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Weekly Outlook 週刊投資情報 No.224 投資情報部 2015 10 8 () 1 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。 CONTENTS 日本株見通しとポイント~目先は投資家心理改善が追い風 ................................2 1. 米国株見通しとポイント~決算堅調なら株価を押し上げ ......................................3 2. 円相場見通しとポイント~膠着相場が続くドル円相場の行方 ...............................4 3. 国内経済動向~雇用・所得情勢は改善傾向、個人消費もやや上向き ..................6 4. 新興国市場・経済動向........................................................................................8 5. 主な国内株価指数とテクニカル指標の推移.......................................................13 6. 今週のストラテジー・セレクション .......................................................................14 7. TPP大筋合意~農家対策だけでなく税制改革も全て参院選に絡む ...................15 8. 来週・再来週の主なスケジュール ......................................................................18 9.

Weekly Outlook - SMBC Nikko Securities Inc. · Weekly Outlook 2015 年10月8日(木) 投資情報部 No.224 3 本レポートについての注意項は 巻末をご覧ください。

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Page 1: Weekly Outlook - SMBC Nikko Securities Inc. · Weekly Outlook 2015 年10月8日(木) 投資情報部 No.224 3 本レポートについての注意項は 巻末をご覧ください。

Weekly Outlook 週刊投資情報 No.224

投資情報部 2015年 10月 8 日(木)

1 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

CONTENTS

日本株見通しとポイント~目先は投資家心理改善が追い風 ................................ 2 1.

米国株見通しとポイント~決算堅調なら株価を押し上げ ...................................... 3 2.

円相場見通しとポイント~膠着相場が続くドル円相場の行方 ............................... 4 3.

国内経済動向~雇用・所得情勢は改善傾向、個人消費もやや上向き .................. 6 4.

新興国市場・経済動向 ........................................................................................ 8 5.

主な国内株価指数とテクニカル指標の推移 .......................................................13 6.

今週のストラテジー・セレクション .......................................................................14 7.

TPP大筋合意~農家対策だけでなく税制改革も全て参院選に絡む ...................15 8.

来週・再来週の主なスケジュール ......................................................................18 9.

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

Weekly Outlook No.224

2 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

日本株見通しとポイント~目先は投資家心理改善が追い風 1.日本株担当: 横山 敦史

利上げ先送り観測によるドル高の一服と、原油価格の底打ち感によるリスクオフムードの一巡により、投資

家心理が改善したことで、今週の日本株市場は堅調に推移した。米国の経済統計が上振れて、年内の米

利上げ観測が再び高まれば、日本株市場の重石となる場面も想定されるが、目先は国内外の政策期待等

もあり、上昇し易い環境であろう。個別では米企業決算内容で国内の類似企業が選別されよう。

米利上げ後ずれ観測等で日本株もリバウンド局面

先週末に発表された米国の9月分雇用統計が市場

予想より弱い結果となったことで、利上げが来年に先送

りされるとの見方が強まり、世界的に株価は上昇。また、

日銀が早ければ今月中にも追加金融緩和を打ち出す

との観測が高まったことも追い風となり、日経平均は10

月7日まで6日続伸となった。

株高の背景は「ドル高一服」と「原油価格底打ち」

足元で株価が反発の動きを見せた主な理由としては、

利上げ先送り観測によるドル高の一服と、原油価格に

底打ちの兆しが見られたことが挙げられる(図表1)。い

ずれも米国企業の業績回復期待に繋がり、投資家心理

の改善をもたらしたものとみられる。ただ、ドル相場につ

いては、事前予想を下回る米雇用統計によって、一時

的に先高観が和らいだにすぎないとの見方もある。米国

経済は力強い内需等に支えられており、再び年内利上

げの見方が優勢となれば、ドルが買われ、米株の下落

につながり、日本株市場の重石となる可能性もあろう。

一方で、原油価格は底を打った可能性がある。米エ

ネルギー情報局(EIA)は、6日のレポートで2016年の世

界原油需要が6年ぶりの高い伸びになると予想した。7

日の米国市場では、WTI原油先物価格が50ドル/バレ

ルに迫る場面もあり、底打ち感が強まっている。また、12

月のOPEC(石油輸出国機構)総会に向けて生産調整

の期待が高まることも予想され、当面は底堅い展開が想

定される。

目先は投資家心理改善で日本株も上昇し易い

こうしたマクロ環境や海外市場の動向、日銀の追加

緩和期待などを踏まえると、目先は投資家心理の改善

から日本株は上昇しやすい環境にあると言える。また、

TPP大筋合意に伴う農業対策を含めた政策期待や、早

ければ来週にも開かれる予定の中国の5中全会への政

策期待などが関連銘柄の追い風となる可能性があろう。

日経平均の水準としては、人民元切り下げに端を発し

た急落後の高値、19,100円処が戻り高値の目安となろ

う。

年内の米利上げが再び意識され、日本株の上値が

重くなる場面も予想されるものの、目先は直近の株価下

落で相対的に割安感のある銘柄を中心に物色が進む

ものと考える。また、足元で本格化し始めた米企業決算

内容次第で業種による選別が進もう。図表2では、来週

決算発表を予定している米主要企業に類似する主な国

内企業を記載した。投資の際の参考にされたい。

ドル実質実効為替レート(前年比)とWTIの推移 図表1.

注:ドルの実質実効為替レートは52週前との差を前年差として計算

出所: BloombergよりSMBC日興証券作成

米企業決算発表予定と主な国内類似企業 図表2.

注:10/7時点のデータであり、今後変更の可能性がある

出所: BloombergよりSMBC日興証券作成

20

40

60

80

100

120

5

0

5

10

15

20

2013年 2014年 2015年 2016年

(前年差) (ドル/バレル)

ドルの実質実効為替レート前年差(左軸)

WTI原油先物価格(右軸)

分野 米企業 発表日 主な国内類似企業

医薬品/ヘルスケア

ジョンソン・エンド・ジョンソン 10月13日花王(4452)資生堂(4911)

インテル 10月13日 SUMCO(3436)

アドバンスト・マイクロデバイシス 10月16日 信越化(4063)

- - 新電工(6967)

ウェールズ・ファーゴ 三菱UFJ(8306)

JPモルガン・チェース 三井住友トラ(8309)

バンク・オブ・アメリカ みずほFG(8411)

シティグループ 野村(8604)

ゴールドマン・サックス 第一生命(8750)

インターネット アルファベット(旧グーグル) 10月15日 ヤフー(4689)

金融

半導体

10月14日

10月15日

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

Weekly Outlook No.224

3 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

米国株見通しとポイント~決算堅調なら株価を押し上げ 2.日本株・米国株担当: 河田 剛

10月1日以降の米国株は、雇用統計が事前予想を下回り、利上げが先送りされるとの見方が強まったこと

や、原油価格の上昇などから買い戻しの動きが強まった。今週から7-9月期決算発表が本格化するが、2四

半期連続の減益予想となっている。業績に対する期待が低下しているため、序盤に発表される主要企業の

決算が事前予想を上回れば、株価は底堅く推移しよう。

先週、今週のレビュー~買い戻しの動き

10月1日の米国株市場は、9月のISM製造業景況指

数が事前予想を下回ったことなどで売りが先行したもの

の、利上げ観測の後退もあり、ダウ工業株指数(NYダウ)

は前日比▲12ドルとなった。2日は、9月の雇用統計が

事前予想を下回り、利上げ観測がさらに後退したことや、

原油価格の上昇などからNYダウは+200ドルとなった。

週明け5日は、前週末の流れを引き継ぎ、エネルギー株

などが上昇、NYダウは+304ドルとなった。6日は、IMF

(国際通貨基金)が世界経済見通しを下方修正したも

のの、デュポンの大幅高や原油価格の上昇からNYダウ

は+13ドルとなった。7日は、IMFが国際金融安定性報

告書の中で、米国の利上げ条件が整ったと指摘してい

たことが売り材料とはなったが、バイオ株の買いなどから、

NYダウは+122ドルとなった。

9月のISM製造業景況指数

10月1日に発表された9月のISM製造業景況指数は、

前月比▲0.9の50.2と、事前予想(50.6)を下回ったが、

景況感の分かれ目である50を34ヵ月連続で上回った。

内訳では新規受注は8月の51.7から50.1に、生産は8月

の53.6から51.8に、雇用は8月の51.2から50.5へと多くの

項目が低下した。支払価格は8月の39.0から38.0とさら

に低下した。これは原油、アルミ、銅、鉄鋼などの商品

価格が幅広く下落したことが背景になっているとみられ

る。その他の指標では、9月15日発表の9月のニューヨ

ーク連銀製造業景況指数、17日発表の9月のフィラデ

ルフィア連銀景況指数、30日発表の9月のシカゴ購買

部協会景気指数、10月5日発表のISM非製造業景況指

数はいずれも事前予想を下回る結果となった。企業景

況感は減速傾向を強めており、注意が必要であろう。

9月の雇用統計

10月2日に発表された9月の雇用統計では、非農業

部門雇用者数が前月比+14.2万人(事前予想:+20.0万

人、8月は+17.3万人→+13.6万人、7月は+24.5万人→

+22.3万人に修正)、民間部門雇用者数が同+11.8万人

(事前予想:+19.7万人、8月は+14.0万人→+10.0万人、

7月は+22.4万人→+19.5万人に修正)と、事前予想を下

回り、7月分、8月分も下方修正となった。失業率は8月

5.1%→9月5.1%と横ばいで、事前予想通りだったが、労

働参加率が8月62.6%→9月62.4%と低下しているため、

実質的には雇用環境が悪化していると考えられる。FRB

が重視する全人口に占める雇用者数比率は8月59.4%

→9月59.2%と低下した。一方、27週以上の長期失業者、

経済的理由でのパートタイマーはいずれも減少した。時

間当たり賃金は前月比▲0.0%と事前予想(+0.2%)を下

回った。全般的に低調な結果となったが、腰折れには

至るほどではなく、10月、11月分が堅調であれば、12月

のFOMC(連邦公開市場委員会)で利上げが決定され

る可能性はあろう。

当面の見通し~決算堅調なら株価を押し上げ

経済指標では10月14日発表予定の9月の小売売上

高(事前予想:前月比+0.2%)などが注目される。また、

今週から米国企業の7-9月期決算発表が本格化する。

S&P500採用企業のEPS(1株当たり利益)は前年同期

比▲6.9%と、4-6月期(▲1.7%)に続いて減益の見込み

になっている。業績に対する期待が低下しているため、

序盤に発表されるJPモルガン・チェース、シティグルー

プ、バンク・オブ・アメリカや半導体大手インテルなどの

決算が事前予想を上回れば、利上げや中国経済に対

する懸念がやや後退していることもあり、株価は底堅く

推移しよう。

事前予想は Bloomberg、2015 年 10 月 8 日 10 時時点のもの

非農業部門雇用者数(前月比)の推移 図表1.

