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患者安全技能 ノンテクニカルスキル向上を あなたの組織で実現するには 東京慈恵会医科大学 麻酔科 まつもと たかひろ

患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

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日本麻酔科学会第6回周術期セミナー資料

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Page 1: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

患者安全技能 ノンテクニカルスキル向上を あなたの組織で実現するには

東京慈恵会医科大学 麻酔科

まつもと たかひろ

Page 2: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

はじめに

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 2

Page 3: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

医療はどれほど危険か? (Leapeより改変)

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1 10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

危険率(何人に1人遭遇するか)

年間死亡者総数

25 May 2013 3 日本麻酔科学会 周術期セミナー

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医療はどれほど危険か? (Leapeより改変)

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1 10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

危険

(>1/1000)

やや危険 超安全

(<1/100K)

危険率(何人に1人遭遇するか)

年間死亡者総数

25 May 2013 4 日本麻酔科学会 周術期セミナー

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医療はどれほど危険か? (Leapeより改変)

1

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100

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100000

1 10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

危険

(>1/1000)

やや危険 超安全

(<1/100K)

バンジー

ジャンプ

登山

運転

化学工場

チャーター便

定期便

航空機

欧州鉄道

原子力発電

危険率(何人に1人遭遇するか)

年間死亡者総数

25 May 2013 5 日本麻酔科学会 周術期セミナー

Page 6: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

医療はどれほど危険か? (Leapeより改変)

1

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100

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10000

100000

1 10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

1: 危険・

死者多数 3:まあ安全・

死者かなり

5:超安全・

死者少数

2: 危険・

死者少数 4: まあ安全・死者少数

危険率(何人に1人遭遇するか)

年間死亡者総数

25 May 2013 6 日本麻酔科学会 周術期セミナー

Page 7: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

医療は、どれほど安全ですか?

1. 危険・死者多数

2. 危険・死者少数

3. まあ安全・死者かなり

4. まあ安全・死者少数

5. 超安全・死者少数

0

0

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日本麻酔科学会 周術期セミナー 7 25 May 2013

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医療は危険 (Leapeより改変)

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1 10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

危険

(>1/1000)

まあまあ

超安全

(<1/100K)

医療

バンジー

ジャンプ

登山

運転

化学工場

チャーター便

定期便

航空機

欧州鉄道

原子力発電

危険率(何人に1人遭遇するか)

年間死亡者総数

25 May 2013 8 日本麻酔科学会 周術期セミナー

Page 9: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

医療は危険 (Leapeより改変)

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100

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1 10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

危険

(>1/1000)

まあまあ

超安全

(<1/100K)

医療

バンジー

ジャンプ

登山

運転

化学工場

チャーター便

定期便

航空機

欧州鉄道

原子力発電

危険率(何人に1人遭遇するか)

年間死亡者総数

25 May 2013 9

数字は、米国科学アカデミー医学研究所の推計値。 日本では 医療事故調査会(森功ら)が 年間死亡数が3万人から4万人と推定

日本麻酔科学会 周術期セミナー 日本麻酔科学会 周術期セミナー

Page 10: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

医療は危険 (Leapeより改変)

1

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100000

1 10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

危険

(>1/1000)

まあまあ

超安全

(<1/100K)

医療

バンジー

ジャンプ

登山

運転

化学工場

チャーター便

定期便

航空機

欧州鉄道

原子力発電

危険率(何人に1人遭遇するか)

年間死亡者総数

25 May 2013 10

数字は、米国科学アカデミー医学研究所の推計値。 日本では 医療事故調査会(森功ら)が 年間死亡数が3万人から4万人と推定

推定:日本の医療

日本麻酔科学会 周術期セミナー 日本麻酔科学会 周術期セミナー

Page 11: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

患者安全技能

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 11

Page 12: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

ノンテクニカル・スキル (Non-Technical Skills)ご存じですか?

