TOMOFIX JAPANESEOpen-wedge high tibial osteotomy
SURGICAL TECHNIQUE
TomoFix JapaneseOpen-wedge high tibial osteotomy
TomoFix Japaneseは、AO/ASIF Knee Expert GroupとAsian Trauma Surgeon Working Groupによって日本人用に新たに 開発された、内側型変形性膝関節症に対する高位脛骨骨切り術用ロッキングプレートシステムです。
プレートとスクリューがロッキングすることで角度安定性が 得られ、内側Open-wedge骨切り術における安定かつ強固な 固定で、術後の早期荷重を可能にします。
413-309STi ロッキングスクリュー5.0mm スペーサー
TomoFix JapaneseLCP-T型プレート
4穴 TOMOFIX
全長 (L1) 112 mm 115 mm
厚さ 3.2 mm 3 mm
近位幅 (W1) 30 mm 34 mm
シャフト幅 (W2) 14 mm 16 mm
近位ホール間の距離 9 mm 11 mm
近位 曲率半径 (R) 30 mm 38 mm
近位スクリュー 打ち下げ角度 11° 10°
R
TomoFix Japanese LCP-T型プレート 4穴 TOMOFIX
L1 L1
W1 W1
W2 W2
11
D D
C CB BA A
22
33
44
TomoFix Japaneseは、日本人の脛骨CTスキャンをもとに開発された インプラントデザインにより、プレートと骨との適合性が向上し、軟部組織への侵襲を最小限に抑えることが期待できます。
プレートとスクリューがロッキングすることで得られる角度 安定性は、スクリューのルーズニングの発生を減少させ、荷重負荷による二次的な骨片転位を防ぎます。
ロッキングスクリューに適切な挿入角度を持たせることでより効果的に近位骨片を把持します。
TomoFix Japaneseはロッキング機構で 骨片間を安定維持するため、プレートを 骨に密着させる必要がありません。
術中にスペーサーを用いることで プレート下に間隙を確保し骨膜血流の 温存を図ると共に、鵞足の可動域を 確保することで術後の疼痛を軽減 することが期待できます。
FEATURE
01 Anatomical Designed 日本人の解剖に適合するプレートデザイン
FEATURE FEATURE
02 03Angular Stability Preservation of blood supply
角度安定性 プレート下の軟部組織・血流の温存
F
DePuy Synthes 3
TomoFix JapaneseSurgical Technique
F62.5%
FD D
S SS' S'
OOO′
α
α
1. 術前計画
術前計画には立位下肢長尺X線像を用います。
1-a 矯正前機能軸の確認大腿骨頭中心から足関節(距骨)中心(S)を通る線が機能軸になります。
(① )
1-b 矯正後の機能軸の決定脛骨関節面の内側端から外側端に至る距離を100%とした場合に、 矯正後の機能軸が脛骨内側端から約62.5%の点(F)を通るように 大腿骨頭中心から足関節付近まで線を引きます。(①)
1-c 骨切り支点 (D)の設定腓骨頭最近位部より約5mm内側に移動した点が骨切りの支点(D)に なります。(②)
1-d 骨切り面の決定鵞足の近位上にエントリーポイント(O)を定め、(D)と結ぶ線が 骨切り面になります。骨切り支点(D)と足関節の中心(S)を結ぶ線 (S-D)を引きます。(S-D)=(S’-D)となるように、矯正後の機能軸の 線上に(S’)を定めます。(②)
1-e 開大角度の決定(S-D-S’)のなす角度が矯正角(α)になります。また、X線上に脛骨 遠位部を描画したトレース用紙を置き、(D)を支点にトレース用紙上の 足関節の中心点(S)を矯正後の機能軸に重なる点(S’)まで回転させる ことにより矯正角(α)を決めることもできます。 (③)
② ③①
矯正後 矯正前機能軸
100% 0%
TomoFix JapaneseSurgical Technique
4 DePuy Synthes TomoFix Japanese SURGICAL TECHNIQUE
2. 体位
患者の体位は仰臥位とし、膝関節を適度に屈曲させます。
イメージインテンシファイヤーは患側から入れ、膝関節周辺、脛骨全体の
