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Page 1: 憲法草案発表第一部スピーチ

憲法草案発表 第一部スピーチ

日時:6 月 7 日(日)13:00~

場所:よみうり大手町ホール

皆さん、こんにちは。新憲法を考える有識者会議、つばめ組代表の鳥越克也です。

第一部では、私たちの考える新しい日本の在り方、

新しい憲法のかたちをお伝えしたいと思います。

私達つばめ組の憲法改正に対する中心思想は「成長への覚悟」です。

皆さん、成長と聞いてどんなことを思い浮かべますか?

私たちの生活する日本は、世界三位の経済力をもち、

それは世界に胸を張って誇れるものです。

私たちの多くが食べることに困らず安心して生活できているのは、

日本人が戦後の逆境から立ち上がり、

国民が必死の思いで作り上げてきた日本の経済的繁栄があったからです。

しかし、私達国民の生活を豊かにしてきた日本経済がいま、頭打ちの状況となっています。

確かに日本は世界でも有数の経済規模を誇っています。

アメリカ、中国と肩を並べる経済大国です。

しかし、今後も経済成長が続き、この地位を維持できるかというと、そうではないのです。

経済成長率を世界と比べたとき、日本の成長率は、188 カ国中、172 位です。

このまま人口が減り、少子高齢社会となって、働き手となる若者の数が減少していくと、

急成長し続けている新興国・発展途上国に GDPが追いつかれ、

ゆくゆくは追い越されてしまいます。

労働人口が減少していくこの国では、国内市場だけでの経済繁栄は望めないのです。

また、日本が国際社会から求められる責任が増え、

それに伴い対外的なコストが増加しています。

同盟国であるアメリカの軍縮に加え、中国の南シナ海における領海侵犯など、

私たちの生活の安全に直結する領域での安全保障に対する

取り組みの強化が求められています。

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むしろ安全保障の強化は世界への貢献のみならず、日本の軍需産業などの、

日本の技術力活かした成長産業を活発にし、経済活性化に大きくつながります。

現行の憲法 9 条は日本の国際的地位の向上や経済の繁栄を阻んでいるのです。

日本は、国内でも問題を抱えています。

中央集権のシステムによって、地方が本当に必要としている

自治のかたちを実現できていません。

地方には地方の求める自治の仕方があります。

にもかかわらず、中央政府と地方に上下関係があることにより、

その地方独自の行政や財政運営の妨げになっているのです。

地方の経済に元気が無ければ日本の経済の再興は絶対に成し遂げられません。

現在の地方自治のシステムは日本経済の足かせになっていると言えるのです。

ではなぜ、このように国内外で問題が山積し、日本の力が弱まっているのでしょうか。

その背景には何があったのでしょうか。

それは、日本という国が、戦後 70 年を経て新たな段階に入ったことを示していて、

言うなれば「日本の成長期の終焉」ともいえます。

かつて国民総出で経済繁栄に向かっていた時代のおかげで豊かな生活を送れていましたが、

それも頭打ちとなり、新たな成長モデルに踏み出す岐路に立っているのです。

情勢の変化は国内だけではありません。国際社会も大きく変化しています。

戦後から現在までの間に、多極化し、勢力図が変化した国際社会。

日本の安全保障はアメリカとの関係があってこそのものでしたが、

アメリカの軍縮が進み日本にもより積極的な協力が求められているのです。

では私たちはどうしたら日本を衰退から救えるでしょうか。

何度も何度も逆境から立ち上がってきたこの国が、再び力を失いつつあります。

私たちはどうしたら、日本をもう一度再興させることが出来るでしょうか。

そのためには日本の衰退を止め、経済繁栄していくために、

「成長への覚悟」をコンセプトとした憲法の改正が自ら外に出て、

国際社会のなかで信頼関係を築きに行く覚悟。

自分たちで選んだ政治家に意思決定を委ね、全員で進んでいく覚悟。

地方の力を信じ、自治を任せる覚悟。

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それは言い換えれば、なりふり構わない経済発展を一本の中心軸に据え、

国、企業、国民、中央、地方、総員総出で全力で推進、後押ししていくための覚悟。

日本はもっと経済活動の場を広げるために、国際社会に出て活動していくべきです。

経済繁栄を軸に据えて、国際貢献や日本企業がより海外市場に安心して進出できる

ように最大限の活動を保障するべきです。

そのために 9 条の改正が必要なのです。

そのほかにも、整えるべき土台はあります。

行政・司法・立法のバランスがとれた統治の仕組み。

もっと地方が自立し、各自治体が裁量を与えられ責任をもった行政を行える地方自治。

日本が一丸となって、覚悟を持って新しい成長段階へと踏み切った先に、

私達つばめ組の目指す日本の未来像「不屈の経済大国」があります。

日本国民は誰であっても明日食べるものに困らない。

将来への漠然とした不安に恐れることがない。

他国の侵略、日本と世界の情勢の変化、

あらゆる逆境に屈しない強靭な基盤をもった国家と経済体制がある国。

そして、私たちの子供や孫の世代までいつまでも日本が繁栄し続けると確信できる国。

これが、私達つばめ組が考える日本の未来像なのです。

その「不屈の経済大国」の実現のためには、

どうしても譲れないことが一つだけあります。

それは、憲法 9 条の改正です。

なぜなら、自衛隊の海外派遣を制限し

日本がより国際貢献していく為の障壁となっているからです。

私たちの考える 9 条改正案には、3 つのポイントがあります。

一つ目は、「日本が主導となる戦争は絶対に行わない」ということです。

これからも私達日本国民が豊かで安全な暮らしをしていくためには、

国民の生活が脅威にさらされないこと、平和であることが大前提です。

また、日本が多くの国とパートナーとして、

信頼関係を築いていくためにも侵略戦争は決してしてはならないのです。

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二つ目は、「自衛隊の存在と活動範囲を明記する」ことです。

これまで日本の国益を守ってきたにも関わらず、

その是非が曖昧であった自衛隊の存在をはっきりとさせます。

日本の経済繁栄のためにも、自衛隊が今まで制限されていた国外での活動を、

より積極的に行えるようにするべきなのです。

三つ目は、「日本が国際貢献する意義と取り組む姿勢」についてです。

日本が経済大国を目指し、世界での影響力を保っていく上で、

日本が国際社会に責任を果たして国際貢献していくことは、必要です。

それもこれまでのような、限定された国際貢献ではなく、時には危険な地域に出て、

他国と互いに協力しながら、良好な関係性を築いていくべきなのです。

今、日本国民のより良い生活のために、日本が「不屈の経済大国」となるためにも、

「成長への覚悟」を一本の軸とした憲法の改正が必要です。

今、私達が描く「不屈の経済大国」を目指すうえで、

障壁となっている現在の日本の仕組み、現憲法を考え直す時が来たのです。

この経済大国日本が、衰退していくのをただみているだけでいいのですか。

成長への覚悟をもって日本の経済の発展のために行動する時が来たのです。

現実を見据えて、不屈の経済大国を私達と目指して行こうではありませんか。

以上でつばめ組基調スピーチを終わります。ご清聴ありがとうございました。

つばめ組代表 鳥越克也


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