HP Integrity VMへのHP SIM 5.xのインストールおよび設定
目次
はじめに...........................................................................................................................................................2
要件 .................................................................................................................................................................2 ソフトウェア...............................................................................................................................................2 ハードウェア...............................................................................................................................................2
HPVMのインストールと設定 ..............................................................................................................................2 インストール...............................................................................................................................................2 設定............................................................................................................................................................3
仮想マシンのストレージ領域の作成.........................................................................................................3 仮想スイッチの作成................................................................................................................................4 ゲストの作成 .........................................................................................................................................4 USB DVDプレーヤの追加 .....................................................................................................................5 ゲストの起動 .........................................................................................................................................5 ゲストへのオペレーティング システムのインストール .............................................................................6
ゲスト用ソフトウェア デポのインストール ........................................................................................................7 HP SIMでのHPVMの管理 .........................................................................................................................8 HP SIMおよびVSEのインストール ............................................................................................................8
詳細情報.........................................................................................................................................................10
図
図1 [Create New Logical Volume]メニュー ..........................................................................................................3 図2 [Define New Logical Volumes]メニュー..........................................................................................................3 図3 VSE Management Virtualization Manager ......................................................................................................9
はじめに
このWhite Paperでは、HP Systems Insight Manager用のHP Integrity Virtual MachinesをIntegrityマシンにイン
ストールして設定する手順について説明します。Integrity VMのインストールは、HPUX 11.23以上のオペ
レーティング環境で実行できます。仮想マシン環境は、次のコンポーネントで構成されます。
• VMホスト
• 仮想マシン(ゲストとも呼ばれます)
VMホストは、CPU、メモリ、およびすべての入出力デバイスを仮想化して、リソースの割り当てを可能に
します。仮想マシンは、実際の物理マシンを抽象化したものです。仮想マシンは、全てを搭載した運用シ
ステムであり、オペレーティング システム、管理ユーティリティ、アプリケーション、およびネットワー
クを備え、仮想環境で動作します。
HP SIMは、HP Integrity Virtual Machinesの管理や、仮想マシンとVMホストの関連付けに役立ちます。
注記:オペレーティング システムをインストールする前に、HP Integrityマシンで、USB DVDプレーヤが
USB01に接続されていることを確認してください。これにより、ドライバが正しくインストールされ、USB DVDプレーヤが識別されます。
要件
このWhite Paperでは、ユーザがHP-UX 11.23以上のオペレーティング環境に関する知識を持ち、デポ ファ
イルからソフトウェアをインストールできることを前提としています。
ソフトウェア
• HP-UX 11.23 v2 May 2005以上のオペレーティング環境
• Integrity Virtual Machines(integrity_vm.depot)
• HP SIM 5.1以上
ハードウェア
• Integrityサーバ
• 2GB以上のメモリ
HPVMのインストールと設定
インストール
Integrity VMソフトウェアをデポ ディレクトリにインストールしてから、次のコマンドでインストールします。
# swinstall -x autoreboot=true -s /path-to-depot-file B7697BA T2801AA
Intergrity VMが正常にインストールされたことを確認するには、次のコマンドを入力します。
# hpvminfo
hpvminfo: Running on an HPVM host.
