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satoshi-taniguchi
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主治医と患者の治療目標合意と治療に対する影響
Journal of General Internal Medicine 2003: 18:893-902doi: 10.1046/j.1525-1497.2003.21132.x
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1494939/
要約:谷口諭
Michele Heisler, Sandeep Vijan, Robert M. Anderson, Peter A. Ubel, Steven J. Bernstein, Timothy P. Hofer
糖尿病治療において、患者と医療者とが治療目標を一緒に合意する Shared Decision Making が推奨されている
既知:
2 型糖糖尿病に対して治療に関する意識・認識・行動をアンケートで調査。また、主治医にも調査を行い、治療目標の一致と治療の関係性を明らかにした。
実験目的
■ 研究背景
どの程度治療目標の一致がなされているか、目標の一致が治療に及ぼす影響 は明確でない
未知:
■ 対象
2 型糖尿病患者 127 名
平均年齢 64 歳男性 81%経口薬のみ 66%
医療者 50 名
内科医 82% 、看護師等 14%平均診察時間 21 分糖尿病患者への糖尿指導を主に担当している割合 22%
■ 手法患者、主治医の双方にアンケートを実施し、治療目標の一致を検証した
糖尿病治療のアウトカム 11 個の中から、最も重要とされるものを3つ選択
糖尿病治療の戦略9個の中から、最も重要とされるものを3つ選択
・選択した項目が一致している数・医療者の最重要とした項目を患者も挙げているか否か
集計方法
■ 結果
治療アウトカムとして挙げた3 項目の一致数
治療戦略として挙げた3 項目の一致数
共に一致度は低値となった
k=0.00-0.24 k=0.00-0.40
■ 結果
・インスリン導入を避ける、服薬をしなくてよくする を治療アウトカムとして挙げる患者が多く(両方 25%) 、医療者はほとんどいなかった
・服薬を戦略患者のみが挙げているケースが 42%
・摂取カロリー制限、高血圧の抑制はそれぞれ医療者のみが挙げているケースが 25% 以上あった
■ 結果
・治療アウトカムと治療戦略の一致は治療態度と関係はあったが、治療行動との関係は見られなかった
■ 考察
・「病態をよくしたい」という認識から患者は自ら情報収集をし、自己判断をしていることを裏付けていると考える
・治療目標の履行率を調査していない。具体的に指示内容の履行有無を調査すると違った回答が得られた可能性がある
・病態は見ておらず、また、横断調査のため、病態への因果関係は明らかになっていない
・診察時に指示の履行有無だけでなく、治療目標を確認・再定義する必要性を示唆している
(ガニエ9教授事象 等)