Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
ULP公開シンポジウムULP公開シンポジウム
ULP統合システム
2010年11月26日研究チーム:環境知能実現を目指す
超低消費電力化統合システムの研究開発
研究代表者:市川晴久
講演内容講演内容
I ULP統合システムの設計I. ULP統合システムの設計
II. ULP統合システム構成要素の設計
III. ULP統合システムの構築
IV 今後の進め方IV.今後の進め方
2
I. ULP統合システムの設計
3
ULP統合システムの狙いULP統合システムの狙いULP領域の成果が適
ULP統合システム
用されるULP要素ULP領域終了後5~10年後
ULP要素ULP要素
ULP統合システム急増するICT機器の消費電力削減
ULP要素 ULP要素
ULP統合化技術“Pace&Pla 情報シ
先進ICTサービスのBoP市場への
展開による産業 ULP要素 ULP要素
ULP統合化技術
ay情報システム”
ビキタ セ
展開による産業競争力強化と世界貢献
ユビキタスセンサーネットワークによる人類的課題の解決
ULP要素 ULP要素 ULP要素
4
題の解決
I. ULP統合システムの設計
ULP統合システムのターゲット市場:
I. ULP統合システムの設計
BOP
ULP統合システムのターゲット市場: BoP•BoP( Bottom of Pyramid)のニーズに対応する開発戦略が世界の長期的経済発展を実現する唯一の方法(S.L. Hart, 「未来をつくる資本主義」)
•途上国は富裕層向けの輸出産業強化により経済発展できるとする 輸出志向政策•途上国は富裕層向けの輸出産業強化により経済発展できるとする、輸出志向政策(ワシントンコンセンサス)が、生産過剰、世界的デフレを生み出した•BoPの貧困者は高コスト経済の中で暮らしており、莫大な消費者余剰が存在•破壊的技術にとって理想的な市場
•破壊的技術の適用を阻害する要因が少ない•低所得者市場向けに構築したビジネスは他市場に展開して利益を出し易い
BoP (Bottom of Pyramid)
6引用: 甲斐, 藤島, “2025年の半導体技術,” 日経マイクロデバイス特別編集版新デバイス進化論pp.49‐60
BoPの特徴に基づくULP統合システムの構成コンセプト:Place & Play
• 社会インフラ(電力 通信 交通 水道など)が脆弱• 社会インフラ(電力、通信、交通、水道など)が脆弱– 分散電源の有望市場
• 電力網の建設には莫大な投資が必要(1~2万ドル/マイル)• 代替手段として有毒あるいは汚染性のある燃料を燃やしている• BoP農村部の貧困者は夜間の照明や定期的な電力供給サ ビスに月10ドル(1kWに5~10ドル)も• BoP農村部の貧困者は夜間の照明や定期的な電力供給サービスに月10ドル(1kWに5~10ドル)も
払っている
– 破壊的技術にとって理想的な市場• 破壊的技術の適用を阻害する要因が少ない:既存インフラ、ビジネス、制度• 低所得者市場向けに構築したビジネスは他市場に展開して利益を出しやすい低所得者市場向けに構築したビジネスは他市場に展開して利益を出しやすい
• 「『つながる』ことは生産性」(イクバル・カディーア, グラミンフォン創立者)– 携帯電話が急速に普及: 5年以内に100%普及の勢い– インターネットのシェアド・アクセスサービスにニーズ
• 例)インドの巨大たばこ企業ITCが普及させている電子集会所 ”e choupal”: 2010年までに10万の村• 例)インドの巨大たばこ企業ITCが普及させている電子集会所 ”e‐choupal”: 2010年までに10万の村に普及させる計画
• その他の例)バングラデシュ:”Telecenter”
情報システムのULP化+独立電源技術の進歩
中長期的な将来システムとしての “Place & Play”中長期的な将来システムとしてのULP統合システム構築コンセプト
Place & Play型インターネットシステムによる新興国インタ ネット革新る新興国インターネット革新
乏しい社会インフラ下でもBBインターネットを提供
8インドの農村の例
(村でインターネット端末を共有)
実世界の「見える化」による成功事例:コマツのKOMTRAX
中国でトップシェア(20%)中国でトップシェア(20%)