1. 全く知らない

2. ほとんど知らない

3. どちらでもない

4. かなり知っている

5. とてもよく知っている

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Page 13: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

• 1977年3月27日,Los Rodeos空港 (スペイン)

• Pan Am機とKLM機が滑走路衝突 – 583名死亡

• 事故原因は航空技能や知識ではなかった

• 事故原因 – 管制とのコミュニケーション

– チームワーク,リーダーシップ

– 意思決定

– 疲労

航空機事故分析

25 May 2013 13 日本麻酔科学会 周術期セミナー

Page 14: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

• 1977年3月27日,Los Rodeos空港 (スペイン)

• Pan Am機とKLM機が滑走路衝突 – 583名死亡

• 事故原因は航空技能や知識ではなかった

• 事故原因 – 管制とのコミュニケーション

– チームワーク,リーダーシップ

– 意思決定

– 疲労

航空機事故分析

25 May 2013 14 日本麻酔科学会 周術期セミナー

Page 15: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

• 1977年3月27日,Los Rodeos空港 (スペイン)

• Pan Am機とKLM機が滑走路衝突 – 583名死亡

• 事故原因は航空技能や知識ではなかった

• 事故原因 – 管制とのコミュニケーション

– チームワーク,リーダーシップ

– 意思決定

– 疲労

航空機事故分析

25 May 2013 15 日本麻酔科学会 周術期セミナー

Page 16: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

• 1977年3月27日,Los Rodeos空港 (スペイン)

• Pan Am機とKLM機が滑走路衝突 – 583名死亡

• 事故原因は航空技能や知識ではなかった

• 事故原因 – 管制とのコミュニケーション

– チームワーク,リーダーシップ

– 意思決定

– 疲労

航空機事故分析

25 May 2013 16 日本麻酔科学会 周術期セミナー

Page 17: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

• 1977年3月27日,Los Rodeos空港 (スペイン)

• Pan Am機とKLM機が滑走路衝突 – 583名死亡

• 事故原因は航空技能や知識ではなかった

• 事故原因 – 管制とのコミュニケーション

– チームワーク,リーダーシップ

– 意思決定

– 疲労

航空機事故分析

25 May 2013 17 日本麻酔科学会 周術期セミナー

ノンテクニカル スキル

Page 18: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

ノンテクニカルスキル(NTS)

• 欧州民間航空機関で最初に用いられた

• 定義:テクニカルスキルを補う – 認識的技能,

– 社会的技能,

– そして人材技能

– 安全と効果的パフォーマンスに寄与するもの.

• テクニカルスキルを増強させるスキル – NTSの欠如は過ちの可能性を増加させる

– ( Flin, R. BJA 105; 38-44 , 2010)

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 18

Page 19: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

あらゆる職種に必要な技能

• どのような職種でも、2種類のスキル(技能)を適格に身につけることが要求される

• テクニカル・スキル

– その職種ならではの専門技能

– 仕事のための技能

• ノンテクニカル・スキル

– 特定の職種を超えた一般技能

– 安全のための技能

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 19

Page 20: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

医療事故の主原因も, ノンテクニカルスキルの誤り

• 入院患者の約10%に医療過誤 – コミュニケーション不全,チームワーク破綻,意志決定の遅れによる

– Flin R, et al. p4, Safety at the Sharp End, Ashgate

• 日本での医療過誤(約3300例)の原因 – 確認を怠った:約15%

– 観察を怠った:約15%

– 判断を誤った:約15%

– 『医療事故情報収集等事業第20回報告書』

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 20

Page 21: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

英国議会の患者安全対策

• 現状:英国の病院内死亡が多い.

• 対策は4つ.

– ノンテクニカルスキル訓練

– 臨床薬剤師必要

– 診断スキル向上

– 根本原因分析の応用

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 21

Page 22: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

英国議会の患者安全対策

• 現状:英国の病院内死亡が多い.

• 対策は4つ.

– ノンテクニカルスキル訓練

– 臨床薬剤師必要

– 診断スキル向上

– 根本原因分析の応用

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 22

このレポートの結論: 英国では医師ノンテクニカルスキルの教育を必須化

Page 23: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

ついに、世界保健機関 (WHO) が 患者安全教育を推進しはじめた

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 23

Page 24: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

中堅とベテランは扱いにくい

• 訓練では手順どおりに実施出来る – 例)ガイドラインどおりの手順は実施可能

• 実際の現場では、自分の知識技術に基づく – 例)ガイドラインは知っていても、「あくまでガイドラインであり、現場の裁量が重要」と自分の意思で行動

• (Knowles MS. Application in continuing education for

the health professions: ch5, Andragogy in Action. Mobius 1985; 5: 80-100.)

