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インプレスR&Dの電子出版戦略 〜NDL所蔵古書PODからNextPublishingまですべてをお話しします〜 2014/6/11 インプレスホールディングス 主幹 インプレスR&D 代表取締役 NextPublishingセンター長 井芹昌信 NextPublishing副センター長 福浦一広 JEPAセミナー

2014.06.11 NDL所蔵古書PODの狙いとインプレスR&Dの電子出版方針

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2014.06.11 インプレスR&Dの電子出版戦略 井芹 昌信 氏 日本電子出版協会

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インプレスR&Dの電子出版戦略 〜NDL所蔵古書PODからNextPublishingまですべてをお話しします〜

2014/6/11

インプレスホールディングス 主幹

インプレスR&D 代表取締役

NextPublishingセンター長 井芹昌信

NextPublishing副センター長 福浦一広

JEPAセミナー

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NDL所蔵古書PODの狙いと インプレスR&Dの電子出版方針

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NDL所蔵古書POD

• 4月21日、 20タイトルで発売開始 • 電子出版技術は、多品種・少部数出版を可能にする • プリント・オンデマンド(POD)は、大きな初期投資が要らず、変動原価で済む

• 日本の貴重な歴史コンテンツが、電子出版で蘇ったらすばらしい

• 弊社がやった業務は、グラフィックスのページものへの整形処理と、本としての製品化、販売

• 「発行」ではなく「整形・印刷・製本」サービス • 価格付けはページ数で行っている(内容ではない) • 製品化と流通販売は、NextPublishingメソッドを利用

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NextPublishingの紹介

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これまでの2年間の実績

• タイトル数 105 – インプレスR&D 93

–山と溪谷社 1

– インプレスジャパン 5

– masterpeace 4

– BCN 1

– solaru 1

• 青空文庫POD 200タイトル、600製品

• NDL所蔵古書POD 20タイトル

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NextPublishingとは?

• 電子出版を前提とした新しい出版方法(メソッド)です。

• 全工程がデジタルで表現されており、伝統的出版とはまったく別の方法です。

• 電子制作システム(DAM:Digital Asset Management)と電子流通システム(DAD:Digital Asset Distribution)の両方を含む電子出版ビジネスモデル(プラットフォーム)です。

• ブランドやシリーズ名ではなくメソッドの名前です(NextPublishingはインプレスR&Dの登録商標です)。

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どのパートが変化するのか?

企画

執筆

編集 ☆デスクワーク業務の電子化

制作 ☆電子化

製造 ★構造変化

流通 ★構造変化

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何ができるのか?

• 企画書類と書誌が電子的に処理できる • 原稿指定が電子的にできる • 電子書籍(EPUB3)が作れる • 印刷書籍の版下(PDF)が作れる(組版) • 電子書籍ストアに流通できる • POD対応ストアに流通できる • 広報・告知ができる(プレスリリースなど) • 売上レポートが作れる • 印税計算と支払いができる

• 上記ワークフローがオンラインで管理できる(いまは一部のみ)

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これまでと何が変わるのか?

• 書類も原稿も、紙を使わなくてもできる

• 制作の時間およびコストが一桁以上下がる

• 電子版と印刷版が同時に製作される

• 印刷版はプリント・オンデマンド(POD)が主体

• すべてをオンラインで処理できるので、時間と場所の制約が少ない

• 取次・書店流通を前提としない

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Page 10: 2014.06.11 NDL所蔵古書PODの狙いとインプレスR&Dの電子出版方針

新IRD(NextPublishing社?)

出版社

libura PRO (Impress

R&D)

Amazon POD

ウェブの書斎 DNP

楽天Kobo

電子書籍リーダー/タブレット/ スマホ/パソコンなど

NextPublishingの全体像 ©2014 Impress R&D

印刷書籍 電子書籍

<読者>

<宅配>

対応済

凡例:

原稿編集(WORDなど)

<各電子書籍ストアに配信>

EPUB3作成(リフロー型) PDF作成(フィックスド型)

マスター原稿作成(XHTML5+CSS3)

<各PODサービスに配信>

Impress R&Dシステム

紀伊国屋 Kinoppyな

NextPublishing プロジェクト(LLC/IPH)

大学 個人/企業

Amazon Kindle

三省堂書店 POD

EPUB>KF8

<著者>

<来店>

ICC

<シリーズブランド提供>

Apple iBookStore

紀伊国屋

書店などへの卸販売

DNP POD

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共同出版ビジネスモデルの説明とお誘い

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新IRD(NextPublishing社?)

