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Project Araと新しいものづくりのエコシステム

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Agenda

背景:クラウドとグローバルネットワークの成立

”Internet of Things” について

「賢い」機械たちの登場

製造業回帰 -- 各国の取り組みと草の根での運動

3Dプリンター技術が向かうところ

Project Ara -- 60億人のためのスマートフォン

Local Motors と General Electricの取り組み

Project Ara – 新しいものづくりのエコシステムへの期待

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クラウドの成立

21世紀の初頭、かってない巨大な規模の分散システムがネットワーク上で稼働を始めた。現在のITを領導しているのは、こうした大規模分散システムを所有し、その上でサービスを提供しているGoogle, Amazon, Apple, Facebookといった企業達(Gang of Four / GAAF)である。

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Google

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Amazon

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Apple

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Facebook

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Microsoft

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Google

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Google

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Facebook

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Microsoft

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ITの世界は、この10年で大きく変わった

2004年 Google上場

2004年 Google 論文公表

2006年 Amazon EC2, S3

2007年 Apple iPhone

2008年 Microsoft Azure

2008年 Google Android

2012年 Facebook上場

世界は、この先10年でどう変わるのか?

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グローバルネットワークの成立

インターネットのグローバル化は、20世紀の後半から始まり現代の社会と経済に大きな影響を与えてきたIT化の一つの段階が終わり次の段階が始まるという世界史的な変化である。

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ITU 2014年のまとめ携帯とインターネットとスマートフォン

携帯の所有率は、2014年、世界平均で95.5% (2013年 93.1%) 。

インターネットを利用する個人の割合は、2014年、世界平均で40.4% (2013年 37.9%)。

モバイル・ブロードバンド(スマートフォン)を利用してインターネットにアクセスする個人の割合は、2014年、世界平均で32.2% (2013年26.7%)。

http://www.itu.int/en/ITU-D/Statistics/Pages/stat/default.aspx

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スマートフォン

携帯電話

インターネット

95.5%

40.4%

32.0%

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現在、スマートフォンは、10年前の携帯電話と同じ水準まで普及している

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Next Billions とGlobal Network - 10年後の世界

10年後、世界の携帯電話は、スマートフォンに置き換わっているだろう。今後の10年間で、新たに50億人がスマートフォンを持つ。それが、Next Billions。

それは、70億人がインターネットにつながることを意味する。それが、Global Network。

この変化は、20世紀の最末期に始まり、現代の社会と経済に大きな影響を与えてきたIT化の一つの段階が終わり次の段階が始まるという、世界史的な変化である。

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iOS 11.7%

http://www.idc.com/prodserv/smartphone-os-market-share.jsp

スマートフォンのマーケット・シェア2014年 Android 84.4%

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Androidの果たしている二つの役割

インターネットの拡大の最大の推進力

新しいWeb技術の最大のプラットフォーム

Android 5.0で導入されたMaterial Designとそれを支えるPolymer等の技術は、Androidが、Web Component等の新しいWeb技術の展開の中心的な舞台であることを示している。

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”Internet of Things” の意味するものを考える

”Internet of Things”は、IT業界では熱いバズワードだが、一般のコンシューマにとっては、それは、ITとネットワークの未来を指し示すものとしては、さほど魅力的なコンセプトではないと筆者は考えている。

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“That ‘Internet of Things’ Thing”

by Kevin Ashton 初出

the phrase "Internet of Things" started life as the title of a presentation I made at Procter & Gamble (P&G) in 1999. Linking the new idea of RFID in P&G's supply chain to the then-red-hot topic of the Internet was more than just a good way to get executive attention

http://bit.ly/1bt4GBP

すべての「モノ」に、「インターネットのように」IDを持たせるというアイデア

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「ヒトのインターネット」の重要性

”Internet of Things” といっても、これからのインターネットが、「モノのインターネット」に変化して行くわけではない。

今後のインターネットで、もっとも重要な変化は、インターネットを利用する個人のグローバルな規模での拡大である。インターネットは、引き続き「ヒトのインターネット」で あり続ける。

それは、人と人を結ぶコミュニケーションと情報共有・個人の自由時間の享受にかかわるメディアとして、今後も様々な展開を見せるだろう。

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”Internet of Things” というネーミングをドライブするもの

第一に、それは、現在のインターネット利用の中心である「ヒトのインターネット」「メディアとしてのインターネット」以外に、インターネットが利用出来るという期待なのだ思う。

第二に、60億人がスマートフォンを持つ世界は、我々人間のまわりに、小さいながら強力なコンピュータが常にある世界である。それは、我々の身の回りにある「機械」にコンピュータが内蔵されてIT技術が活用されれば、もっと便利だという夢を膨らませる。「賢い機械」の応用は、無数にあり得る。

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「社会的な存在」としての人間経済のネットワークが、本質的に重要

ネットワークにつながる事が、本質的に重要な意味を持つ領域がある。それは、人間が孤立して生きているのではなく、社会的な存在であることと結びついている。

インターネット・携帯電話・SNSの普及等、コミュニケーションと情報共有を本質とする「メディアとしてのネットワーク」は、その代表的なものである。

同時に、人間が作り出す社会的なネットワークで重要なものに、「経済のネットワーク」がある。(cf. 自然の「エコ・システム」)

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全経済活動のネットワーク化

「エンタープライズ」という名前を冠しているのだが、現在のエンタープライズ・システムと経済活動の接点は、まだ部分的なものである。

例えば、工場の生産システムは、通常は、いわゆるエンタープライズ・システムとは切り離されている。サプライ・チェインや商品流通、広告や販売のシステム も、狭義のエンタープライズ系のシステムとは別のものである。

経済の、生産-流通-消費・決済の全過程でのネットワーク化の推進は、エンタープライ ズ・システムの変化として現れる。

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「経済のネットワーク化」とCyber-Physical System

グローバル・ネットワークの下での経済の全過程のネットワークへの包摂は、現在のエンタープライズ・システムと経済のエコ・システムに大きなインパクトを与えるのは確実である。

そうした展望には、”IoT”という言葉より、ネットワークやITのCyberな世界と現実のPhysicalな世界の結合を表す、”Cyber-Physical System”という言葉がふさわしい。

