受容体の活性化
ligand の結合
シグナル伝達因子の活性化
核内にシグナルが伝達
特別な遺伝子の発現
特異的なシグナル伝達因子の活性化
リン酸化酵素が特異的なタンパク質をリン酸化する。
G-タンパク質がGDPを遊離し、GTPを結合。
特異的なタンパク質どうしが結合
細胞の増殖
活性化★
核
細胞膜
ligandreceptor
リン酸化活性化
活性化
活性化
受容体に結合
細胞内シグナル伝達因子
核に移行
特異的な遺伝子の発現
細胞膜
細胞内シグナル伝達
signaling cascade因子が活性化し、それが次の因子を次々に活性化すること
細胞の分子生物学第15章 Fig.15-16
活性化
細胞が応答 増殖開始、または分化誘導
シグナルが増幅する
どの遺伝子の組み合わせが発現するかで細胞がどのように応答するか(増殖するか、どのように分化するか)が決まる。
不活性化
ATP
リン酸化反応のカスケード
Molecular Switch 分子スイッチ
P
脱リン酸化
活性型不活性型
GDP
GTPGDP
GTP
PiGTP加水分解
活性型不活性型
チロシン残基のリン酸化セリン・スレオニン残基のリン酸化
GTP 結合型
small G proteins Ras
MAP Kinase
細胞の分子生物学15章 Fig.15-17
分子細胞生物学20章 Fig.20-5
Src KinaseATP
リン酸化
GDP 結合型
リン酸化型
GAP
GEF
GTPase activating protein
Guanine nucleotide exchange factor
Kinase (リン酸化酵素)
リン酸化
ligandreceptor
受容体に結合
細胞膜
活性化
不活性化
ATP
Tyr残基がリン酸化したタンパク質に結合活性化
反応★
酵素と結合していて、酵素を伴って結合
ligandreceptor
受容体に結合
活性化ATP ★
リン酸化したタンパク質に結合
反応
SH2 ドメイン
SH3 ドメインproline の多い部分に常に結合
Pro
SH3
SH2
SH2
特異的なタンパク質の結合
SH3
Pro
タンパク質の特異的結合細胞内シグナル伝達タンパク質は特異的な複合体を形成
Src homology 2 domain SH2 domainリン酸化チロシンに結合
Src homology 3 domain SH3 domainプロリンが多くつらなった部分に結合(proline-rich domain)
Src kinase
SH3
SH2kinase domain
Phospho-Tyrosine
SH2 domain
細胞の分子生物学15章 Fig.15-20, 15-53
分子細胞生物学20章 Fig.20-26, 27
SH3 SH2kinase domainSH1
Rouse Sarcoma virus のがん遺伝子
Pro
SH3
トリ肉腫ウイルス
Rous Sarcoma virus の原
因遺伝子v-src として発見
正常な細胞も、v-src ほとん
ど同じ遺伝子を持つ。 c-src
SH2リン酸化Tyr
Proが多い部分
リン酸化チロシン
リン酸化チロシン残基に結合
receptor
リン酸化酵素
SH3はProが多いところに結合
Ligand
P P
2量体化 互いの部位を自己リン酸化チロシンリン酸化酵素部位
autophosphorylation
Growth Factor が受容体に結合すると細胞内では何が起こり、細胞は増殖を始めるのか?
細胞が増殖
核内にシグナルが伝達し、特定の遺伝子の発現が起こる
細胞膜での反応がどの様にして核のなかにとどくか?
Growth Factorreceptor tyrosine kinase (RTK) 細胞膜
特に、増殖因子受容体はチロシンリン酸化酵素として作用する。
DNA合成酵素などが作られるDNA合成、細胞分裂
human bladder cancer膀胱ガン
DNAを抽出
DNAを抽出
再び3T3細胞に導入
腫瘍状の細胞のかたまりが形成
正常細胞は平面状にしか成育しない
再び腫瘍状の細胞のかたまりが形成
DNAを抽出
phage vector に cloning
human DNA には約300baseの特徴的な繰り返し配列(Alu sequence)がある。Alu sequence を含む断片がhuman由来のDNA断片
mouse 3T3 cells
がん遺伝子は、変異型 ras 遺伝子
活性型Rasは細胞を増殖させる
Gly12->Val
Alu配列をもつDNA
human 由来
Ras functions downstream of Receptor Tyrosine Kinase (PDGF receptor).
