平成30年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について
〇 相談等件数は、平成30年は1,347件(前年比+104件)と増加。〇 相談等の内容では、「画像を所持されている、撮影された」が平成30年は512件(前年比+150件)と大幅に増加。○ 私事性的画像被害防止法違反の検挙は、前年までほぼ横ばいで推移していたが、平成30年は36件(前年比-21
件)と減少し、私事性的画像に係る事案に関連する刑法犯・特別法犯の検挙も217件(前年比-9件)と減少。
〇 相談等件数は、継続して増加し、平成30年は7万7,482件(前年比+5,027件)とDV防止法施行後最多。〇 保護命令違反の検挙は、平成30年は71件(前年比-9件)と27年以降減少。一方、配偶者からの暴力事案等に
関連する刑法犯・特別法犯の検挙は、30年は9,017件(前年比+675件)であり、継続して増加。
全体のポイント
〇 相談等件数は、平成30年は2万1,556件(前年比-1,523件)と減少したが、24年以降依然として高水準で推移。〇 被害者と加害者の関係は、交際相手及び配偶者が約半数であり、面識なし及び行為者不明が約15%。〇 ストーカー規制法に基づく警告は、平成24年以降増加していたが、29年から減少し、30年も2,451件(前年比-814
件)と減少。禁止命令等は、緩やかな増加傾向にあったが、29年から急増、30年も1,157件(前年比+495件)と急増し、法施行後最多。
〇 ストーカー規制法違反の検挙は、平成24年以降増加していたが、30年は870件(前年比-56件)と減少。一方、ストーカー事案に関連する刑法犯・特別法犯の検挙は、24年以降高水準で推移していたが、29年から減少し30年も1,594件(前年比-105件)と減少。
ストーカー事案への対応状況
配偶者からの暴力事案等への対応状況
私事性的画像に係る事案への対応状況
1
2,280
14,662
12,024 11,923
13,403 12,220 12,501
13,463 14,657 14,823
16,176 14,618
19,920 21,089
22,823 21,968
22,737 23,07921,556
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30
ストーカー事案の相談等件数の推移
(件)
※平成12年はストーカー規制法施行日(11月24日)以降の件数
2
3
被害者と加害者の関係被害者の性別
男性
12.1%
女性
87.9%
配偶者
(内縁・元含む)7.7%
交際相手(元含む)
43.3%
知人友人
12.8%
勤務先同僚・職場
関係
12.9%
面識なし
7.5%
関係(行為者)
不明
7.7%
その他
6.4%
密接関係者(注)
1.8%
(注) 「密接関係者」とは、恋愛感情等の対象となった者と社会生活において密接な関係を有する者 (家族、友人等)
ストーカー事案の被害者の性別、加害者との関係
ストーカー事案の年齢別被害者・加害者数 (人口千人当たり)
加 害 者被 害 者
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳以上
H26 H27 H28 H29 H30
0
0.05
0.1
0.15
0.2
0.25
0.3
0.35
0.4
10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳以上
H26 H27 H28 H29 H30
20歳代が多い20歳代、30歳代が多い
4
※ 人口は総務省人口推計による平成29年10月1日現在の総人口
5ストーカー規制法に基づく警告・禁止命令等件数の推移
117
871 965
1,169 1,221 1,133 1,375 1,384 1,335 1,376 1,344 1,288
2,284
2,452
3,171
3,375 3,562
3,265
2,451
2 36 32 24 24 22 19 17 26 33 41 55 69 103 149 145 173
662
1,157
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30
警告 禁止命令等
(件)
※ 平成12年はストーカー規制法施行日(11月24日)以降の件数
6改正後におけるストーカー規制法に基づく禁止命令等の運用
○禁止命令等の実施状況
実施件数
うち通常 うち緊急 うち通常 うち緊急
530 416 144 67
1,157(+495)
(参考)延長処分の実施件数
112
うち警告なし
946
うち警告あり
211
内訳
警告あり, 211, 18.2%
警告なし, 946, 81.8%
警告あり・なしの割合
通常(申出), 521
通常(申出), 140
通常(職権), 9
通常(職権), 4
緊急(申出), 409
緊急(申出), 66
緊急(職権), 7
緊急(職権), 1
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
警告なし
警告あり
警告あり・なしの内訳
※ 延長処分の実施件数は平成30年6月14日以降に延長処分書を交付した件数
7改正後におけるストーカー規制法に基づく禁止命令等の運用
意見の聴取
禁止命令等の申出
※警告前置の廃止
公安委員会
通常の場合 違
反
警察本部長等
※身体の安全に係る場合職権も可
※職権も可
聴聞
禁止命令等の申出
警告警告の申出
つ
き
ま
と
い
等
検挙
禁止命令等
緊急の場合
・有効期間を1年に設定・聴聞を経て更新可
参考
ストーカー被害者への防犯指導、加害者への指導警告件数の推移
19,680 19,703
22,097 22,549 21,358
9,426 9,858
11,598 12,264
11,210