後述のIndustrie 4.0もProject Araも、基本的には、Cyber-Physical Systemというフレームに依拠している。

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“Internet of Things”についてのIT企業の取り組み

“Internet of Things” は、社会生活のあらゆる場面に、ITを浸透させようというものであるので、IT企業にとっては、そのリーチを拡大する絶好の機会となる。ほとんど全てのIT企業が、活発な取り組みを行っているのは当然である。ここでは、そのいくつかを紹介する。

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Ginni Rometty

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Smarter Planet

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2010年から2015年までの世界のトランジスター数の予想

IDF2011 Keynoteより 2011/9/13

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Internet of Everything

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Cloud-connected

Large

Mobile

Micro

Small

Azure M2MDevice managementCommand & ControlData Analytics

RemoteAccess

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Windows for the Internet of Things will be free

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ERP(Enterprise Resource Planning)基幹再構築

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Supply Chain Management

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「賢い」機械たちの登場

先に見たIoTを熱心に推進する企業たちが、必ずしも、現在のITのイノベーションの主要な担い手ではないことにも注意が必要である。

現代のイノベーションの焦点の一つは、「賢い」機械の創出と機械と人間のインターフェースの変化にある。

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方向指示が、すぐ目の前に

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思った事を、何でも聞いてみる

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しゃべった事を、他の言葉に翻訳する

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質問しなくても、答えてくれる

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file://localhost/.file/id=6571367.150935794

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Amazon Echo

https://www.youtube.com/watch?v=KkOCeAtKHIc#t=70

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Amazon版のMapReduce

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https://www.youtube.com/watch?v=6KRjuuEVEZs

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http://gigazine.net/news/20141202-amazon-kiva-robot/

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https://www.youtube.com/watch?v=bPdltu-93pM

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https://www.youtube.com/watch?v=TAQONJBYGGk

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Google 自動運転車

https://www.youtube.com/watch?v=EoHa0PgeSho

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Google Car

https://www.youtube.com/watch?v=EoHa0PgeSho

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運転自動化の取り組み

ベンツ:https://www.youtube.com/watch?v=u5NDv1cyjiA

Audi:https://www.youtube.com/watch?v=YSfijL7pkyI

トヨタ:https://www.youtube.com/watch?v=of9-zKSLBUA

日産:https://www.youtube.com/watch?v=mYnIcTquLNY

ホンダ:https://www.youtube.com/watch?v=UGlrq1atZM4

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1

0

J(0,1)

機械学習技術

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Google Prediction API

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MS Azure Machine Learning

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MS Azure Machine Learning

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IBM Watson Analytics

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Geoffrey Hinton Andrew Ng

Deep Learning

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The architecture and parameters in one layer of our network.

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Faceno Face

これが、一千万個の画像データから、16,000コアのマシンが三日間かけて抽出した「人間の顔」のイメージらしい。子供の絵に似ているのが面白い。

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http://bit.ly/1rSRzHq

「Googleの猫」

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http://www.clarifai.com/

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顔認証

資料 http://bit.ly/1mrZ8m0ビデオ http://bit.ly/1rmKe0A

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IBM Watson

http://bit.ly/1v9dHvz

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人間の言語能力の解明が鍵になる

知覚のレベルでは、機械の能力は人間に追いつき追い越そうとしている。ただ、多くの知識を活用し、正しい推論・判断する点では、機械は人間にかなわない。こうした人間の能力の中核は、その言語能力である。

機械の「認知能力」と「言語能力」の改善は、あらゆる場面での機械化・自動化の可能性を大きく広げるとともに、機械と人間とのインターフェースにとどまらず、機械と人間の関係を大きく変える可能性がある。

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Skype Translator

http://msrvideo.vo.msecnd.net/rmcvideos/217733/217733.mp4

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自動翻訳機械とインターネットの未来

現在のインターネットの最大の問題は、「情報共有」の可能性とは裏腹に、事実の上では、それが、言語・国家・文化の障壁で、分断化されていることである。

国家や民族、文化や宗教の壁がなくなるには、歴史的といっていい長い時間がかかるのは避けられないのだが、言語に関して言うと、多言語に対応したリアルタイムの自動翻訳機械の実現は、この50年の間に実現する可能性はある。

この時、インターネットの可能性は、大きく花開くだろう。

Page 81: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

「賢い」機械たちの登場参考資料

「「インターネット主権」論と「ほんやくコンニャク」待望論」http://on.fb.me/1vrTdRN

「人間の思考、機械の思考-- IT技術者のための機械による知能研究入門」

http://bit.ly/1rSbiln

「人間の思考、機械の思考」http://bit.ly/1wAR8kb

「エンタープライズと機械学習技術」http://bit.ly/1tDmpTt

「マルレク講演資料集」http://on.fb.me/1sKt9ek

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製造業回帰 -- 各国の取り組み

ドイツ: 新たな「産業革命」 --“INDUSTRIE 4.0”というビジョン

アメリカ: “Made in America”への回帰

中国: 世界一の製造大国

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ドイツ: 新たな「産業革命」 --“INDUSTRIE 4.0”というビジョン

「経済のネットワーク化」に関係して、ドイツの“INDUSTRIE 4.0”というビジョンを紹介しようと思う。IT技術と製造技術の統合が、新たな産業革命をもたらすというはっきりとした歴史認識と、技術の未来の展望が明確な形で示されている。

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“Recommendations for implementing the strategic initiative INDUSTRIE 4.0”

2013年4月

http://www.plattform-i40.de/sites/default/files/Report_Industrie%204.0_engl_1.pdf

Page 85: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Recommendations for implementing the strategic initiative INDUSTRIE 4.0

http://www.plattform-i40.de/sites/default/files/Report_Industrie%204.0_engl_1.pdf

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”INDUSTRIE 4.0” のビジョンCyber-Physicalへ

