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yoichiro-takehora
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自己紹介
株式会社Spelldata 代表取締役社長 ACM(Association for Computing Machinery)会員
CMG(Computer Measurement Group)会員 ISACA(Information Systems Audit and Control Association)会員 日本統計学会賛助会員 html5j パフォーマンス部部長 統計学を基礎から学ぶ! 中西塾主催
Webサイトパフォーマンスに関係する仕事を始めて、もう13年目
やってきた事 VMware … 日本人初のVCPトレーナー Akamai … プロフェッショナルサービス Verizon Business … プリンシパルコンサルタント Keynote Systems … 日本代表 Catchpoint Systems …日本代表
今日、お話する内容
現在の表示速度の基準値
「速さ」はなぜ、重要なのか?
法律での品質の瑕疵担保責任追及の変化
Web表示速度高速化の考え方
レスポンシブデザイン前提のWordPressの高速化
WordPress高速化検証
まとめ
現在の表示速度の基準値速さ大好き日本人の周回遅れの状況
「え、表示速度?何それ?」
現在の世界基準
表示開始時間 … 0.5秒以内 Webブラウザ上に最初の1ピクセル目が表示された時間
表示完了時間 … 2秒以内 DOM Complete
DOM処理が終わって、ユーザが操作可能になった時間
エラー率 … 3%未満
え、500msですか?
え、2秒で表示完了ですか?
日本のEコマースサイトのパフォーマンス
Dynatrace ― https://www.dynatrace.com/en/benchmarks/view-benchmarks.html
アメリカのEコマースサイトのパフォーマンス
Dynatrace ― https://www.dynatrace.com/en/benchmarks/view-benchmarks.html
「速さ」はなぜ、重要なのか?ユーザが、今、最も望むこと
「パフォーマンスは、重要だと思うんですが、今、他の優先事項があるんで…」
「遅いサイトは二度と行かない」
参照資料:Compuware(2012年)
Webサイトに期待するもの
Webサイトに期待すること 1 2 3 4 サンプル数
平均レート
コンテンツの新しさや更新頻度 39%400
29%295
19%191
13%127
1,013 2.04
パフォーマンス
(バッファリングなしで、動画再生、ページの読み込みが速い等)
52%523
26%266
9%87
14%137
1,013 1.84
モバイルサイトとデスクトップサイトの体験が同一であること
20%205
27%274
35%356
17%177
1,012 2.50
パーソナライズされたコンテンツ 12%117
18%182
26%259
44%447
1,005 3.03
Limelight Networkshttp://img03.en25.com/Web/LLNW/%7Bb97f8e45-2370-4f4b-8c8e-fa4141051c72%7D_2014StateoftheUserExperience.pdf
Webサイトを見続けてもらうチャンスは一度きりお見合いパーティー並みにシビア
見てもらえなければ、「他の優先事項」を頑張っても水の泡です。
高速化によって、セッション数が増加
表示完了時間が6秒から3秒に半減1日あたりのセッション数は、10,000から20,000へ倍増
直帰率の改善
パフォーマンスは、最優先事項です!
法律での品質の瑕疵担保責任の追及の変化「仕様」の実現から「目的」の実現へ
非機能要件に対する暗黙の期待
Web制作会社さん:「表示速度について、お客様から要求されることって、ほぼないんですよ」
発注側の会社さん:「え、Webサイトって、高速じゃないと駄目でしょ。当然でしょ?」
従来の民法の規定
第六百三十五条
仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。(後略)
民法改正に伴う請負側の責任の変化
(請負人の担保責任の制限)
第六百三十六条
請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき(中略)は、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。
「仕様の実現」から「目的の実現」へ
民法の条文に「品質」という言葉が入る
従来の瑕疵担保責任 …発注者側が指示した「仕様」を実現しているかどうか
新しい民法での瑕疵担保責任 …発注者側が意図している「目的」を実現しているかどうか
非機能要件に対する責任が、これからは契約上入っていなくても、自動的に責任を負う
Web表示速度高速化の考え方パフォーマンス管理は品質管理
品質管理は、統計的手法が大事
Best PracticeからProven Practiceへ
http://www.oreilly.com/webops-perf/free/files/effective-performance-engineering.pdf
Google PageSpeed Insight
マーケット教育用
表示開始時間0.5秒になりましたか?表示完了時間2秒になりましたか?
「ベストプラクティス」とは何か?
問題の事象
解決策
解決
「ベストプラクティス」?
