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Page 1: 極めて重要な経営戦略といえる。 い。BIツールを使えば、AとB … · 【図2】 BIツールの仕組み 企業内に散らばった さまざまなデータソース

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やチャートの作成が可能だ。経営陣向けには、経営コクピットや経営ダッシュボードと呼ばれる操縦席のような画面インターフェースで、メーター状のグラフや分布図として可視化できる。 BIツールの大きな導入メリットとしては、あらかじめ分析結果を予測してのデータ集計ではなく、集まったデータをいろいろな角度で分析することによって、今まで見えなかった傾向や問題点などの“気づき”が生まれることだ。 BIツールでは、ある集計結果をクリックすると、概要データから詳細データへと対象をドリルダウンして掘り下げて分析することができる。会社全体の売上をグラフに表示して、その中から部門別や製品別の売上明細を確認することが容易に行える。さらに製品別売上の明細データへドリルスルーすることも可能だ。次の章でそのBIツールの具体的な活用例をいくつか紹介したい。

BIは的確な意思決定を支援し売上アップに大きく貢献する

 最もわかりやすい活用例は、販売・財務・給与・顧客管理・生産管理などの

異なるシステムのデータをひとつに統合して分析できることだ。 例えば、『SMILE』シリーズの販売管理システムでは担当者別売上ランキング表を作成できるが、BIツールを導入すると、そのデータに『SMILE』シリーズの人事給与の情報と紐付けられる。担当者別売上ランキング表の項目に、各担当者の給与や出勤日数の同時表示が可能になり、経営者はAという社員は出勤日数や残業時間が少ないのに高い売上を上げているというポイントが一目でわかる。結果、その社員のノウハウを社内で共有するなどの戦略が立てられるといった仕組みだ。 とある企業では、商品Aは売れているが、商品Bはその3分の1しか売れていないので、商品Aの製造に注力し、商品Bは製造中止にしようと判断した。ところが、商品Bの製造を取りやめたら、途端に商品Aが売れなくなってしまったという。なぜかというと、商品Aは商品Bと一緒に購入する比率が高かったので、商品Bが店頭にないことで売上が減ってしまったのだ。 こうした複数の商品が絡んだ分析は、通常の基幹業務システムでは難しい。BIツールを使えば、AとBのセット

商品の売上分析も簡単に行えるので、上記のような誤った経営判断をせずに済み、販売機会ロスを防げる。逆に商品Bの生産を増やすことで、商品Aの売上をアップするという思い切った意思決定を下せるようになるのだ。 実際、多種類の商品を取り扱っている食品小売業やドラッグストアなどでは、毎朝、あるいは半日単位・数時間単位で売れ筋商品や人気セット商品を把握し、それに応じて商品の配置や品数を変更している。売れ筋商品は季節や天候、時間帯などによっても大きく変動するので、的確かつ詳細な分析ができるBIツールが、売上アップを図るうえで重要な役割を担っているのだ。逆にそうしなければライバル店との競争に勝てないのである。 また、多店舗経営をしている企業では、各店舗の立地条件によって売れ筋商品が異なるため、BIツールで各店舗の人気商品や在庫状況を日々刻々把握し、必要に応じて店舗間で商品を移動させて在庫調整を行っている。特にアパレルブランドの期間限定セールなどでの効果が顕著だろう。景気が低迷している今の時代は、販売機会を逃さないことや無駄な在庫を持たないことは極めて重要な経営戦略といえる。

使いやすくて手軽に導入できる中小企業に最適な『Dr.Sum EA』

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【図2】 BIツールの仕組み

企業内に散らばったさまざまなデータソース データウェアハウス

(DWH)

経営者層

Webブラウザでダッシュボード表示

データベース化されていない情報

各項目の関連性を分析・整理

販売管理システム

会計システム

Oracle SQLServer

DB2 ・・・

データ統合(ETL)

管理・設定

問い合わせ・分析

営業社員

Webブラウザで簡単操作のレポーティングExcelインターフェースで自由自在の集計レポーティング

システム管理者

Excelによる管理レポートの展開

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