signal
細胞増殖 シグナル伝達を阻害
抗Ras抗体を細胞にミクロインジェクション
Ras
増殖を阻害
Ras
活性型変異のRasをミクロインジェクション
活性型RasRasに対する抗体
signal
PDGF を加えなくても細胞増殖
PDGF
PDGF
PDGF が受容体に結合すると、細胞内で不活性型Rasが活性型Rasに変換する。 => これにより、細胞が増殖する。活性型変異(GTPを分解しない)Rasは細胞をがん化させる。
receptor
分子細胞生物学20章 20.4
Ras は 受容体チロシンキナーゼの下流で働いている。
microinjection
GDP
GTP
GDP
GTP
GEFGAP
Pi
活性型 Ras
不活性型 Ras
Guanine Nucleotide-Exchange Factor
GTPase
activating
protein
Ras の活性化には、専用の酵素 GEF が必要細胞の分子生物学15章 Fig.15-54
分子細胞生物学20章 Fig.20-22
PDGF が受容体に結合すると、 => 細胞内で GEF が不活性型Rasに作用する様になり、 => 活性型Rasに変換する。 => これにより、細胞が増殖する。
GTPの加水分解
受容体の活性化
細胞の増殖
Ras専用のGEF
(SOS)
P P
2量体化 互いの部位を自己リン酸化チロシンリン酸化酵素部位
Growth Factor が受容体に結合する
細胞が増殖
核内にシグナルが伝達し、特定の遺伝子の発現が起こる
細胞膜での反応がどの様にして核の中にとどくか?
Growth Factor
receptor tyrosine kinase (RTK)
細胞膜
増殖因子受容体はチロシンリン酸化酵素として作用する。
DNA合成酵素などが作られるDNA合成、細胞分裂
RasGDP
RasGTP
活性型
核
複眼約800の目の集まり。 それぞれを ommatidia
単眼 (ommatidium)
それぞれの ommatidium は、 22個の細胞からできている。
22個の細胞の 8個が、 photo-sensitive neuron =
retinulaR cells, R1, R2, - - - , R8
R7 cell 紫外線を検出する神経
Drosophila melanogaster ショウジョウバエの複眼の変異
分子細胞生物学 Fig.20-24遺伝学的解析増殖因子 受容体
リン酸化
アダプター分子の結合
Rasの活性化
リン酸化酵素の活性化
転写因子の活性化
遺伝子発現
細胞増殖
細胞膜
核
Gタンパク質
細胞質
retinula R cells, R1, R2, - - - , R8
R7 cell 紫外線を検出する神経
分子細胞生物学 Fig.20-24
2525
34 2534
16
R8 cell
2534
16ハエの遺伝子に変異を導入し紫外線が見えない変異型のハエを単離 ⇒ R7 細胞が欠損
R7 細胞の欠損sevenless 変異
R2, R5 が生成
次にR3, R4
が生成
R1, R6が生成 最後に R7 細胞が生成
正常なショウジョウバエでの視神経の形成
ひとつ目のphoto-sensitive
neuron
retinula 単眼 ommatidium
紫外線に反応しないハエ ーーーー> R7 細胞が欠損
⇒ 遺伝子をクローン化 ⇒ どのタンパク質の遺伝子の欠損か?
8
2534
167
8
8
Drosophila melanogaster
複眼
ひとつ目のphoto-sensitive neuron
retinula
ショウジョウバエ
野生型の複眼のphotoreceptor sevenless 変異の複眼のphotoreceptorR7細胞が形成されていない
R7 細胞の欠損
Sevenless 変異 紫外線に反応しないハエの変異遺伝子のクローニング => sevenless遺伝子産物のアミノ酸配列を推定 Receptor Tyrosine Kinase (膜貫通型タンパク質・受容体 細胞質がわにタンパク質のチロシン残基をリン酸化するドメインを有する)
R7 細胞表面に発現動物の増殖因子受容体に類似した構造
チロシンリン酸化部位
リガンド結合部位
R7 前駆細胞
sevenless タンパク質 (Sev)他の 紫外線に非感受性変異
bride of sevenless (boss)Boss タンパク質は R8 細胞表面に発現Sevenless (Sev) のリガンドとして作用R7 前駆細胞上の Sev に結合するとR7 細胞内にシグナルを送り、成熟R7細胞ができる。
R8 細胞
Boss タンパク質
p
分子細胞生物学20章 Fig.20-24, 25
紫外線に反応しないハエは、R7細胞の形成に異常がある。
p
成熟R7細胞(光感受性神経細胞 retinula )
