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Page 1: casestudy Kauli 最終校€¦ · Linuxの世界ではパケットの再送が起こると最低0.2秒の遅 延が発生すると言われており、これがKauliの大きな課題となっ

広告配信プラットフォーム「Kauli」を運営するKauli株式会社では、ネットワークの高速化、信頼性の向上を目指し、Arista社のギガビットイーサネットスイッチ「Arista 7150S」を導入しました。これにより、膨大なトラフィックを高速、確実に処理し、突発的なアクセス急増にも十分対応できるネットワークを実現しました。

ネットワーク構築ネットワーク構築

5Case Study業種:通信業

リアルタイムな処理が求められる広告配信プラットフォームに「Arista 7150S」を導入し、高速で信頼性の高いネットワークを実現

導入前の課題

トラフィック急増によるパケットロスでサービス品質の低下を懸念 昨今のWebサイトでは、サイトの閲覧者にあわせて最適な広告を表示させる仕組みを取り入れています。この仕組みはアドネットワークと呼ばれています。Kauli株式会社の提供する広告配信プラットフォーム「Kauli」は、複数のアドネットワークと連携し、最適な広告をWebサイトに表示するための仕組みです。すなわち、大量に登録された広告の中から、閲覧者にクリックしてもらいやすい広告をリアルタイムで選び、表示させる役割を果たしています。「速ければ速いほど良いという世界です。広告の表示が遅いとサイト閲覧者がストレスを感じてしまいます。金融系のインフラに近い、速さと信頼性が求められます。外部との通信だけでなく、内部でのトラフィックも膨大ですので、それを処理できるインフラが必要です」(大川氏)

業績、サービスの拡大にともない、処理すべきトラフィックは年々増加しており、2年前と比較して、広告の配信数は約7倍に、トラフィックは約20倍まで増加しています。大川氏は年々増加するトラフィックに対処するために、ネットワーク機器のチューニングなど、対応を続けてきました。「昨年のデータセンター移設にともないL3スイッチを更新したのですが、しばらく経つとピークタイムにバッファオーバーフローによるパケットロスが出るようになってきました。パケットのロス、再送は大きな遅延に繋がります。サービス品質という面で無視できないということで、ベンダーに対応を求めたのですが、明確な回答が得られませんでした。そこで、L3スイッチを交換するしかないということで、IIJグローバルソリューションズに相談しました」(大川氏)Linuxの世界ではパケットの再送が起こると最低0.2秒の遅延が発生すると言われており、これがKauliの大きな課題となっていました。

kauli株式会社

kauli株式会社開発部 インフラグループ リーダープラットフォームエンジニア大川 和仁 氏

株式会社IIJグローバルソリューションズビジネス開発本部ソリューション部高柳 勇佑 氏

N e t w o r k S o l u t i o n

所在地:東京都渋谷区渋谷1-11-8 渋谷パークプラザ 5階

設立:2009年代表:高田 勝裕URL: https://kau.li/jp

■ トラフィックの急増によるネットワークの遅延■ スパニングツリー方式のネットワーク構成の変更

■ 高速で信頼性の高いイーサネットスイッチ「Arista 7150S」■ LinuxのカーネルベースのOSを搭載し、使いやすさも抜群

■ 高速なネットワークの実現による、サービス品質の向上■ 突発的なアクセス急増にも対応できる、高信頼なインフラの実現

東京エレクトロンデバイスのソリューションの利点

導入後の効果

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高速性能と信頼性、使いやすさから新たなスイッチに「Arista 7150S」を採用膨大なパケットロスがなく処理することのできる高速性能と信頼性を要件に、数社のL3スイッチを比較し、検討を行っていたところ、IIJグローバルソリューションズが提案したのが、東京エレクトロンデバイスの取り扱う、ボックス型10ギガビットイーサネットスイッチ「Arista 7150S」でした。「Aristaは、速さと高信頼性に加えて、LinuxのカーネルベースのOSを搭載しているため、導入後のチューニングや運用もしやすいということでご提案しました」(高柳氏)提案を受け、検証を行ったところ、Arista 7150Sは高速性能と信頼性という要件を十分に満たしていることに加え、使いやすさも抜群であることが分かりました。「検証機をお借りして実際に触ってみたところ、大変使いやすいと感じました。Linuxで標準のシェルとして採用されているbashを起動できるので、違和感なく使うことができます。また、費用面でも他社の見積もりと比較してもコストパフォーマンスは抜群でした」(大川氏)加えて、今回のスイッチ更新では、従来のスパニング

ツリー方式のネットワーク構成を改めたいという要望がありました。AristaはMLAG(Multi- chassis Link Aggregation)に対応し、スイッチを跨いだリンクアグリケーションを行うことで負荷の分散と可用性の向上を同時に実現することができるということも、Aristaを採用した理由の1つとなりました。検討にあたっては、大川氏も東京エレクトロンデバイ