2001年 KOMTRAXの開始“コマツが極める「理と利」経営、世界を深耕,” 日経ビジネス2007年6月4日号
9
BoP地域におけるユビキタスネットワーク地域 おける キタ ネッ クサービス領域
ユビキタスネットワ クのサ ビス領域
事務・業務の効率化(自動検針など)
施設制御(電気機器・電力制御など)
物流・マーケティング
(物品、車両、顧客位置把握など)
ユビキタスネットワークのサービス領域
生産地と消費地を直結
BoP型スマートグリッド(環境発電主体の電力供給)
高度機器の遠隔保守
交通管理・制御防災・災害対策
把握など)
BoP地域のニ ズ
費地を直結(交通流モニタリング、カー
シェアリングなど)
環境保全
防災・災害対策(地震モニタリングなど)
高価な機器の共有
環境汚染モのニーズ 構造物の強
度監視など
盗難防止 遠隔医療
構造物管理(ビルメンテナンスなど)
環境保全(CO2濃度測定・プラント設備
監視、産廃マップなど)
農産物の生育
ニタリング
(高度医療医薬品、医療機器管理など)
医療・福祉サポート
防犯・セキュリティ(不法侵入・盗難防止など)
状況、育成環境モニタリング
医療 福祉サポ ト(健康管理・高度医療など)食・農業
(温室管理システムなど)
10
I. ULP統合システムの設計
ICT基盤技術の指数関数的な成長
I. ULP統合システムの設計
世界のインターネット人口推移世界のインターネット人口推移
http://www.internetworldstats.com/emarketing.htm12
アジア・アフリカ地域でインターネットユーザ数増加余地が大きい
13http://www.internetworldstats.com/stats.htm
5年で10倍から1000倍の大5年で10倍から1000倍の大容量化が求められる
引用:”21世紀ネットワーク基盤技術の研究開発戦略”, 21世紀ネットワーク基盤技術研究推進会議, 2005年7月
14
2025年に細胞レベルのSoCを作ったら
引用: 甲斐, 藤島, “2025年の半導体技術,” 日経マイクロデバイス特別編集版新デバイス進化論pp.49‐60
15
“Place & Play”yULP領域成果による情報システム構成要素コードレス化
ターゲットからの推定ゾーン
電力
独立電源が供給可能な電力 P&P情報システム
サーバシステム
所要電力
定量評価
所要電力
デモイメージ(モックアップ)
クライアントシステム
独立電源が供給可能な電力
年年
領域の終了時点 16
II. ULP統合システム構成要素の設計計
ULP統合システム
データセンタ
ULP統合システム
P&P
サーバ電源
バックヤードシステム
P&Pバックボーン
P&Pコアシステム
ックボ接続ネットワーク
超低消費電力化で超低消費電力化で
P&Pクライアントシステム
P&Pアクセスネ クシ ム
超低消費電力化で
完全コードレス化スーツケースへ
超低消費電力化で
完全コードレス化スーツケースへ
RFID、センサー
P&Pユビキタス端末
ネットワークシステム
ルータ
スーツケース型P&Pコアシステム
18
P&PコアシステムとP&PバックヤードシステムP&PコアシステムとP&Pバックヤードシステム
P&Pコアシステム P&P統合システムの全体機能を実現• P&Pコアシステム:P&P統合システムの全体機能を実現– スーツケース型データセンタを構成するシステム– 携帯電話程度の低速低容量回線でP&Pバックヤードシステム携帯電話程度 低速低容量回線 ック シ テ
に接続– P&Pクライアントシステムにブロードバンドインターネットサービ
スを提供(近未来)スを提供(近未来)– P&Pユビキタス端末の多様性を吸収し実世界情報処理サービ
スを提供(ユビキタスネットワーク時代)
• P&Pバックヤードシステム• P&Pバックヤードシステム– ULP化されたインターネットバックボーンシステム(近未来)
– 大規模な実世界データ交換、処理システム(ユビキタスネットク時代)ワーク時代)
19
各チームデモの基本形各チームデモの基本形
機能デ 動体デ ある 説• 機能デモ(動体デモあるいは説明)
– 各チームが選択したULP要素各チ 選択した 要素
• ユーザから見える機能を有する
• P&P化の対象
Place & Play情報システム
領域
P&P情報システム/ULP要素
各チームが選択
ULP要素部品1P&P化の対象
• チーム成果を含む
• P&P化評価デモ