出所: DatastreamよりSMBC日興証券作成

-400

-200

0

200

400

600

10/11 11/5 11/11 12/5 12/11 13/5 13/11 14/5 14/11 15/5

非農業部門雇用者数(前月比)

3ヵ月平均

(千人)

(年/月)

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

Weekly Outlook No.224

4 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

円相場見通しとポイント~膠着相場が続くドル円相場の行方 3.欧米・為替担当: 本間 英至

ドル円は、米雇用統計の冴えない結果や日銀の政策据え置きを受けた深押しは回避したものの、内外株の

反発がドルの下値をサポートする一方で米早期利上げ観測の後退が上値を抑える格好となり、120円を挟

んでの小動きが続いている。来週以降ドル円が上値を試すきっかけとして、中国の9月分の経済指標と地区

連銀総裁講演など米FRB関連の材料に注目。一方、10月分の米製造業景況指数には注意を要しよう。

この1週間(10/1~)のレビュー

ドル円は1日に120円近辺でスタート後、2日の欧州時

間にかけて上下に振れながらもポジション調整に伴うド

ル買いが優勢の中で推移したが、米雇用統計が期待

外れの結果に終わったことを受けてドルは急落、一時

118.68円まで下落した。しかし、大崩れすることなく反発

して120円近辺まで持ち直すと、週明け以降は、内外株

の堅調推移がドルのプラス材料となる一方、米早期利

上げ期待の後退がマイナス材料となり、好悪材料が綱

引きのなか120円を挟んで小動きの展開。7日には、日

銀が金融政策を据え置いたのを機に119円台後半まで

一時売られたが、深押しせずに持ち直し、足元も120円

前後で推移している。豪ドル円、NZドル円は週明け以

降堅調に推移。内外株の上昇によるリスク選好色の強

まりなどを背景にじり高基調を辿り、7日には豪ドルが

86.89円と9月17日以来、NZドルが79.81円と8月24日以

来の高値をそれぞれ一時つけた。一方、ユーロは材料

難の中、週明け以降は135円を挟んでの小動きとなった。

(東京時間10/8正午時点)

ドル円相場の見通しと来週にかけての注目材料

雇用統計下振れでドルは一時急落

前述の通り、ドル円は2日の米雇用統計結果を受け

て急落し、9月4日以来約1ヵ月ぶりの水準まで一時売ら

れたが、今週に入って以降は再び120円を挟んでの小

動きを続けている。

9月雇用統計については、非農業部門雇用者数が前

月比+14.2万人と市場予想(+20.0万人、Bloomberg調

査)を下回り、過去2ヵ月分の雇用者数も合計で5.9万人

の下方修正(図表1)。賃金についても、平均時給が前

年比+2.2%と市場予想(+2.4%)を下回って前月と同じ

伸び率に留まるなど、総じて期待を裏切る内容であった。

また、1日に発表された9月ISM製造業景況指数も50.2と、

景気の良し悪しの目安とされる50に接近。ドル高や中国

をはじめとした世界景気の減速が米国企業の収益を圧

迫し、企業心理の押し下げや雇用創出力の低下をもた

らしている可能性が指摘されている。

雇用者数は振れが大きい点などに注意

ただ、雇用統計に関しては月々の振れが大きく、単

月の結果に過剰に反応する必要はないだろう。実際、

他の雇用関連指標をみると、新規失業保険申請件数を

筆頭に総じて良好なのが現状である。また、失業率は

5.1%とFOMC(連邦公開市場委員会)参加者が予想す

る長期的な失業率水準(4.9~5.2%)にほぼ到達(図表2)。

一部地区連銀総裁が指摘しているように、雇用市場の

弛みが概ね解消した結果、堅調な雇用市場を示唆する

雇用増加ペースの目安が、これまでの月当たり20万人

ペースから下方シフトしつつある可能性も考えられる。

非農業部門雇用者数(前月比)の推移 図表1.

出所:米労働省、DatastreamよりSMBC日興証券作成

米失業率の推移 図表2.

出所:米労働省、DatastreamよりSMBC日興証券作成

-100

-50

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

12/1 12/5 12/9 13/1 13/5 13/9 14/1 14/5 14/9 15/1 15/5 15/9

(年/月)

(千人)

政府部門 財部門民間サービス部門

非農業部門

雇用者数全体月当たり20万人増のライン

3

4

5

6

7

8

9

10

11

00 02 04 06 08 10 12 14

(%)

(年)

FOMC参加者の長期的な失業率見通し(中央傾向値)

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

Weekly Outlook No.224

5 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

製造業には逆風吹くも非製造業は相対的に良好

企業心理に関しては、製造業では逆風が観測される

ものの、非製造業については引き続き良好な水準を維

持している(図表3)。総じてみれば、米国景気は、年央

にかけての持続困難な拡大ピッチからスピード調整しつ

つも、緩やかな拡大が続いているものと推測される。

先送りリスクあるが引き続き12月利上げ見込み

したがって、今後12月のFOMCまでに発表される2回

の雇用統計等の結果次第では、利上げが来年に持ち

越される可能性は確かにあるものの、米景気が概して良

好であることを踏まえれば、12月に利上げが実施される

可能性は十分にあるものと考えている。一方、FF先物市

場をみると、年内利上げの確率は42%(10/7現在、図表

4)。利上げを意識しつつも控え目な織り込みに留まって

いるのが現状であり、先行き米利上げ期待の浮上がド

ル高円安をもたらす要因になるものと考えている。

膠着を脱する材料として中国指標とFRB関連に注目

前述の通り、ドル円は依然120円を挟んで方向感の

乏しい値動きが続いている(図表5)。内外株の反発がド

ルの下値を抑制する一方、早期利上げ観測の後退など

から上値は依然として重く、レンジ内推移となっている。

この先、膠着から抜け出すきっかけとして、前週号で

も紹介したように、今週末以降19日にかけて中国で発

表される、中国の主要月次経済指標(9月分)が注目さ

れよう。中国では、利下げなどの政策対応の累積的効

果、特にここにきてのインフラ投資の拡大が奏功して9月

分の経済指標は良好な結果が期待されている。これま

で減速基調を続けてきた中国の景気底打ちが確認でき

れば、リスク選好色の強まりから内外株の一段の上昇と

ともにドルをサポートする展開が見込まれよう。

また、米金融政策絡みで、本日(10/8)に9月16~17日

開催分のFOMC議事要旨が公表される予定の他、来週

にかけても、ダドリーNY連銀総裁(10/15)をはじめFRB

(連邦準備制度理事会)関係者の講演が相次ぐ。米雇

用統計後の発言をみると、FRBは引き続き年内利上げ

実施をメインシナリオとしている可能性が窺え、こうした

見解が今後も続けば金融政策に対する市場の思惑に

影響を及ぼすことが予想されるため注目しておきたい。

来週にかけての米経済指標は、9月小売売上高

(10/14)と10月NY連銀およびフィラデルフィア連銀の製

造業景況指数(ともに10/15)が注目。特に製造業景況

指数は9月に軒並み低下し、一部で米景気の先行き減

速懸念を浮上させる材料ともなっただけに、結果が気に

なるところである。

注:FRB 関係者の講演については、10/6 付「主要通貨デイリー

『来週にかけて FRB 関係者の発言が相次ぐ』を参照下さい。

ISM企業景況指数の推移 図表3.

出所:全米供給管理協会、DatastreamよりSMBC日興証券作成

FF先物市場が示唆する12月利上げ確率の推移 図表4.

出所:BloombergよりSMBC日興証券作成

ドル円相場の推移(7/1~、日次) 図表5.

出所:BloombergよりSMBC日興証券作成

48

50

52

54

56

58

60

62

12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7(年/月)

製造業景況指数

非製造業景況指数

景気の良し悪しの目安となる50のライン

0

20

40

60

80

100

120

140

4/1 4/21 5/11 5/31 6/20 7/10 7/30 8/19 9/8 9/28

※2016年1月限月を使用

(%)

(月/日)2015年

116

117

118

119

120

121

122

123

124

125

126

116

117

118

119

120

121

122

123

124

125

126

7/1 7/15 7/29 8/12 8/26 9/9 9/23 10/7

(円/米ドル)

(月/日)2015年

(円/米ドル)