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 24

Page 25: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

現場で求められてきたこと

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 25

時間

知識・技能レベル

Page 26: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

現場で求められてきたこと

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 26

専門職 知識技能

時間

知識・技能レベル

Page 27: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

現場で求められてきたこと

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 27

新人

中堅 熟達者

専門職 知識技能

時間

知識・技能レベル

Page 28: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

医療は危険 (Leapeより改変)

1

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1 10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

危険

(>1/1000)

まあまあ

超安全

(<1/100K)

医療

バンジー

ジャンプ

登山

運転

化学工場

チャーター便

定期便

航空機

欧州鉄道

原子力発電

危険率(何人に1人遭遇するか)

年間死亡者総数

25 May 2013 28 日本麻酔科学会 周術期セミ

ナー

専門職の知識と高い技術を追究しても、 患者安全は取り残されました。

Page 29: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

患者安全のために、目指すこと

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 29

新人

中堅 熟達者

専門職 知識技能

時間

知識・技能レベル

Page 30: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

患者安全のために、目指すこと

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 30

新人

中堅 熟達者

専門職 知識技能

時間

知識・技能レベル

中堅 熟達者

ノンテクニカルスキル

Page 31: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

ノンテクニカルスキル訓練 プログラムの作り方

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 31

Page 32: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

一般的ノンテクニカルスキル項目

• 認知能力 – 状況認識(situation

awareness)

– 意志決定(decision-making)

• 社会的能力 – チームワーク

– リーダーシップ

• 管理能力 – 課業管理(task management)

– ストレスと疲労の管理

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 32

日本語版 『現場安全の技術』

Page 33: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

英国で開発された ノンテクニカルスキルトレーニング

• ANTS: Anesthetists' Nontechnical Skills

– 麻酔科向けプログラム

• NOTSS:Non-Technical Skills for Surgeons

– 外科医向けプログラム

• SPLINTS - Scrub Practitioners' List of Intra-operative Non-Technical Skills

– 手洗い看護師/医療技術者向けプログラム

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 33

Page 34: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

麻酔科医のノンテクニカルスキル

• Aberdeen大学のANTS

• スコア化して評価/訓練 – 課業管理

– チームワーク

– 状況認識

– 意思決定

• ハンドブック(無料) – http://www.abdn.ac.uk/ip

rc/documents/ants/ants_handbook_v1.0_electronic_access_version.pdf

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 34

Page 35: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

外科医のノンテクニカルスキル

• Aberdeen大学のNOTSS

• スコア化して評価/訓練

– 状況認識

– 意志決定

– コミュニケーションとチームワーク

– リーダーシップ

• ハンドブック(無料)

– http://www.abdn.ac.uk/iprc/notss/

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 35

Page 36: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

• Aberdeen大学のSPLINTS

• スコア化して評価/訓練

– 状況認識

– コミュニケーションとチームワーク

– 業務やりくり

• 資料:無料(日本語版、榎本ら)

– http://www.abdn.ac.uk/iprc/uploads/files/jjqsh%207%204(2012)_SPLINTS.pdf

手術室スタッフの ノンテクニカルスキル

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 36

Page 37: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

• Aberdeen大学のSPLINTS

• スコア化して評価/訓練

– 状況認識

– コミュニケーションとチームワーク

– 業務やりくり

• 資料:無料(日本語版、榎本ら)

– http://www.abdn.ac.uk/iprc/uploads/files/jjqsh%207%204(2012)_SPLINTS.pdf

手術室スタッフの ノンテクニカルスキル

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 37

Page 38: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

ノンテクニカルスキルを 簡単にいうと

• 何か変?!!何か、やらなきゃ!

– 状況認識、意思決定

• 情報を共有しながら、チームで協働

– コミュニケーション

– チームワーク、リーダーシップ

• 持てる能力を十分に発揮できるように

– ストレス管理、疲労管理

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 38

Page 39: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

手術室スタッフ向け ノンテクニカルスキル(NTS)

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 39

SPLINTS (手洗いスタッフNTS)

ANTS (麻酔科医NTS)

NOTSS (外科医NTS)

Page 40: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

手術室スタッフ向け ノンテクニカルスキル(NTS)

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 40

SPLINTS (手洗いスタッフNTS)

ANTS (麻酔科医NTS)

NOTSS (外科医NTS)

状況認識

チームワーク

コミュニケーション 業務やりくり

意思決定 リーダーシップ

Page 41: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

手術室スタッフ向け ノンテクニカルスキル(NTS)

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 41

SPLINTS (手洗いスタッフNTS)

ANTS (麻酔科医NTS)

NOTSS (外科医NTS)

状況認識

チームワーク

コミュニケーション 業務やりくり

意思決定 リーダーシップ

職種によって、よく使うNTSが異なる →あなたの仕事でよく使うNTSの訓練から

はじめませんか?