出版社

libura PRO (Impress

R&D)

Amazon POD

ウェブの書斎 DNP

楽天Kobo

電子書籍リーダー/タブレット/ スマホ/パソコンなど

NextPublishingの全体像 ©2014 Impress R&D

印刷書籍 電子書籍

<読者>

<宅配>

対応済

凡例:

原稿編集(WORDなど)

<各電子書籍ストアに配信>

EPUB3作成(リフロー型) PDF作成(フィックスド型)

マスター原稿作成(XHTML5+CSS3)

<各PODサービスに配信>

Impress R&Dシステム

紀伊国屋 Kinoppyな

NextPublishing プロジェクト(LLC/IPH)

大学 個人/企業

Amazon Kindle

三省堂書店 POD

EPUB>KF8

<著者>

<来店>

ICC

<シリーズブランド提供>

Apple iBookStore

紀伊国屋

書店などへの卸販売

DNP POD

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何を諦めた(捨てた)のか?

• 紙面レイアウトを前提とした企画

–企画やページごとのデザイン

–複雑なデザイン

• 個別の装丁デザイン

–企画ごとの装丁デザイン

– カバー、帯、カラー、特別な製本様式

• 大量製造、書店委託配本

• 再販制度

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現在の適性と制限

• 向いている本 – 文字主体の本(縦組・横組OK)

– 図、表、写真OK

– 目次、脚注OK

– 数式はまだ未対応だが、技術的にはOK

• 向いていない本 – ビジュアル指向の本(女性雑誌など)

– 字切り、縦・横混在

– 版面サイズが企画の性格上固定のもの(大判の図鑑、写真集など)

– 本文にカラー表現が必要なもの

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デジタルファースト

• デジタルを前提に作る

• コストから見て順当

• その後のメディア変換(二次著作物)が容易

• 「マスター原稿」が持てる

• 「マイクロコンテンツ」という考え方

• 伝統的出版の前処理としても応用可能

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編集

• 全原稿の電子化

• 原稿指定も電子的に

• 企画書(書誌)も電子的に

• マスター原稿を作る

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制作

• Demo.の通り

• 今、用意されているデザインスタイル(判型)

–四六判 縦一段

– A5判 横一段

※上記以外は特注(オプション)

※今後、ニーズの高いものから順次開発予定

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製造(印刷書籍の仕様) • Amazon POD

– 本文1色、表紙4色、用紙はホワイトとクリームから選べる – 製本は並製(ペーパーバック)

• 三省堂書店POD – 本文1色、表紙4色、用紙はホワイトのみ – 製本は並製(ペーパーバック) – 神保町本店1Fで15分で購入できるのが利点 – 全国の三省堂書店チェーンへの配送も行っている – オンライン注文あり(楽天)

• ウェブの書斎 – 本文1色、表紙4色、用紙はホワイトとクリームから選べる – この6月から新規出品

• オフセット印刷 – 同じPDFで印刷会社のオフセット印刷も可能なので、大量用途の場合でも対応できる

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流通(販売ストア) • 電子書籍

– Amazon Kindle – 楽天kobo – Apple iBookStore – 紀伊国屋書店 Kinoppy – 達人出版会 – libura PRO(IRD自社ストア)

• 印刷書籍(POD) – Amazon POD – 三省堂書店POD – DNP ウェブの書斎

• リアル書店 – 紀伊国屋書店(新宿2店) ※直接卸し販売 – その他、10冊以上の注文があればどこでも販売可能

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販売スケジュール

• 原稿素材が揃ってから、電子書籍発売まで、10日前後

• 印刷書籍発売はストアによって違う

– Amazon:電子書籍発売から2週間以内(場合によっては、1か月かかった場合もある)

–三省堂書店:店頭は翌日、オンラインは2週間程度

–ウェブの書斎:1週間程度

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流通(基本プロモーション)

• プレスリリース

• Weekly メルマガ

• NextPublishing Web (http://nextpublishing.jp/)

• Facebook (https://www.facebook.com/NextPublishingReview)

• 献本制度

※まだ基本的なものしかできていない。今後の課題

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結果、どんな価値が得られるのか?

