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#003 ももクロのブルーオーシャン戦略

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私の名前はハルコ。 しかし私がどこの誰か?などということは、あなたにとって些末なことです。 それよりも重要なのは、これから私があなたに語るその内容です。 まず最初に、私から地球の皆さんにお伝えしたい事があります。

前回の警告では、ももクロが「ゲリラの戦略」を採用していたのではないか?という考えを示しましたが、初期段階においてもうひとつ意識したであろう戦略を指摘しておきましょう。 まず最初に「なぜももクロは人気があるのか?」という疑問があります。

▶ 常に全力な姿勢に好感が持てるから

▶ ダンスがアクロバティックで楽しいから

▶ 楽曲のクオリティが高いから

▶ リップシンクに頼らず、生歌を武器にしたから

▶様々なジャンルのアーティストと競演してファン層を拡大したから

▶バラエティ番組での対応力が高いから

▶ 有名人のファンが多く、勝手に推してくれるから

▶ ファンを大切にし、距離感も近いから

…etc

前述のように色々な人が様々な分析を行っていますが、やはり従来のアイドルファンの中でシェアを伸ばそうという発想とは違った戦略を、初期の段階から採用したことが大きいのではないでしょうか。 つまりランチェスター戦略における「弱者の戦略」(※1) ではなく「ブルーオーシャン戦略」(※2)をより重要視した のではないだろうか、というのが私の見解です。 (※1) ランチェスター戦略は、元々第1次世界大戦の時に考案された 必勝法を現代のビジネスや経営活動に応用したもの。その中で 提唱されている「弱者の戦略」では、先行する強大な相手から いかにシェアを奪うかという方法論が示されている。 (※2) ブルーオーシャン戦略の基本コンセプトは競争のない世界を創造すること。ライバル企業と血みどろの抗争をするのではなく、競争者のいない全く新しい市場を生み出すことを主眼としたもので、ユーザーにとっての高付加価値を低コストで提供することで、利潤の最大化を実現するというのが狙い。

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かつて田中角栄が田中の秘書官であった早川茂三に「頂点を 極めるためには何が必要か?」を問うた時、早川は「味方を作 り、増やすことです」と答えました。しかし田中は首を振って 「違うな。その逆だ。敵を作らないことだ」と教えたそうです。 もしも既存のアイドルファンの中でシェアを伸ばそうとする ならば、当然ながら先行するAKBやハロプロなど、他のアイド ルグループからファンを奪い取らなければなりません。 一時的にはそれも可能でしょうが、それでは明らかに宣戦布 告されたと他の陣営は理解するでしょう。果たしてそれが得策 なのか?いや、私はそうではないと思います。 以前、つんく氏がテレビのインタビューで「現在はアイドルグループが多すぎて渋滞を起こしている。自分がプロデュースしているグループもその打開に手を焼いている。しかしももクロは路肩走行してる車みたいに、渋滞関係なくガンガンすっとばしてますけど」といったニュアンスで応じていたのが印象的でした。 そこには「ルール違反だ!」という批判ではなく、むしろ「あんなやり方があったのか」という賞賛のニュアンスを感じます。

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さて、モノノフの特徴としてよく語られる話に「それまでアイドルに興味がなかった層が多い」という説があります。 彼らはある日を境に突然モノノフになってしまったため、それまでのアイドルの文脈が分からないままモノノフとして生きることを強いられます。 比較する対象が居ないため、ももクロがアイドルのスタンダードとして定着してしまうので「ももクロの独自性が云々」や「なぜももクロが新しいかと言うと云々」といった議論に参加する必要性を感じません。 それよりも「いかに昨日のライブで推しのメンバーが可愛かったか」や「明日の仕事を頑張れるエネルギーをもらった」などのたわいもない会話の方が居心地が良いのではないかと思われます。 そしてその多くが「ももクロでお腹いっぱい」になってしまうため、他のアイドルに浮気をすることもなく、また卒業するという概念もないため減りもしない、いわば票田の役割を果たすのです。

それまでは 普通の一般人 だったのに・・・

突如 モノノフに!

世界征服を成し遂げるためにはコアなアイドルファンではなく、より一般人の感覚に近い層を大量に取り込むことが必要でしょう。 そのための布石を今から打っているとしたら…、彼女たちの深謀遠慮に戦慄を覚えます。 こうしている間にも、ももクロによる人類アイドル化計画は粛々と進んでいると考えられます。 受け入れるも受け入れないもそれはあなた次第――――。

極秘

人類アイドル化計画

スターダストプロモーション最高幹部会

第**次中間報告

人類アイドル化委員会 2016年度業務計画概要

総括編

つづく

【注記1:ご覧の皆様へ】 皆さん大人なんで分かっていらっしゃるとは思いますが、このコンテンツは著者によるお遊びであって、どのように受け取るかは読者の手に委ねられます。 この警告文を読んで反応したことにより、何らかの不利益を被ったとしても、著者としては責任の持ちようがありません。あくまで自己責任の範囲において参照して頂けると幸いです。 【注記2:モノノフの皆さんへ】 コンテンツの特性上、ももクロに対して批判的な立場をとっています。しかしそれは彼女たちの偉大さを際立たせるため、あえてそうしているのだとご理解ください。 またこのコンテンツはあくまで私個人の主観によるもので、世間一般の論調と異なる場合があります。あくまで著者の主観による一方的な内容となっております。例え「そりゃ違うんじゃないか?」という見解に出くわしたとしても華麗にスルーしてください。反論されても困ります。 さらに事実と反する、あるいは完全に創作である場合もありますのでご容赦ください。 【注記3:ももいろクローバーZおよび関係者へ】 著者自身がモノノフであり、愛情の発露として制作をしているつもりです。 コンテンツの特性上、ももクロに対して批判的な立場をとっていますが、メンバーの活動や存在を貶める意図はまったくありません。 万が一、メンバーや所属事務所、あるいは所属レコード会社などの関係各位の不利益になると判断された場合には、著者へご一報ください。削除や訂正などのご指示に従うつもりです。 ⇒ 著者Twitterアカウント @gen3gen3gen3 【注記4:掲載URLについて】 記事に掲載されているURL等の情報は執筆当時のものです。 将来的にはリンク元の都合によってアクセス出来なくなっている場合もありますので、その場合にはご容赦ください。 【注記5:その他】 制作に際しては「いらすとや」様が提供しているフリー素材を使用させて頂きました。この場を借りまして、こっそりお礼申し上げます。 ⇒ かわいいフリー素材集 いらすとや http://www.irasutoya.com/ ※掲載している写真や画像類の著作権は各著作権者に帰属しています。 ※掲載している写真や画像類は「引用」の範囲と認識しておりますが、問題があるようでしたら著者までご一報ください。