第一次産業革命: 機械

18世紀末の蒸気機関の導入

第二次産業革命: 電気

20世紀に始まる電気を動力とする大規模工場生産

第三次産業革命: IT

1970年代に始まり今日まで続いている、電子技術・ITを利用した生産の自動化

第四次産業革命: Cyber-Physical

ネットワークのサイバー空間と物理的な生産の世界が結びつく

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スマート自動車 スマート流通

スマートビルディングスマートグリッド

スマートプロダクト

Smart Factory

CPS

Smart Factory : CPSの中核

Page 88: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Smart Product

スマートな生産物は、それぞれが一つ一つユニークに同定可能で、どんなときでも自分の場所を特定出来、自分自身で、自分の履歴情報と自身の最終状態を達成する為のいくつかの代替経路を知っている。

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Cyber-Physical Systemと二重のネットワーク・システム

Cyber-Physicalシステムに組み込まれた製造システムは、工場と企業のビジネス・プロセスに垂直方向にネットワークで接続され、水平方向には、注文がなされた時からロジスティックに送り出されるまさにその時まで、リアルタイムに管理可能な多様なバリュー・ネットワークに接続される。

それに加えて、水平・垂直双方のネットワークは、ともに、バリュー・チェイン全体を横断した、end-to-end のエンジニアリングを可能にし、また、それを要求する。

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垂直方向のネットワーク:工場内の統合されたネットワーク化された製造システム

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水平方向のネットワーク:多数の企業を結んだバリュー・ネットワーク

Page 92: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

水平方向のネットワーク:多数の企業を結んだバリュー・ネットワークそれはグローバルなものかもしれない

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一人の個人の要求でも満たすことの出来る柔軟な生産システム

Industrie 4.0 は、巨大なポテンシャルを持っている。Smart Factoryは、個人の消費者の要求を満たす事を可能にし、それは、たとえ一個だけの商品でも、利益を確保しながら製造出来る事を意味する。

Industrie 4.0では、ダイナミックなビジネスとエンジニアリングのプロセスが、最後の数分の間にでも生産を変更することを可能とし、 供給者の為には、供給の中断や失敗に柔軟に対応する能力を与える可能とする。

Page 94: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

end-to-end:製品の開発・設計から、消費者個人への製品の提供まで

Cyber-Physical システム/Smart Factory によって 、製品の開発・設計から、消費者個人への製品の提供まで、製造過程のend-to-endの透明性が与えられ、最適な意思決定が容易になる。

Industrie 4.0 は、価値創造の新しいやり方と新しいビジネス・モデルを結果として生み出す。特に、それはスタートアップと小さなビジネスに対して、下流のサービスを開発し提供する機会を提供するだろう。

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end-to-end:製品の開発・設計から、消費者個人へのサービスの提供まで

製品のデザインと開発

生産計画

生産エンジニアリング

生産

サービス

Page 96: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Industrie 4.0と社会的課題

それに加えて、Industrie 4.0 は、資源・エネルギーの効率性、都市での生産と人口動態の変化といった今日の世界が直面している挑戦的な課題のいくつかに取り組み、それを解決するだろう。

Industrie 4.0 は、バリュー・ネットワーク全体をまたいで、継続的な資源の生産性と効率性の獲得を行き渡らせることを可能にする。それは、人口動態の変化や社会的要因を考慮に入れるようなやり方で、仕事が組織される事を可能とする。

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Smart Assistant Service

スマート・アシスタンス・システムは、労働者が決まりきった仕事を行わなければならない事から解放し、創造的で価値付加的な活動にフォーカスする事を可能にする。

差し迫っている熟練労働者の不足という観点からいえば、それは、年配の労働者が労働生活を延長しより長い期間生産的である事を可能にする。

柔軟な労働の組織化は、労働者が仕事とプライベートな生活を結びつけ、専門的な開発をもっと効率的に行う事を可能とし、仕事と生活のよりよいバランスを促進する。

Page 98: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

生産ライン上では、厳密に連続的な自動車生産

切り離され、完全に柔軟で高度に統合された生産システム

もしも自動車がSmart Productになれば?

現在の自動車の生産ラインでは、同一車種が、ラインを連続的に流れている。もしも、自動車がSmartProductになり、固有のIDを持つ(製造部品も)ようになれば、一台一台異なった自動車を作り出す事が可能になる。

Page 99: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

自動車組立ラインの電源を、土日には

落とす

現在の自動車の生産ラインでは、生産が行われていない土日でも、ラインの電源は落とされていないという。人間は、ラインにあわせてシフトを組んでいる。ラインを土日に止める事は、可能である

Page 100: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ドイツの認識

製造機械のセクターでのグローバルな競争は、ますます熾烈なものになっている。ドイツは、製造業にモノとサービスのインターネットを展開する傾向を認識している唯一の国ではない。さらに、ドイツの産業に脅威となっているのはアジアの競争者だけではない。アメリカも、また、「先進的製造業」を推進するプログラムを通じて、脱工業化への戦闘の対策を講じている。

Page 101: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ドイツの二つの戦略

産業的生産からIndustrie 4.0へのシフトをもたらす為に、ドイツは二つの戦略を採用する必要がある。

ドイツの製造装置産業は、たえず情報・コミュニケーション技術を伝統的な先端技術戦略と統合して、スマート製造技術をリードする供給者となるように、グローバル市場でのその優位を維持しなければならない。

同時に、CPS技術と製品をリードする市場を作り出し、そこで役目を果たす必要がある。

Page 102: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

アメリカの取り組み

アメリカは、オバマ大統領のもと、”Made in America”の復活を旗印に、アメリカ製造業の近代化に大きな力をさいている。

Page 103: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Advanced Manufacturing Partnership 設立の呼びかけをするオバマ大統領

2011年6月

Page 104: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

2011年 AMP立ち上げ

2011年6月、オバマ大統領は、”Advanced Manufacturing Partnership (AMP)”を立ち上げる。

AMP Steering Commiteeの構成工学系トップの大学 (MIT, UC Berkeley, Stanford, CMU, Michigan, GIT)の学長アメリカのトップ企業 (Caterpillar, Corning, Dow Chemical, Ford, Honeywell, Intel, Johnson & Johnson, Northrop Grumman, Procter & Gamble, United Technologies)のCEO

Page 105: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

オバマ演説「アメリカで発明しアメリカで製造する」

“本日、私は、我々の全て -- 私的企業・大学・政府機関 -– に、アメリカ製造業のルネッサンスをスパークさせ、我が国の製造業が世界のいかなる国とも競争するために必要な最先端のツールを開発するのを助ける為に、一緒になるよう呼びかける。 ...