• 在庫・返品ゼロ

• 品切れなし

• 低コスト化による企画立案ハードルの低減

• 生産性向上によるタイトル数(著者)増加

• 全工程が電子的に管理されるので、生産性が向上し、ミスが減る

• 一人からでも電子出版が始められる

• 分散オフィスが可能(コラボレーションの促進)

• デジタルコンテンツなので、Webとの連携が可能

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伝統的出版とNextPublishingの比較(著者視点) NextPublishing 伝統的出版 セルフ出版(KDP)

電子書籍 同時に制作 後で制作 電子のみ

印刷書籍 有り(POD) 有り(オフセット) ×

企画成立可能性 ○ △ ◎

編集レベル ○ ○ ×

著者サポート ○ ◎ ×

出版までの期間 ○ △ ◎

デザイン/表現力 ○ ◎ △

国際標準 ○ △ △

電子・印刷同時出版 ○ △ ×

出版社ブランド ○ ○ ×

書店流通 △ ○ ×

ISBN ○ ○ ×

最大売上額 ○ ◎ △

品切れなし ○ × ○

改訂 ○ △ ◎

販売報告 ○ △ ◎

著者印税率 ○ ○ ◎

再編(二次著作物) ◎ △ ○

(※当社調べ) 23

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読者にとっての価値

• これまで出ていなかった専門性の高い、またはニッチなテーマの本と出会える

• やはく手に入る

• 電子版と印刷版から選べる

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現在のインプレスR&Dブランドでの設計

• 正味売上60万円

• 電子書籍価格は、印刷書籍価格の6割程度

• 上記で粗利が出るような価格付け

• 結果、販売部数を400で設計

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現在の販売の様相(4月〆)

• 開始から2年間

• 105タイトル(除く青空文庫、NDL古書)

• 累積販売部数 38,908部(買取なども含む)

• 平均販売部数 371部

• 印刷書籍部数:電子書籍部数=53:47(Amazon内)

• ベストセラー 7,107部、1,214万円

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NextPublishing

β公開のお知らせとお誘い

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Page 28: 2014.06.11 NDL所蔵古書PODの狙いとインプレスR&Dの電子出版方針

使うために最低限必要なもの

• パソコン

• インターネット

• Microsoft Office

• Gmail

• (チャレンジ精神のある)編集者1人

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利用金銭条件

コスト:

初期契約料 25万円

製品化料 タイトルごとに10万円

売上:

電子書籍希望小売価格×総販売部数の45% (印刷書籍販売部数は総販売部数に含む)

※β公開につき、今回は5社までを予定しています。

※契約条件はシステムの進化に伴い変更する可能性があります。

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お勧めする取り組み方

• 新刊(新シリーズならなおいい)

• 新組織で取り組む

• 少人数で始めるほうがいい

• 差別化が効いた企画

• デザイン勝負ではなく、内容勝負もの

• たとえば、新書、専門書シリーズなど

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お勧めしないこと

• 既存編集内での部分的な利用

• 雑誌やビジュアル性の強い企画での利用

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現在、開発中のもの

• デザインスタイル追加

• デザインスタイルのユーザーカスタマイズ

• 売上速報

• 全ワークフローの電子化(SiORi v4)

• プロモーション制度

• EPUBマガジン v2

• 編集支援機能の充実 など

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共同出版を希望される場合は

[email protected] (代表メール)

[email protected] (井芹あて)

までご連絡ください。

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最後に、NextPublishingとは?

“編集者のための電子出版ビジネス支援環境”

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ご清聴ありがとうございました。

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