200日移動平均線

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

Weekly Outlook No.224

6 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

国内経済動向~雇用・所得情勢は改善傾向、個人消費もやや上向き 4.日本経済・金利担当: 野村 真司

8月の雇用・所得情勢は改善傾向が持続している。完全失業率は3.4%と低水準を維持。従業員1人当たり

の現金給与総額は名実共に2ヵ月連続で前年比プラスとなった。また消費支出では天候要因も追い風となり

前月比で大幅増加。7~8月平均でみても4-6月平均を明確に上回り、市場の「7-9月は2四半期連続でマイ

ナス成長」との見方はやや後退しつつある。

8月雇用・所得関連:改善傾向が継続

8月の完全失業率(季節調整値、以下同)は3.4%と、

前月から0.1ポイント上昇したものの、引き続き低水準を

維持している(図表1)。就業者数が前月比▲3万人の

6,375万人と2ヵ月連続で減少した一方、完全失業者は

同+4万人の224万人と2ヵ月ぶりの増加に転じたことを受

けて失業率は小幅ながら上昇した。ただ非労働力人口

(労働市場からの退出)が同▲1万人と減少。女性を中

心に労働市場に新たに参入している動きに大きな変化

はない。女性の就業者数は2,759万人と過去最高水準

を維持している。失業率は上昇したものの、非労働力人

口の減少=労働力人口の増加が主因であり、前向きに

評価できよう。なお、3.4%という失業率は、過剰労働力

が概ね解消した完全雇用に近い状態を示唆しており、

賃金が上昇しやすい雇用環境にある。

その賃金の動向を示す8月の毎月勤労統計(従業員

5人以上)によれば、従業員1人当たり平均の現金給与

総額は前年同月比+0.5%と2ヵ月連続のプラスとなった。

特に基本給や家族手当にあたる所定内給与の伸び率

も同+0.5%と、ベースアップ(ベア)効果が徐々に広がり、

3月以降6ヵ月連続の増加を記録。一方、6月に同▲

6.7%と下ブレしたボーナスが中心となる特別給与につ

いて、6~8月の特別給与の合算は前年水準を下回った。

厚生労働省は、6~8月にボーナスを支給した従業員30

人以上の事業所が86.2%と前年から2.6%低下したことを

指摘している。また、現金給与総額から物価変動の影

響を除いた実質賃金指数は同+0.2%と、2013年4月以

来のプラスに転じた7月に続きプラスとなった。常用雇用

(一般労働者+パートタイム労働者)は、同+1.8%と堅調

な伸びを維持し、雇用者所得は同+2.3%と2ヵ月連続の

プラス(図表2)。足元の雇用・所得の改善、マイルドな

物価動向を勘案すれば、名実共に雇用者所得の改善

が見込まれ、個人消費の下支えに寄与しよう。

8月家計調査:天候要因もあり堅調

家計調査によると、8月の実質消費支出(季調値)は

前月比+2.5%(7月同+0.6%)と2ヵ月連続で増加した(図

表3)。また、GDPベースの民間最終消費の基礎統計と

なる実質消費指数(除く住居等)も、前月比+1.5%(7月

完全失業率と有効求人倍率の推移 図表1.

出所: 総務省「労働力調査」、

厚生労働省「一般職業紹介状況」よりSMBC日興証券作成

雇用者所得の推移 図表2.

出所: 厚生労働省「毎月勤労統計」よりSMBC日興証券作成

個人消費関連指標の生産動向 図表3.

出所: 経済産業省「商業動態統計」、総務省「家計調査」、

内閣府「月例経済報告」よりSMBC日興証券作成

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15

(%) (倍)

有効求人倍率(右軸)

完全失業率(左軸)

(年)

(シャドウ部分は景気後退期)

5.5%

0.43倍

3.4%(2015/8)

1.23倍(2015/8)

3.9 3.6

2.3

-8

-6

-4

-2

0

2

4

6

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

特別給与(賞与)

所定外給与(残業代)

所定内給与

常用雇用指数

雇用者所得(=雇用指数×給・賞与計)

(前年同月比、寄与度、%)

(注)事業所規模5人以上

(年)

90

95

100

105

110

115

92

94

96

98

100

102

104

106

108

110

112

09/1 09/7 10/1 10/7 11/1 11/7 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7

(2010年平均=100)(季節調整値)

(年/月)

実質消費支出:左軸

実質消費支出(除く住居等):左軸

小売業販売額指数:左軸

(2005年平均=100)

消費総合指数:右軸

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

Weekly Outlook No.224

7 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

同+1.1%)と2ヵ月連続の減少。月前半の気温上昇等、

天候に恵まれたこともあり、幅広い品目で増加した。特

にエアコン等の家具・家事用品等が好調。また、7~8月

平均では4-6月平均に比べ+0.7%と明確なプラスとなり、

市場の「7-9月は2四半期連続でマイナス成長」との見方

はやや後退した。なお、総務省は消費支出の基調判断

を「このところ持ち直している」に据え置いている。

9月新車販売台数:横ばい圏で推移

9月の新車販売台数(軽自動車含む)は前年同月比

▲7.6%の47.9万台と9ヵ月連続のマイナスとなった。車

種別では軽自動車で4月に実施された軽自動車税引き

上げ前の駆け込み需要の反動が継続し、同▲14.7%と9

ヵ月連続のマイナス。また660cc超の登録車では小型乗

用車が底堅かったものの、同▲3.0%と2ヵ月ぶりのマイ

ナスに転じている。一方、季節調整値では軽自動車の

持ち直しを主因に前月比+2.7%の35.1万台と2ヵ月連続

のプラス(図表4)。当面も30万台半ば前後での横ばい

圏の動きが見込まれる。雇用・所得環境の改善が継続

しているものの、足元の株価低迷は消費マインドに一定

の悪影響を与えよう。また、軽自動車で駆け込み需要の

反動に加え、大手メーカー間で年度末の3月まで繰り広

げられた激しい販売競争の反動も残存している。

8月機械受注:持ち直しから足踏みへ

8月の機械受注統計によれば、民間設備投資の先行

指標である船舶・電力を除く民需は、前月比▲5.7%と3

ヵ月連続の減少となった。3ヵ月連続の減少はリーマン

ショック直後の2009年3~5月以来となる。業種別にみると、

製造業が同▲3.2%と3ヵ月連続の減少。電気機械、鉄

鋼業、自動車・同付属品等からの受注が低調だった。ま

た、非製造業(船舶・電力を除く)は同▲6.1%と2ヵ月連

続の減少で、金融業・保険業、運輸業・郵便業等からの

受注が落ち込んだ。

また、内閣府の7-9月見通し(前期比+0.3%)を達成す

るために、9月は前月比+43.5%以上という非現実的な

大幅増加が必要。7-9月は5四半期ぶりの前期比マイナ

スとなるのが必至の情勢である。内閣府は機械受注の

基調判断を「足踏みがみられる」とし、「持ち直しの動き

に足踏みがみられる」から下方修正(2ヵ月連続)。但し、

機械受注の足踏みは一時的で、再び回復基調に戻ると

みている。10月1日に発表された9月調査の日銀短観で

は、2015年度の設備投資計画はむしろ上方修正されて

いた。全規模・全産業(ソフトウェアを含み、土地投資額

を除く)で前年度比+8.1%と、6月調査として遡及可能な

2004年度以降でリーマンショック後の2009年度を除く平

均値(+6.1%)を大きく上回った(図表6)。特に非製造業

の上方修正が目立っており都市開発、ホテル、物流等

への投資が活発化している模様。また過去最高水準に

ある企業収益を背景に、先送りしてきた設備更新や人

手不足下での省力化投資、能力増強投資等が堅調な

設備投資計画を支えている。

新車販売台数の推移 図表4.

出所: 日本自動車販売協会連合会よりSMBC日興証券作成

機械受注の推移 図表5.

出所: 内閣府「機械受注統計」よりSMBC日興証券作成

設備投資計画の推移 図表6.

出所: 日本銀行「企業短期経済観測調査」よりSMBC日興証券作成

45.2

15

20

25

30

35

40

45

50

08 09 10 11 12 13 14 15

(万台)

(年)

新車販売台数(軽自動車を含む乗用車)

2010年8月

エコカー補助金終了(2010/9/7)

東日本大震災(2011/3/11)

(季節調整値)

3月

4月

9月35.1

エコカー補助金復活(2011/12/20)

エコカー補助金終了(2012/9/21)

(注)季節調整は弊社試算

1月45.2

消費増税実施(2014/4/1)

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

(億円)

*マーカー入りの太線は3ヵ月移動平均。

(年)

民需(除く船舶・電力)

非製造業(除く船舶・電力)

製造業

(季節調整値・月次ベース)

外需

-2.4

5.6

8.1

-20

-15

-10

-5

0

5

10

3月調査 6月調査 9月調査 12月調査 実績見込 実績

(前年度比、%)

全規模・全産業ベース

*ソフトウェアを含み、土地投資額を除く

14年度

15年度

08年度

10年度

09年度

11年度

12年度 13年度

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

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新興国市場・経済動向 5.新興国担当: 山本 正樹 / 白岩 千幸 / 武田 泰典 / 前田 佑太

先週末の米雇用統計発表後は年内利上げ観測が後退し、新興国市場では、それまで特に売り込まれてい

た資源国を中心に株式、通貨とも買い戻しの動きが目立っている。再来週初にかけて、中国で順次経済指

標が発表されるが、景気底打ちの兆しが窺えれば、足元のリスク選好の流れが一段と後押しされよう。この

他では、インドの消費者物価等やトルコの再選挙に関する世論調査結果、ブラジルの政局等に注目したい。

最近の新興国市場の動向

新興国株式市場は、9月の米雇用統計(2日)を受け

年内利上げ観測が後退したことなどを背景に、総じて上

昇した。直近1週間の株価指数騰落率(図表1、7日時

点)をみると、最近のリスクオフ局面で比較的下げが目

立っていたブラジル株(+8.6%)やインドネシア株(+6.2%)

に買い戻しの動きが目立っている。ブラジルでは、資源

価格の上昇に加え、国営石油会社が燃料の値上げを

発表したこと等が好感された。また、インドネシアでは、

政府が投資誘致等を目的とした政策パッケージを9月

以降相次いで発表するなど、政策面の積極的な動きも

株式等の買い戻しを後押ししているとみられる(後述)。

為替市場では、米雇用統計を受けて新興国通貨がド

ルに対して買われる展開となった。一方でドル円相場は

概ね横ばい圏での推移が続いていることから、新興国

通貨は対円でも堅調となった。直近1週間の騰落率(図

表1、7日時点、対円)では、原油その他商品市況が反

発する中、インドネシアルピア(+6.1%)、ロシアルーブル

(+4.4%)、マレーシアリンギ(+4.1%)、南アフリカランド

(+3.0%)など資源国通貨を中心に上昇するところが目

立っている。(前田)

主な新興国市場の動向 図表1.