これらの重要な投資によって、我々は、合衆国が「ここで発明し、ここで製造する」国にとどまり、アメリカの労働者に、高品質・高賃金の仕事を作り出すことを保証する事が出来る”

http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/06/24/president-obama-launches-advanced-manufacturing-partnership

Page 106: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

2012年 NNMIIの設立

2012年7月、AMPは16の勧告をレポートする。その中には、”National Network of Manufacturing Innovation Institutes (NNMII)” の設立が含まれていた。

NNMIIは、官民連携組織で、アメリカの企業の国際的競争力を高め、アメリカの製造施設への投資を増加させる為に、「優れた製造技術の地域のハブ」になる事が期待された。

Page 107: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

オバマ演説“Made in America”

“我々は、地域を助ける為に、その地域を、世界の先端技術の仕事のセンターに変える事を助ける為に、進んで一緒にパートナーを組もうとする企業と大学を求めている。というのも、我々は、製造業の次の革命が、「Made in America」になる事を望んでいるからだ。"

-- President Obama, May 9, 2013

http://manufacturing.gov/nnmi_overview.html

Page 108: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Advanced Manufacturingに22億ドル

2013年度予算では、advanced manufacturingに対する研究開発予算は、19%増えて22億ドル(2,200億円)に。

この予算で、National Institute of Standards and Technology (NIST)は、国内の製造業に研究施設とノウハウを提供する施策に1億ドル(100億円)を支出。

NISTは、またAdvanced Manufacturing Portal を運営している。これは、AMIの勧告に基づいたもの。

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Page 110: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

政府のJobs and Innovation Accelerator Challenge initiative も、advanced manufacturingの分野に、2000万ドルを投資するという。

アメリカでは既に2006年から、National Science Foundation (NSF)が、Cyber-Physical Systemを重要な研究分野として位置づけていたが、製造業での利用については、おおきな進展はなかった。

Page 111: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Networking and Information Technology Research and Development (NITRD) は、 「人間とコンピュータの相互作用」「情報管理」を含む、異なるITの領域で共同研究を進める為に、18の研究機関を一つにまとめるプログラムである。

2011年、NITRDは、30億ドル(3,000億円)の予算を獲得した。

Page 112: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

中国の取り組み

中国は、2008年以来、世界最大の機械産業大国である。第12期5カ年計画(2011年 -2015年)に、中国は「戦略的産業分野」に、168兆円の予算を投入している。

Page 113: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

機械エンジニアリング産業の売り上げ各国比較

EU全体

中国

アメリカ

ドイツ

ロシア

Page 114: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

中国第12期5カ年計画

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第12期5カ年計画

中国は、急速に機械工業産業を拡大している。第12期5カ年計画(2011年-2015年)で中国は、7

つの「戦略的産業」分野で外国への技術依存を低減しグローバルな技術のリーダーシップを追求する事を打ち出した。その中に、ハイエンドの製造装置、新世代の情報技術が含まれている。

中国指導部は、この目的達成の為に2015までに、168兆円(1.2 teillion euros)を投下する。また研究開発投資を、2015年までに現在のGDPの1.5%から2%に拡大するという。

Page 116: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

機械装置の分野では、“インテリジェント工作機械”, “インテリジェント制御システム”, “高機能数値制御マシン”を重点とし、ITの分野では“Internet of Things”とその応用(「産業の制御と自動化」を含む)を重点とした。

“Internet of Things”の優先順位は、2010年から、北京の指導部によって大きくあげられた。中国は2010年から、毎年、Internet of Things Conferenceを開催している。

Page 117: Project Araと新しいものづくりのエコシステム
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2010年、「IoTセンター」がオープンした。この研究センターには、1億1700万ドル(117億円)の基金が与えられた。

中国は、江蘇省無錫市に「IoTイノベーション・ゾーン」を設置し、300の企業と7万人の従業員を抱えている。

中国指導部は、2015年までにIoTの分野に、8億ドルを投下する事を計画している。

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製造業回帰 -- 草の根からの運動

「ものづくり」への回帰は、何も、国家レベルのプロジェクトのみによって推進されているわけではない。草の根からのMakersの運動は、大きな広がりを見せている。

Page 120: Project Araと新しいものづくりのエコシステム
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3Dプリンターのオープンソース化Reprapプロジェクト

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オープンソース・ハードウェア(OSHW)基準書1.0

オープンソース・ハードウェアは設計図が公開されたハードウェアであり、その設計図やそれに基づくハードウェアを誰もが学び、改変し、頒布し、製造し、そして販売できる。オープンソース・ハードウェアの元となる設計図は、変更を加えるのに適したファイル形式で入手することができる。理想的には、オープンソース・ハードウェアは、万人が作って利用する可能性を最大限にするため、容易に入手できる部品と材料、標準的な加工方法、オープンな基盤、制約のないコンテンツ、そしてオープンソースの設計ツールを使用することが望ましい。オープンソース・ハードウェアは、設計図のオープンな交換による知識の共有と商品化を奨励すると同時に、テクノロジーを統御する自由を人々に与える。

http://www.oshwa.org/definition/japanese/

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FabLab

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Makers Faire Tokyo 2014

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DMM.make 秋葉原

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3Dプリンターの向かうところ

Makersの運動の大きな

きっかけとなった、3Dプリ

ンター技術は、今、大きく

変わろうとしている。

Page 128: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

3Dプリンターの技術的課題

量産化:プロトタイプだけではなく、量産を目指す。

素材の拡大:プラスチックだけではなく、金属その他の素材を、安価に印刷できるようにする。

大型化と高速化:10倍の大きさのものを500倍のスピードで印刷する。

Page 129: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

航空宇宙産業での3Dプリンタの利用

エアバス 350

Page 130: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

エアバス のブラケット

Page 131: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

航空宇宙産業:3Dプリンターでパーツの量産を行うメリット

航空機は自動車より生産ロットははるかに小さいが部品数は膨大である。3Dプリンターの利用によって、部品の耐久化・軽量化が可能となり、大幅なコスト削減(材料費、金型製造費、製造に要するエネルギー費、人件費、時間)が可能となる。加えて「万が一」の為の部品の在庫も無くせる。

