をつけて表現することなど、統合的な言語運用能力の育成を

目指す。

導 入

(1)目標(めあて)の提示

・各手段の特徴や筆者の意見などを整理して読み取り、まとめることができる。

・読み取った内容に対して自分の意見とともに理由をつけて表現することができる。

(2)Pre-Reading(トピックに関する興味付け)

ア)生徒に「友人と連絡を取るとき、主にどのような手段を用いるのか」という発問を行い、答

えを求める。

イ)各自が選んだ方法の利点を考え、ペア・グループで、短時間で交流する。

※必要に応じ全体でいくつかの意見を交流する。

展 開

(3)Reading(英文の読み取り)

ア)課題文(英文)を各タスクに従い読む(聞く)。・・・(Task ①)

・英文の音声を聞き、そこに出てくる「数字」を聞き取りワークシートに書き出す。

・数字を で囲みながら英文を読む。

・通信手段だと思われるものを で囲みながら読む。

イ)各手段の特徴が書かれている部分に を引きながら読む。・・・(Task ②)

ウ)各手段に対する筆者の意見が書かれている部分に を引きながら読む。・・・(Task ③)

※ペアやグループで確認するなど授業形態を工夫する

(4)内容の整理(Task ④)

囲みや下線をつけた文章の全体を通して読みなおし、その内容を整理して表にまとめる。

(5)ペア・グループワーク

ア)メイリンの発表に対して、オーディエンスとして質問やコメントを考え、ペアで交流する。

・・・(Task ⑤)

例)How many of us use cell phones? I usually use LINE not e-mail.

イ)グループ内で各自がどの手段を選ぶか、理由をつけてそれぞれが発表し、グループ内で集計

する。・・・(Task ⑥)

※挙がっている理由以外のプラス面やマイナス面について積極的に考えさせたい

ウ)各グループの代表が全体に集計結果と各手段を選んだ理由を報告する。

※教師が黒板にまとめるなどして該当クラスの調査結果を集約

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Optionalな取組例(深める活動)

・調査に別の要因・観点を追加できないか考えさせ、追加の観点を入れて再調査を行い、結果を分

析・考察し、本文にならい報告書を書く・発表する。

※追加の観点として「連絡を取る相手」や「連絡する内容」などが考えられる。

・観点の追加により結果に変化がある場合、なぜそのような変化が生じるのか、どのような相手に、

どの手段がふさわしいのか、どのような場面でどの手段がふさわしいのかなどについてグループ

で話し合い、意見をまとめる。

まとめ

(6)調査結果やグループでの討議を踏まえ、各自で通信手段について文章にまとめる。

※まとめの活動についてあらかじめ示すとともに、評価基準も提示しておく。

ワークシート(例)

Lesson 7 USE Read “Ways to Keep in Touch”

Task ①

1.タイトルを見て何についての書かれているのか考えてみよう。

⇒( )手段について

2.英文を聞き、そこに出てくる「数字」を聞き取り、書き出してみましょう。その数字は何を表し

ているのかな? ⇒( )

3.聞き取った「数字」は英文のどこに出ている? 数字を で囲みながら読んでみましょう。

4.1.で答えた手段だと思うものを で囲みながら読んでみましょう。

Task ②

・各手段の特徴が書かれている部分に を引きながら読んでみましょう。

Task ③

・筆者の意見が書かれている部分に を引きながら読んでみましょう。

Task ④

・印をつけた文章全体を通して読みなおし、表の空欄に数字や英語を記入して整理してみましょう。

方法 e-mail letter phone

人数 ( ) ( ) ( )

特徴

プラス面

マイナス面

Task ⑤

・筆者の発表に対して、ペアで質問や意見を述べあってみましょう。

Task ⑥

・あなたなら、どの手段を選びますか。理由をつけてグループ内で発表しましょう。

I choose because .

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◇発行者 神戸市教育委員会

◇発刊日 平成 30年1月

◇連絡先 神戸市教育委員会事務局学校教育部総合教育センター教科指導係

◇電話番号 078-360-3424