注: 「直近値」については、当該日付が休場となっている場合は、その前営業日の値を掲載

出所: BloombergよりSMBC日興証券作成

直近値

10月7日 2015年初来 2014年年間 過去1週間 過去30日間 過去90日間 過去1年間

上海総合指数 3,052.78 ▲5.6 52.9 0.0 ▲0.9 ▲17.7 29.1

香港ハンセン指数 22,515.76 ▲4.6 1.3 8.0 9.4 ▲7.7 ▲3.9

インド SENSEX30種指数 27,035.85 ▲1.7 29.9 3.4 8.6 ▲2.0 2.9

韓 国 韓国総合指数 2,005.84 4.7 ▲4.8 2.2 6.5 ▲1.1 1.7

インドネシア ジャカルタ総合指数 4,487.13 ▲14.2 22.3 6.2 4.3 ▲7.3 ▲10.8

タイ SET指数 1,393.66 ▲6.9 15.3 3.3 1.6 ▲5.4 ▲9.5

マレーシア FBM KLCI総合指数 1,689.25 ▲4.1 ▲5.7 4.2 6.7 ▲0.7 ▲7.9

フィリピン フィリピン総合指数 7,108.80 ▲1.7 22.8 3.1 2.6 ▲3.6 ▲1.8

ロシア MICEX指数 1,679.49 20.3 ▲7.1 2.2 ▲1.3 4.0 19.7

トルコ イスタンブール100種指数 78,698.17 ▲8.2 26.4 6.1 9.5 ▲4.4 5.8

南アフリカ JSE全株指数 52,565.42 5.6 7.6 4.9 7.6 2.2 7.9

ブラジル ボベスパ指数 48,914.32 ▲2.2 ▲2.9 8.6 5.2 ▲5.5 ▲14.8

メキシコ ボルサ指数 43,832.03 1.6 1.0 2.8 2.5 ▲1.6 ▲1.6

中 国 円/人民元 18.88 ▲2.1 10.9 0.1 0.8 ▲3.4 7.3

インド 円/インドルピー 1.84 ▲2.5 11.4 1.1 3.6 ▲3.4 4.9

韓 国 円/韓国ウォン(x100) 10.35 ▲5.3 9.4 2.4 4.5 ▲3.4 2.3

インドネシア 円/ルピア(x100) 0.86 ▲10.1 11.7 6.1 3.8 ▲4.6 ▲1.9

タイ 円/バーツ 3.34 ▲8.0 13.0 1.5 1.3 ▲6.4 0.9

マレーシア 円/リンギ 28.47 ▲16.7 6.5 4.1 3.3 ▲11.0 ▲14.4

フィリピン 円/フィリピンペソ 2.59 ▲2.9 12.8 0.9 2.2 ▲3.4 6.9

ロシア 円/ルーブル 1.91 ▲7.0 ▲35.6 4.4 11.1 ▲9.6 ▲29.1

トルコ 円/トルコリラ 40.81 ▲20.4 4.6 3.0 3.8 ▲9.9 ▲14.0

南アフリカ 円/ランド 8.91 ▲13.9 3.2 3.0 4.4 ▲8.1 ▲7.7

ブラジル 円/レアル 30.88 ▲31.5 1.0 1.7 ▲0.5 ▲18.0 ▲31.5

メキシコ 円/メキシコペソ 7.20 ▲11.2 0.5 1.7 2.7 ▲6.0 ▲10.1

中国

株価指数

為替 ※プラスは外貨高・円安、マイナスは外貨安・円高

騰落率(%)

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新興国市場関連トピック

中国~元建て決済増加がSDR組み入れ議論に影響も

国際銀行間金融通信協会(SWIFT)の発表(6日)に

よると、国際的な決済に使用された通貨に占める人民

元の割合は8月に2.79%と、日本円(2.76%)を上回り、

米ドル、ユーロ、英ポンドに続く第4位となった。SDR

(IMFの特別引出権)構成通貨の条件として「国際決済

での取引量が多いこと」、「自由に使えること」等があり、

今回の結果は人民元のSDR組み入れを巡る議論に影

響を与える可能性があろう。

一方、7日に発表された9月末の外貨準備高は前月

末比▲433億ドルの3.51兆ドルとなり、減少額は8月の

939億ドルから半減した。8月半ばの人民元切り下げを契

機とした資本流出がやや一服したことが窺える。

人民元相場については、11月に開催予定のIMF理

事会で人民元のSDR組み入れが決定された場合、当

面上昇するとみられるものの、否決された場合は緩やか

な下落基調を辿ると予想する。(白岩)

中国の外貨準備高と人民元の対ドルレート 図表2.

出所: CEIC、中国人民銀行他よりSMBC日興証券作成

中国~国慶節の旅行は好調

国家観光局が発表した「国慶節祝休日の観光市場

情報」によると、中国の海外旅行者数(本土から香港へ

の旅行は含まず)は10月1~4日で前年比+36.6%と大幅

に増加した。現地のネット旅行会社によると、今年の国

慶節(10月1~7日)では日本、韓国、タイ等の周辺国へ

の旅行が人気となり、特に日本は韓国を抜き、旅行先ラ

ンキングでトップとなった。9月の広州日本領事館でのビ

ザ申請件数は前年比4割増となった模様。

一方、国内旅行については、一部主要観光地で人

数制限等があったため、調査対象観光地(125ヵ所)の

訪問者数は前年比▲0.79%と減少した。しかし、従来観

光客が少なかった農村部では、「農村旅行」や「生態旅

行」(注)の訪問者数が増加。南西部にある貴州省では訪

問者数が1~4日で+22%となった。また、自家用車の普

及に伴い、主要観光地では自動車での訪問者数が全

体の7割を超える地域も多くみられた。他方、調査対象

となったネット旅行会社によると、国慶節を利用した旅

行の予約件数は前年同期に比べて大幅に増加してい

る。(白岩)

注:自然環境保護を前提として自然環境を楽しむ旅行

インドネシア~政策パッケージの第三弾発表

政府は10月7日、経済政策パッケージの第三弾を発

表した(第一弾は9月9日、第二弾は9月29日に発表)。

今回盛り込まれた内容としては、産業用の燃料・ガス・

電気料金引き下げ、中小企業向け融資制度(KUR)の

対象拡大および金利引き下げ、投資の際の土地に関

する認可手続きの短縮が柱となっている。産業界の負

担軽減により、経済の活性化を図ることを狙った内容と

なっている。

9月上旬以降、順次発表されている一連の政策パッ

ケージは、8月以降の急速なルピア安に対応し、ビジネ

ス環境の改善等を通じて投資誘致を図ることなどがその

趣旨となっている。ジョコ政権は8月上旬にも経済閣僚

を中心とした内閣改造を断行したほか、9月に入ってか

らは国民信託党の与党入りが決まり、国会での与党過

半数確保に目処をつけている。その後は前述通り、政

策パッケージを発表するなど、政治・政策面の動きが活

発化している。

ジョコ政権は、就任早々に難題とされた燃料補助金

改革を断行し、インフラ整備予算の拡充を図るなど、そ

の改革姿勢が高く評価された。しかし、その後は目玉で

あったインフラ予算の執行遅れが景気の下押し要因と

なるなど、経済政策運営への不信感が強まっていた。

最近の一連の動きからはジョコ政権が信頼回復へ向け

て攻勢を強めていることが窺われる。(山本)

インドネシア~週明け以降の金融市場はトリプル高

先週末の米雇用統計を受けて、年内利上げ観測が

後退する中、インドネシア株式・債券・通貨はいずれも

週明け以降連騰となり、急反発している。ジャカルタ総

合指数は7日に4,487.132と8月31日以来の高値で終了、

週明け3日間の騰落率は累計で+6.6%に達している。ま

た、10年国債利回りは7日に8.710%で終了し、週明け3

日間で利回りは▲0.670%ptと大幅に低下(価格は上昇)

した。通貨ルピアは7日に1ドル=13,821ルピアで終了し、

6.0

6.5

7.0

7.5

8.0

8.50.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15

人民元の対ドルレート(右軸)

外貨準備高(左軸)

(兆ドル) (元/ドル)

(年)

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

Weekly Outlook No.224

10 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

週明け3日間で+6.0%となっている。対円では、7日に

100ルピア=0.868円と3日間で+6.0%となった。

アジア主要新興国の中で、インドネシアはマレーシア

とともに中国依存度の高い「資源国」と位置づけられ、

特に8月の「人民元ショック」の後、両国の資産は大きく

売り込まれていた。この他、インドネシア国債の外国人

保有割合が4割弱に達するなど、グローバルな資金変

動の影響を受けやすい市場構造も災いしたといえよう。

足元でインドネシア資産が急反発している背景には、そ

れまでの下げの反動という面はあろうが、前述した政治・

政策面におけるポジティブな動きも挙げられよう。

前述の通り、最近のインドネシア資産の下げは中国

不安や米国の利上げ観測など、主に外部の悪材料に

敏感に反応した面が強いと考えている。一方、国内経

済のファンダメンタルズをみると、既に経常収支は改善

傾向にあり、年末にかけては景気持ち直しやインフレ鈍

化も見込まれる。こうした点を考慮すると、外部の悪材

料後退によるインドネシア資産買い戻しの動きは当面継

続しよう。(山本)

インドネシア株式、債券市場 図表3.

出所: BloombergよりSMBC日興証券作成

インドネシアルピア相場 図表4.

