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1 マーケティング・ リサーチの役割 図解入門 How-nual マーケティング・リサーチの実務を学ぶ前に、まず知って おくべきことがあります。そもそも、「マーケティング・リ サーチ」とは何なのでしょうか? 単なる「リサーチ」(=調 査)とは、何が違うのでしょうか? その答えを知るために、本章では、マーケティング・リ サーチがマーケティング活動において果たす役割を見ていき ましょう。 さらに、そうしたマーケティング・リサーチの果たすべき 役割を踏まえた上で、リサーチ担当者(リサーチャー)には どのような能力が求められるかについても見ていきます。 マケリサーチ第1章_v4 09.11.13 13:02 ページ11

図解入門最新マーケティング・リサーチがよーくわかる本(3)

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1第 章

マーケティング・リサーチの役割

図解入門How-nual

マーケティング・リサーチの実務を学ぶ前に、まず知って

おくべきことがあります。そもそも、「マーケティング・リ

サーチ」とは何なのでしょうか? 単なる「リサーチ」(=調

査)とは、何が違うのでしょうか?

その答えを知るために、本章では、マーケティング・リ

サーチがマーケティング活動において果たす役割を見ていき

ましょう。

さらに、そうしたマーケティング・リサーチの果たすべき

役割を踏まえた上で、リサーチ担当者(リサーチャー)には

どのような能力が求められるかについても見ていきます。

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1-1マーケティングとリサーチの関係マーケティングとリサーチの関係「顧客のニーズにあった製品を作り、売る」マーケティンング活動のために有益

な情報の収集や分析を行うのが、マーケティング・リサーチです。

マーケティングはビジネスそのもの

そもそも「マーケティング・リサーチ」*という言葉の「マーケティング」とは、

どういう意味でしょうか?

厳密な意味は、ここでは説明しきれないので、他のマーケティング入門書を読ん

でいただきたいと思います。ただ、一言で簡単に説明するならば「顧客のニーズに

あった製品を作り、それをいかに効率的に売るかを考える行為」がマーケティング*

だと言えます。

ビジネスが成長する、すなわち売上やシェアがアップする上で、顧客の「ニーズ」

を知り、その顧客のニーズに合わせた商品作りやお店作りをするというのは基本中

の基本です。特に、現代の日本のように成熟化した消費社会では、作れば売れる時

代には通用したプロダクト志向・販売志向のビジネスは成立しにくくなっています。

ニーズ志向・顧客志向でなければ通用しなくなっているのです。

そうした中で、マーケティングが必要とされる場面も、販売・宣伝といった分野

だけでなく、製品開発分野など企業活動全般に範囲を広げています。今や、「マーケ

ティングとは、ビジネスそのものである」と言ってもいいかもしれない時代となっ

たのです。

意思決定に役立つ情報を提供するためのマーケティング・リサーチ

このように、マーケティングが関わる範囲が広がっていく中で、マーケティング

活動を統括するマーケティング・マネージャーは、日々、多くの意思決定を行わな

ければならなくなっています。

例えば、「新製品の価格をいくらにするか」「どのパッケージ・デザインを採用す

るか」といった個別の課題から、新たな市場機会の発見や、市場の問題解決といっ

*マーケティング・リサーチ 本書では「マーケティング・リサーチ」と「リサーチ」「市場調査」「調査」は同じ意味で使用しています。

*マーケティング より詳しくは「ニーズにあった製品の開発と販売→新たな価値の提供/顧客満足の創造→市

場の創造と顧客の獲得・維持→売上・利益/持続的成長」という一連の行為を指します。

第1章

マーケティング・リサーチの役割

た大きな課題まで、その内容は様々です。

こうした意志決定を、より低リスクで、効果的、効率的に行う上で、マーケティ

ング・リサーチは欠かせないものになっています。

マーケティング・マネジメントにおいて――それに限らず、ビジネス全般におい

て言えると思いますが――経験や勘にたよるだけの意思決定には、大きなリスクが

あります。複雑化し、変化が激しくなっているマーケティング環境や市場において

は、なおさらです。そこで、確かな意志決定の材料として、マーケティング・リ

サーチによってもたらされる情報が必要とされるのです。

では、具体的に、どのような情報を提供するのが、マーケティング・リサーチの

役割なのでしょうか? その答えを、次節から見ていきましょう。

1-1 マーケティングとリサーチの関係

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マーケティングとマーケティング・リサーチ

価格は

いくらがいいか?