その他の変異から同定された、Boss-Sev のシグナル伝達経路のタンパク質
Drosophila Ras 哺乳類のRas とアミノ酸配列が約80%同一
Guaninenucleotide exchange factor
son of sevenless (SOS) 哺乳類の SOS と 約45%同一
SH2 ドメインをもつ、アダプタータンパク質downstream of receptor kinase (Drk)
Sem-5 like protein (C. elegance 線虫)
哺乳類 Grb2 タンパク質と約64%同一
GTPase activating protein (GAP) の変異 Ras が常に活性化Sev 変異でも、 R7 細胞ができる。(紫外線に応答する)
R8 cell
BOSS
Grb2 (Drk)
SOSSH2SH3
Pro
SOS
sevenless
リン酸化
BOSS
Grb2 のSH2ドメインがリン酸化した受容体に結合Grb2 のSH3ドメインに結合していたSOSが細胞膜内側に引き寄せられる。(SOSにはGEF作用がある)SOSが細胞膜に結合した不活性型RasをGTP結合型Rasに変換 活性化
受容体
細胞質中のGrb2-SOS複合体
R7 前駆細胞
R7 細胞が生成する
SOSはRasに対してGTPを解離しGTP
を結合させる作用がある。(GEF活性)
不活性型Ras 活性型Ras
adaptor proteins
他のタンパク質と特異的に結合するドメインを持つ。SH2, PTB, SH3
酵素活性を持たない。
外部からの刺激依存に、特異的なタンパク質と結合し、複合体を形成。
発がん遺伝子ともなりうる。 Crk chicken fibrosarcoma
Grb2
SH2 domain リン酸化Tyrに結合
SH3 domain Pro rich 領域に結合
PR Proline-rich Proを多く含む
P P
P P
2量体化互いの部位を自己リン酸化チロシンリン酸化酵素部位
P P
P P
adaptor protein
Grb2
Guanine nucleotide exchange protein
SOS
SH2SH3
SOS
GDP GTP
SOS 受容体に結合することにより、Ras が存在する膜近傍に移動
膜の内側にある不活性型 Ras 活性型 Ras
Ras を活性化GDPを解離させGTPを結合させる
Ras の活性化
細胞の分子生物学15章 Fig.15-55
分子細胞生物学20章 Fig.20-23
SH2 ドメイン
Grb2
SH3 ドメイン細胞質のGrb2-SOS複合体
Growth Factor によるシグナル伝達でしばしば見られる
receptor tyrosine kinase
EGF, PDGF, insulin など
SOSが細胞膜の内側に引き寄せられる
GTP
活性型 Ras
不活性型 Raf
膜結合型(活性型)Raf (MAPKKをリン酸化する)
P
P
活性型
MAP kinase kinase (MAPKK),(MEK) MAPKをリン酸化
不活性型 MAP kinase kinase
不活性型 MAP kinase
活性型 MAP kinase(MAPK)
MAP kinase 動物Mitogen-Activated Protein Kinase の活性化
細胞の分子生物学第4版 Fig.15-56
分子細胞生物学 第4版 20.5章
P PP
種々のタンパク質をリン酸化
他の kinase 細胞骨格タンパク質
転写因子Elk-1SRF
RNA合成酵素
Fos 遺伝子の発現immediate early genes
GDP
不活性型 Ras
Raf
Rafは膜上で活性型Rasと結合すると活性化する
RasはGTPを結合するとRaf
と結合できる様になる。
DNA合成を開始させる酵素の遺伝子を発現
リン酸化のカスケード
Cytokine
受容体が活性化すると、リン酸化反応がおこり、 細胞内でシグナル伝達因子が結合する
特異的複合体の形成
シグナルを伝達受容体複合体形成
シグナル伝達因子
P
SH2 ドメインSH3 ドメインPTB ドメイン
受容体が2量体を形成
自己リン酸化
P P
P
P遺伝子発現
JakによるSTATの活性化
P遺伝子発現
転写因子のリン酸化、活性化
Ras - MAP Kinase 経路 の活性化
核内へ移行
受容体
Cytokineシグナル伝達経路の活性化
細胞の増殖・分化
STAT
Jak-STAT 経路Ras - MAP Kinase 経路
受容体のニ量体化
Jak Jak kinase
P P
P Pkinaseドメイン
受容体Tyrosine kinase
growth factor (PDGF etc.)
(G-CSF, EPO, IL-3, IFN, etc.)
