2
問題4 例解 問1(速度・加速度・変化率(1) 液体の表面の高さが h である時に、容器に入っている液体の体積は、 !V = " ƒ 2 ( x)!x を積分して、V = ! ƒ 2 ( x) dx 0 h " を得る。 (2) 体積の時間変化率が v0 なので、 dV dt = !v 0 より、 dV dx dx dt = ! ƒ 2 ( x) dx dt = "v 0 ! ƒ 2 ( x) h 0 h " dx = #v 0 dt 0 t " = #v 0 t を得る。 (3) 毎秒 g(h) で流れ出すので、 dV dx dx dt = ! ƒ 2 ( x) dx dt = " g( x) より、 ! ƒ 2 ( x) g( x) h 0 h " dx = # dt 0 t " = #t で与えられる。 問2(位置ベクトル、速度ベクトル、加速度ベクトル(1) |v(t)|= 一定、という事は速度 v の2乗も一定:v 2 = C. 両辺を時間で微分すると、 d dt v 2 = d dt viv = 2v dv dt = 2via = 0 より,v a は垂直。 (2) 平面上を運動する質点の軌跡(a は定数、ω(t)は時間の関数なので,θ(t) ω(t)t では 洗わせない:θ(t) = !ω(t)dt として) r(t) = (a cos θ(t), a sin θ(t)) を時間で微分して、 v = dr dt = ! a d" dt sin", a d" dt cos" # $ % & ' ( より、 riv = (a cos!, a sin!)(" a d! dt sin!, a d! dt cos!) = " a 2 d! dt (cos! sin! " sin! cos!) = 0 より、r(t) v(t) は直交している。加速度 a v をもう一度時間で微分して、 a = dv dt = d dt !a d" dt sin", a d" dt cos" # $ % & ' ( = !a d 2 " dt 2 sin" ! a d" dt # $ % & ' ( 2 cos", a d 2 " dt 2 cos" ! a d" dt # $ % & ' ( 2 sin" # $ % % & ' ( ( これを整理すると、位置成分と速度成分に比例する、 a = ! d" dt # $ % & ' ( 2 r + d 2 " dt 2 d" dt # $ % & ' ( v = !) 2 r + ! ) ) v を得る。 (3) a, b, ω を実定数として、質点の位置、速度、加速度ベクトルは次で表される。 r(t) = (a cosωt, a sinωt, bt) v(t) = (aω sinωt, aω cosωt, b) a(t) = (aω 2 cosωt, –aω 2 sinωt, 0) |v| 2 = a 2 ω 2 + b 2 = 一定,が示される。次に、質点から加速度ベクトル a(t) の方向に引い た直線が常にある一定の直線と交わる事は以下の通り。 r(t) を通り a(t) の方向の直線の式は、直線に沿う長さを s で表すと、 R(t) = r(t) + s a(t)/|a(t)| = {(a s) cosωt, (a s) sinωt, bt} と書け,s = a と置くと、R(t) = {0, 0, bt} z 軸上の点と交わる事が示される。 (4) この加速度ベクトルが円周上を一定速度で回転する質点の加速度ベクトルと同一になる 事が分かるが、それは何故か?(略) 問3(追跡問題! の川を渡る。川の流速は V,船は水に対して一定の速さ v0 で進む。 (1) 流れの速さが V = A x(!x) の時の船の位置を求めよ。 船の位置は、速度 v = (v x , v y ) = (v 0 , Av 0 (! v 0 t)t) を時間で積分して、t=0 (0, 0) を出発すると、 r = v 0 t ! dt = ( v 0 dt 0 t ! , Av 0 (! v 0 t)t dt 0 t ! ) = (v 0 t, Av 0 ( ! 2 v 0 t 3 )t 2 ) を得る。対岸に着く時、x= ! なので, r(t 0 ) = (!, A! 3 /6v 0 ) を得る。 (2) 川の速さが何処でも V で一定の時に、 船首を常に対岸の原点に向けて進む時、 (i) dy dt dx dt = lim !t"0 ( y(t + !t) # y(t)) / !t ( x(t + !t) # x(t)) / !t = lim !x"0 y(t + !t) # y(t) x(t + !t) # x(t) = lim !x"0 !y !x = dy dx (ii) 船の速度は、 v x = V sin! = "Vx x 2 + y 2 v y = V " V cos! = V " Vy x 2 + y 2 を得る。 (iii) v = dy dx = dy dt dx dt = V ! Vy x 2 + y 2 !Vx x 2 + y 2 = y x ! x 2 + y 2 x (iv) y/x=z(x) と置いて、 dy dx = x dz dx + z より、 dy dx = y x ! x 2 + y 2 x = z ! 1 + z 2 = x dz dx + z なので、 ! 0 y x y ! 0 x θ