ベストプラクティス
問題の事象
解決策
解決
問題の事象
解決策
解決
問題の事象
解決策
解決
問題の事象
解決策
解決
問題の事象
解決策
解決
問題の事象
解決策
解決
事象の背後にある原因が違うと、解決策は変わる
解決策B 解決原因B
原因A
原因C 解決策C
解決策A
問題の事象
事象例:画像が重い
計測してみたら、画像が重いと出た
ベストプラクティス:画像を軽量化しなさい→速くならない
過去の事例 Windowsのサーバを使っており、NTFSでフォーマットされたディスクパーティションを80%以上使っていた
NFSでNASをマウントして使っていた
HTMLの生成と、画像の配信を同じディスク上で行って、ディスクのアクセス競合が発生していた
__d_lookup関数がCPUを使いまくる
大量の画像やらCSSやらJavaScriptを配信すると…
Webの配信システムは複雑系
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可用性
ユーザや顧客は、自社サイトに到達できるのか?
ユーザや顧客は自社サイトに登録やログインできるのか
?
自社サイトに、主要マーケットの地域から到達できるのか
?
表示速度
ユーザや顧客は、自社サイトの表示速度に満足している
のか?
サードパーティのタグのレスポンス速度に問題はないか?
サイトの更新やアップグレードは、問題を引き起こしてい
ないか?
DNSCDN
ADS
ISP
ソーシャル
ネットワーク
データベース
コード
ブラウザ
レイテンシ
ルーティング
ピア接続
ハードウェア
クラウド
Chromeの開発者ツールではダメなの?
カバー率(経路)の問題
カバー率(時間)の問題
その速さどこまで、いつまで保証できますか?
パフォーマンスの数値は一意に定まらない
平均の罠
1秒 2秒 3秒 4秒 5秒 6秒 7秒
ラプラスの魔
もしも、ある瞬間における全ての物質
の力学的状態と力を知ることができ、
かつ、もしも、それらのデータを解析で
きるだけの能力の知性が存在するとす
れば、この知性にとっては、不確実な
ことは何もなくなり、その目には未来も
(過去同様に)全て見えているであろう。
— 『確率の解析的理論』1812年
真の値には、確率的に近づいていくしかない
病気の治療は、診察が大事品質は、計測と分析が大事
治療=改善作業
エンジニアは「医師」であるべき
データに基づく分析をしましょう!
レスポンシブデザイン前提のWordPressの高速化Weakest linkを考える
表示速度改善手法
ベストプラクティス系 「Webの表示速度を高速化する10の手法」
部分最適化系ハードディスクをSSDにしよう! JavaScriptを高速化しよう! 「非同期処理」 PHP高速化 MySQL高速化キャッシュ画像圧縮 CDNの導入
Weakest Linkという考え
“A chain is only as strong as its weakest link.”
Webサイト配信においては、ネットワークが一番「弱い」
「ムーアの法則」に従って拡大しているインターネット網
http://iopscience.iop.org/1367-2630/10/12/123027/fulltext/
AS(autonomous system)レベルでのノード数の増加
インターネット網は今後、ますます混雑していく
携帯網は、時間単位での配信容量が物理的に増やせない―観覧車と同じ
London Eye ―定員25人
1ページあたり200KBを超えたら、LTEでは物理的に3秒以内の配信はできない
熊本市―スマートフォンサイト
ページ容量… 162KB
ウォーターフォール図
Yahoo! Japan ―スマートフォンサイト
ページ容量― 434KB
ウォーターフォール図
接続エラーが発生すると、足を引っ張る
Spelldata ―スマートフォンサイト
ページ容量― 318KB
ウォーターフォール図
WordPress高速化比較検証
何もしていないWordPressサイトと高速化されたWordPressサイトの比較
高速化したWordPress 素の状態のWordPress
高速化されたW
ord
Press
Van
illaW
ord
Press
WordPressのホストのみの配信データ
WordPressのPHP処理(HTML生成)のみの比較
WordPressを高速化してもネットワークは高速化できない
画像、CSS、JavaScriptなどの詰め込み過ぎが、WordPressの高速化を殺す
高速化の考え方のパラダイムシフト
「どこまで高速化するか」から「どこまで遅延を許せるか」へ
3秒以内に配信し切るための容量制限 3G通信 … 100KB
LTE … 200KB
容量上の制限が、物理法則上定まっているため、携帯網経由でスマートフォンサイトを表示させるには、この容量以下にしなければいけない
Webサイトを構築するときの、会話が変わる 「200KBを超えると、絶対、3秒以内の表示は出来ないです。それでも、この画像を入れますか?」
Third-partyコンテンツとの付き合い方
現在の遅延の主たる原因は、Third-partyコンテンツにある Google Analytics
広告配信
効果測定
SNS
きちんと計測して、遅延が見られた場合には対処が必要 Third-partyと高速化について交渉する
外す
代替サービスに変える
ビジネスモデルを見直す
まとめ
表示速度は、今や、表示開始0.5秒、表示完了2秒が世界標準です。
表示速度の高速化は、お仕事ですから、きちんと保証できるようにしましょう。
保証するためには、計測しないといけません。
きちんと改善するためにはデータに基づいた分析が必要です。
200KBを超えると、LTE網で3秒以内に配信しきれません。
Q&A