Page 132: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ほとんど全ての航空宇宙産業が、3Dプリンターを積極的に導入している

航空機用パーツの3Dプリントで2億円のコスト削減を目指すBAEシステムズ http://i-maker.jp/bae-

systems-1313.html

3Dプリントされた無人航空機 Area-I社の737モデル http://i-maker.jp/area-i-1159.html

3Dプリンターで航空機エンジンを作り始めたロールス・ロイス http://i-maker.jp/rolls-royce-3d-print-

722.html

GEの3Dプリンター投資計画!ジェットエンジンの燃料ノズルを作る計画とは http://i-maker.jp/3d-

print-ge-jet-engine-632.html

http://i-maker.jp/3d-print-airbus-1913.html

Page 133: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ほとんど全ての航空宇宙産業が、3Dプリンターを積極的に導入している

ガスタービンパーツ製造で3Dプリント技術を導入するシーメンス http://i-maker.jp/siemens-1269.html

エアバス製造に3Dプリントの導入で材料消費量を75%、CO2排出量を40%まで削減! http://i-

maker.jp/3d-print-costcut-428.html

3Dヴァーチャルと3Dプリントを導入したロッキード・マーチン宇宙開発 http://i-maker.jp/3dvirtual-

print-280.html

http://i-maker.jp/3d-print-airbus-1913.html

Page 134: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

NASA国際宇宙ステーションに3Dプリンター

Page 135: Project Araと新しいものづくりのエコシステム
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オークリッジ国立研究所

Page 141: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

オークリッジ国立研究所:「10倍の大きさのものを500倍のスピードで」

アメリカのオークリッジ国立研究所は、「マンハッタン計画」以来のアメリカ政府直轄の研究機関。

現在より、10倍の大きさのものを500倍のスピードで出力出来る、巨大パーツの製造が可能な超高速3Dプリンターの開発も行っている。

同研究所のUser Facilities は外部に開放されていて、営利目的でも非営利目的でも利用できる。年間3,000人以上が、このFacilitiesを利用しているという。

Page 142: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

オークリッジ国立研究所の3Dプリンター研究の「目的」

「研究所の3Dプリンター研究の目的は、プロトタイピングから生産への移行と、分散化した「民主化」された製造業を可能とすることである。そこでは、3Dプリンターが全ての人の収入の源となる。」 Lonnie Loveの発言, group leader for

automation, robotics and manufacturing

近い将来には、全国28,000の高校に、3Dプリンターを置くという。

“ORNL Seeds 3-D Printers To Drive New Revolution”「オークリッジ国立研究所は、3Dプリンターが新しい革命をドライブするように種をまく」 http://bit.ly/1oyTaxZ

Page 143: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Project Ara-- 60億人のためのスマートフォン

Next Billionsの実現には、スマートフォンの低価格化が不可欠である。Googleは、2015年の1月には、50ドルのスマートフォンを発売すると宣言していた。(現在は、2015年中に最初のマシンを市場に投入するという。)スマートフォンのモジュール化は、その為にも大きな意味を持つ。

Page 144: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

2014年4月15-16日 Ara Conference

スマートフォンは、我々の生活の中で、最も我々に力を与え、最も我々にみじかなものである。ただ、我々の多くは、このデバイスがどのように作られ、それが何をしているのか、それがどのように見えるかについて、語ることはほとんど無い。そして、我々のうちの50億人は、それを持っていない。正確に、スマートフォンが行っていることについて、よく考えた選択を行うことができ、あなた自身のストーリーを語る創造的なキャンバスとして、それを利用できるもの?

Project Araを紹介したい。

何よりも、60億人のためにデザインされたものである。

Designed exclusively for 6 billion people.

Page 145: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

全人類の為のデザイン

Page 146: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

60億人の為の、安価なプラットフォーム

Page 147: Project Araと新しいものづくりのエコシステム
Page 148: Project Araと新しいものづくりのエコシステム
Page 149: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

AraのEnd Skelton

Page 150: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Araのアプリケーション・プロセッサー

現在、Rockchip と共同で開発しているSoC を、ネイティブでサポート。次の二つもサポート準備中。

Marvell PXA1928

64bit Quad Core

5-Mode Cellular Modem

NVIDIA Tegra K1

64bit Dual Core

128 GPU Core

Page 151: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

2014年6月27日 Google IO Ara 初登場

https://www.youtube.com/watch?v=0He3Jr-fZh0

Page 152: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

2014年11月10日 Ara 再登場

https://www.youtube.com/watch?v=2pr9cV6lvws

Page 153: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

2015年1月14日 Ara Conference 2015

Page 154: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

「ものづくり」のツールの共有– 開発ツールの無償提供

重要な事は、Googleが、Project Araの中心的な柱として、モジュール開発の為のツールMetamorphosysをオープンソースの形で無償提供しようとしている事である。それは、ソフトウェアの世界でのEclipseが果たした役割を、「ものづくり」の世界で果たすことになるだろう。

Page 155: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

http://www.projectara.com/ara-developers-conference/

Project Ara Conference 2014/04/15-16

Day 2 “Metamorphosys design tools ”

Page 156: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

回路をどう設計するか?

Araのモジュールに収まる?

電波の干渉は起きないか?

ソフトはうまく動くか?

動作のスピードは?

発熱しないか?

.