Page 42: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

状況認識・意思決定の訓練を つくってみよう

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 42

Page 43: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 43

Page 44: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

業務の状況(青い空、白い雲)を監視して、

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 44

Page 45: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 45

業務の状況(青い空、白い雲)を監視して、

Page 46: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 46

あれは変?、これは何なの?、この先どうなる?が、 わかる能力 (=状況認識技能)

業務の状況(青い空、白い雲)を監視して、

Page 47: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

呼吸画像1 次の画像は、ヤバイ?将来は?

• 画像1: – https://www.youtube.com/watch?v=C8lK21AtoWU

• 訓練のための問題例

– この呼吸は正常ですか?

– この患者はこの後、どうなると思いますか?

– この呼吸を観たら、助けを呼びますか?

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 47

Page 48: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

この呼吸は正常?

1. 全くそう思わない(0)

2. かなり否定(10/100)

3. 少し否定(30/100)

4. びみょ~(50/100)

5. 少し肯定(70/100)

6. かなり肯定(90/100)

7. 非常にそう思う(100)

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Page 49: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

この呼吸をみたら、助けを呼ぶ?

1. 全くそう思わない(0)

2. かなり否定(10/100)

3. 少し否定(30/100)

4. びみょ~(50/100)

5. 少し肯定(70/100)

6. かなり肯定(90/100)

7. 非常にそう思う(100)

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Page 50: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 50

皆さんの業務での状況を録画して、

Page 51: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 51

あれは変?、これは何なの?、この先どうなる?が、 わかる能力を訓練してみませんか?

皆さんの業務での状況を録画して、

Page 52: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

皆さんの現場で、「あっ、これヤバイかなぁ」と気づく能力、訓練が必要と感じますか?

1. 全くそう思わない(0)

2. かなり否定(10/100)

3. 少し否定(30/100)

4. びみょ~(50/100)

5. 少し肯定(70/100)

6. かなり肯定(90/100)

7. 非常にそう思う(100)

0

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Page 53: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

チームワーク・コミュニケーションの 訓練をつくってみよう

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 53

Page 54: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

心肺蘇生術訓練を 「チームワーク訓練」として使おう

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 54

Page 55: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

「チームでBLS」シナリオ

• 病棟で急変あり、職員1が胸骨圧迫している

• 職員2がAEDとBVM持って駆けつける

– AED装着:「除細動は必要ありません」(計時開始)