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
H26 H27 H28 H29 H30
被害者への防犯指導 加害者への指導警告(注)
(注) 「加害者への指導警告」はストーカー規制法に基づかない事実上の指導警告をいう
8
(件)
9ストーカー事案の検挙件数の推移(件)
104
921 758
663 752 701 653 718 716 759
877 786
1,504 1,574
1,917 1,872 1,919
1,699 1,594
22
142 178 192 206 200 183 242 244 263 229 205 351 402
613 677 769
926 870
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30
刑法犯・特別法犯 ストーカー規制法違反
※ 平成12年はストーカー規制法施行日(11月24日)以降の件数
10ストーカー事案の検挙件数●罪種別内訳
平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年
刑法犯・特別法犯 1,917 1,872 1,919 1,699 1,594
殺人(既遂) 5 0 1 1 1
殺人(未遂) 9 11 11 8 4
傷害 213 197 180 107 89
暴行 179 169 165 167 149
脅迫 465 362 363 285 231
強要 62 57 69 58 55
恐喝 35 15 30 26 20
逮捕監禁 26 30 17 20 18
強制性交等 14 23 21 15 22
強制わいせつ 27 39 54 46 54
窃盗 89 95 79 82 87
住居侵入 309 315 345 305 311
器物損壊 155 150 169 139 127
名誉毀損 33 30 38 36 48
暴力行為等処罰法違反 30 32 24 11 11
銃刀法違反 64 55 44 49 32
軽犯罪法違反 34 31 21 39 34
迷惑防止条例違反 60 88 107 131 129
その他 108 173 181 174 172
ストーカー規制法違反 613 677 769 926 870
ストーカー行為罪 598 647 735 884 762
禁止命令等違反 15 30 34 42 108
※ 網掛け部分については次頁参照
11ストーカー事案の主な罪種別検挙件数の推移
0
25
50
75
100
125
150
175
200
225
250
H26 H27 H28 H29 H30
傷害 暴行 脅迫 住居侵入 器物損壊 ストーカー行為罪
※ 平成26年の件数を100とした場合
12配偶者からの暴力事案等の相談等件数の推移
3,608
14,140 12,568 14,410 16,888 18,236
20,992 25,210
28,158
33,852 34,329
43,950
49,533
59,072
63,141 69,908
72,455 77,482
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
90,000
H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30
2 法改正により、平成16年12月2日以降「離婚後に引き続き暴力を受けた事案」について、20年1月11日以降「生命等に対する脅迫を受けた事案」について、26年以降「生活の本拠を共にする交際関係にある相手方からの暴力事案」についても計上
※ 1 平成13年は配偶者暴力防止法施行日(10月13日)以降の件数
(件)
13配偶者からの暴力事案等の被害者の性別、加害者との関係
被害者の性別
男性20.6%
女性79.4%
婚姻関係(元含む)
76.1%
内縁関係
(元含む)
7.6%
生活の本拠を共にする
交際をする関係(元含む)
16.3%
被害者と加害者の関係
14配偶者からの暴力事案等の年齢別被害者・加害者数(人口千人当たり)
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
1.4
1.6
10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳以上
H26 H27 H28 H29 H30
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
1.4
1.6
10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳以上
H26 H27 H28 H29 H30
被 害 者 加 害 者
30歳代が多い20歳代、30歳代が多い
※ 人口は総務省人口推計による平成29年10月1日現在の総人口
15(参考)配偶者からの暴力相談支援センターにおける相談件数の推移
35,943
43,225 49,329
52,145 58,528
62,078 68,196
72,792 77,334
82,099
89,490
99,961 102,963
111,172
106,367
106,110
0
20,000
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29
配偶者暴力相談支援センターへの相談件数も高水準で推移
※ 同一相談者が複数回相談した場合は、重複して計上(年度)
※ 出典 内閣府資料(件)
16DV防止法に基づく保護命令に係る裁判所から警察への通知件数の推移
1,079
1,499
1,774
2,178 2,247 2,239
2,534 2,429 2,428
2,144
2,572 2,379
2,576 2,415
2,143
1,859 1,726
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30