Metamorphosysモジュール開発ツールに

出来ること

Araモジュールの設計・開発・テスト・製造(3Dプリンターのデータ作成)まで、全てこなす万能ツールがオープンソースで提供される。

Page 157: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

それぞれのドメイン(CAD,スキーマふるまい等)毎にバラバラのモデル

切り離された、高価な開発ツール

一つのコンポーネントしか選べない

設計・解析・製造毎に、バラバラのワークフロー

モデルは、特定のフォーマット・ツール・専門性に結びついている

複数のドメインの切り口を持った、単一の”META”モデル

オープンソースで統合された無料のツール

“Design Space”によって設計者は動的に、コンポーネントのビルト前のライブラリーを考慮できる

設計・解析・製造のトレード・オフは、一つのツールで可能

成長するオープンなライブラリー

これまでのデザインツールとMetamorphosysの違い

Page 158: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Project Araのエコシステムの基礎モジュール開発ツールの共有

誰もが「ものづくり」のツールを持つことが出来る:オープンソースでの無償提供。

誰もが容易に使える:これらのツールは、ハードウェア設計の専門家でなくても、Araのモジュールをデザインする事を助ける事が出来る。

誰もが簡単にデータを交換・共有出来る:グローバルでオープンな「ものづくり」コミュニティとデータのネットワーク・マーケットの拡大。

誰もが簡単に「ものづくり」出来る:データを3Dプリンターにいれれば、その場で、ものが出来る。部品の輸送コストは大幅に削減出来る。

Page 159: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

3Dプリンターによるモジュールの製造

Googleは、3Dプリンターの最大手 3D Systemsと共同で、将来的には、次のようなAraモジュールを製造する3Dプリンターを作ろうとしている。

Page 160: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

当面は、モジュールの外側の「シェル」を3Dプリンターで製造する

Page 161: Project Araと新しいものづくりのエコシステム
Page 162: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

再利用可能なAraコンポーネントをデザイン

・アプリとドライバーの開発・ハードウェア・モジュールの開発

Araシステムの設定と統合

・個人向けの設定・変更可能

ユーザーの期待に応えながら、安全性と操作性の基準を保証する

Araプラットフォームで定義されたデザインの制約を満たしながら、デザインツールMetamorphosysが提供するデザイン手法を利用

モジュール開発ツール、3Dプリンターを使った開発サイクル

Page 163: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Local Motorsの取り組み

「ものづくり」の新しいスタイルとしては、自動車製造でのアメリカのLocal Motorsの試みが興味深い。電気自動車の「地産地消」を目指すLocal Motorsは、オークリッジ国立研究所やGE社と、緊密に連携している。

Page 164: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ローカル・モーターズ、電気自動車のシャーシを公開、3Dプリンター製

Page 165: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ローカル・モーターズ、電気自動車のシャーシを公開、3Dプリンター製

先のオークリッジ国立研究所のUser Facilities の3Dプリンターでつくられた、

四つの部品をボルトと接着剤で組み立てる。素材は車体を軽量化するために炭素繊維が注入されたABS樹脂。

電気自動車のつくり方は、今の自動車生産とは、大きく変わる可能性がある。

Page 166: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Local Mortors 世界で初めて、3Dプリンターで、自動車の製造に成功

Page 167: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

https://www.youtube.com/watch?v=daioWlkH7ZI

Page 168: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Local Motorは、どう動いているか

Page 169: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

世界には、お金を沢山持っている人、賢い人、才能にあふれている人がいる

Page 170: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

それでも、一人で、オリジナルな車を作ることは、難しい。

Page 171: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

でも、いまでは、それができる。

Page 172: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ものづくりを助けあう、Co-Creativeチームに加わり、

Page 173: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

開発

Page 174: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

組み立て

Page 175: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

修正・改造して新しい車が出来あがる。

Page 176: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

もうすこし、詳しく見てみよう

Page 177: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

まず、コミュニティに参加して、

Page 178: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

次に、新しい車のコンセプトをデザイン、

Page 179: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ハードのデザイナーなら、コンペティションに参加

Page 180: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

デザインは、レビューでチェックされ、

Page 181: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

なにを開発すべきかは、投票で決定される。

Page 182: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

全てのデザインは、Creative Commonsライセンスで守られる

Page 183: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

もっとも支持されたコンセプトが決まると

Page 184: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Co-Creationが始まる

Page 185: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

こういうのとか、

Page 186: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

こういうのとか、

Page 187: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

こういうの

Page 188: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

デザインが決まったら、

Page 189: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

エンジンを作る人、車体を作る人、インテリアを作る人....で作業を分担

Page 190: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

製造は、Micro Factoryで行われる

Page 191: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Micro Factoryは地域に展開される

Page 192: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

マイクロ・ファクトリーのメリット

マイクロ・ファクトリー

地域の雇用

快適なサービスの提供

持続可能性

資源を浪費しない

Page 193: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ものづくりは、地域で!

Page 194: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Co-Creativeと

Page 195: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Open Source

Page 196: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

それで、簡単!

Page 197: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

新しい車を作ることが出来る!

Page 198: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

General Electricの取り組み

注目すべきなのは、世界最大の製造業会社であるGeneral Electric社の取り組みである。GEの取り組みは、驚くほど柔軟で大胆である。

以下、それを紹介しよう。基本的には、「ものづくりの世界は、変わった」という認識と未来へのビジョンがこうした取り組みを支えている。

Page 199: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

GEがインドで2億ドルの3Dプリント工場を設立:ジェット・エンジン部品

このインド最初の工場はインドのマハーラーシュトラ州の西部に位置し、ジェットエンジンやガスタービンに使用されるさまざまなパーツの生産が行われる。3Dプリンターで量産されるパーツ類はプラスチック部品と金属部品の両方だ。

GEは既に自社製造の10%は3Dプリンターを使用して製造しているが、3Dプリンターによる生産比率を50%まで拡大する方向で動いている。

http://i-maker.jp/ge-3d-print-indea-3360.html

Page 200: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

GEとGrabCAD、クラウドを使ったパーツ開発プロジェクト

GrabCADは3DプリントできるCADデータの無料ダウンロードサービスを提供する会社。登録者は、130万人以上。

Page 201: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

パーツ開発プロジェクト56 カ国700以上のデザインが応募

優勝したのは、インドネシアの若い技術者 M Arie Kurniawanさん。

Page 202: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

GEとローカル・モーターズの未来の製造業プラットフォーム「FirstBuild」

Page 203: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

GEとローカル・モーターズの未来の製造業プラットフォーム「FirstBuild」

クラウドと3Dプリント技術を融合した次世代製造プラットフォーム。

クラウドで全世界のアイデアを製品開発に活かす

アイデア出しから製品開発、そして完全な少量生産から販売まで行う。

既存の流通と価格戦略を破壊する取組

http://i-maker.jp/first-build-2479.html

Page 204: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

GE会長・CEOJeff Immelt

Page 205: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ものづくりは、競争上の優位の主要な源である。企業がアウトソーシングの能力を得てから数十年がたつが、我々が現在目にしているのは、多くの企業がものづくりの強さを再構築している姿だ。企業は、これまで投資の判断を、純粋に労働力のコストだけで行ってきた。しかし、革命的なパフォーマンスを可能とする新素材があり、精密加工技術や強力なコンピューティングの能力は、もののつくり方を変えつつある。GEは、こうしたものづくりの多くの内実を"インソース"して行くだろう。我々は、付加製造技術のような処理技術に投資をしていく。