パッケージデザインは

どれがいいか?

新しい

市場機会はないか?

市場が抱える

問題点は?

マーケティング上の課題

etc...

意志決定に有用な情報

マーケティング・リサーチ

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第1章

マーケティング・リサーチの役割

成果として、ブランドの認知率や購入率、ブランドイメージを消費者にたずねます。

それらのデータを分析することによって、その後のマーケティング活動の実施の継

続や方法について軌道修正が可能になるのです。

もちろん、オペレーション面だけではなく、中長期の戦略を考える上で有用な情

報を得ることもできます。

このように、製品開発時から発売後まで、マーケティング活動を成功させるため

に役立つ情報を収集・分析するのが、マーケティング・リサーチの基本的な役割な

のです。

1-2 役割①~リスクの低減とモニタリング~

1514

1-2役割①~リスクの低減とモニタリング~役割①~リスクの低減とモニタリング~マーケティング・リサーチの基本的な役割は、マーケティング活動が失敗するリ

スクを下げたり、その成果をモニタリングすることです。

マーケティング・リサーチが失敗のリスクを低減する

マーケティング・リサーチが果たすもっとも基本的な役割が、「失敗のリスクを低

減する」ということです。つまり、不確実性を減らすということです。

新製品の発売や、広告、プロモーションなどは、もちろん綿密な計画の上に実施

されるのですが、それでも実際のところは実施してみなければ、期待通りに売れる

か、効果があるかどうかはわかりません。そこでマーケティング・リサーチを行い、

事前に消費者の反応を調査することによって、失敗のリスクを下げるわけです。

例えば、製品開発の消費者テストの場合、消費者に評価を聞くことによって、製

品候補の中から、もっとも消費者の好みにあった製品を事前に選ぶことができます。

もし調査によって、失敗を防ぐことができれば、調査はコストではなく、「先行投

資」であると考えられます。「投資としてのリサーチ」です。失敗する製品を大量生

産することを防ぐことによって、原材料やマーケティング費用、人件費などのコス

トを大きくセーブできます。まさに「損して得する」方法です。

さらに、消費者の意見をもとに改良することも可能です。単に「良くないものを

振い落す」という後ろ向きの役割だけでなく、消費者の評価を踏まえて、製品に新

たな付加価値を追加する前向きの役割も、マーケティング・リサーチは担っている

のです。

マーケティング活動の成果をモニターし改善に役立てる

また、マーケティング施策の実施後の成果*を測定することも、マーケティング・

リサーチの基本的な役割の1つです。

例えば、ブランド・トラッキング調査の場合、広告などのマーケティング活動の

*成果 マーケターには、マーケティング活動への費用対効果の評価が求められています。特に不況下においてはマー

ケティング投資への責任評価は重要です。マーケティング施策の効果や効率の生産性を測定する上でリサーチ

は重要な役割を果たします。

マーケティング・リサーチの基本的な役割

製品の企画・開発 発売後の販売施策

マーケティングの流れ

マーケティング・リサーチの役割

失敗のリスクを低減する成果をモニターし

改善に役立てる

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第1章

マーケティング・リサーチの役割

マーケティング・リサーチからビジネス・リサーチへ

さらに、今後はこのような動きが進んで、リサーチによって消費者を理解し、消

費者の代弁者としてビジネスをリードする役割が、マーケティング・リサーチに期

待されるようになるでしょう。

これは、言葉を換えれば、目先のマーケティング課題に対処する「マーケティン

グ・リサーチ」から、ビジネス全体を捉える「ビジネス・リサーチ」への変革と言

えます。

そして、その結果、マーケティング・マネージャーからの依頼に応えて受け身の

姿勢で情報提供する依頼対応型(リアクティブ・リサーチ)から、自発的な調査を

行い、その結果に基づいてマーケティング・マネージャーに提言する依頼先取り型

(プロアクティブ・リサーチ)へと、リサーチの仕事の形自体が変化していくでしょ

う。

マーケティング・リサーチの役割は、どんどん広がり続けていくのです。

1-3 役割②~消費者理解(インサイト)~

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1-3役割②~消費者理解(インサイト)~役割②~消費者理解(インサイト)~近年「消費者の理解」の重要性が高まってきており、今後は、消費者の代弁者と