v ω 一定,が示される。次に、質点から加速度ベクトル の方 …問題4 例解 問1(速度・加速度・変化率) (1) 液体の表面の高さが h である時に、容器に入っている液体の体積は、

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Page 1: v ω 一定,が示される。次に、質点から加速度ベクトル の方 …問題4 例解 問1(速度・加速度・変化率) (1) 液体の表面の高さが h である時に、容器に入っている液体の体積は、

問題4 例解

問1(速度・加速度・変化率)(1) 液体の表面の高さが h である時に、容器に入っている液体の体積は、 !V = "ƒ2(x)!x を積分して、

V = ! ƒ2(x) dx

0

h

"  を得る。

(2) 体積の時間変化率が –v0 なので、

dVdt

= !v0 より、

dVdx

dxdt

= !ƒ2(x)dxdt

= "v0、 ! ƒ2(x)

h0

h

" dx = #v0 dt0

t

" = #v0t  を得る。

(3) 毎秒 g(h) で流れ出すので、

dVdx

dxdt

= !ƒ2(x)dxdt

= "g(x) より、

!ƒ2(x)g(x)h0

h

" dx = # dt0

t

" = #t  で与えられる。

問2(位置ベクトル、速度ベクトル、加速度ベクトル)(1) |v(t)|= 一定、という事は速度 v の2乗も一定:v 2 = C.

両辺を時間で微分すると、

ddt

v2 =ddt

viv = 2vdvdt

= 2via = 0

より,v と a は垂直。(2) 平面上を運動する質点の軌跡(a は定数、ω(t)は時間の関数なので,θ(t) をω(t)t では洗わせない:θ(t) = !ω(t)dt として)r(t) = (a cos θ(t), a sin θ(t)) を時間で微分して、

v =

drdt

= !ad"dt

sin",!ad"dt

cos"#$%

&'( 

より、 

riv = (acos!,!asin!)("a

d!dt

sin!,!ad!dt

cos!) = "a2 d!dt

(cos! sin! " sin! cos!) = 0 

より、r(t) と v(t) は直交している。加速度 a は v をもう一度時間で微分して、

a =dvdt

=ddt

!ad"dt

sin",!ad"dt

cos"#$%

&'(= !a

d2"dt2

sin" ! ad"dt

#$%

&'(

2

cos",!ad2"dt2

cos" ! ad"dt

#$%

&'(

2

sin"#

$%%

&

'((  

これを整理すると、位置成分と速度成分に比例する、

a = !

d"dt

#$%

&'(

2

r + d2"dt2

d"dt

#$%

&'(

v = !) 2r +!))

v 

を得る。(3) a, b, ω を実定数として、質点の位置、速度、加速度ベクトルは次で表される。r(t) = (a cosωt, a sinωt, bt)  v(t) = (–aω sinωt, aω cosωt, b)  a(t) = (–aω2 cosωt, –aω2 sinωt, 0)  

|v|2 = a2ω2 + b2 = 一定,が示される。次に、質点から加速度ベクトル a(t) の方向に引いた直線が常にある一定の直線と交わる事は以下の通り。r(t) を通り a(t) の方向の直線の式は、直線に沿う長さを s で表すと、R(t) = r(t) + s a(t)/|a(t)| = {(a – s) cosωt, (a – s) sinωt, bt}  と書け,s = a と置くと、R(t) = {0, 0, bt} とz 軸上の点と交わる事が示される。(4) この加速度ベクトルが円周上を一定速度で回転する質点の加速度ベクトルと同一になる事が分かるが、それは何故か?(略)