出所: BloombergよりSMBC日興証券作成

トルコ~8月貿易収支は前年比で大きく改善

9月30日に発表された8月の貿易収支は▲48.9億ドル

と、前年同月(▲81.1億ドル)から赤字幅が大きく縮小し

た。内訳をみると、英国向けやイラク向けの回復等により、

輸出が前年比▲2.8%と前月(▲16.5%)からマイナス幅

が縮小。一方、原油安や内需鈍化等を背景に、輸入は

▲18.2%と前月(▲8.7%)からマイナス幅が拡大した。

10月1日に発表された9月のマークイット/ISO製造業

PMIは48.8(前月比▲0.5pt)と2ヵ月連続で景況感の節

目となる50を下回ったものの、サブ指数の新規輸出受

注は51.6(+1.2pt)となり、2ヵ月連続で50を上回った。主

要輸出先である欧州では個人消費等の内需が堅調と

なっているほか、リラ安ユーロ高の効果もあり、欧州向け

を中心に輸出は緩やかながらも持ち直しが予想される。

内需については、9月の消費者信頼感指数が58.5(前

月比▲3.8pt)と2008年12月以来の低水準に落ち込み、

同月の自動車販売台数(乗用車)が前年比▲4.4%と10

ヵ月ぶりのマイナスになるなど、減速が目立っている。こ

のため、輸入は今しばらく大幅減が続くとみられる。ただ、

原油安による輸入抑制効果は年末頃から徐々に剥落

するとみられ、輸入の減少幅は縮小していくと予想して

いる。一方、政府とクルド人過激派組織との対立激化等

を背景に、7月下旬以降は国内の治安悪化が目立って

おり、8月の外国人観光客数は前年比▲2.9%とマイナ

スに落ち込んだ。治安悪化が今後も観光に悪影響を及

ぼす可能性は高く、サービス収支の黒字幅は縮小が見

込まれる。

総じてみると、経常収支赤字は目先的には縮小しよう

が、徐々に縮小ペースは鈍化し、拡大に転じるリスクも

あるとみている。足元では政治動向が市場の焦点となっ

ているため、経済指標に対する市場の反応は限定的と

なっているが、再選挙終了後は経済指標の悪化が通貨

リラの上値を抑える可能性もあろう。(前田)

トルコの貿易収支(通関ベース) 図表5.

出所: CEIC、トルコ統計機構よりSMBC日興証券作成

ジャカルタ総合

指数(左軸)

10年国債利回り

(右軸)

6.5

7.0

7.5

8.0

8.5

9.0

9.5

10.0

4,000

4,200

4,400

4,600

4,800

5,000

5,200

5,400

5,600

14/1 14/4 14/7 14/10 15/1 15/4 15/7 15/10

(%)

(年/月)

ルピア対円

(左軸)

ルピア対ドル

(右軸)

11,000

11,500

12,000

12,500

13,000

13,500

14,000

14,500

15,0000.80

0.85

0.90

0.95

1.00

14/1 14/4 14/7 14/10 15/1 15/4 15/7 15/10

(ルピア/ドル)(円/100ルピア)

(年/月)

ルピア高

-30

-20

-10

0

10

20

30

-120

-100

-80

-60

-40

-20

0

20

40

60

80

100

120

12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7

貿易収支(左軸)

輸出(右軸)

輸入(右軸)

(億ドル) (前年比、%)

(年/月)

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Weekly Outlook No.224

11 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

トルコの経常収支 図表6.

注: データは2015年7月まで

出所: CEIC、トルコ中央銀行よりSMBC日興証券作成

ブラジル~新閣僚の人事は無難な内容

ルセフ大統領は2日、財政再建策の一環として閣僚

給与の10%削減や統廃合による8省庁・閣僚ポストの削

減(39省庁→31省庁)、および新閣僚の人事を発表した。

市場で最も注目されていた新閣僚の人事では、与党第

2党で大統領の出身政党でもある労働者党(PT)の閣僚

数が従来の14から9に削減された。一方で、このところ政

府に異を唱える議員が目立っていた最大与党・ブラジ

ル民主運動党(PMDB)の閣僚数は6から7に増加した。

最大の予算を有する保健相もPTからPMDBの出身者に

交代している。今回の内閣改造により、PMDB出身閣僚

が管轄する予算額は、PT出身閣僚が管轄する予算額

を上回った模様。

市場では、閣僚ポストを巡る二大与党の対立が懸念

されていたが、大統領の出身母体であるPTが連立パー

トナーであるPMDBに対して大幅に譲歩したことが窺わ

れ、両党の関係改善が期待される。これにより、今後与

党議員の議会での造反はある程度抑制されよう。

(武田)

ブラジル~会計検査当局が政府の会計操作を認定

連邦会計検査院(TCU)は7日(市場取引終了後)、

政府が昨年の財政収支を不正にかさ上げしたとされる

疑惑について、財政責任法に違反するとの判断を全会

一致で下した。政府は一部のTCU判事による不適切な

発言を理由に審理中止や同判事の罷免を最高裁など

に求めていたが、いずれも却下された。野党と一部の与

党議員は9月17日、ルセフ大統領の弾劾請求書を下院

へ提出しているが、その理由の1つとしてこの会計操作

疑惑が挙げられている。今回TCUから正式に違法判断

が下されたことを受け、弾劾を求める声が一層強まると

みられる。

今後弾劾手続きを開始するには、まず、クーニャ下院

議長が同請求書を下院で審議することを承認する必要

がある。下院議長は最近では弾劾手続きについて慎重

に判断する姿勢を示しているものの、7月には弾劾支持

を公言した経緯もあり、下院での審議開始を承認する

可能性があろう。承認された場合は専門委員会が立ち

上げられ、その後同委員会及び下院本会議での審議・

採決が実施される。弾劾可決には3分の2以上の賛成が

必要であり、最終的には否決される可能性が高いとみら

れる。ただ、下院本会議での採決は年明け以降になる

とみられ、政治的な不透明感が引き続き、株式や通貨

レアル相場の重石となろう。(武田)

下院の政党別議席占有率 図表7.

出所:下院資料(10月5日時点)よりSMBC日興証券作成

来週にかけてのスケジュールと見通し

前週末発表の米雇用統計がターニングポイントとなり、

その後は新興国資産の買い戻しの動きが続いている。9

月FOMC(連邦公開市場委員会)後の市場は米国の利

上げそのものよりも、それが困難になるような世界経済

の悪化をリスクとして意識しつつあることが窺われた。そ

れだけに、米国の弱い経済指標がリスク選好につなが

った今回の流れはやや腑に落ちない面はある。もっとも、

先週の当欄で指摘したように「人民元ショック」から間も

なく2ヵ月となる中、市場が買い戻しの材料を探し始める

タイミングであったと考えれば、今回の動きは然もありな

んということになるだろう。その意味では仮に米雇用統

計が強い内容であったとしても、市場はポジティブに反

応したと考えられる。

この先、再来週初にかけては、中国の9月分の経済

指標(実質GDPは7-9月分)が順次発表される予定とな

-120

-100

-80

-60

-40

-20

0

20

40

60

12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7

第二次所得収支 第一次所得収支サービス収支 貿易収支経常収支

(億ドル)

(年/月)

12ヵ月移動平均

ブラジル

民主

運動党

13%

労働者党

12%

その他

与党

(8党)

37%

ブラジル

社会

民主党

10%

その他

野党27%

与党

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

Weekly Outlook No.224

12 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

っており、今度は再び中国の動向に注目が集まろう。市

場では、7-9月の景気悪化は織り込み済みとみられ、9

月分の経済指標で景気底打ちの兆候が窺えるか否か

が焦点となろう。そうした兆候が窺えれば、足元のリスク

選好の流れは一段と後押しされるとみている。

8月中旬以降、「人民元ショック」に起因するリスクオフ

=新興国売り局面に始まり、足元のリスクオン=新興国

資産の買い戻しと、外部の材料が主導する相場が続い

たが、その一巡後は新興国ごとの個別の材料も重みを

増すこととなろう。新興国では、来週にかけて以下のよう

なイベントが注目される。

中国では、13日に発表される9月の貿易統計が注目

される。市場予想によると、輸入の前年比マイナス幅は

拡大すると予想されているが、予想よりも良好な結果と

なれば、景気持ち直しの兆しとして市場ではポジティブ

に受け止められよう。

インドネシアでは、15日に金融政策が発表される。昨

年の燃料価格大幅引き上げ(11月)の影響が剥落する

年末にかけて、前年比でみたインフレ率は鈍化が見込

まれ、利下げ余地が生じる可能性はあろう。もっとも、イ

ンドネシア銀行(中央銀行)幹部は7日、インフレが鈍化

し、通貨ルピアが最近上昇しているものの、まだ政策金

利を引き下げる余地はないと述べている。現時点での

利下げには否定的とみられ、今回も政策金利は据え置

きが予想される。市場への影響も限定的となろう。

インドでは、来週にかけて、8月鉱工業生産(12日)、9

月消費者物価指数(12日)、卸売物価指数(14日)など

の経済指標が発表される。インド準備銀行は9月29日に

予想を上回る幅での利下げを実施しているが、物価指

数が予想を下回れば、追加利下げ観測が強まり、株式

や債券相場のサポート要因となろう。

トルコでは、本日8日に8月の鉱工業生産および実質

小売売上高、14日に8月の経常収支、15日に7月の雇

用統計および9月の財政収支など、重要な経済指標が

相次いで発表される。総選挙を控え、経済指標に対す

る市場の反応は限定的とみられるが、グローバルなリス

ク選好の流れを背景に国内経済に関連した好材料に

はポジティブな反応も予想される。一方、再選挙(11月1

日投開票)が近づく中、世論調査の結果等が引き続き

注目される。足元の世論調査でも与党AKP(公正発展

党)は単独過半数獲得に必要とされる議席には届いて

いない。市場では、再選挙でのAKP過半数割れがある

程度織り込まれたとみられ、仮にAKPの支持率が伸び

れば市場では好感されよう。

ブラジルでは、大統領の弾劾を巡る動向に加え、財

政関連の法案採決が引き続き注目されよう。政府の会

計操作問題に対する違法判決は弾劾支持派を勢いづ

かせるだけでなく、大統領の求心力低下を通じて議会

の法案審議にも影響が及ぶ可能性がある。大統領は先

の内閣改造時に閣僚ポストで与党第1党のPMDBに配

慮し、同党の懐柔を図っているものの、財政関連の法案

採決ではこれまで与党議員による造反が相次いできた

だけに依然として注意が必要であろう。

(山本、白岩、武田、前田)

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

Weekly Outlook No.224

13 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

主な国内株価指数とテクニカル指標の推移 6.日本株担当: 横山 敦史

米利上げ先送り観測や資源価格の上昇などにより国内の主要株価指数は上昇。テクニカル面では、騰落レ

シオなどに見られていた売られ過ぎ感は解消され、相場が落ち着きを取り戻し始めたことが窺える。一方、

それまで反発基調を強めていた東証REIT指数は足元でやや上値が重くなりつつある。ただ、オフィス市況

が良好なことや、増資一巡感などから需給環境は改善しており、底割れするようなことにはならないだろう。

主な国内株価指数とテクニカル指標の推移 図表1.