cytokine 受容体は それ自体、酵素として働かないが、細胞質側で、チロシンリン酸化酵素、Jak をいつも結合している。
Grb2 SOS Ras Raf MAPKK MAPK
STAT
Virus
感染
interferon を分泌
Interferon ( IFN ) タンパク質(サイトカイン)
interferon
他の細胞に作用し 抗Virusタンパク質を生成
Virusに耐性となる
細胞によりinterferonの種類が異なる。
interferon α
interferon β
interferon γ
Hepatitis B B型肝炎ウイルスHepatitis C C型肝炎ウイルス
papilloma virus, HIV (AIDS),
rhinovirus などにも有効
Jak-STATのシグナル伝達
Jak-STAT signaling pathway Jim Darnell
ISRE
遺伝子発現RNA合成酵素
General Transcription Factors
Interferon-Stimulated Response Element AGTTTCNNTTTCNC/T
Interferon α/β
(Type I Interferon)ウイルスに感染した細胞が放出するサイトカイン他の細胞に作用し、ウイルス抵抗性のタンパク質をつくらせる。
ISGF3
Interferon-stimulated
gene factor 3
(ISGF3)
1.Interferon により発現する遺伝子をクローン化2.その遺伝子の promoter 領域を解析。
cis-element (ISRE) を同定3.ISRE に結合する核タンパク質(転写因子)をカラムを用いて、生化学的に精製。 ISGF3
4.ISGF3 のアミノ酸配列を決める。5.アミノ酸配列をもとに、その遺伝子をクローン化。
ISGF3 STAT1, STAT2, IRF9 の複合体
Interferon 受容体
抗 virus 作用のタンパク質の遺伝子
(p48)
細胞の分子生物学15章 Fig.15-63
分子細胞生物学 Fig.10-68
細胞膜
De novo and salvage pathways for nucleotde synthesis
5-phosphoribosyl -1-pyrophosphate (PRPP)
IMP AMPGMP
Guanine HypoxantinePRPP PRPP
HGPRT
HGPRT : Hypoxanthine-guanine phosphoribosyl transferase
dATPdGTP XMP
HGPRT
Xanthine動物にはこの経路はない
⇄ ⇄ ⇄ ⇄ ⇄
aminopterinHAT medium
DNA
6-thioguanine は HGPRT で毒性の化合物となるHGPRT欠損細胞は 6-thioguanine耐性株として単離できる。HGPRT欠損細胞はHAT mediumでは飼育できない。
De novo pathways
Salvage
pathways
cis-element ISRE に gpt 遺伝子を結合IFN により、GPTが発現し、細胞が死ぬ
ISRE
gpt
GPT
毒
IFN
GPT: Guanine Phosphoribosyl Transferase6-thioguanine存在下、毒性を示す。
ISRE
gpt
GPTは発現せず
IFN
IFNを加えても生き残る細胞を単離。シグナルを伝達するタンパク質の遺伝子の変異が予想される。
シグナル伝達経路のタンパク質の変異株の単離 George Stark の実験Somatic Cell Genetics
6-thioguanine存在下細胞は生き残る
細胞を変異原物質で処理変異株を単離
変異した遺伝子を解析
どの遺伝子産物がシグナル伝達に関与しているかがわかる。
細菌のGPT遺伝子
6-thioguanine存在下
シグナル伝達因子
インターフェロン応答性動物細胞受容体
HGPRT - 株
P P
PP
細胞株 遺伝子U1 Tyk2U2 p48U3 STAT1U4 Jak1 IFN α/β signaling pathwayU5 ?U6 STAT2
γ1 Jak2 IFN γ signaling pathwayγ2 ?
George Stark の単離した細胞株
STAT2STAT1
p48
ISGF3
STAT1 STAT1
IFNγ 受容体IFNα/β 受容体
遺伝子発現 遺伝子発現
GASISRE
Jak1 Tyk2 kinaseJak1 Jak2 kinase
6-thioguanine 存在下 Interferon
を加えても生き残る細胞株
DNA
JAK family kinase: Jak1, Jak2, Jak3, Tyk2 受容体にIFNが結合すると活性化する。
STAT family: Signal Transducer and Activator of Transcription STAT1. STAT2, STAT3, STAT4, STAT5a, STAT5b, STAT6
Jakによりリン酸化するとニ量体化し、核内に移行しDNAに結合 ー> 遺伝子発現を誘導
IFN α/β signaling pathway IFN γ signaling pathway
Jak kinase によるSTAT のチロシン残基のリン酸化
受容体の2量体化
Jakの活性化
核への移行
遺伝子発現
どの遺伝子(の組み合わせ)が発現するかで、細胞がどのように変化して行くかが決まる。
細胞の分子生物学15章Fig.15-63
分子細胞生物学
Fig.10-68
Tyk2Jak2
Jak1Jak1
STAT1STAT2
P
Pリン酸化酵素の活性化
P遺伝子発現
転写因子のリン酸化、活性化
受容体のニ量体化Cytokine
シグナル伝達経路が常に活性化すると細胞はがん化する
細胞の増殖がん化
シグナル伝達因子の活性化
シグナル伝達因子が常に活性化しているとサイトカインの刺激なしに常に細胞が増殖し続ける。 ⇒ 細胞のがん化
Bcr-Abl リン酸化酵素 Abl が常に活性化しているPhiladelphia chromosome
abl gene is on Chromosome 9
bcr gene is on Chromosome 22
Ras (G12V) Gly12 が Val に置換。GTPを加水分解しにくい。常にGTP結合型(活性型)
分子細胞生物学24章 24.2
細胞の分子生物学23章proto-oncogene
cytokine 不在でもP