AP像および矯正後の機能軸を確認するために大腿骨頭のAP像が確認
できるように設置します。
3. アプローチ
皮切は、鵞足の近位に沿った①斜め横切開、または②縦切開
(関節内処置:骨棘切除などを行う場合)とします。
膝蓋腱の内側に沿って関節支帯を切開し、鵞足の直上で筋膜を後方へ切開します。
開大角が小さい場合は鵞足は剥離のみとしますが、開大距離が10mm以上となる場合は、必要に応じ切離します。
内側側副靱帯の浅層は剥離します。
注意伏在神経、膝窩動脈、脛骨神経、および膝蓋腱を損傷をしないように 保護をしながら注意深く操作を行います。
参考健側下肢を下げるか、ベッドサイドに下垂させるなどして内側からの 手術操作の邪魔にならないようにします。
②①
DePuy Synthes 5
注意神経血管を損傷しないよう、脛骨後方にはホーマンレトラクター等を用い 十分に注意して骨切りを行ってください。骨切りは膝屈曲位で行う方が安全です。脛骨粗面も損傷しないように注意します。
4. 骨切り面の確認
イメージインテンシファイヤーを、AP面において脛骨近位関節面の
接線方向と一致する位置に設置します。(関節面が明確に見える位置)
透視下に、2.5mmネジ付きキルシュナーワイヤーを鵞足近位縁後方から
腓骨頭近位部に向け刺入します。(A)
第二のネジ付きキルシュナーワイヤーを第一のキルシュナーワイヤーと
AP面で重なるように鵞足近位前方より刺入します。
第一と第二のキルシュナーワイヤーを結ぶ線が骨切り線となり、
かつ側面で脛骨近位関節面と平行になります。
骨内のキルシュナーワイヤーの長さを計測します。
5. 骨切り
膝関節を屈曲させます。
2本のキルシュナーワイヤーをガイドとして、ワイヤーの遠位側より
骨切りを開始します。この際に、オシレーティングソーブレードを2本の
ワイヤーの遠位側に沿わせることで、オシレーティングソーブレードの
関節面への切り込みを防ぎます。
キルシュナーワイヤーが長い場合にはカットします。
外側皮質骨より5~10mm手前まで骨切りを行います。
脛骨粗面で膝蓋腱の背側に薄刃のソーブレードを用いて骨切りを行い
ます。上述の骨切り面に対し、約90度に近い角度となるように骨切り
します。この骨切りは脛骨粗面の厚さが15mmくらいになるように
します。
キルシュナーワイヤーは外側上方への骨切りが済んだ後に抜去します。
A
AP像 ML像
TomoFix JapaneseSurgical Technique
6 DePuy Synthes TomoFix Japanese SURGICAL TECHNIQUE
397-995 骨切用骨のみ 25mm-240mm397-994 骨切用骨のみ 20mm-240mm397-993 骨切用骨のみ 15mm-240mm
395-001 ギャップゲージ TOMOFIX用
2本目
3本目
1本目
6. 骨切り部の開大
TomoFix用骨のみを用い、骨切り部の開大を行います。
1本目の骨のみは外側皮質骨まで残り約5~10mmの位置まで挿入します。
2本目の骨のみを1本目に沿わせながら挿入します。
3本目の骨のみを1本目と2本目の骨のみの間に注意深く挿入し骨切り部を
開大させます。2本目以降の骨のみは、前の骨のみよりも浅く挿入します。
骨切り部をさらに開大させる場合には4本目、5本目の骨のみを慎重に挿入します。
7-a. ギャップ高を目安にした骨切り部の確認
最終骨切り角度を、ギャップ高で決定する場合にはギャップゲージ(395-001)を用いて計測し、その位置をボーンスプレッダーで保持します。
ボーンスプレッダー(399-097)を骨切り部後内側に挿入し、慎重に
開大します。骨切り面に対し垂直にギャップゲージを骨切り部に挿入します。
ギャップゲージのスライドパーツを内側皮質骨に接するまでスライドさせます。
スライドパーツの先端が示す数値がギャップ高になります。(イラストでは12.5mm)
注意骨切り部の開大は慎重に行ってください。 骨切り部の開大ギャップは、前方の方が後方よりも小さくなります。
スライドパーツ
DePuy Synthes 7
7-b. ボーンスプレッダー TOMOFIX用を用いる場合
ボーンスプレッダー TOMOFIX用を用いることで、術前に計画された骨切り角度まで徐々に骨切り部を開大することができます。
ボーンスプレッダー TOMOFIX用を閉じた状態で慎重に挿入します。
スクリュードライバー(324-052)を用い「OPEN」の向きに回すことでボーンスプレッダー TOMOFIX用が徐々に開きます。