領域チーム成果適用部品
各チ ムが選択するULP要素
ULP要素部品2
ULP要素部品3
• P&P化評価デモ
• 夢を語るデモ
– 上記2つのデモを離れて、モックアップ等を用いて自由に夢を語る自由 夢を語る
20
ULP領域成果とULP統合システムサブシステムとの対応
研究開始年度 チーム名 P&Pバックヤードシステム P&PコアシステムP&Pアクセスネットワーク
システムP&Pクライアントシステム P&Pユビキタス端末
H17
高田チームP&P型TV会議システム視野拡張型カメラ
小林チームP&Pディスプレイシステ
ム
H17佐藤チーム ULP光ノード
黒田チームULPシステムキューブ
端末間通信
高速端末間通信装置低電力端末間通信装置ハイパフォーマンスセンサ
H18
中村チーム ULP Linuxサーバ
後藤チーム P&P監視カメラ 画像センサ
高木チーム ULP HPコンピュータ
小池チーム ULPコアルータ
松岡チーム ULP HPCセンタ
H19
松岡チ ム ULP HPCセンタ
西川チーム P&P無線ネットワーク
前田チーム ULPクラウド
通信システムユビキタス無線サ バ
21
市川チームユビキタス無線サーバインターネットキャッシュシステム物品管理システム
電波空間仮想化網 環境給電型無線タグ
ULP統合システムULP HPCコンピ タ(高木)
ULP HPCセンタ(松岡)
データセンタ
ULP HPCコンピュータ(高木)
人類の課題解決/産業競
争力強化アプリケーションの省電力実行
P&P
サーバ電源
ULP光ノード(佐藤)
ンの省電力実行
監視カメラ(後藤)
ULPクラウド(前田)
バックヤードシステム
P&Pバックボーン
低電力端末間通信装置(黒田)
デ プ イシ ム(小林)
ULP光ノ ド(佐藤)
ULPコアルータ(小池)
P&P監視カメラ(後藤)
P&PTV会議システム(高田)
視野拡張型カメラ(高田)
P&Pコアシステム
ックボ接続ネットワーク
超低消費電力化で超低消費電力化でP&Pディスプレイシステム(小林)
P&Pクライアントシステム
P&Pアクセスネ クシ ム
ULP Linuxサーバ(中村)
通信システム(市川)
超低消費電力化で
完全コードレス化スーツケースへ
超低消費電力化で
完全コードレス化スーツケースへ
ULPシステムキューブ(黒田)
RFID、センサー P&P無線ネットワーク(西川)
P&Pユビキタス端末
ネットワークシステムユビキタス無線サーバ
(市川)
(西川)
ルータ環境給電型無線タグ(市川)
電波空間仮想化網(市川)
画像センサ(後藤)
インターネットキャッシュシステム(市川)
高速端末間通信装置(黒田)
スーツケース型P&Pコアシステム
物品管理システム(市川)
ハイパフォーマンスセンサ(黒田)
22
III. ULP統合システムの構築
23
III. ULP統合システムの構築
P&P化評価手法
III. ULP統合システムの構築
情報システム構成要素のPlace & Play化推定図式
ターゲットからの推定ゾーン
電力
独立電源が供給可能な電力 P&P情報システム
サーバシステム
所要電力
定量評価
所要電力
デモイメージ(モックアップ)
クライアントシステム
独立電源が供給可能な電力
年年
消費電力評価システムを構築中
25
各チーム成果を適用するULP統合サブシステム化実現性評価シナリオ
Place & Play情報システム
のP&P化実現性評価シナリオ
P&P情報システム/ULP要素
領域チーム成果適用部品
評価対象
ULP要素部品1
ULP要素部品2
ULP要素
部品1
P&P情報システム
部品3
領域チーム成果適用部品
P&P情報システムの実現ライン
部品2
部品3
26今日 技術の見通し チーム成果適用
III. ULP統合システムの構築
P&Pコアシステム
III. ULP統合システムの構築
コアシステム・ソフトウェアの構成コアシステム・ソフトウェアの構成
インターネットシステム(Webシステム)
ユビキタスネットワークシステム
コミュニケーションシステム
通信システム
(電話 メ ル
インターネットキャッシュシステム
ユビキタスネットワークアプリケーション
ユビキタスネットワークアプリケーション物品管理システム
ユビキタス無線サ バ(電話、メールなど)
キャッシュシステム(Web, 検索など)
電波空間仮想化網
ユビキタス無線サーバ
インターネット基盤
28