注: データは2015年10月7日まで

出所: 各図表ともAstra ManagerよりSMBC日興証券作成

テクニカル指標の見方

騰落レシオ(25日):過去 25日間の値下がり銘柄数に対する値上がり銘柄数の割合。一般的に、120%以上で買われ過ぎを、70%以下で売られ過ぎを表す。

ストキャスティクス(9 日):直近の終値が過去のレンジで相対的にどのレベルに位置するのかを見るための指標。

%D=(直近終値と直近 9日間の安値の乖離の 3日移動平均)÷(直近 9日間の高値と安値の乖離の 3日移動平均) Slow%D は%D の 3 日移動平均。一般的に%D が 80%以上で買われ過ぎ、20%以下で売られ過ぎを表す。

-15

-10

-5

0

5

10

15

20

15,000

17,000

19,000

21,000

23,000

3/2 4/1 5/1 5/31 6/30 7/30 8/29 9/28(月/日)2015年

【日経平均と25日移動平均・乖離率】(円) (%)

日経平均株価

(左軸) 25日移動平均(左軸)

25日移動平均乖離率

(右軸)

50

100

150

200

250

300

15,000

17,000

19,000

21,000

23,000

3/2 4/1 5/1 5/31 6/30 7/30 8/29 9/28

日経平均株価(左軸)東証一部25日騰落レシオ(右軸)

【日経平均と東証一部25日騰落レシオ】(円)

(月/日)2015年

120%ライン

70%ライン

(%)

-15

-10

-5

0

5

10

15

20

15,000

17,000

19,000

21,000

23,000

3/2 4/1 5/1 5/31 6/30 7/30 8/29 9/28

日経平均株価(左軸)

100日移動平均(左軸)

100日移動平均乖離率(右軸)

2015年

【日経平均と100日移動平均・乖離率】(円) (%)

(月/日)

0

50

100

150

200

250

300

15,000

17,000

19,000

21,000

23,000

3/2 4/1 5/1 5/31 6/30 7/30 8/29 9/28

日経平均株価(左軸)%D(右軸)Slow %D(右軸)

【日経平均 ストキャスティクス(9日)】

(%)

(円)

(月/日)2015年

80%ライン

20%ライン

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

1,500

1,550

1,600

1,650

1,700

1,750

1,800

1,850

1,900

1,950

3/2 4/1 5/1 5/31 6/30 7/30 8/29 9/28(月/日)2015年

【東証REIT指数と日本10年物国債利回り】 (%)(pt)

東証REIT指数(左軸)

日本10年物国債利回り(右軸)

70

75

80

85

90

95

100

105

110

115

120

3/2 4/1 5/1 5/31 6/30 7/30 8/29 9/28

日経平均 東証マザーズ指数日経JASDAQ指数

(月/日)2015年

【国内主要株価指数】

(150日前を100として指数化)

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

Weekly Outlook No.224

14 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

今週のストラテジー・セレクション 7.日本株担当: 井場 浩之 / 松永 良輔

日興ストラテジー・セレクションのなかから、株価トレンド面を踏まえて以下の銘柄を紹介する。7~9月期の

決算発表を目前に控え、当面の業績上振れへの期待感が高い銘柄群からの選択。

注: 中期的な株価トレンドが良好な銘柄を紹介。各種テクニカル指標をベースに判断

出所: 株式調査部アナリストレポート、東洋経済会社四季報最新銘柄レポート、Astra Manager等よりSMBC日興証券作成

【株価チャート(週次)】

【注目ポイント】

据え置かれている 16/3期期初会社計画は上期決算発表に際して増額修正の期待大。炭素繊維の拡大加速などが寄与。株価は年初来高値(8/18)から約 14%下落(9/8)したが 10/6 ザラバでは約 10%分まで値を戻す。

【会社概要と株価状況】

合繊最大手。有力事業の炭素繊維は世界首位で航空機向けに強み。

◎東 レ(3402) 売買単位:1,000 株

(年/月)

【株価チャート(週次)】

【注目ポイント】

完成工事総利益率が好転、受注も大幅増。16/3 期上期決算発表前に、上期計画のみならず通期計画も増額修正の期待大。株価は年初来高値(8/18)から約 14%下落(10/7 ザラバ)、26 週移動平均線に接近、反発期待。

【会社概要と株価状況】

総合建設大手の一角。大型土木か

ら建築、戸建て住宅と幅広く展開。

◎大成建設(1801) 売買単位:1,000 株

(年/月)

【株価チャート(週次)】

【注目ポイント】

16/3 期期初会社計画は据え置きだが、上振れ期待。2Q に入っても国際線の旅客単価の改善等で好調持続、燃油安も貢献。株価は上場来高値(8/4)から約 20%下落(9/7)したが 10/6

ザラバでは約 11%分まで値を戻す。

【会社概要と株価状況】

国内二大航空会社の一角。公的資金投入と大リストラで更生法終結。

◎日本航空(9201) 売買単位:100 株

(年/月)

【株価チャート(週次)】

【注目ポイント】

16/3 期会社計画は据え置きだが営業利益は過去最高を 7 期ぶりに更新の見通し。マイナンバー関連など来期以降に向けた受注増も顕著。株価は7 月高値(7/31)から約 14%下落したが値を戻し 10/6 には年初来高値更新。

【会社概要と株価状況】

SI 専業国内最大手。官公庁、金融機関向け大型システムに強み。

◎NTT データ(9613) 売買単位:100 株

(年/月)

【株価チャート(週次)】

【注目ポイント】

数年単位で持続的な寄与が見込める製品の利益貢献拡大を確認、2Q以降の業績見通しについても期待大。株価は年初来高値(8/12)から約 20%下落したが、26 週移動平均線をサポートにして回復に転じた様相。

【会社概要と株価状況】

ゲーム大手。ドラクエ等人気タイトル保有。アミューズメント施設運営も。

◎スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684) 売買単位:100 株

(年/月)

300

450

600

750

900

13/10 14/4 14/10 15/4

(円)

13週線26週線

週次移動平均線状況 10/8 現在

株価 円13週線 772 円 乖離率 -3.12%26週線 735 円 乖離率 1.81%

748.0

400

600

800

1,000

1,200

13/10 14/4 14/10 15/4

(円)

13週線26週線

週次移動平均線状況 10/8 現在

株価 円13週線 1,037 円 乖離率 -1.44%26週線 1,026 円 乖離率 -0.39%

1,022.5

2,000

3,000

4,000

5,000

13/10 14/4 14/10 15/4

(円)

13週線26週線

週次移動平均線状況 10/8 現在

株価 円13週線 4,407 円 乖離率 -5.71%26週線 4,243 円 乖離率 -2.06%

4,155.0

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

13/10 14/4 14/10 15/4

(円)

13週線26週線

週次移動平均線状況 10/8 現在

株価 円13週線 5,814 円 乖離率 1.31%26週線 5,606 円 乖離率 5.06%

5,890.0

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

13/10 14/4 14/10 15/4

(円)

13週線26週線

週次移動平均線状況 10/8 現在

株価 円13週線 3,124 円 乖離率 -3.50%26週線 2,914 円 乖離率 3.47%

3,015.0

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

Weekly Outlook No.224

15 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

TPP大筋合意~農家対策だけでなく税制改革も全て参院選に絡む 8.日本政治・政策担当: 司 淳

TPP交渉がついに大筋で合意した。TPPは単なる中国包囲網ではなく中長期的にAPEC全体の地域統合

に向けて中国を突き動かす狙いがある。臨時国会が見送りの方向にあり、TPP審議のヤマ場が来年4~5

月となれば、来夏の参院選に逆風となるため、対策が急務である。年末には消費税再増税時の軽減税率導

入と、法人税実効税率の引き下げ時期も絡んで大きなヤマ場を迎えよう。

TPP大筋合意~単純な中国包囲網ではない

日米を含む12ヵ国による環太平洋経済連携協定

(TPP)交渉が10月5日、大筋合意に達した。TPP協定の

最も注目すべき意義は、「長期的な、戦略的意義」であ

り、キーワードは「普遍的価値」であろう(図表1)。これは、

単なる中国「包囲網」ではなく、最終的にFTAAP(アジ

ア太平洋自由貿易圏)構想として、2020年までに中国

を含むAPECの地域経済を全て統合させるという大きな

目標に向かって、中国を突き動かす狙いがあるとみられ

る。

TPP協定の意義(2015.10.5) 図表1.