ボーンスプレッダー TOMOFIX用側面の目盛で骨切り角度を確認します。(イラストでは9°)
計画された角度まで骨切り部が開大したらボーンスプレッダー
(399-097)に交換し、その位置を保持します。
8. ボーンスプレッダーを用いた開大部の把持および 機能軸の確認
内側後方の皮質骨をボーンスプレッダー(399-097)の先端で把持しながら骨のみ、ギャップゲージおよびボーンスプレッダー TOMOFIX用を取り外し骨切り角度を維持します。
イメージインテンシファイヤーを用い、骨切り面をAP像で確認します。
骨切り部の張力を和らげるため必要に応じて、内側側副靱帯および
内側ハムストリングを尾側に向け骨膜下で剥離します。
膝を完全伸展位とし、アライメントロッド(991-138)を用い機能軸が
矯正予定位置を通っていることをイメージインテンシファイヤーで
確認します。
395-000 ボーンスプレッダー TOMOFIX用
399-097ボーンスプレッダー 220mm ソフトロック
TomoFix JapaneseSurgical Technique
8 DePuy Synthes TomoFix Japanese SURGICAL TECHNIQUE
312-924 ガイディングブロック TomoFix Japanese312-926 ガイディングブロック TomoFix PMT ③
ホール 1
2 3
4
注意ガイディングブロックは、TomoFix Japanese用とLCP-T型プレート 4穴 TOMOFIX用の2種類がありますので、使用するプレートに適合するガイディングブロックを選択してください。
9. インプラントの準備
TomoFix Japanese(440-831S)にガイディングブロックTomoFix
Japanese(312-924)を設置します。(①)
プレート近位部とガイディングブロック突起部分を合わせます。(②)
LCPネジ付きドリルガイド(323-042)を時計回しで3本装着します。(②)
プレート下の鵞足の圧迫を避けるためホールDおよびホール3または
4にスペーサー(413-309S)を装着します。(③)
10. インプラントの設置
膝を完全伸展位として、準備したプレートを皮下、鵞足の上にスライド
させながら挿入します。
ホールA~Dは骨切り部より近位に位置します。
プレート遠位部ホール1~4は脛骨軸の中心にくるように位置を調整します。
特にプレート遠位部が脛骨前縁より突出しないように注意します。
ホールBにキルシュナーワイヤースリーブ2.0(324-168)を装着し、
キルシュナーワイヤー2.0mmを刺入します。このキルシュナーワイヤーの
刺入方向がスクリューの挿入方向となります。キルシュナーワイヤーが
関節面と平行となるように、またホールDのスクリューが近位に入る
ようにプレート設置位置を調整します。
①
②
ホール B
A
C
D
324-168Kワイヤースリーブ 2.0mmLCP4.5/5.0mm用
DePuy Synthes 9
: 近位スクリュー挿入方向注意ドリリング、スクリュー挿入の際には、膝窩動脈、脛骨神経等を損傷 しないよう十分に注意してください。
スクリューを締結する際には、プレート遠位部分を指でしっかりと固定し、 プレートが回旋しないようにします。
膝を完全伸展位とすることで、脛骨粗面後方の骨切り部が脛骨近位骨片前面と密着します。(青矢印)
注意圧迫スクリューは締め過ぎると遠位骨片が内側に転位するので締め過ぎないように注意します。
11. スクリューの挿入 ホールA~C
プレート近位部分のスクリューホールAまたはCに装着したネジ付き
ドリルガイドを通し、4.3mmドリル先で対側皮質骨を穿孔しない
ようにドリリングします。ドリル先の目盛りからスクリュー長を
決定することができます。
適切な長さの5.0mmロッキングスクリューを挿入します。最終締結は
プレート遠位部にスクリューを挿入した後に、トルクリミテーション付
スクリュードライバー(324-052)を用いて行います。
同様にプレート近位部分の残りのホールに5.0mmロッキングスクリューを
挿入し、ホールBはキルシュナーワイヤーを抜去した後にスクリューを
挿入します。
骨切り部の安定のためにできる限り長いスクリューを使用します。
圧迫スクリューの挿入 (外側皮質骨が骨折した場合)
骨切り支点となる外側皮質骨が骨折した場合、骨片を安定させる必要が