設定 仮想マシンのストレージ領域の作成 ゲストを作成する際、ゲストが使用する仮想ストレージ デバイスを指定します。ベスト プラクティスとし
て、ゲストが使用するストレージ デバイスを最初に割り当てることをおすすめします。以下の例では、SAMを使用して、単一のゲストに使用される論理ボリュームを割り当てます。
SAMを起動します。
# SAM
[Disk and File Systems]、 [Logical Volumes]、 [Action]、[Create]の順に選択して、図1のような
[Create New Logical Volume]メニューを表示します。
図1 [Create New Logical Volume]メニュー
Tabキーを押して[Select Volume Group]に移動し、ボリューム グループ名を指定します。LVが2つある場
合は、vg00またはvg01です。次に、[Define New Logical Volume]を選択します。図2のような[Define New Logical Volumes]メニューが表示されます。
図2 [Define New Logical Volumes]メニュー
[LV Name]を指定します(vdisk1など)。次に、[LV Size]を選択します。オペレーティング システムと
いくつかのアプリケーションを保存するために十分な容量を選択してください。図2では、[LV Size]は17GBです。次に、[Mount Directory]を選択し(/vdisk1など)、[Add]をクリックします。LVを追加したら、
[OK]を選択して、SAMを終了します。
仮想スイッチの作成 ゲストのネットワーク アクセスを提供するために、ゲスト用の仮想ネットワーク スイッチ(vswitch)を作
成する必要があります。 仮想スイッチを作成するには、hpvmnetコマンドを使用します。次のコマンドは、仮想スイッチを作成する
ために使用される基本コマンドです。
# hpvmnet –c –S <スイッチ名> –n 1
• -cは、vswitchの作成を示します。
• -S <スイッチ名>は、仮想スイッチの名前を指定します。
• -n 1は、新しいvswitchを物理ネットワーク デバイスlan 1と関連付けます。
たとえば、vswAとvswBという2つのvswitchを作成するには、次のコマンドを入力します。
# hpvmnet –c S vswA –n1
# hpvmnet –c –S vswB –n2
スイッチが作成されたことを確認するには、次のコマンドを入力します。
# hpvmnet
vswitchを起動するには、次のコマンドを入力します。
# hpvmnet –S switchname –b
# hpvmnet –S switchname –b
vswitchが起動しているかどうかを確認します。
# hpvmnet
Name Number State Mode PPA MAC Address IP Address ======== ====== ======= ========= ====== ============== ============== Localnet 1 Up Shared N/A N/A
vswA 2 Up Shared lan1 0x0016353c0daf vswB 3 Up Shared lan2 0x0016353c0dba # vswitchを削除するには、まず、vswitchを停止し、hpvmnetコマンドを–dオプション付きで入力します。例:
# hpvmnet –S vswA –h
hpvmnet: Halt the vswitch ‘vswA’ ? [n]: y
# hpvmnet –S vswA –d
hpvmnet: Remove the vswitch ‘vswA’ ? [n]: y 注記:ゲストを停止せずにvswitchを削除しようとすると、「hpvmnet: The vswitch is currently active. hpvmnet: Unable to continue.」というメッセージが表示されます。
ゲストの作成 ゲストを作成するには、hpvmcreateコマンドを使用して、仮想デバイスのゲスト特性オプション(ネット
ワーク、ストレージ、DVDなど)を指定します。
次の例で作成するゲストは、1基のCPUと1GBのRAMで、vswAを使用してネットワークにアクセスし、
rvdisk1という名前のRaw論理ボリュームにアクセスします。
# hpvmcreate –P vm01 –c1 –r1G –a network:lan::vswitch:vswA –a disk:scsi::lv:/dev/vg01/rvdisk1
• -Pは、ゲスト名を示します。
• -cは、仮想CPUの数です。
• -rは、仮想メモリの容量です。
• -aは、次のデバイスを使用するためのリソースの追加を示します。
– ネットワーク
– ディスク
– DVD
注記:仮想CPUおよびメモリのデフォルト数は1です。ゲストの作成を確認するには、次のコマンドを入力し
ます。 # hpvmstatus [Virtual Machines] Virtual Machine Name VM # OS Type State # vCPUs # Devs # Nets Memory ==================== ===== ======= ======== ======= ====== ===== ========== vm01 1 HPUX Off 1 1 1 1 GB
USB DVDプレーヤの追加 USB DVDプレーヤを追加するには、DVDプレーヤがBL20Pドングル上のUSB01ポートに接続されていることを
確認します。ioscanコマンドを使用してDVDプレーヤを検出してください。
# ioscan -funC disk
Class I H/W Path Driver S/W State H/W Type Description
=====================================================================
disk 1 0/1/1/0.0.0 sdisk CLAIMED DEVICE TEAC USB DVDROM
/dev/dsk/c0t0d0 /dev/rdsk/c0t0d0
DVDプレーヤへのパスは、/dev/rdsk/c0t0d0です。hpvmmodifyコマンドを使用して、ゲストに変更を加え
るかデバイスを追加します。
DVDプレーヤをvm01に追加するには、次のコマンドを入力します。
# hpvmmodify –P vm01 –a dvd:scsi::disk:/dev/rdsk/c0t0d0
デバイス数が2に増えたことを確認します。
# hpvmstatus [Virtual Machines] Virtual Machine Name VM # OS Type State # vCPUs # Devs # Nets Memory ==================== ===== ======= ======== ======= ====== ===== ====== vm01 1 HPUX On 1 2 1 1 GB
ゲストの起動 ゲストを起動するには、hpvmstartコマンドを使用します。
#hpvmstart –P vm01
Opening minor device and creating guest machine container
Creation of VM, minor device 1
Allocating guest memory:1024MB
allocating low RAM (0-40000000, 1024MB)
/opt/hpvm/lbin/hpvmapp (/var/opt/hpvm/uuids/5f35dd00-105a-11db-96a4- 0016353c0dba
/vmm_config.current): Allocated 1073741824 bytes at 0x6000000100000000
allocating firmware RAM (ffaa0000-ffab5000, 84KB)
/opt/hpvm/lbin/hpvmapp (/var/opt/hpvm/uuids/5f35dd00-105a-11db-96a4- 0016353c0dba
/vmm_config.current): Allocated 86016 bytes at 0x6000000140000000
Loading boot image
Image initial IP=102000 GP=5E4000
Initialize guest memory mapping tables
Initializing System Event Log
Initializing Forward Progress Log
Starting event polling thread
Starting thread initialization
Daemonizing....