• 職員1と職員2がCPR

– 2分毎にAEDが解析:「除細動は必要ありません」

• 初回AED解析2分後以後、医師ら職員参加

– AED解析、2回とも「除細動は必要ありません」

– 職員1が医師にSBAR形式で報告

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 55

BVM:バッグ・バルブ・マスク CPR:心肺蘇生術

Page 56: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

シナリオチェックリストの例

テクニカルスキル

• 胸骨圧迫が5cm以上

• 胸骨圧迫が100/分以上

• 胸骨下半分を押す

• 胸骨圧迫を2分以内に交代

• バッグバルブマスク換気で胸郭が少し上がる

• AEDのパッドを右前胸部と左側胸部に貼る

• AED解析・放電前に離れる

ノンテクニカルスキル

• チームで役割を分担する

• 記録係に計時させる

• バッグバルブマスクで2人・4個の手で換気する

• チームで胸骨圧迫中断を最小限にするよう努力する

• SBARに準じて医師に状況説明する

• 胸骨圧迫の質をチームで調整する

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 56

Page 57: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

シナリオチェックリストの例

テクニカルスキル

• 胸骨圧迫が5cm以上

• 胸骨圧迫が100/分以上

• 胸骨下半分を押す

• 胸骨圧迫を2分以内に交代

• バッグバルブマスク換気で胸郭が少し上がる

• AEDのパッドを右前胸部と左側胸部に貼る

• AED解析・放電前に離れる

ノンテクニカルスキル

• チームで役割を分担する

• 記録係に計時させる

• バッグバルブマスクで2人・4個の手で換気する

• チームで胸骨圧迫中断を最小限にするよう努力する

• SBARに準じて医師に状況説明する

• 胸骨圧迫の質をチームで調整する

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 57

現在、某病院の看護部と「チームBLS」開発中です。 あなたの施設で訓練ご希望ならば、ご連絡を

Page 58: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

コミュニケーション訓練

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 58

Page 59: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

コミュニケーション訓練

• 現場でのコミュニケーションを撮影・録音

– 会話記録を聞いて、グループでNTSの議論

• KIDUKIコース

– SBAR

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 59

Page 60: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

NTS(ノンテクニカルスキル) お勧めの資料1

• アバディーン(Aberdeen)大学 産業心理学

– http://www.abdn.ac.uk/

– (http://www.abdn.ac.uk/iprc/

• 各職種向けノンテクニカルスキル

– http://www.abdn.ac.uk/iprc/tools/

• 手術室手洗い看護師向けNTS

– http://www.abdn.ac.uk/iprc/splints/

• 『現場安全の技術』(海文堂出版)

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 60

Page 61: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

NTS(ノンテクニカルスキル) お勧めの資料2

• SPLINTS日本語訳

– 「手洗い従事者の術中ノンテクニカルスキルガイド」

– http://www.abdn.ac.uk/iprc/uploads/files/jjqsh%207%204(2012)_SPLINTS.pdf

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 61

Page 62: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

NOTSS master courseに参加

• 2010年12月9-10日

• 英国王立外科学校エジンバラ校

• 内容

– 講義

– 手術状況の動画を閲覧

– 少人数グループ討議

– NTS評価技能の確認

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 62

Page 63: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

NTS「意思決定」技能の判断

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 63

Page 64: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

NTS「意思決定」技能の判断

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 64

よい振る舞い ●問題を認識してはっきり言う ●関連するチーム員と、バランスのとれた議論、賛否検討を始める ●他の同僚に、選択肢はないか尋ねる ●発表されているガイドラインを議論する

わるい振る舞い ●選択肢を議論しない ●他のチーム員に見解を求めない ●発表されているガイドラインを無視する

Page 65: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

NTS「意思決定」技能の判断

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 65

NTSの評価:録画や現場での行動を観察して、患者安全上、「よい振る舞い」か「わるい振る舞い」か判定

よい振る舞い ●問題を認識してはっきり言う ●関連するチーム員と、バランスのとれた議論、賛否検討を始める ●他の同僚に、選択肢はないか尋ねる ●発表されているガイドラインを議論する

わるい振る舞い ●選択肢を議論しない ●他のチーム員に見解を求めない ●発表されているガイドラインを無視する

Page 66: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 66

Page 67: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 67

Page 68: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

Rhona Flin教授と面談 (2010年12月13日)

• Q: ノンテクニカルスキル訓練には文化背景への配慮が必要では?

– A: 文化に適合した訓練が適切

• Q: NTS指導者に心理学的訓練が必須か?

– A: 是非、心理学的訓練を

• Q: 日本でNTS訓練システムを開発したい。

– A: よろこんで、協力します。

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 68

Page 69: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

Rhona Flin教授と面談 (2010年12月13日)

• Q: ノンテクニカルスキル訓練には文化背景への配慮が必要では?

– A: 文化に適合した訓練が適切

• Q: NTS指導者に心理学的訓練が必須か?

– A: 是非、心理学的訓練を

• Q: 日本でNTS訓練システムを開発したい。

– A: よろこんで、協力します。

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 69

あなたの施設でのNTS訓練の開発を 松本がお手伝いします、ご連絡を

Page 70: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

ノンテクニカルスキル訓練を 自分の施設で始めてみたい

1. 全くそう思わない(0)

2. かなり否定(10/100)

3. 少し否定(30/100)

4. びみょ~(50/100)

5. 少し肯定(70/100)

6. かなり肯定(90/100)

7. 非常にそう思う(100)

0

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Page 71: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

ノンテクニカルスキル訓練だけでは上手くいかない

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 71

Page 72: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

心肺蘇生術教育は、 患者安全を促進できたのか?

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 72

Page 73: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

急変だぁ 心肺蘇生術やんなきゃ!