出所: 内閣官房TPP政府対策本部「TPP協定の概要」より

SMBC日興証券作成

自由貿易の恩恵を最も大きく受けてきたのは中国と

言われている。今回、TPPが大筋合意に達したことで、

中国が主導するRCEP(東アジア地域包括的経済連携)

も動き出さざるを得なくなると考えられる。つまり一部で

報道されているような、中国がTPPに参加するか否かの

議論はやや的外れではなかろうか。

そもそも、アジア太平洋地域にはFTAAP構想がある。

それは、アジア太平洋地域において、関税や貿易を制

限する措置を取り除くことで、経済上、幅広い分野での

連携の強化を目指す構想である。貿易・投資自由化の

長期的な目標として、2020年までにAPEC(アジア太平

洋経済協力)の地域経済を全て統合させることにしてい

る。2006年のAPEC首脳会議において、米国が主導し

て合意された構想である。

我が国が初めて交渉参加検討を表明した当時(2010

年10月)、FTAAPに向けて、動いていたFTA交渉の中

で、最も高いレベルの自由化目標を立てていたのが

TPPであったことや、米国が主導していたことが参加に

進む誘因となった。

ここで重要な点は、TPPが幅広い分野で新しいルー

ルを作ることで、それがいずれ新たなスタンダードになり、

最終的にはFTAAPのルールになる可能性が高いと考え

られることである。そのため国有企業改革をはじめとした

構造改革などで、FTAAPに向かう中国政府の背中を強

く押す働きをする可能性が高いと考えられる。TPPが本

質的に重要な点は、中国をいわばアジア太平洋地域と

いう国際社会に登場させ、貿易・投資だけでなく幅広い

分野で連携強化を目指すことと言えよう。その結果とし

て、中国が我々の普遍的価値を共有する国に変貌を遂

げるかどうかはともかく、少なくとも「21世紀型のルール」

を順守するようになれば望ましい。実際に、法の支配や

国有企業改革は、昨秋の四中全会(党中央委員会第4

◆ 21世紀型の新たなルールの構築

モノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化など、幅広い分野で21世紀型のルールを構築する。

域内のヒト・モノ・資本・情報の往来が活発化し、この地域を世界で最も豊かな地域にすることに資する。

◆ 中小・中堅企業、地域の発展への寄与

大企業だけでなく中小企業や地域の産業が、アジア太平洋地域で活躍の場を広げていくことが可能になる。

都市だけでなく地域も世界の活力を取り込んでいくことが可能となる。

◆ 長期的な、戦略的意義

普遍的価値を共有する国々とともに、今後の世界の貿易・投資ルールの新たなスタンダードを提供。

普遍的価値を共有する国々との間で経済的な相互依存関係を深めていくことは、地域の成長・繁栄・安定にも資する。

アジア太平洋を中心としたメガFTAマップ 図表2.

注: FTAAPとはアジア太平洋地域において関税や貿易を制限する措置

を取り除くことで、経済上、幅広い分野での連携の強化を目指す構想

で、APEC加盟全21ヵ国・地域が対象とされているが、明確な定義は存

在しない。今のところ、カンボジア、ラオス、ミャンマーは未参加。

出所: 各種報道よりSMBC日興証券作成

東アジア地域包括的経済連携(RCEP)

ASEAN(10ヵ国) TPP(12ヵ国)シンガポール オースト 米国

インドネシア ミャンマー マレーシア ラリア カナダフィリピン ラオス ブルネイ ニュージー メキシコカンボジア ベトナム ランド チリ

タイ 日本 ペルー

インド

日中韓FTA 中国 韓国

FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏構想、21ヵ国・地域)

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

Weekly Outlook No.224

16 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

回全体会議)で構造改革の柱として中国共産党が自ら

打ち出した重要項目となっている。

今後のスケジュールとしては、協定の発効に向けた国

内手続きに入るが、発効は早くても2016年春以降にな

ろう。米国が協定に署名するには、その90日前に議会

に通知する必要があるため、早くても来年1月に署名の

見通し。法案が議会で審議入りするのが2月以降の予

定で、上下両院の可決などを経て手続きが完了するの

は来春以降と見られる。日本では、秋の臨時国会が外

交日程との兼ね合いなどで見送られる見通しである。し

かし、そのままでは、来年の通常国会でTPPの審議がヤ

マ場を迎えるのが4~5月あたりと見られており、来年7月

の参院選直前となることから、農業対策などは急務とな

ろう。政府は「TPP総合対策本部」を新設し、具体策を

検討するとしている。また、参院選対策を見据えた総合

経済対策の議論も活発化していこう。

安倍総理は6日、「(TPP協定が)国会の承認を求める

までの間に政府全体で責任を持って国内対策をとりまと

め、万全の措置を講じる」と述べた。翌7日、内閣改造で

は、農業対策などにあたる農水相に、自民党でTPP対

策委員長を務めた森山裕氏を充てた。補正予算には、

災害対策費のほか、TPP対策だけでなく成長戦略の早

期可能分が盛り込まれる可能性もある。臨時国会が見

送られれば、来年1月の通常国会冒頭にも処理されるこ

とになろう。

TPP協定の主な合意事項 図表3.

出所: 各種報道等よりSMBC日興証券作成

本田悦郎内閣官房参与は、8月時点で、追加的財政

政策の必要性に言及し、7-9月期の指標を見た上で、

国費ベースで3兆円程度の補正予算で下支えする必要

があるとした。さらに2017年4月の消費税増税の環境整

備として、引き上げ前後に3兆円程度の補正予算が必

要との認識も明らかにしていた。

軽減税率まとまらないなら消費再増税先送りも

今後は、参院選を見据えた補正予算絡みの経済対

策論議が広がっていこう。そうした中で、年末に向けて

最大の注目点は、消費税再増税時に導入する軽減税

率の問題となろう。

公明党は財務省案(還付方式)に真っ向から反対し

ており、財務省案を多少修正しても反対する意向を示し

ている。公明党案(欧州型軽減税率)は、事業者に負担

が大きいとされるインボイス(適用税率・税額を記載した

請求書等)方式の簡易型を用いる。簡易型なら負担も

少なく、不正があれば罰則を科すとしている。こうしたこ

とから財務省案がスムーズに通ることはないだろう。しか

し、公明党案がそのまま適用される可能性も高くないと

みられる。仮に2017年4月に間に合わないとなれば、

2017年4月の消費税再増税の時期を先送りする可能性

が出てこよう。その場合、法人税実効税率を20%台に引

き下げる時期を明示できなくなる恐れがある。法人税実

効税率は、昨年末の段階で2016年度まで決定されてい

る(31.33%)。しかし、ドイツ(全ドイツ平均:29.66%)を抜

いて20%台に引き下げるという当面最大の目標を打ち

出したものの、その時期を明示できないままである。そ

れを税制改正大綱に盛り込むためには、消費税再増税

が確実に2017年4月から実施されることが担保されなけ

ればならない。もちろん、政治的には決着しているはず

の時期であるが、消費税再増税の時期は政治的に不

確実性が極めて高いと言えよう。

その意味で、年末の軽減税率の議論は、単に還付金

の上限額が4,000~5,000円(年間一人当たり)レベルの

話ではないと考える。自公で合意に至らない場合、法人

税実効税率の引き下げ時期を明示できないだけでなく、

「選挙協力の原動力が減退する。参院選で自公は惨敗

する」(斉藤鉄夫・公明党税制調査会長、9月25日インタ

ビュー、26日付日本経済新聞)、と言われている。

このようにTPP対策だけでなく補正予算や軽減税率も、

すべて来夏の参院選に絡んでいると言える。安保法制

を巡る騒動が一巡しても、安倍政権を取り巻く環境は厳

しいだろう。それまでに景気が一段と改善し、株価も上

昇していることが政権にとっても望ましい。

(以上)

コメ米国、豪州に無関税の輸入枠新設。米国は5万トンから段階的に引き上げて13年目以降は7万トン

小麦優遇輸入枠を設定。輸入差益(関税に相当)を9年目までに45%削減

牛肉関税が現行の38.5%から発効直後に27.5%、段階的に引き下げて16年目以降は9%

豚肉高級品、低価格品ともに関税引き下げ。高級品の関税率は現行の4.3%から段階的に引き下げ、10年目以降はゼロ

加工食品 バターと脱脂粉乳の優遇輸入枠を新設

水産物アジ、サバは12~16年目までに関税を撤廃。主要なマグロ類、サケ・マス類などは11年目までに撤廃

酒類ボトルワインは8年目、清酒・焼酎は11年目までの関税撤廃期間を設定

工業製品

日本からの輸出品にかかる関税は11ヵ国全体で99.9%の品目で撤廃。自動車は米国が完成車に課す2.5%の関税を25年かけて撤廃

バイオ医薬品新薬のデータ保護期間を実質8年間に統一。それ以降はジェネリック医薬品(後発薬)の発売が可能

小説などの創作著作権の保護期間を作者の死後50年から70年に延長。著作権侵害の海賊版は出回りにくく

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

Weekly Outlook No.224

17 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

当面の主な政治経済スケジュール 図表4.

出所: 各種報道よりSMBC日興証券作成

10月5日 社会保障・税番号制度(マイナンバー)開始

〃 TPP大筋合意

10月6日 日銀金融政策決定会合(~7日)

10月7日 内閣改造・自民党役員人事

〃 山口公明党代表訪韓(~9日)

10月8日 G20財務相・中央銀行総裁会議(ペルー・リマ)

〃 日露外務次官級協議(ロシア・モスクワ)

10月9日 IMF・世銀年次総会(~11日、ペルー・リマ)

10月中旬 九州電力川内原発2号機再稼働(?)

10月13日 山口公明党代表訪中(~16日)

10月16日 米韓首脳会談

10月17日 靖国神社で秋季例大祭(~20日)

10月22日 ECB理事会

〃 安倍首相、中央アジア5ヵ国訪問(~28日)

10月25日 宮城県議選、参院岩手補選

10月27日 FOMC(~28日)

10月30日 日銀「展望リポート」公表

10月31日 日中韓首脳会談(もしくは11月1日、韓国)、日韓首脳会談も?

10月 中国共産党、経済運営の5ヵ年計画を討議する党中央委員会第5回全体会議(5中全会)を開催

〃 日本が立候補した国連安全保障理事会非常任理事国選挙(任期2016~17年)

11月1日 維新の党・代表選投開票(延期決定)

〃 トルコ再選挙

秋ごろ 柏崎刈羽原発再稼働(東電目標)?

11月4日 郵政3社同時上場(予定)

11月5日 アジア欧州会議(ASEM)外相会合(~6日、ルクセンブルク)

11月8日 ミャンマー総選挙

11月15日 G20サミット(~16日、トルコ、アンタルヤ)

〃 自民党結党から60周年

〃 福島県議選投開票

11月16日 7-9月期GDP統計(速報)

11月18日 APEC首脳会議(~19日、フィリピン・マニラ首都圏)

〃 日銀金融政策決定会合(~19日)

11月20日 東アジアサミットやASEAN関連首脳会合(~22日)

11月22日 大阪府知事選・大阪市長選投開票

11月29日 自民党立党60年記念式典(東京・高輪)

11月30日 第21回国連機構変動枠組条約締約国会議(COP21、~12/11)

11月内 臨時国会召集(?)

