Transcript
Page 1: 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末1 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末 1 コンピュータの種類 コンピュータは性能や規模用途などによって以下のように分類されます。

1

第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末

1 コンピュータの種類

コンピュータは性能や規模用途などによって以下のように分類されます。

種 類 詳 細 主な用途

スーパーコンピュータ(スパコン) 科学技術計算などの高速処理用 気象予測,研究用

汎用コンピューター(メインフレーム) 事務処理,科学技術計算用 銀行などのオンラインシ

ステム

オフィスコンピュータ(オフコン) 事務処理専用 在庫管理,人事管理

ワークステーション

研究(エンジニアリング WS)や事務

処理(オフィス WS)などの専門的な

用途に使用される

ソフトウェア開発,デザ

イン

パーソ

ナルコ

ン ピ ュ

ータ

( 文 書

作 成 ,

表 計

算 , イ

ン タ ー

ネット)

デ ス ク ト

ップ型

( 据 え 置

き型)

タワー型 縦置き型の大きめのパソコン 処理速度,拡張性重視

省スペース型 比較的小型のパソコン(ブック型) 省スペース

一体型 ディスプレイ,ドライブ一体型 より省スペース

ノート型(可搬型)

液晶ディスプレイ,キーボード,ドラ

イブ,本体一体型で携帯を重視した

パソコン

携帯指向

タブレット型 携帯情報端末 ネ ッ ト ワ ー ク ア プ リ ,

Android,iPhone アプリ

ウェアラブルコンピューター 身につけるコンピューター ス マ ー ト ウ ォ ッ チ ,

Google Glass

Page 2: 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末1 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末 1 コンピュータの種類 コンピュータは性能や規模用途などによって以下のように分類されます。

2

2 コンピュータの構成

入力装置 出力装置

中央処理装置

制御装置

主記憶装置

演算論理装置

外部記憶装置(補助記憶装置)

データ

制御

3 入力装置

入力機器は,コンピュータにデータや命令(コマンド)を入力する装置です。ここでは,入力形態

別に分類し,その特徴を説明します。

3.1 文字,数字,記号の入力

・キーボード

キーボードのキーを押すことで,目的の文字や数字,記号などを入力。

特殊キーによって,文字を消したり,カーソルを移動させたり,コマンドを実行することもできま

す。

Page 3: 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末1 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末 1 コンピュータの種類 コンピュータは性能や規模用途などによって以下のように分類されます。

3

3.2 ポインティングデバイス(画面上の位置を入力)

・マウス

画面上のマウスポインタを,マウスを移動したときのボールの回転や光の反射率の変化で移動

させて,マウスボタンをクリックすることで,ポインタの位置を読み取る装置。

・トラックボール

マウスをひっくり返したような構造で,ボールを指で回転させてポインタを移動させる装置。ノート

パソコンに利用します。

・トラックパッド(スライドパッド,タッチパッド)

ボールの代わりに,平面状の板(パッド)の上で指を滑らすことで,ポインタを移動させ位置を読

み取る装置。静電容量の変化で移動を感知します。

・スティック式(トラックポイント,アキュポイント)

キーボードの中に,小さな突起(スティック)を取り付け,スティックを前後左右に動かすことで,ポ

インタを移動させ位置を読み取る装置。

Page 4: 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末1 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末 1 コンピュータの種類 コンピュータは性能や規模用途などによって以下のように分類されます。

4

・ディジタイザ,タブレット

平面上の位置をスタイラスペンによって入力する装置。CAD のような設計やイラストを描くため

に利用します。

・タッチパネル(タッチスクリーン)

ディスプレイの表面に透明で薄いセンサー(感知器)を取り付け,画面上のメニューやアイコンを

指で触れることで,情報を入力します。PDA や金融機関の ATM,駅の自動券売機,インフォメーシ

ョンボードなどに利用します。

3.3 画像(イメージ)の入力

・イメージスキャナ

プリントされた画像や絵,手書き文字などをディジタルデータに変換する装置。コピー機やファク

シミリの読み取り装置と原理は同じで,光を当ててその反射光をセンサーで読み取ります。

Page 5: 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末1 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末 1 コンピュータの種類 コンピュータは性能や規模用途などによって以下のように分類されます。

5

・ディジタルカメラ

風景や立体物などを,写真を撮る要領でディジタルデータに変換するカメラ。フィルムの代わりに

光を電気に変換する半導体(CCD,CMOS)を使用しています。

CMOS

・バーコードリーダ

スーパーやコンビニなどで商品に印刷されたバーコードを読み取り,価格や商品の種類などを

読み取る装置。レジの計算だけでなく,流通管理にも利用されます。

・OMR(Optical Mark Reader)

マークシートのあらかじめ決められた場所に,マークがされているかどうか,光を当てて読み取

る装置。試験の解答用紙や,くじなどに利用されます。

Page 6: 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末1 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末 1 コンピュータの種類 コンピュータは性能や規模用途などによって以下のように分類されます。