Page 206: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ものづくりは、産業企業にとってもそれが重要な国家にとっても、競争上の優位の基礎である。ものづくりの概念は既に変わっている。労働力のコストだけが問題になる時代は終わりつつある。人々は、望むものを、望む時につくる事が出来る。起業家達は、以前にはまったくありえなかったものづくりのスペースにすんでいる。ものづくりは、デジタル化され、分散化され、民主化される。

GEは、これらの全てではないにせよ、その大部分をリードしている。我々は、高速コンピューティング、新しいプロセス、付加製造技術に、GEグローバル研究センターで、大きな投資を行いつつある。

Page 207: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Project Ara への期待-- 生産の変化はどこで起きるか

第一次産業革命での綿製品、第二次産業革命での自動車のように、生産の大きな変革は、もっともコモディティした商品の生産の場で起きる。「モノづくりの」の新しい革命的変化が、自動車とスマートフォンの生産の場で起きると考えて不思議はない。

Page 208: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

http://socserv.mcmaster.ca/econ/ugcm/3ll3/ure/PhilosophyManufactures.pdf

第一次産業革命:綿製品

Page 209: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

第二次産業革命

T型フォードの生産ライン

Page 210: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

第三次産業革命

Page 211: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Foxconn iPhone組み立て工場

Page 212: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Google Teams Up With FoxconnFor Robotics Efforts

http://bit.ly/1wULv0w By Andy Rubin?

Page 213: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

Project Araが切り開くもの

Project Araは、新しいプロジェクトなのだが、こうした様々な時代の潮流の延長上に位置するものでもある。

21世紀の「モノづくり」への変化の先頭を、Project Araが走る事を期待したい。

Page 214: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

労働の現場では、機械やロボットに代替可能な肉体的な労働と、技能に基づく熟練労働のいずれもが減少する一方で、誰が行っても同じ効果が求められる、定型的なルーティン・ワークが増大しています。これらの没個性的な労働の一部あるいは全部が、いずれは、コンピュータによって代替されるかもしれないという不安は、情報化社会に生きる人間の意識を深いところで規定していくでしょう。

丸山不二夫 2000

Page 215: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

私は人間が有り余るほどの時間の中でゆっくりと暮らすべきだと思います。人々のニーズを満たすために誰しもが己を捨ててまで忙しく働かなければいけない、という考え方は間違っています。問題なのは、人々がそういったことを間違いであると認識できていないところにあるんです。また、人間は何もすることがなくなったら幸せじゃなくなってしまうと思っていることも問題です。

Larry Page 2014

Page 216: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

変化を、どう、捉えるか?

経済の中核である、ものづくりとそのエコシステムが変わりつつあること、正確には、その新しい可能性が拓かれつつあることに注目しよう。

変化の中心は、IT技術とものづくりの結合、Cyberな世界とPhysicalな世界の結合である。

この変化をドライブしている主要な力の一つは、情報の共有、オープンソースとオープンソース・ハードウェアである。

Page 217: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

あたらしい社会的コンセンサスを

バーチャルな世界での、いわゆる「クリエーター」の仕事だけがクリエーティブなわけではなく、現実の世界でのものづくりも、クリエーティブな仕事と考えることが重要。

ロボットやAIの進出を、「脅威」としてではなく受け止める最良の方法は、すべての人が、ロボットやAIを、自らの手で作り出す基本的なスキルを持つことである。

会社だけではなく、個人が、3Dプリンター等の生産手段を所有するという経済像が必要。

Page 218: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

かつて製造業大国であった、日本の潜勢力を生かす為に

かつて、世界一の製造業大国であった日本には、優れたものづくりのスキルをもった人たちが全国に存在している。ただ彼らは、IT技術に精通しているわけではない。

ITに詳しい若手と、ものづくりに詳しい中高年との交流と協力が新しいエネルギーを生む。

新しい形での、地方でのものづくりの再生。日本のものづくりの中心は、東京ではなく、地方の工場だった。

Page 219: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

3Dプリンターを、自分たちで作ろうという運動。3Dプリンターを作れる人が、どんどん増えている。

https://www.facebook.com/yamagata.makers.network?fref=ts

注目すべきムーブメント

Page 220: Project Araと新しいものづくりのエコシステム
Page 221: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

県内の全ての学校に、3Dプリンターを贈ろうとしている。

先生を中心に3Dプリンターを作れる人の輪が広がる。

Page 222: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

高校生も参加。

Page 223: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

「Project Araと新しいものづくりのエコシステム」全国講演会 現在絶賛計画中

11月26日 会津

11月27日 青森

12月12日 松山

12月13日 高松

12月21日 東京 ABC 2014 Winter

12月27日 横須賀

2月 4日 大阪

2月 5日 神戸

2月 6日 新潟

2月13日 秋田

Page 224: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

参考資料

日本の取り組み

経産省 「2013年版ものづくり白書」

経産省 「産業競争力の強化に関する実行計画」

総務省 「平成25年版 情報通信白書」

Page 225: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

経産省「2013年版ものづくり白書」

http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2013/index.html

Page 226: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

第1章 我が国ものづくり産業が直面する課題と展望

(1)現状認識:日本経済を支えてきた製造業の揺らぎ

(2)課題と方向性:

1. 企業の競争力を最大限引き出す「立地環境の整備」が必要

2. 企業に内在する競争力の源泉である「技術・設備の維持・強化」が必要

3. 企業が自らの競争力を発揮する「ビジネスモデルの変革」が必要

4. 非効率な経営資源を有効活用し競争力を高める「新陳代謝の促進」が必要

Page 227: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

第2章 全員参加型社会に向けたものづくり人材の育成

(1)女性技能者(製造業の女性比率は3割程度。全産業と比較して1割程度低い。)