12月3日 ECB理事会

12月4日 OPEC(石油輸出国機構)総会(オーストリア・ウィーン)

12月15日 FOMC(~16日)

12月17日 日銀金融政策決定会合(~18日)

12月中旬 2016年度税制改正大綱閣議決定

12月20日 スペイン総選挙

12月下旬 2016年度予算政府案閣議決定

12月31日 ASEAN経済共同体創設

12月 中国、中央経済工作会議

年内 軽減税率案決定

〃 RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の妥結?

2015年

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2015年 10月 8 日(木) 投資情報部

Weekly Outlook No.224

18 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

来週・再来週の主なスケジュール9.

<来週のスケジュール>

注: 発表日は現地時間。市場予想と実績は2015年10月8日12時時点のBloombergの値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります

出所: Bloombergおよび各種報道などよりSMBC日興証券作成

発表日 国・地域 市場予想 前月・前期・前年

日本 - 休場(体育の日) - -

米国 - 債券市場休場(コロンブスの記念日) - -

8月 鉱工業生産(前年比) - 4.2%

9月 消費者物価指数(前年比) - 3.66%

日本 - 日銀金融政策決定会合議事要旨(9月14~15日分) - -

7-9月期 インテル決算 - -

7-9月期 JPモルガン・チェース決算 - -

独 10月 ZEW景気期待指数 - 12.1

英国 9月 消費者物価指数(前年比) - 0.0%

9月 貿易収支 482.2億ドル 602 .4億ドル

9月 輸入(前年比) ▲16.0% ▲13.8%

9月 輸出(前年比) ▲6.0% ▲5.5%

9月 小売売上高(前月比) 0 .2% 0 .2%

9月 小売売上高(除自動車、前月比) ▲0.1% 0 .1%

7-9月期 バンク・オブ・アメリカ決算 - -

- 地区連銀経済報告(ベージュブック) - -

ユーロ圏 8月 鉱工業生産(前月比) - 0.6%

6-8月 ILO失業率 - 5.5%

9月 失業保険申請件数 - 1,200人

中国 9月 消費者物価指数(前年比) 1 .8% 2 .0%

インド 9月 卸売物価指数(前年比) - ▲4.95%

トルコ 8月 経常収支 - ▲31.5億ドル

ブラジル 8月 小売売上高指数(前月比) - ▲1.0%

10月 ニューヨーク連銀製造業景況指数 ▲7.00 ▲14.67

10月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数 0 .0 ▲6.0

9月 消費者物価指数(除食品&エネルギー、前年比) 1.8% 1.8%

- ダドリーNY連銀総裁講演 - -

7-9月期 シティグループ決算 - -

7-9月期 ゴールドマン・サックス決算 - -

7-9月期 アルファベット決算 - -

9月 新規雇用者数(前月比) 7,500人 17,400人

9月 失業率 6.2% 6.2%

9月 貿易収支 - 4.34億ドル

- 政策金利 - 7.50%

韓国 - 政策金利 1.50% 1.50%

ロシア 9月 鉱工業生産(前年比、発表日未定、~16日) ▲4.7% ▲4.3%

ブラジル 8月 経済活動指数(前月比、発表日未定、~16日) - ▲0.02%

日本 - 黒田日銀総裁が全国信用組合大会における挨拶 - -

10月 ミシガン大学消費者信頼感指数(速報) 88 .0 87 .2

9月 鉱工業生産指数(前月比) ▲0.3% ▲0.4%

7-9月期 GE決算 0.26ドル 0.28ドル

- 米韓首脳会談 - -

8月 貿易収支(季調済) - 224億ユーロ

9月 消費者物価指数(前年比、確報、前回値は速報値) - ▲0.1%

NZ 7-9月期 消費者物価指数(前期比) - 0.4%

マレーシア 9月 消費者物価指数(前年比) - 3.1%

9月 全国百貨店売上高(前年比、発表日未定、~20日) - 2.7%

- 靖国神社で秋季例大祭(~20日) - -

10月18日(日) スイス - 議会選挙 - -

10月17日(土) 日本

米国

インド

米国

10月13日(火)

10月12日(月)

中国

英国

米国

10月14日(水)

10月15日(木)

豪州

インドネシア

ユーロ圏

10月16日(金)

米国

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Weekly Outlook No.224

19 本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。

<再来週のスケジュール>

注: 発表日は現地時間。市場予想と実績は2015年10月8日12時時点のBloombergの値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります

出所: Bloombergおよび各種報道などよりSMBC日興証券作成

発表日 国・地域 市場予想 前月・前期・前年

米国 7-9月期 モルガン・スタンレー決算 - -

7-9月期 実質GDP(前年比) 6 .8% 7 .0%

1-9月 固定資産投資(都市部、年初来、前年比) 10 .8% 10 .9%

9月 小売売上高(前年比) 10 .8% 10 .8%

9月 鉱工業生産(前年比) 6 .0% 6 .1%

ロシア 9月 実質小売売上高(前年比) ▲9.0% ▲9.1%

9月 全国スーパー売上高(前年比、発表日未定、~25日) - 2.0%

9月 全国コンビニエンスストア売上高(前年比) - 1.7%

9月 住宅着工許可件数(前月比) - 3 .5%

9月 住宅着工許可件数(年率換算) - 117.0万戸

9月 住宅着工件数(前月比) - ▲3.0%

9月 住宅着工件数(年率換算) - 112.6万戸

- ダドリーNY連銀総裁講演 - -

9月 貿易収支(季調済) - ▲3,588億円

9月 貿易収支 - ▲5,694億円

9月 輸入(前年比) - ▲3.1%

9月 輸出(前年比) - 3 .1%

9月 JNTO訪日外客数 - 181.7万人

7-9月期 日本電産 - -

トルコ - 政策金利 - 7.50%

南ア 9月 消費者物価指数(前年比) - 4.6%

ブラジル - 政策金利 - 14 .25%

日本 - 安倍首相、カザフスタン、ウズベキスタンなど中央アジア諸国訪問(~28日) - -

8月 FHFA住宅価格指数(前月比) - 0.6%

9月 中古住宅販売件数(前月比) - ▲4.8%

7-9月期 キャタピラー決算 - -

- ECB(欧州中央銀行)理事会 - -

- 政策金利 - 0.05%

10月 製造業PMI(速報) - 52.0

10月 サービス業PMI(速報) - 53.7

韓国 7-9月期 実質GDP(前期比、速報) - 0.3%

10月24日(土)

10月25日(日) アルゼンチン - アルゼンチン大統領選挙(決まらない場合は11月24日に決選投票) - -

日本

ユーロ圏

10月22日(木)

日本

10月20日(火)

米国

10月23日(金)

10月21日(水)

ユーロ圏

10月19日(月)

米国

中国

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Weekly Outlook No.224

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投資情報部作成最新レポートのご紹介 【定期発行レポート】

Daily Outlook(日刊投資情報)、主要通貨デイリー 、新興国通貨デイリー、Global Market Review、Japan Market

Review、Weekly Outlook(週刊投資情報)、投資部門別売買動向(現物・先物)、月刊投資情報(株式・為替・金利の見

通し)、日本株投資戦略(月刊プレゼン資料)、日興ストラテジー・セレクション(注目銘柄リスト)、注目スケジュール etc

【スポット・レポート】

<日本株式>

2015/10/07

2015/09/29

J-REIT 市場:足元で堅調な 3つの理由

株価下落の 3つの理由

<マクロ・為替・金利・新興国・海外株式>

2015/10/08

2015/10/07

2015/10/05

2015/10/02

2015/09/30

2015/09/25

2015/09/18

2015/09/17

2015/09/16

日銀金融政策

日本政治

米国株式

中国株式

インド経済

日本政治

為替

NZ ドル

日銀金融政策

10月 30 日緩和シナリオの可能性を探る

TPP大筋合意~農家対策だけでなく税制改革も全て参院選に絡む

Hot Topics:年末商戦についての投資アイデア

早ければ国慶節後に株価は底離れへ向かう可能性

予想を上回る 0.5%ptの利下げ決定

新「3本の矢」は旧「3本の矢」継続が大前提

ドル円:米 FOMC 結果とドル円相場見通し

引き続き中銀の緩和スタンスが重石

10月追加緩和シナリオの可能性

【カンパニー・ブリーフ】

2015/10/07

2015/10/06

2015/10/02

2015/10/02

2015/10/02

2015/10/02

2015/10/02

GS ユアサ(6674)

住友不動産(8830)

東レ(3402)

新日鐵住金(5401)

住友大阪セメント(5232)

丸紅(8002)

富士フイルム(4901)

2015/10/01

2015/10/01

2015/10/01

2015/09/30

2015/09/30

2015/09/24

三菱電機(6503)

東京ガス(9531)

大成建設(1801)

ファナック(6954)

日立マクセル(6810)

デンソー(6902)

【カントリー・レポート】

2015/09/18 トルコ共和国概観 2015/07/14 メキシコ概観

【注目の投資テーマ&業界ナビ】

2015/10/05

2015/09/30

TPPが日本に与える影響~広がるビジネスチャンス~

注目の投資テーマ~2015 年 10月~

【その他プレゼン資料】

2015/10/02

2015/10/02

2015/10/01

2015/10/01

2015/10/01

2015/09/25

投資初心者向け資料~10月の日本株と為替のポイント

米国主要企業決算発表スケジュール

海外・個人投資家売買動向

日銀の金融緩和策(ETF・REIT)

日経平均株価・ドル円の推移と主な出来事

3年目を迎える異次元緩和 ~経済の好循環は継続~

* 上記レポートをご希望の方は、最寄りの支店までお問い合わせください。

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びその他の費用等)をお支払いいただきます。債券、株式等を募集、売出し等又は相対取引により購入する場合は、購入対価のみをお

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品取引業協会

(2015/04/09 版)