32
歴史資産活用に係るオープンデータの重要性と その活用方法としてのウィキ町史プロジェクト 山形巧哉†1 山口琢 大場みち子†2 2015/7/13 情報処理学会 ドキュメントコミュニケーション研究会 第98回研究会 †1 北海道森町 総務課情報管理係 [email protected] †2 公立はこだて未来大学 システム情報科学部

歴史資産活用に係るオープンデータの重要性とその活用方法としてのウィキ町史プロジェクト

Embed Size (px)

Citation preview

歴史資産活用に係るオープンデータの重要性と その活用方法としてのウィキ町史プロジェクト

山形巧哉†1 山口琢 大場みち子†2

2015/7/13 情報処理学会 ドキュメントコミュニケーション研究会 第98回研究会

†1 北海道森町 総務課情報管理係    [email protected] †2 公立はこだて未来大学 システム情報科学部

北海道森町

北海道森町

北海道森町

2

今年から『森らいす』

北海道森町

3

4

『地域の歴史情報』には価値と可能性がある

5

住民主導のデジタル自治体史

自治体史のオープンデータ化×

6

ウィキ町史プロジェクト

7

地域振興・地方創生のひとつの手段

✤誰もが興味がある情報 ✤地域の歴史情報を語れる人が減少 ✤歴史を題材にしたイベント開催

8

『ウィキペディアタウンもりまち』の開催

今が,地域の歴史情報をアーカイブする『最後のチャンス』かもしれない

= 地域の歴史情報 = 少子高齢化 = 郷土愛の高まり

9

小規模自治体ではその流れは顕著である

10

地域の歴史情報の『喪 失』

✤最も詳しい「地域の歴史情報」は「自治体史」

✤「自治体史」は自治体が作成

11

現在の「地域の歴史情報」

しかし「自治体史」は電子化されていることが少なくインターネット公開されていないのでアクセスしにくい

12

『知の入口』が『閉じて』いる

✤新しいことの前にはまず調査

✤近隣自治体や類似団体(人口規模)

13

自治体職員の特徴

必ずやること=類似団体の調査

SILHOUETTE DESIGNhttp://kage-design.com

・どのような取り組みか・それは成功しているのか を分析}

14

自治体史のインターネット公開状況

非公開 90%

非公開 79%

大規模自治体 小規模自治体

公開21%

公開10%

✤イベントは盛況 ✤後日,住民からの問い合わせ有り

『ウィキペディアタウンもりまち』の開催

平成27年1月17日 森町図書館にて

平成27年1月21日 北海道新聞道南版 朝刊

地域の歴史情報への高い関心が確認できた15

16

『コンテンツが充実』すると 逆に『アクセスしにくく』なる

✤利用価値がある ✤ネット上では索引が必要. ✤どの自治体にも存在する ✤歴史には必ず繋がりがある.

17

『地域の歴史情報』に関する仮説

繋がりを可視化することができれば 『新たな気付き』が生まれる

18

可視化には『地域の歴史情報』のデータ化が必要

オープンデータ化により利用価値が増す

✤ウィキペディアに書き込みを行うことで,とりあえずの電子化が行われた.

✤アーカイブ目的,いわゆる「従来型デジタル自治体史」と異なりデータ形成が楽になった.

19

ウィキ町史 - RDF

多少の知識があれば,RDF化が容易になった

20

ウィキ町史 - ビューア

21

複数の自治体史情報があればそれを平行表示することができるようになった.

22

複数の自治体史情報があればそれを平行表示することができるようになった.

23

ウィキ町史 - 平行表示(テーマ)

24

『繋がり』は 『新しい資源』となる

25

従来のデジタル町史とウィキ町史の比較内容 従来の自治体史 ウィキ町史

公開媒体と 公開方法

紙媒体 一部にCR-ROM及び公式サイトでの公開(ダイジェスト版

を含む)

インターネット コンテンツはウィキペディアを利用し,索引として,ウィキ

町史RDF+ウィキ町史ビューア

作者

自治体 主に郷土史に精通した者を自治体が任命し,自治体史編さん室にて作成.小規模自治体では郷土史研究者の高齢化が

問題

住民 ただし,小規模自治体では,ウィキペディアの編集者が少ないため,ウィキペディアタウン等のイベントにおいて編集者

を育成

製作時期 数年から数十年に一度 随時

情報の 正確性

綿密な調査と裏付けにより最も正確な自治体の歴史情報 過去については,自治体史を参考にすることで正確となる.時事情報は新聞等による

内容 歴史情報 歴史情報及び時事情報

他自治体 連携

紙媒体やCD-ROM,公開ページ内で完結するため難しい ウィキ町史ビューアによる並行表示により連携を模索できる

26

従来のデジタル町史とウィキ町史の比較内容 従来の自治体史 ウィキ町史

公開 媒体 と 公開 方法

⚫紙媒体 一部にCR-ROM及び公式サイトでの公開(ダイジェスト版を含む)

⚫インターネット コンテンツはウィキペディアを利用し,索引として,ウィキ町史RDF+ウィキ町史ビューア

27

従来のデジタル町史とウィキ町史の比較内容 従来の自治体史 ウィキ町史

作者

⚫自治体 主に郷土史に精通した者を自治体が任命し,自治体史編さん室にて作成.小規模自治体では郷土史研究者の高齢化が問題

⚫住民 ただし,小規模自治体では,ウィキペディアの編集者が少ないため,ウィキペディアタウン等のイベントにおいて編集者を育成

製作時期 数年から数十年に一度 随時

28

従来のデジタル町史とウィキ町史の比較内容 従来の自治体史 ウィキ町史

情報の 正確性

綿密な調査と裏付けにより最も正確な自治体の歴史情報

過去については,自治体史を参考にすることで正確となる.時事情報は新聞等による

内容 歴史情報 歴史情報及び時事情報

29

従来のデジタル町史とウィキ町史の比較内容 従来の自治体史 ウィキ町史

他自治体 連携

紙媒体やCD-ROM,公開ページ内で完結するため難しい

ウィキ町史ビューア による並行表示により 連携を模索できる

30

『住民主導』で創ることは 『郷土愛』を強める

31

まとめ今後のウィキ町史プロジェクトと自治体との関係

32

繋がる歴史繋がる街繋がる未来