CloudSpiral 2013年度 UML講義 1日目

Cloud Specialist Program Initiative for Reality-based Advanced Learning

分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワーク

UML講義 1日目

神戸大学

まつ本真佑中村匡秀佐伯幸郎

山本晋太郎高橋昂平大櫛章裕


分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワーク © Cloud Spiral partners 2013 2013/5/17 2

所属：神戸大学大学院システム情報学研究科

教員まつ本真佑

中村匡秀

佐伯幸郎

TA （M2）大櫛章裕

高橋昂平

山本晋太郎

教員紹介



ソフトウェアをモデリングするための言語（記法）

ソフトウェアを様々な側面からモデリングし可視化

13種類の図

UML: Unified Modeling Language

動的

機能的

静的



UMLの歴史

Booch法

OMT

OOSE

Unified Method 0.8

UML 2.0

J. Rumbaugh

G. Booch

I. Jacobson

UML 0.9

1995 1996 … 2004



3つの目標

UMLを読めるようにする

UMLを書けるようにする

開発プロセスを理解する

UMLはただの道具

どんな流れで・どう使うかが重要＝開発プロセス

UML講義の目標



ソフトウェアを開発する作業の工程・構造

様々な開発プロセス・手法

ウォーターフォール，アジャイル，RUP，XP，ICONIX，TDD，UCDD，DDD，Ad-hoc，・・・

ソフトウェア開発プロセス

どうやって実現するか=how

何を作るか=what

要求分析

概要設計

詳細設計

実装



ICONIX社が作った開発プロセスユースケース駆動

書籍『ユースケース駆動開発実践ガイド』

特徴

軽量（小～中規模向け）

緩いウォーターフォール

ある程度の手戻りを前提

4つのUML図＋ロバストネス図

ICONIXプロセス



Test 2

ICONIXプロセスの流れ*

ユースケース図

ロバストネス図

シーケンス図

ドメインモデルドメインモデル（更新済）

クラス図

静的

動的

紙芝居

ソースコードテストコード

Test 1

テスト計画

*ユースケース駆動開発実践ガイド



ICONIXプロセスの流れ*



シーケンス図


クラス図

静的

動的

紙芝居

1日目（今日）

2日目（来週）夏合宿

Test 2Test 1

テスト計画


*ユースケース駆動開発実践ガイド



分析麻痺に注意

「分析しだすと止まらなくなる」状態のこと

分析コスト > 分析の利点

分析の目的を見失わないように

答え・正解を期待しないこと

モデリングに正解はない

注意点



システム要件の整理



スパイラル社

チケット販売業務を提供中（基本は電話応対）

このチケット販売業務のIT化を検討中

クラウド社

ソフトウェア開発会社

スパイラル社からチケット販売システムの開発を請負う

演習シナリオ



新システムの機能要件（what）を整理してください

必須要件：システムに最低限必要な機能

追加要件：必須ではないがあると便利な機能

ファシリテータのアジェンダを利用すること

Additional Time 10分

演習：機能要件の整理 20m

ユーザはシステムにアカウントを登録できること

ユーザは登録したアカウントでログインできること

ユーザはチケットの購入履歴を確認できること



GUI紙芝居を作ってください

目的：プロジェクト内でのWhatの共通認識形成

≠画面設計配色・デザイン・レイアウトは考えないこと

演習：GUI紙芝居の作成

①

A4用紙（紙芝居）

① ログイン画面

cspiral2013

******

ログイン

②

ホワイトボード（画面遷移）

③

④

⑤

30m



ICONIX 流れの確認

Test 2



シーケンス図


クラス図

静的

動的

紙芝居


Test 1

テスト計画



システムで扱う「モノ」の関係を構造化した図

プロジェクト内での用語集になる

クラス図の記法を利用属性・処理を書き込まないこと

ドメインモデル図

アカウント

興行主アカウント

一般アカウント

購入履歴

マスタアカウントリスト

集約（has-a）汎化（is-a）

クラス名

属性

処理



1. 要件リストから名詞・名詞句を洗い出す

2. オブジェクトの整理・グルーピングを行う

3. オブジェクト間の関係を書く

手順1

• ユーザはアカウントを…

• システムのユーザ情報…

• 登録された顧客台帳…

• 興行主アカウント…

• 興行主はイベントを…

• ユーザはアカウントを…





機能要件リスト






手順2


イベント

アカウント



アカウント

ユーザ情報

顧客台帳• ユーザはアカウントを…










手順3

アカウント





アカウント



アカウント

ユーザ情報

顧客台帳



目的：システムの振る舞い（what）を明らかにする

利用者の視点からシステムの機能を整理する利用者はこのシステムで何ができるのか？

利用者はこのシステムで何を得るのか？


アカウントを登録する

ログインする

ログアウトする一般ユーザ

ユースケース（UC）アクタ

興行主

イベントを登録する



A precedes B Aの完了後にBが実行される（事前条件）

A invokes B Aの実行中にBが実行される（サブセット）

ユースケース間の関連

ログインする

チケットを予約する

チケットを購入するチケットを

発送する

支払いをする

購入履歴を確認する

<<precedes>>

<<precedes>>

<<invokes>>

<<invokes>>

配送係



システムメニューの機能一覧をイメージする

アクタから見たときの1つの機能＝1UC

内部処理（how）を意識しない

いらっしゃいませ

ご希望のお取引を選択してください

ユースケースの粒度

お引出し

お預入れ

お振込み

残高照会

通帳記帳

お預替え

螺旋銀行



ユースケースの悪い例と良い例

イベントの名前，開催場所，値段を確認する

一般ユーザ

イベント詳細を確認する

イベント一覧を様々なキーでソートする

イベント一覧を確認する

未支払いの場合は予約を強制キャンセル

予約をキャンセルする

興行主

アカウントをデータベースに登録する

アカウントを登録する

売り上げを棒グラフで表示する

売り上げを確認する



ドメインモデルとユースケースを作成してください

必ず用語をそろえること

演習：2つの図の作成 50m


アカウント


一般ユーザ

ログインする

ログアウトする

購入履歴を確認する

ドメインモデル図ユースケース図



その他



『はじめて学ぶUML』

『ユースケース駆動開発実践ガイド』

『ユースケース入門―ユーザマニュアルからプログラムを作る』

『オブジェクト指向でなぜつくるのか』

OMGによるUMLの仕様書 http://www.uml.org/

参考図書

http://www.uml.org/

Education

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