※ 保護命令:被害者からの申立てにより、裁判所が加害者に対し、被害者へのつきまとい等をしてはならないこと等を命ずる命令
(件)
※ 統計は平成14年から集計
裁判所からの通知件数は、減少傾向
17配偶者からの暴力事案等の被害者への防犯指導、加害者への指導警告件数の推移
52,556 55,055
62,129 66,042
72,040
25,598
31,752
39,851 44,361
51,172
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
H26 H27 H28 H29 H30
被害者への防犯指導 加害者への指導警告
(件)
18配偶者からの暴力事案等の検挙件数の推移
1,060 1,094 1,367 1,525 1,581 1,650 1,658
2,346
2,424
4,103 4,300
8,291 8,342
9,017
3 40 41 57 73 53 85 76 92 86 72 121 110 120 106 104 80 71 0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
10,000
H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30
刑法犯・特別法犯 保護命令違反
7,914
(件)
※ 刑法犯・他の特別法犯の統計は平成15年から集計
6,875
19配偶者からの暴力事案等の検挙件数
●罪種別内訳平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年
刑法犯・特別法犯 6,875 7,914 8,291 8,342 9,017
殺人(既遂) 3 3 2 1 2殺人(未遂) 99 96 100 90 109傷害致死 1 2 0 3 3
傷害 2,890 2,963 2,991 2,934 2,958
暴行 3,202 4,091 4,409 4,510 5,233脅迫 144 143 153 149 110強姦 4 10 4 11 6
強制わいせつ 4 1 5 0 5
住居侵入 58 59 62 63 46逮捕監禁 27 18 20 21 12器物損壊 100 99 116 109 89
公務執行妨害 - - 32 32 24
現住建造物等放火 - - 14 15 11暴力行為等処罰法違反 164 169 172 238 252
銃刀法違反 29 49 46 38 39その他 150 211 165 128 118
保護命令違反 120 106 104 80 71
※ 網掛け部分については次頁参照
20配偶者からの暴力事案等の主な罪種別検挙件数の推移
50
75
100
125
150
175
200
H26 H27 H28 H29 H30
殺人(未遂を含む)
傷害
暴行
脅迫
暴力行為等処罰法違反
※ 平成26年の件数を100とした場合
私事性的画像に係る事案(注)の相談等件数
※ 平成26年は、私事性的画像被害防止法の施行日(11月27日)以降の件数
平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 増減数 増減率(%)
相談等件数 110 1,143 1,063 1,243 1,347 +104 +8.4
男性 11 102 84 105 90 -15 -14.3
女性 99 1,041 979 1,138 1,257 +119 +10.5
被害者の性別 被害者と加害者の関係
交際相手(元含む), 61.6%知人友人(ネット関係の
み), 11.1%
知人友人(それ以
外), 13.1%
関係(行為者)不明, 4.7%
配偶者(元含む), 3.3%
職場関係者, 1.8%
その他, 4.4%男性
8.4%
女性91.6%
21
(注) 私事性的画像に係る事案とは、交際中に撮影した元交際相手の性的画像等を撮影対象者の同意なくインターネット等を通じて公表する行為等、いわゆるリベンジポルノに係る事案をいう
私事性的画像に係る事案の相談等内容の推移
188 196 236
234
502
451
514 498
245 229
255
231
343
297
362
512
0
100
200
300
400
500
600
H27 H28 H29 H30※ 複数に該当する場合は、それぞれに計上
画像を公表すると脅された
画像を所持されている撮影された
画像を送りつけられた
画像を公表された
22
(件)
私事性的画像に係る事案の年齢別被害者・加害者数(人口千人当たり)
被害者 加害者
0
0.005
0.01
0.015
0.02
0.025
0.03
0.035
0.04
0.045
10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳以上
H28 H29 H30
0
0.005
0.01
0.015
0.02
0.025
0.03
10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳以上
H28 H29 H30
被害者・加害者ともに20歳代が多い
※ 人口は総務省人口推計による平成29年10月1日現在の総人口
23
私事性的画像に係る事案の検挙件数
罪種別内訳
平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年
刑法犯・特別法犯 7 250 238 226 217
脅迫 1 69 69 56 46
児童買春・児童ポルノ禁止法違反 1 56 35 39 42
強要 3 25 33 37 22
ストーカー規制法違反 0 18 27 26 28
名誉毀損 0 15 13 4 9
わいせつ物頒布 0 6 7 5 5
その他 2 61 54 59 65
私事性的画像被害防止法違反 0 53 48 57 36
24