6

・OCR(Optical Character Reader)

手書き文字や印刷された文字を読み取り,文字データをコンピュータが処理できる文字コードに

変換する装置。郵便番号の読み取りなどに利用されます。

3.4 その他形態の入力

・音声入力装置

マイクを使って,音声でコマンドをコンピュータに送ったり,データを入力したりする装置。

Macintosh では,かなり以前から音声でパソコンを操作できました。最新の OS である Windows 10

では,日本語を入力するとき音声入力を利用できます。

・モーションキャプチャ

映画やゲームなどで,人間の自然な動きをコンピュータに入力し,CG 上で処理するための装置。

人間の主要な関節部分に,光を反射する鏡を取り付け,さまざまなアングルに取り付けたカメラで

その反射光を読み取り,3次元のディジタルデータに変換します。

http://www.vicon.com/

Vicon Peak

4 出力装置

出力装置は,パソコンに入力したり処理したりした情報を,人間が感知できる形態で取り出す装

置です。代表的な出力機器は,ディスプレイ(表示装置)とプリンタ(印刷装置)です。

Page 7: 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末1 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末 1 コンピュータの種類 コンピュータは性能や規模用途などによって以下のように分類されます。

7

ここでは,それぞれの装置をいくつかに分類し,その特徴を説明します。

4.1 ディスプレイ

・CRT ディスプレイ

ブラウン管を使用して,電子ビームによって発光させて表示する。普通のテレビジョンと同じ原理

コストが安く,色の再現性が液晶よりも高いです。画面が大きいと重量もかさみます。

・液晶ディスプレイ

液晶に電圧をかけると,結晶が規則正しく並んで,光の透過率が変化するのを利用して,透過

光で画像を表示します。

4.2 プリンタ

プリンタを印刷する単位で,1ページ分まとめて印刷する「ページプリンタ」と1~数行単位で印刷

する「シリアルプリンタ」に分類することができます。

それぞれのプリンタに対し,印刷方式で再分類して説明します。

(1)ページプリンタ

・レーザプリンタ

感光ドラムにレーザ光を当てて,1ページ分色が付く部分だけを帯電させ,そこにトナーと呼ばれ

る色の付いた粉末を付着させ,それを紙に写し取り熱などで定着させます。

印刷は高速,高品質で,大量印刷に向いています。しかし,消費電力比較的高いです。

(2)シリアルプリンタ

・インクジェットプリンタ

液体のインクを細いノズルから紙に吹き付けて,印刷します。装置のコストが安く,カラーもきれ

Page 8: 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末1 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末 1 コンピュータの種類 コンピュータは性能や規模用途などによって以下のように分類されます。

8

いに印刷できる機種が出ています。

・ドットインパクトプリンタ

インクリボンと呼ばれる,インクを染みこませたリボン状の布を細いピンで叩くことで,反対側の

紙にインクを付けて印刷します。コストは低いですが,騒音が高いです。現在はカーボン紙を使っ

た伝票印刷などで使われています。

・熱転写プリンタ

熱で溶けるインクを塗布したリボンやシートを,サーマルヘッドに押しつけて,紙に写し取ることで

印刷します。ワープロ専用機で主に使われていました。

5 補助記憶装置(外部記憶装置)

補助記憶装置は,装置の電源を切っても記録したデータを保持できます。データやプログラムを

保存する目的で使用されます。記録する原理で磁気を利用するもの,レーザ光の反射の変化を

利用するもの,レーザ光と磁気を利用するもの,半導体を利用するものなどに分類できます。

ここでは,記録する方法で分類し,その特徴と用途を説明します。

5.1 磁気ディスク装置

・ハードディスク装置

磁性体を塗布した円盤状の金属板を数枚重ねて,密封したもの。

記憶容量は数 100GB~数 1TB が主流です。

磁気ディスクは,トラックと呼ばれる同心円上にいくつかのセクタと呼ばれる区画を作り,セクタ

単位で磁気ヘッドによってデータの読み書きをします。使用する前に,セクタやトラックを作成する

ためにフォーマットする必要があります。

Page 9: 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末1 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末 1 コンピュータの種類 コンピュータは性能や規模用途などによって以下のように分類されます。

9

5.2 光ディスク装置

・CD-ROM 装置

CD-ROM を読むための装置。記憶容量は 650~700MB。

・CD-R 装置

CD-R にデータを読み書きするための装置。1度だけ書き込むことができ,データを書き込む空

きエリアがあれば,追加で書き込むことはできます(追記型ディスク)。記憶容量は CD-ROM と同

じです。

・CD-RW 装置

セクタ

トラック

磁気ヘッド

Page 10: 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末1 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末 1 コンピュータの種類 コンピュータは性能や規模用途などによって以下のように分類されます。