hpvmstart: Successful start initiation of guest 'vm01' ゲストが起動状態になっていることを確認するには、次のコマンドを実行します。
# hpvmstatus [Virtual Machines] Virtual Machine Name VM # OS Type State # vCPUs # Devs # Nets Memory ==================== ===== ======= ======== ======= ====== ===== ========== vm01 1 HPUX On 1 2 1 2 GB
仮想コンソールにアクセスするには、hpvmconsoleコマンドを使用します。
# hpvmconsole -P vm01
vMP MAIN MENU
CO: Console CM: Command Menu CL: Console Log SL: Show Event Logs VM: Virtual Machine Menu HE: Main Help Menu X: Exit Connection
[vm01] vMP> CO
注記:仮想コンソールは、「MP」(管理プロセッサ)の前に小文字の「v」が付きます。
ゲストへのオペレーティング システムのインストール HP-UX OSは、次の2通りの方法で仮想マシン ゲストにインストールできます。
• 物理DVD
• Igniteサーバ
物理DVDデバイスを使用してインストールするには、「USB DVDプレーヤの追加」で説明したように、DVDがゲストに追加されている必要があります。
仮想コンソールを起動して、EFI Boot Managerにアクセスします。EFI Boot Managerは、起動プロセス時に表
示される初期画面です。画面にコマンド プロンプトが表示される場合は、システムをリセットする必要があ
ります。リセットするには、MP画面に戻り、Resetコマンドを使用してください。
[vm01] vMP>CM>RS
コマンドを実行した後、コンソールに戻ると、次のように、EFI Boot Managerが表示されます。
EFI Boot Manager ver 1.10 [14.62] [Build: Tue Nov 8 09:15:06 2005]
Please select a boot option
EFI Shell [Built-in] Boot option maintenance menu Use ^ and v to change option(s). Use Enter to select an option
EFI Boot Managerが表示された後の手順は、次のようになります。
• [EFI Shell]を選択します。
• 「fs0: INSTALL」と入力します。
• インストールが開始されます。
LANから起動するには、Igniteサーバにアクセスでき、IgniteサーバがPXEリクエストを処理できるように正し
く設定されている必要があります。仮想コンソールを起動して、EFI Boot Managerにアクセスします。
EFI Boot Manager ver 1.10 [14.62] [Build: Tue Nov 8 09:15:06 2005]
Please select a boot option
EFI Shell [Built-in]
Boot option maintenance menu
Use ^ and v to change option(s). Use Enter to select an option
EFI Boot Managerが表示された後の手順は、次のようになります。
• [Boot option maintenance menu]を選択します。
• [Add a boot option]を選択します。
• MACアドレスでデバイスを選択します。これはLANです。 – 「Description: lan1boot」と入力します。
– 「 N」(起動オプションなし)と入力します。 – NVRAMに保存して[Exit]を選択します。
• lan1bootを選択します。
• ゲストがPXE経由でIgniteサーバに接続します。
注記:HPVMへのLinuxおよびWindowsオペレーティング システムのインストールはサポートされていますが、
LinuxおよびWindowsゲストへのHP SIMのインストールはサポートされていません。
ゲスト用ソフトウェア デポのインストール Integrity VM製品にはゲスト用のソフトウェアもあり、HP-UXオペレーティング システムをインストール済み
の仮想マシンにインストールすることができます。デポをインストールすると、ゲストのオペレーティング システムのパフォーマンスが向上し、ゲスト管理者はhpvminfoおよびhpvmcollectコマンドを使用できる
ようになります。Integrity VMをインストールすると、インストール メディアは、SD(Software Distributor)の配布テープ ファイル形式で/opt/hpvm/guest-images/hpux/hpvm_guest_depot.sdに置かれます。