して、ビジネス上の意思決定をリードする役割が期待されています。

消費者理解は永遠の課題

マーケティング・リサーチは、単なるデータの収集・分析の業務ではありません。

マーケティングの課題を解決するためのリサーチでなくてはならないのです。特にこ

の10年間、マーケティング・リサーチに対しては、単に情報を提供するだけでなく、

その情報が「いかに製品開発や販売方法、コミュニケーションなどのマーケティング

活動の立案・実施に役立つか」というところまで要求される傾向が強くなっています。

そうした中、前節で説明した基本的な2つの役割に加え、新たに、「インサイト

(消費者の深い理解)」という言葉に代表される情報の提供が、マーケティング・リ

サーチに期待されるようになっています。

今や、消費者理解なくして、有効なマーケティング活動は困難な時代となってい

ます。そのため、例えば、成功する新製品のアイディアや、販売方法のヒントなる

ような「コンシューマー(消費者)インサイト」や、店頭での購買を促進する施策

作りに参考になるような「ショッパー(買物客)インサイト」などの提供が、マー

ケティング・リサーチの重要な役割になってきたのです。

ただし、消費者理解が重要なことは言わずもがなだとしても、これは理解困難な、

マーケティングの永遠の課題と言えます。消費者を取り巻く環境はもちろんのこと、

消費者自身が時代とともに変化してゆくからです。

そのため、現在、マーケティング・リサーチは、消費者をより理解するための調

査方法や分析手法を開発するという課題に直面しています。そして、その課題に対

する解決方法として、例えば消費者の表現力の限界に着目して、言葉を介さずに、

ビデオを用いた人類学の手法を援用した「エスノグラフィック(観察)手法」が使

われたり、脳科学を応用した製品・広告評価の試みが行われています。

消費者理解

ニーズ 価値感

使用実態

ライフスタイル

購買意志決定プロセス

従来のマーケティング・リサーチで調査していた情報

etc...

消費者理解(インサイト)