10

CD-RW にデータを読み書きするための装置。フォーマットすることで,有限回数であるが,何度

も書き換えすることができます。記憶容量は CD-ROM や CD-R と同じです。

・DVD-ROM 装置

DVD-ROM を読み込むための装置。大容量なため,パソコンの内蔵ドライブとして普及しつつあ

ります。記憶容量は片面1層から両面2層までで 4.7GB~17GB あります。

・DVD-R,DVD-RW 装置

DVD-R や DVD-RW にデータを読み書きするための装置。記憶容量が違うだけで,機能としては

それぞれ CD-R や CD-RW に準じます。

・DVD+R,DVD+RW 装置

DVD+R や DVD+RW にデータを読み書きするための装置。規格レベルで DVD-ROM に近い記録

方式のため,再生互換性が高い。

・DVD-RAM 装置

DVD-RAM にデータを読み書きするための装置。DVD-RW と違って,フロッピーディスクのように,

個々のデータを消したり保存したりすることができます。記憶容量は片面から両面で,2.6GB~

9.4GB です。

・Blu-ray ディスク装置

青紫色レーザを使用した高密度記録

5.3 半導体メモリ装置

電気を切っても記憶したデータが消えない半導体メモリを使った記憶装置。ノートパソコンや

PDA,ディジタルカメラに使われています。小型軽量,低消費電力で振動に強い特徴を持っていま

Page 11: 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末1 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末 1 コンピュータの種類 コンピュータは性能や規模用途などによって以下のように分類されます。

11

す。形状の違いから,フラッシュメモリ,コンパクトフラッシュメモリ,xD ピクチャーカード,スマートメ

ディア,SD メモリ,メモリースティックなどがあります。

記憶容量は,数 MB~数 GB 程度まであります。

5.4 最近の外部記憶装置

名 称 特 徴 記録方式 サイズ 容 量

ハードディスク(HD) ―――― 磁気

PC カード型

コンパクトフラッシュ型

1.8~3.5 インチ

~数 TB

ATA メモリカード ―――― メモリ ―――― ~1GB

スマートメディア ―――― メモリ ―――― ~128MB

xD ピクチャーカード

オリンパス,富士フイルム

の共同開発。スマートメデ

ィアよりも小さい

メモリ 20×25mm ~2GB

将来 8GB

メモリースティック 現在は著作権保護技術

(Magic Gate)に対応 メモリ 21.5mm×50mm ~128MB

メモリースティック DUO

メモリースティックの小型

版。携帯電話等の小型機

器用。アダプタでメモリー

スティック用スロットに挿

入できる

メモリ 20×31mm ~128MB

メモリースティック PRO 高密度積層構造で大容量 メモリ 21.5mm×50mm ~32GB

メモリースティック PRO

デュオ(-HG)

メモリースティック PRO の

小型版 メモリ 20×31mm

~32GB

HG は高速型

メモリースティックマイ

クロ(M2) (-HG)

メモリースティック PRO の

超小型版 メモリ 12.5×15mm ~8GB

Page 12: 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末1 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末 1 コンピュータの種類 コンピュータは性能や規模用途などによって以下のように分類されます。

12

SD(Secure Digital)メモ

リーカード ―――― メモリ 24×32mm ~2GB

SDHC(High Capacity)

メモリーカード ―――― メモリ ―――― ~32GB

mini SD メモリーカード

SD メモリーカードの小型

版。携帯電話等の小型機

器用。アダプタで SD メモリ

ーカード用スロットに挿入

できる

メモリ 21.5×20mm ~2GB

micro SD メモリーカー

SD メモリーカードの超小

型版。携帯電話等の小型

機器用。アダプタで SD メ

モリーカード用スロットに

挿入できる

メモリ 11×15mm ~2GB

SDXC メモリーカード SDHC カードの大容量高

速型 メモリ 24×32mm ~64GB

USB フラッシュメモリ

パソコンの USB ポートに

接続して利用する外部ス

トレージ

メモリ ―――― ~64GB

DVD-RW

パイオニアが提案

DVD フォーラムが策定し

た規格 DVD ビデオレコー

デ ィ ン グ フ ォ ー マ ッ ト

(DVD-VR)に対応

相変化 5インチ 4.7GB

DVD+RW

ソニーとフィリップスが提

DVD+RW アライアンス

が策定した規格 DVD+RW

ビデオレコーディングフォ

ーマット(DVD+VR)に対応

相変化 5インチ 4.7GB

Page 13: 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末1 第4回マルチメディアの中核をなすディジタル端末 1 コンピュータの種類 コンピュータは性能や規模用途などによって以下のように分類されます。

13

DVD+R DVD+RW から派生した1

回だけ記録できる方式 相変化 5インチ 4.7GB

Blu ray Disc 青紫色レーザを使用した

高密度記録 相変化 5インチ

1層 25GB

2層 50GB


Recommended