(2)高年齢技能者(製造業の就業者数が10年で約200万人減少する中、60歳以上は20万人以上増加。)

(3)非正規雇用の技能者(製造業における非正規雇用の労働者は全体の約2割)

(4)今後の方向性

(5)全員参加型社会に向けたものづくり人材の育成を支援・促進する現行の施策

Page 228: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

第3章 ものづくりの基盤を支える教育・研究開発

(1)ものづくり人材育成における大学(工学系)、高等専門学校、専門高校、専修学校の取組

(2)ものづくり人材を育む教育・文化の基盤の充実

(3)産業力強化のための研究開発の推進

①ものづくりに関する基盤技術の研究開発

②産学官連携を活用した研究開発の推進

Page 229: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ものづくりに関する基盤技術の研究開発

燃料電池等の飛躍的な性能向上と低コスト化を目指す計測分析技術・機器の開発を推進。

大型放射光施設(SPring-8)、X線自由電子レーザー施設(SACLA)、大強度陽子加速器施設(J-PARC)の共用を促進し、光・量子科学技術を用いたものづくりに関する研究開発を支援。

世界最高水準の計算性能を有するスーパーコンピュータ

ナノスケール新物質創製・組織制御研究など、社会的ニーズに応える材料研究開発を実施。

Page 230: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

経産省「産業競争力の強化に関する実行計画」

「産業競争力強化法」 逐条解説

http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/kommentar/html_contents/index.html

Page 231: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

「産業競争力の強化に関する実行計画」 重点施策

民間投資・産業の新陳代謝の促進、中小企業等の革新

「全員参加型社会」に向けた雇用・人材制度改革

イノベーションの推進、ITの活用、立地競争力の強化

戦略市場における競争力強化、国際展開の促進

Page 232: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

戦略市場における競争力強化、国際展開の促進

フロンティア開拓のための「技術立国」、世界最高水準のIT社会を実現。産業基盤強化や都市の競争力を高め、企業が活動しやすい国を創る

総合科学技術会議の司令塔機能強化

国家戦略特区について平成26年3月目途の区域指定、規制の特例措置を盛り込んだ特区計画の認定

コンパクトシティ等の推進、持続可能な地域公共交通ネットワークの実現、中心市街地の活性化

ビッグデータ時代におけるパーソナルデータの利活用促進

Page 233: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

総務省「平成25年版 情報通信白書」

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/h25.html

Page 234: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

第1章 「スマート ICT」の進展による新たな価値の創造

日本の元気・成長の実現には、モバイル・クラウド・ビッグデータ・ソーシャル・4K/8K など ICT の最新トレンド(「スマート ICT」)の利活用が不可欠。

我が国のスマートフォン、ソーシャルメディア及びクラウドの利用は、他の先進国に比べて遅れており、その加速が必要。

ICT サービス市場及び通信機器市場では北米・アジア太平洋が成長の見通し。

放送コンテンツ輸出は番組販売から国際共同製作、チャンネル確保など展開手法が多様化。

Page 235: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

ビッグデータ流通量は 7年間で 5.5 倍と高い伸びを示す。また、労働生産性の伸び率との間にプラスの相関関係が存在。

ビッグデータを活用することにより、業務効率化・付加価値向上など高い効果を発現。

Page 236: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

第2章 ICT の活用による社会的課題の解決

電子政府・電子自治体の利用状況について国際比較を行った結果、日本では大きな格差。また、電子自治体の多くは情報提供型にとどまる。

番号制度やオープンデータに対する地方自治体の関心は高く、メリットを具体化させることにより、利用促進の動きも加速するものと考えられる。

Page 237: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

地方自治体は安全・安心分野や医療・介護分野を中心に、ICT を活用した街づくりへの期待感が向上。他方、イメージや効果が明確でないとの指摘も存在。

今後、”生活資源”の安定的・効率的な確保にあたっても、ICT の活用が期待される。

ICT は、超高齢社会にパラダイムシフトをもたらす原動力として期待。

ICT を活用している自治体では、地域の活性化だけでなく医療費削減等の効果も発現。

Page 238: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

第一部第3節 ビッグデータの活用が促す成長の可能性

基本的には、2013年3月に、野村総合研究所が作成した「ICT分野の革新が我が国経済社会システムに及ぼすインパクトに係る調査研究報告書」がベースになっている。http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h25_04_houkoku.pdf

Page 239: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

欧米におけるビッグデータの利活用調査

米国

Big Data Research and Development Initiative 国立科学財団(NSF)、国立衛生研究所(NIH)、国防総省(DoD)、エネルギー省(DOE)、国防高等研究計画局(DARPA)及び地質調査所(USGS)の6機関

Deltek社が行った「ビッグデータ関連事業」調査

EUが支援するビッグデータ関連プロジェクト

BIG(Big Data Public Private Forum)

Planet Data

EIT ICT Labs

Page 240: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

流通業における効果の5類型

プライベートブランド(PB) 商品開発

自販機データの分析と時刻毎の商品投入

商品調達・在庫管理

スーパーの商品利益率を毎日計算

販促の精度向上

購買履歴の分析・割引券の発行

カタログ製作コスト最適化

購入履歴+SNSの書き込みの分析

相互送客による売上向上

共通ポイントカードから自社データ抽出

Page 241: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

製造業における効果の2類型

メンテナンス体制の効率化

機械の稼働状況を遠隔監視し、故障の前兆現象を把握する予防保守

稼働状況と故障状況を分析することで、製品開発や生産工程の見直し

付加価値サービスの提供

稼働状況を遠隔監視し、上記と同様に予防保守を実現しているほか、周囲の環境条件などを分析して、最適な運転を提案し、顧客の節電を促すサービスを行っている

Page 242: Project Araと新しいものづくりのエコシステム
Page 243: Project Araと新しいものづくりのエコシステム

製造業における潜在的な経済効果

メンテナンス体制の効率化

リモート監視によるメンテナンス人件費の効率化 4兆7,380億円

算出根拠 対象産業(はん用機械器具、生産用機械器具、業務用機械器具)の出荷額の総額に15.5%をかけたもの

省エネルギー提案

業務用エアコンのリモート監視による節電 519.7億円

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