スを訪れ、Aristaの製品担当者から詳しく話を聞きました。また、Aristaが配布している「vEOS」を活用して、検証作業をスムーズに行うことができました。vEOSは、仮想ホストで動くイメージで、構成をハイパーバイザーの上で仮想的に作成することで動作の確認ができます。

高速で信頼性の高いネットワークを実現今後はLAN側の高速化にも取り組む今回、Arista 7150Sを2台、アクティブ/スタンバイで導入することに決定し、実際の設置作業も順調に進みました。構築・導入フェーズでは、IIJグローバルソリューションズが技術的な支援を行っています。Arista 7150Sを導入したことで、従来の課題であったバッファオーバーフローを解消し、膨大なトラフィックを処理することのできるネットワークを実現しました。「従来のスイッチと比較して、速度は段違いです。監視のツールに、バッファの状態をリアルタイムで確認できるAr istaのLatency Analyzerを利用しているのですが、まったくアラートが発生しません。その分だけ確実に速くなっていると言えます。導入後、突発的にアクセスが急増するということもあったのですが、全く遅延は発生しませんでした。Aristaを導入して本当に良かったと感じています」(大川氏)今回のネットワーク更新では、AristaのMLAGを活用

し、また、LAN用のディストリビューションスイッチとのルーティングには、OSPF(Open Shortest Path First)というプロトコルとオープンソースのソフトウェアルーターを利用し、低コストで膨大なトラフィックを処理

kauli株式会社 様 Case Study 5業種:情報・通信業

ネットワーク構築ネットワーク構築

サイトの閲覧者ごとに最適なアドネットワークと広告を自動で選択して配信する、RTB(リアルタイ

ム入札)広告配信プラットフォーム「Kauli」を運営。2014年には、従来のアドネットワークをさら

に高機能化した「ダイレクトリーチ」の提供も開始しました。一方で、国内の主要インターネット広

告事業者に対して超低遅延で高機能なRTBインフラのOEM提供も行っています。独自に開発し

た配信ロジックにより、広告収益の最大化と効率よい広告配信を提供しています。

クラウド、ネットワークおよびICTソリューションの提供を通じて、お客様の基幹業務を支援。中国

の上海をはじめとして、香港、タイのバンコク、シンガポールにも現地法人を立ち上げました。今

後は、中南米や北アフリカなども有望な市場として視野に入れています。お客様から信頼される

パートナーとして、 ビジネスに新しい価値を生み出す創造的なソリューションをグローバルに提

供していきます。

Kauli株式会社 様広告収益の最大化を支援するプラットフォーム

株式会社IIJグローバルソリューションズ 様ICTのグローバルなパートナーを目指して

N e t w o r k S o l u t i o n

CS-AR-1502

※会社名及び商品名は、それぞれ会社の商標あるいは登録商標です。

新宿 : 〒163-1034 東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー S34階Tel.03-5908-1990 Fax.03-5908-1992大阪 : 〒540-6033 大阪府大阪市中央区城見1-2-27 クリスタルタワー33階Tel.06-4792-1908 Fax.06-6945-8581名古屋 : 〒451-0045 愛知県名古屋市西区名駅2-27-8 名古屋プライムセントラルタワー8階Tel.052-562-0826 Fax.052-561-5382豊田 : 〒471-0027 愛知県豊田市喜多町1-140 GAZAビル4階Tel. 0565-30-1010 Fax.0565-30-1030つくば : 〒305-0033 茨城県つくば市東新井15-4 関友つくばビル7階Tel.029-848-6030 Fax.029-848-6035お問い合わせは、Webサイトの下記フォームよりお願いします。https://cn.teldevice.co.jp/product/arista/form_ssl.html

CN事業統括本部http://cn.teldevice.co.jp/

Kauli様のネットワーク構成イメージ

するという新しい試みを行っています。「Kauli様の新しい取り組みにも東京エレクトロンデバイスは積極的にアドバイスなどの支援を行ってくれました」(高柳氏)最後に大川氏に今後の展望をお聞きしました。「今回、ネットワークの出入り口にAristaを配置しましたが、今後はLAN側のディストリビューションスイッチについても更新を考えていかなくてはなりません。そちらにもAristaを配置できれば、さらに高速で安定したネットワークインフラができあがると思います。トラフィックは爆発的に増加していきますので、ネットワークをしっかり構築することが重要です」(大川氏)

DB、KVSなど アプリケーションサーバー群

インバウンド(L2)

LVS-DR

DMZ

ARISTA 7150S(コア アクティブ)

MLAG

ARISTA 7150S(コア スタンバイ)

VyOS

nginx

デフォルト・ゲートウェイ(L3) OSPF ECMPでソフトルーターの負荷分散と

冗長性を確保

アウトバウンド(L2)

インターネット


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