問3(追跡問題)幅 ! の川を渡る。川の流速は V,船は水に対して一定の速さ v0 で進む。(1) 流れの速さが V = A x(!–x) の時の船の位置を求めよ。船の位置は、速度

v = (vx,!vy) = (v0,!Av0(! – v0t)t)

を時間で積分して、t=0 に (0, 0) を出発すると、

r = v

0

t

! dt = ( v0 dt0

t

! ,!Av0 (! – v0t)t dt0

t

! ) = (v0t,!Av0(!2

–v0t

3)t2)  

を得る。対岸に着く時、x= ! なので,

r(t0) = (!,!A!3 / 6v0) を得る。(2) 川の速さが何処でも V で一定の時に、 船首を常に対岸の原点に向けて進む時、

(i)

dydt

dxdt

= lim!t"0

(y(t + !t) # y(t)) / !t(x(t + !t) # x(t)) / !t

= lim!x"0

y(t + !t) # y(t)x(t + !t) # x(t)

= lim!x"0

!y!x

=dydx 

(ii) 船の速度は、

vx = V sin! ="Vx

x2 + y2

vy = V " V cos! = V "Vy

x2 + y2

 

を得る。(iii)

v = dydx

= dydt

dxdt

=

V ! Vy

x2 + y2

!Vx

x2 + y2

=yx!

x2 + y2

x 

(iv) y/x=z(x) と置いて、

dydx

= xdzdx

+ z より、

dydx

=yx!

x2 + y2

x= z! 1 + z2 = x

dzdx

+ z なので、

!

0 y

x

y

!

0

x

θ

Page 2: v ω 一定,が示される。次に、質点から加速度ベクトル の方 …問題4 例解 問1(速度・加速度・変化率) (1) 液体の表面の高さが h である時に、容器に入っている液体の体積は、

dzdx

= !1 + z2

x となり、両辺を x で積分すると、

dz

1 + z2! = ln z+ 1 + z2 = "dxx! = " ln|x|+C ,従って、

xyx+ 1 +

yx

!"#

$%&

2!

"##

$

%&&= y + x2 + y2 = C,!

初期条件、x= !,y=0 を代入して、

x2 = !(! ! 2y)

より、y= !/2を得る。

問4(位置ベクトル、速度ベクトル、加速度ベクトル)半径 R の車輪の中心から鉛直下方の距離 a の位置にマークを付け、車輪が一定速度で転がる。(1) t=0の接地点を原点とし、転がる直線の方向を x 軸、鉛直上方に y 軸を取る。時刻 t におけるマークの位置座標 r は,時刻 t における a 点のなす角θを用いて、

r = (x,!y) = Vt ! asin",!R ! acos"( )= Vt ! asin(Vt R)),!R ! acos(Vt R)( )   

(2) 速度、加速度ベクトルは、時間で微分して、

v = (vx,!vy)

= V ! a(V R) cos(Vt R),!a(V R)sin(Vt R)( ) 

a = (ax,!ay)

= a(V R)2sin(Vt R),!a(V R)

2cos(Vt R)( ) 

を得る。(3) (i) a=R は青線で示す。t=0 では、vx がちょうどゼロになり、接線が垂直になる。これは、サイクロイド曲線と呼ばれる。(ii) a<R の場合は赤線で示す様に、t=0 において vx がゼロになるのは,a=R の時のみで、a<R では vx が正になり、(iii) の a>R の時は負になる。(4) 速度 v がゼロになるのは,v の表式から

t=0, a=R の時のみで、且つ、 θ= 0 或は 2n"

の時である。

VR0

a θ=Vt/R

Vt

x

a=0.5Ra=R

a=1.5R