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 73

Page 74: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

私の取り組み 「患者安全といえば、

心肺蘇生術!」

Page 75: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

2001年~2006年

心肺蘇生術(CPR)教育

約500床の病院で隔月、CPRコース開催

6年間(~2006年12月)受講者総数、約700名 25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 75

Page 76: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 76

Page 77: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

心肺

停止

イベントの数

院内心肺停止イベント登録数の変化

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 77

Page 78: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

心肺

停止

イベントの数

院内心肺停止イベント登録数の変化

2000年、心肺蘇生術(CPR)国際ガイドライン後 世界各地でCPR教育とCPR登録が増加

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 78

Page 79: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

(N Engl J Med 2009; 361: 22-31) 25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 79

Page 80: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

(N Engl J Med 2009; 361: 22-31)

生存

退院

率(%

院内心肺蘇生術後,生存退院率の年次変化

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 80

Page 81: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

(N Engl J Med 2009; 361: 22-31)

生存

退院

率(%

院内心肺蘇生術後,生存退院率の年次変化

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 81

Page 82: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

(N Engl J Med 2009; 361: 22-31)

生存

退院

率(%

院内心肺蘇生術後,生存退院率の年次変化 ガイドライン2000後CPR教育増加 25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 82

Page 83: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

(N Engl J Med 2009; 361: 22-31)

生存

退院

率(%

院内心肺蘇生術後,生存退院率の年次変化 ガイドライン2000後CPR教育増加

CPR教育効果でCPR後の 生存退院率増加を期待していたが、、、

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 83

Page 84: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

院内CPR後の生存退院率は改善せず

(N Engl J Med 2009; 361: 22-31)

生存

退院

率(%

院内心肺蘇生術後,生存退院率の年次変化 ガイドライン2000後CPR教育増加

CPR教育効果でCPR後の 生存退院率増加を期待していたが、、、

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 84

Page 85: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

私の得た教訓

教育・訓練成果を 測定しなければ

努力が無駄になる 25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 85

Page 86: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

対策の成果を 測定して

患者安全促進した事例がある

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 86

Page 87: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

中心静脈カテーテル感染の防止策 “Bundled Care” 1.手指衛生

2.ガウン・マスク・帽子、広いドレープ 3.クロルヘキシジン消毒

4.適切なカテーテル刺入部位選択 5.不要なカテーテルの抜去

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 87

Page 88: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

Date of download: 11/17/2012

Copyright © American College of Chest Physicians. All rights reserved.

The Effect of an Education Program on the Incidence of Central Venous Catheter-Associated Bloodstream Infection in a Medical ICU*

CHEST. 2004;126(5):1612-1618. doi:10.1378/chest.126.5.1612

Monthly rate per 1,000 catheter-days of catheter-associated bloodstream infection from January 2000 through December 2003. The mean catheter-associated bloodstream infection rate for the baseline period (2000 and 2001) and the time period following introduction of the education program (2002 and 2003) are shown (broken line).

Figure Legend:

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 88

Page 89: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

Date of download: 11/17/2012

Copyright © American College of Chest Physicians. All rights reserved.

The Effect of an Education Program on the Incidence of Central Venous Catheter-Associated Bloodstream Infection in a Medical ICU*

CHEST. 2004;126(5):1612-1618. doi:10.1378/chest.126.5.1612

Monthly rate per 1,000 catheter-days of catheter-associated bloodstream infection from January 2000 through December 2003. The mean catheter-associated bloodstream infection rate for the baseline period (2000 and 2001) and the time period following introduction of the education program (2002 and 2003) are shown (broken line).

Figure Legend: カテーテル関連血流感染症の 症例数を測定しながら、防止策を実践

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 89

Page 90: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

患者安全の成果は分析、訓練、

職場改善、評価の 組合せで得られる

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 90

Page 91: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 91

Page 92: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

WHO患者安全カリキュラムガイド ここが凄い!!

• 改善科学を応用

– 従来のカリキュラム書ではない

• 改善科学

– 医療以外の業界での「Kaizen」で実証された科学

– デミングの理論を応用

• 是非、皆さんの施設でも「改善科学」を

– 患者安全改善策の必要性分析

– 実施、評価、再計画のサイクル

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 92

Page 93: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

WHO患者安全カリキュラムガイド ここが凄い!!

