発信者として• 近年のインターネットの急速な普及により、blog等を通じて個人が世界に向けて情報を発信することが容易になっている
• TwitterやFacebookに代表されるSNS(Social
Netoworking Services)では、更に簡便に情報を発信できる
• 一つの物事について、様々な捉え方があることや自分なりの捉え方に基づいて情報を発信できるのは、思想・表現の自由上望ましいことである
• しかし、情報を発信するということは、その内容についての責任を負う
• SNSの危うさは、発信者の匿名性が高く、内容に関する責任の所在が曖昧である事
• 何らかの事象・事件があった時、そこには唯一無二の「事実」がある
• しかし、事実の全容を正しく知ることは基本的に不可能に近い
• その事実のある一面を捉えて一つの「真実」を見つけ、それを情報として発信している
• この「真実」を見つける時に、自分の価値観・知識・経験から無意識の内に偏りが生じていることを知る
マスメディア
• マスメディアは極めて多数の人が利用している
• 即ち、それだけ社会に及ぼす影響力が大きい
• 例えば、マスメディアが虚偽報道をしたり、特定の人物や勢力を有利(あるいは不利)な状況に導く様な報道を行えば、その影響も大変大きなものになる
• マスメディアには信頼性・中立性が求められている
• 各報道機関も「自主的」に指針を立て、様々な視点から報道するようにしている
• マスメディアが中立であるのは理想だが、実態はそうではない
• マスメディアと言えども営利企業であり、収入を得て利益を生み出す必要がある
• マスメディアの内、放送局の収入の多くは広告収入である
• スポンサー企業に対して批判的な報道に対しては消極的になる
• マスメディア各社は株主である企業に対して批判的な報道に対しても消極的になる
• 例えばプロ野球の球団を所有しているマスメディアは、所有球団が勝てば大きく、負ければ小さく扱う
• これらは、ほんの一例である• マスメディアが公正・中立であるということはない
• マスメディアの報道を鵜呑みにしてはいけない
クリティカル
• クリティカル(critical)とは
• 何かに対して批判的・否定的・消極的な態度
• 特に作品等に対して特定の基準から評価・判断を下す態度
• 状況などが危機的な状態にあること
• 本スライドでは• 特に作品等に対して特定の基準から評価・判断を下す態度
• の意味である
• ある物事をとらえるにあたっては、常に多様な立場があること
• 物事の見え方や意味は、それをとらえる立場によって一変する可能性があること
• 自分が拠って立つ立場を決める前に、可能な限り多様な立場から物事をとらえる
メディア・リテラシー
• メディア・リテラシーとは、市民がメディアを社会的文脈でクリティカルに分析し、評価し、メディアにアクセスし、多様な形態でコミュニケーションを創り出す力を指す。また、そのような力の獲得を目指す取り組みをも指す
• 通常の研究主体の学問と違い、メディア・リテラシーは実践の学問である
• 学んで終わりではなく、学んだ事や調べたことを継続的に生活の中で実践していくことこそが重要
記号論を学ぶ意味
• 我々がメディアから受け取る情報は、メディアが送り出す表現から、その都度読み取られる意味によって成り立っている
• 「表現から意味を読み取る行為」は如何にして成立しているか
• 意味を読み取ることを可能にする条件や、読み取りの結果意味が発生するメカニズムはどのようなものか
• これらの一見当たり前の事柄に対して問い直しをすることは、クリティカルな視点を身に付ける最初のきっかけになる
• 記号論は、言語を始めとして、何らかの事象を別の事象で代替して表現する手段について研究する
• 言葉や映像などの何かしらの対象から意味を読み取る際の仕組みや意義を解明することを目指す学問
• メディアに対してクリティカルな視点を持つことが目的
• その為に我々とメディアの関係を一旦白紙に戻し、様々な角度から見直す必要がある
• 「メディアが我々に情報を伝えること」
• 「我々がメディアから情報を手に入れること」
• から関係の見直しを始める
• 記号論は、メディアと我々の間に成立しているこの関係を、特定の視点から改めて考察の対象とする
• 記号論を学ぶことは、メディアと我々の間に成立している関係を見直すための視点を手に入れることである
• 「我々がメディアから情報を手に入れること」は最終的には、表現から意味を読み取る行為によって成立している
• 即ち、情報とは我々が個々の表現から読み取る意味に他ならない
• 同時に、我々がメディアから入手する情報は、我々が表現を「どのように読み取るか」によって左右される
• 従って、表現から意味を読み取るプロセスを考察する必要がある