あります。
ホール1のダイナミックコンプレッションホールに4.5mmコーテックス
スクリューを外尾側に向け挿入し、対側皮質骨を貫通させます。
4.5mmコーテックススクリューヘッドがプレートに接触した後は
徐々にスクリューを締めていきます。脛骨外側の骨切り支点部と
脛骨粗面背面部が脛骨近位骨片と接触し、徐々に圧迫がかかります。
(青矢印)
OPTION :
TomoFix JapaneseSurgical Technique
10 DePuy Synthes TomoFix Japanese SURGICAL TECHNIQUE
12. スクリューの挿入 ホール1~4およびD
ホール3の直上に小皮切を加え皮下を剥離し、ホール2のロッキングホールにネジ付ドリルスリーブ(323-042)を装着します。ドリル先4.3mmで穿孔後に適切な長さの5.0mmロッキングスクリューを挿入
します。
同様にスペーサーの挿入されていないホール3またはホール4に5.0mm
ロッキングスクリューを挿入します。
最後にスペーサーの挿入されているホールD、ホール3またはホール4、および4.5mmコーテックススクリュー抜去後のホール1に5.0mm
ロッキングスクリューを挿入します。
イメージインテンシファイヤーを用いAP、ML像でプレートおよび
スクリューが適切に設置されているかを確認します。
13. インプラントの抜去
スクリュードライバー LCP4.5/5.0mm用 トルクリミテーション(324-
052)を用い、スクリューヘッド六角部を損傷しないよう注意深くスクリューを抜去します。
TomoFix Japanese Surgical Technique監修
澤口 毅 先生 AOTrauma Japan 理事長 / 富山市民病院 整形外科・関節再建外科
竹内 良平 先生 AOTrauma Japan 開発委員 / 横須賀市立市民病院 関節外科
プレート設置の注意点プレート遠位部が脛骨前縁より突出しないように注意してください。
DePuy Synthes 11
IMPLANTS
INSTRUMENTS
カタログ番号
440-831S TomoFix Japanese
440-834S LCP-T型プレート 4穴 TOMOFIX
413-309S Ti ロッキングスクリュー 5.0mm スペーサー
413-3※※S Ti ロッキングスクリュー 5.0mm
カタログ番号
312-924
312-926
ガイディングブロック
ガイディングブロック
TomoFix Japanese
TomoFix PMT
395-000
ボーンスプレッダー TOMOFIX用
395-001 ギャップゲージ TOMOFIX用
397-99※ 骨切用骨のみ
399-097 ボーンスプレッダー 220mm ソフトロック
TomoFix JapaneseOpen-wedge high tibial osteotomy
使用に際しては患者の状態および総合的な条件を考慮した上で治療材料および手技を選択し、当該製品の資料や手技書の関連文書、添付文書を必ず読み記載の指示に従ってください。
CAUTIONCAUTION
CAUTION
CAUTION CAUTION
販 売 名 : TomoFix™(滅菌) 承認番号: 22000BZX00822000
販 売 名 : AO ロッキング コンプレッション プレート システム(滅菌) 承認番号: 21300BZY00483000
販 売 名 : AO LISS ロッキング プレート システムインプラント(滅菌) 承認番号: 21600BZY00682000
販 売 名 : LCPラージ手術器械セット 届出番号: 13B1X00204STP002
販 売 名 : 骨切り手術器械セット 届出番号: 13B1X00204STP005
販 売 名 : 骨接合手術用のみセット 届出番号: 13B1X00204STG002
©J&
J K
.K. 2
013-
2014
• D
STRS
030-
01-2
0140
7-N
K
製造販売元
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
デピューシンセス・ジャパン
トラウマ事業部
depuysynthes.jp
〒 101-0065 東京都千代田区西神田3丁目5番2号
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