• 改善科学を応用

– 従来のカリキュラム書ではない

• 改善科学

– 医療以外の業界での「Kaizen」で実証された科学

– デミングの理論を応用

• 是非、皆さんの施設でも「改善科学」を

– 患者安全改善策の必要性分析

– 実施、評価、再計画のサイクル

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 93

学校だけでなく医療施設でも WHOカリキュラムガイドを使って患者安全を

(東京医科大学 医学教育のサイトでダウンロードできます。)

Page 94: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

これまでの医療の「科学性探求」

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 94

時間

科学的レベル

Page 95: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

これまでの医療の「科学性探求」

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 95

医療科学的な発展追究

時間

科学的レベル

Page 96: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

これまでの医療の「科学性探求」

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 96

新人

中堅 熟達者

医療科学的な発展追究

時間

科学的レベル

Page 97: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

患者安全のために、新たな「科学」を

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 97

新人

中堅 熟達者

医療科学

時間

科学的レベル

Page 98: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

患者安全のために、新たな「科学」を

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 98

新人

中堅 熟達者

医療科学

時間

科学的レベル

中堅 熟達者

改善科学の 追究

Page 99: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

【その他】NTS訓練を あなたの施設で実践するために

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 99

Page 100: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 100

Page 101: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 101

アバディーン大学のサイトからダウンロードできます。 http://www.abdn.ac.uk/iprc/uploads/files/jjqsh%207%204(2012)_ProfMatsumoto.pdf

Page 102: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

仲間をつくろう

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 102

Page 103: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

教育成果を 効果的・効率的に達成するための 学習科学が あります 25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 103

Page 104: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

教授システム学 ISD

(Instructional Systems Design)

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 104

Page 105: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

【ISDが役立つ場面】

成果の測定方法を準備した後で、 教育・訓練実施

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 105

Page 106: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

カークパトリックの 研修効果の4段階

1.反応

研修参加者の満足度 (アンケート調査など)

2.学習 受講者の知識理解度や学習到達度 (筆記試験や実技試験)

3.行動変容 現場での行動変化 (インタビューや他者評価)

4.結果 組織の業績向上 (医療過誤減少,病院内死亡減少) 25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 106

Page 107: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

カークパトリックの 研修効果の4段階

1.反応

研修参加者の満足度 (アンケート調査など)

2.学習 受講者の知識理解度や学習到達度 (筆記試験や実技試験)

3.行動変容 現場での行動変化 (インタビューや他者評価)

4.結果 組織の業績向上 (医療過誤減少,病院内死亡減少)

研修会の満足度だけでは、 訓練成果は不十分。

行動変容以上の成果を求めましょう 25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 107

Page 108: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

ISDを学ぶには

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 108

Page 109: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

1.熊本大学 「教授システム学」大学院

2.日本医療教授システム学会

3.笑顔のおうちクリニック名古屋 学習システム開発 25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 109

Page 110: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

教育・訓練の成果を目指す科学を 患者安全に応用したい

1. 全くそう思わない(0)

2. かなり否定(10/100)

3. 少し否定(30/100)

4. びみょ~(50/100)

5. 少し肯定(70/100)

6. かなり肯定(90/100)

7. 非常にそう思う(100)

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Page 111: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

1910年: フレクスナーレポート

“医学学校では 実践的な臨床研修と

強力な生物医学科学を” 25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 111

Page 112: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

20世紀、 医療の夢は 科学的医療

でした 25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 112

Page 113: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

そして、 約100年後

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 113

Page 114: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

前世紀、医療の夢は Evidence-Based

Nursing/Medicineに つながりましたが、

患者安全が 犠牲になりました 25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 114

Page 115: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

21世紀、 医療の使命は 患者安全です

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 115

Page 116: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

NTS訓練だけでは患者安全は 達成困難:

仕組みを変えよう 25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 116

Page 117: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

謝辞

今回使用したクリッカーとシュウケイタイは

木村情報技術株式会社より無料試用させて頂きました。

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 117

Page 118: 患者安全技能ノンテクニカルスキル向上をあなたの組織で実現するには

発表者・研究責任者の利益相反開示事項

発表者氏名 松本尚浩 所属/身分 東京慈恵会医科大学

金額(年間) 該当なし 該当有りの場合:企業又は団体名

企業等の役員・顧問職 - ■ 企業等の役員・顧問職 100万円以上 ■

株式 100万円以上の利益又は発行済株式数の5%

以上 ■

特許権使用料 100万円以上 ■

日当・出席料・講演料等 100万円以上 ■

原稿料 100万円以上 ■ 研究費 総額200万円以上 ■ 奨学寄附金 200万円以上 ■ その他 30万円以上の贈答他 ■

25 May 2013 日本麻酔科学会 周術期セミナー 118