(注)ハードウェアについては、ULP統合システム構成図を参照
P&Pキャッシュシステム概要P&Pキャッシュシステム概要インフラ未整備地域でもインターネットに存在する情報を得られるシステム1 ブロ ドバンド回線の存在する地域でインタ ネット上のデ タを保存
インフラ未整備エリア インフラ整備エリア
1.ブロードバンド回線の存在する地域でインターネット上のデータを保存2.データをインフラが整備されていない地域へ運搬し利用
インターネット
ブロードバンド回線
ナローバンド回線回線
Webコンテンツデータの運搬
http://www.imtfi.uci.edu/imtfi_bopworkshop
モノにつける通信端末の例モノにつける通信端末の例
アクティブタグ(RFCODE社)http://www.itec‐corp.co.jp/im‐here/about.html
さまざまなパッシブRFID(凸版印刷)http://www.toppan.co.jp/products_service/ic_tag/prod/index.html
アクティブタグ(NTT未来ねっと研究所)htt // tt j / i i/ t d / t d 01 ht l
アクティブタグ(日立製作所)http://www.hitachi.co.jp/products/urban/sol
ド( 社)
30
http://www.ntt.co.jp/mirai/study/study01.htmlp // jp/p / /
utions/automatic/device.htmlセンサーノード(Mote, Crossbow社)http://neo.lcc.uma.es/staff/guillermo/index_files/investigacion/redes%20de%20sensores.htm
市川チーム:環境給電型無線タグ市川チーム:環境給電型無線タグ
• サブμW級環境エネルギー収穫技術
自然環境に存在する低周波
サブμW級の無線通信部品
– 自然環境に存在する低周波振動に共振するMEMS振動子で発電する見通しを得た
ブ 級 線• サブμW級無線通信方式– アナログ搬送波を用いない
超低消費電力パルス通信方サブμW級の環境エネルギー収穫用振動子
超低消費電力パルス通信方式を開発。μW級での動作を確認。
• 半導体プロセスで製造• 半導体プロセスで製造– 2mm角チップで実現(アンテ
ナを除く)
引用: http://www.ulp.jst.go.jp/topics/pdf/20081208/ULPDOC3_Ichikawa_081208.pdf31
ユビキタスネットワークシステムユビキタスネットワークシステムP&Pユビキタス端末 P&Pコアシステム
プ
標準無線プロトコル端末
(例)アプリケーション無線LAN(W級)
3G(携帯電話)(サブW級)Bluetooth(100mW級)IEEE802.15.4/Zigbee(10mW級)
ズ
(例)
非標準無線プロ
ISO18000シリーズ
注)カッコ内は消費電力
P&Pアクセスネットワーク
業務ログ記録ミドルウェア
RFタグ 電波空間配RFタグ・センサ受信ソフト
非標準無線プロトコル端末
RFタグ 電波 間信サーバ
センサ
アクティブRFID(mW級)
ユビキタス無線サーバ(多数の無線機が動作)
電波空間仮想化網
(例)環境給電型端末(μW級)
(例)
32極小電力⇒簡易プロトコル(非標準プロトコル)
電波空間のまま転送ソフトウェアで無線機を実現
今後の進め方
ULP統合システム構築の目標と今後の予定
ULP統合システム構築の目標• ULP統合システム構築の目標– 狙い:ULP技術をシーズとし、BoPをターゲットとするICT研究開
発戦略構築の可能性を示すこと– 研究開発戦略の妥当性
• 技術的に実現可能
• 日本及び世界の持続可能な発展に貢献(日本の課題解決と産業競日本及び世界の持続可能な発展に貢献(日本の課題解決と産業競争力向上に貢献)
– ULP統合システム構築の目標• 技術的実現性の一部実装を伴う論証技術的実現性の 部実装を伴う論証• BoPの市場化・持続可能な発展へのULP統合システム適用性検証
• 今後の予定H18 H19 年度開始チ ム成果を取り込むULP統合システムの– H18,H19 年度開始チーム成果を取り込むULP統合システムの構築
• BoPニーズに適合するULP統合システムサブシステムの機能設計P&P化評価• P&P化評価