このファイルを使用して、指定したシステムに汎用のSDデポを作成することができます。たとえば、
myhost.corporate.com:/your/depotにゲストのデポを作成するには、次のコマンドを入力します。
1. VMホストで、汎用デポを作成します。
# swcopy -s /opt/hpvm/guest-images/hpux/hpvm_guest_depot.sd ¥* /
> @myhost.corporate.com:/your/depot
2. ソフトウェア デポが正確にコピーされたことを確認します。
# swverify -d ¥* @@myhost.corporate.com:/your/depot
3. VMホストで、depot-hostに新しいデポを登録します。
# swreg -l depot /your/depot
4. ゲストで、その新しいデポからHPVMのゲスト用バンドルをインストールします。
# swinstall -s /your/depot
HP SIMでのHPVMの管理
HP Systems Insight Manager(HP SIM)を使用してIntegrity Virtual Machines(VM)を管理するには、HP SIMと同じサーバにインストールされたVirtual Server Environment(VSE)管理ソフトウェアが必要です。 VSEについて詳しくは、次のHPのWebサイトを参照してください。
http://docs.hp.com/ja/hpuxhplex.html
HP SIMおよびVSEのインストール HP SIMとVSE管理ソフトウェアをHP-UX CMSにインストールするには、以下の手順に従ってください。
1. 次のコマンドを実行して、ソフトウェアをインストールします。
/usr/sbin/swinstall -x autoreboot=true ¥ -s path-to-depot-file HPSIM-HP-UX VSEMgmt
2. 次のコマンドを実行して、HP SIMを設定します。
/opt/mx/bin/mxinitconfig -a
このコマンドにより、データベースの初期化を含むHP SIMセットアップ タスクが実行されます。通常、mxinitconfigコマンドは、完了するまでに数分かかります。エラーや例外は/var/opt/mx/logs/initconfig.logファイルに
記録されます。
次のコマンドを実行して、VSE管理ソフトウェアを設定します。
/opt/vse/bin/vseinitconfig –a
vseinitconfigコマンドは、ステータス、エラー、および例外を/var/opt/vse/logs/vseinitconfig.log
ファイルに記録します。
VSE用のHP SIMの設定 1. 各管理対象システムにsshがインストールされ、HP SIM用に設定されていることを確認します。HP SIM
用にsshを設定するには、設定するシステムを選択し、HP SIMのメニュー バーから[設定]、[エージェ
ントの設定および修復]の順に選択します。
2. 管理対象システムを選択し、[設定]、[VSEエージェントの構成]、[VSEエージェントのインストール...]の順
に選択します。[すぐに実行]をクリックして、インストールを開始します。次の手順に進む前にエラー メッ
セージの出力を確認してください。
3. エージェント ソフトウェアをインストールした管理対象システムで、HP SIM検出プロセスをもう一度実
行します。これにより、これらのシステムに関するHP SIMの情報が更新されます。影響を受けるシステム
を選択し、HP SIMのメニュー バーから、[オプション]、[検出...]の順に選択して、[すぐに実行]をクリッ
クします。
図3のように、仮想ホストおよび仮想マシンをHP SIMで管理できます。
注記:VSEは、仮想マシン ホストと仮想マシンを関連付けするにあたって必須ではありません。いったん検
出および識別された仮想マシンは、それ自身をホストに関連付けます。
図3 VSE Management Virtualization Manager
詳細情報
Integrity Virtual Machinesの概要 http://h20293.www2.hp.com/portal/swdepot/displayProductInfo.do?productNumber=integrity_vm(英語)
HP Integrity Virtual Machinesのインストール/構成/管理ガイド http://docs.hp.com/ja/T2767-90072/T2767-90072.pdf
『VSE Management Softwareスタート ガイド』 http://docs.hp.com/ja/hpuxhplex.html
VSE管理の概要 http://h20293.www2.hp.com/portal/swdepot/displayProductInfo.do?productNumber=vse(英語)
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合があります。 447783-192、2009年1月