ビジネス提案

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第1章

マーケティング・リサーチの役割

の3つの「思考法」と、4つの「理論」を説明しています。前者は、「変数思考」と

「仮説思考」(コラム123ページ)、「DEP思考」(コラム39ページ)です。後者は、

「測定論」(コラム56~57ページ、112ページ)と、「標本論」(2-5)、「実験論」

(3-8)、「統計分析論」(4-5)です。

「変数思考」は、マーケティング現象の個々の原因と結果を「変数」としてとら

え、それらの関係性を把握します。リサーチャーの間では、調査項目とか質問文と

いう言葉はよく使われますが、なぜか「変数」という用語はほとんど使われません。

「仮説思考」は、この変数と変数との関係性のステートメントとして「仮説」を

考えます。原因と結果の関係性を理解して、初めて有効な「仮説」を立案すること

が可能になります。

「DEP思考」は、記述―説明―予測の思考プロセスを指します。原因を知ること

によって、結果を予測することができます。

「測定論」と「標本論」は、正しい因果関係を得るには、正確な変数の測定と、サ

ンプルの代表性が必要であることを意味しています。そして、「実験論」と「統計分析

論」は、原因と結果の関係性を読み解く調査方法と、データ分析の方法を提供します。

1-4 役割③~因果関係の解明~

1918

1-4役割③~因果関係の解明~役割③~因果関係の解明~売上(結果)に影響を与えるマーケティング活動や施策(原因)を特定するのも、

マーケティング・リサーチの役割です。

原因と結果の関係を読み解く

ここまでに紹介した「リスクを下げる」「パフオーマンスを改善する」「消費者を

理解する」という3つの役割を達成するために、マーケティング現象の因果関係を解

明するのも、マーケティング・リサーチの重要な役割の1つです。

売上や利益の「結果」を出すために、「原因」であるマーケティング活動や施策を

どのように行えばよいか、その意思決定に役立つ情報を収集・分析して「原因と結

果の関係を読み解く」のも、マーケティング・リサーチの大きな役割なのです。

よく言われる「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉を思いだしてください。こ

の言葉は、「大風で砂ぼこりが立つ→砂ぼこりが目に入って、盲人が増える→盲人は

三味線を買う(当時、三味線は盲人が弾いた)→三味線に使う猫皮が必要になり、

猫が殺される→猫が減ればネズミが増える→ネズミは桶をかじる→桶の需要が増え

桶屋が儲かる」という因果関係を示しています。

マーケティング・リサーチは、ある意味、この儲かるための「風」にあたるもの

を探し求める知的な作業であると言えるのです。

因果関係を読み解くためには?

本書は、特にこの原因と結果の関係を読み解くマーケティング・リサーチの方法

の理解に焦点を当てた入門書です。なぜならば、因果関係の解明は、科学としての

リサーチの基礎中の基礎であるにもかかわらず、未だリサーチャーの間に広く、深

く浸透していないと思われるからです。さらに重要な点は、この因果関係思考法の

欠落が、課題解決や提案力のアップといったリサーチの応用力の育成を妨げている

ことです。

本書では、リサーチにおける「因果関係思考法」を身につける基礎として、以下

因果関係解明のためのマーケティング・リサーチ

施策A

施策B

施策C

……

……

原因 結果

売上

マーケティング・リサーチで解明する!

どの原因が結果に大きく影響しているのか?

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第1章

マーケティング・リサーチの役割

これからのリサーチャーに求められる3つの能力

このようなリサーチャーを取り巻く環境の変化に合わせて、リサーチャーに求め

られる能力も増えています。これからのリサーチャーには、以下の3つの能力が求め

られていると言えるでしょう。

¡リサーチ力……リサーチの方法を理解し、分析する能力

¡マーケティング力……製品開発から販売促進、流通までのマーケティグ活動

や、最近のWEBマーケティングなどを理解する能力

¡ビジネス力……関連する業界や企業、商品などビジネスを理解する能力

特に、マーケティングや、企業・業界のビジネスを理解する能力は重要です。リ

サーチャーが売上アップに寄与するためには、そのリサーチ結果が具体的なマーケ

ティング活動の施策に反映されなければいけません。これらの能力なしに調査を

行っても、有効な課題解決提案は困難なのです。

1-5 マーケティング・リサーチャーの役割

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1-5マーケティング・リサーチャーの役割マーケティング・リサーチャーの役割リサーチャーには、客観的で正確な情報をタイムリーに提供する役割だけでなく、

消費者のプロとしてビジネスをリードする役割をも期待されています。

従来はリサーチに軸足をおいていたが……

マーケティング・リサーチを行う人を、リサーチャー*と言います。

従来、リサーチャーに対して求められるものと言えば、リサーチのスキルをベー

スとした正確なデータ収集や分析結果の報告でした。あくまでマーケティング・マ

ネージャーの依頼に応じて、予算内で決められた期間中に、調査を企画し、データ

を収集し、集計・分析をして報告書を提出するのが、リサーチャーの主な役割だっ

たのです。

したがって、リサーチャー自身も、「マーケティング」よりも「リサーチ」の方に

軸足をおいて仕事をすることが主流でした。

「リサーチャー」から「コンシューマー・プランナー」へ

しかし、最近では、リサーチャーに「インサイト」の提供者としての役割が期待

されています。そのために、リサーチャーには、マーケティングとリサーチの両方

に精通したバイリンガル・リサーチャーである「コンシューマー(消費者)・プラ

ンナー」としての能力が要求されています。

コンシューマー・プランナーは、消費者のプロであり、リサーチをベースにした、

消費者向けの施策の立案・実施にも関わります。数字や統計、複雑な分析やモデル

による説明だけでなく、アイディアや、利益に結びつく「行動」志向が求められま

す。マーケティング・プランナーやSP(販促)プランナーと重複した役割をもつこ

とになるのです。

リサーチャーのマーケティング活動への関与度を高めるこのような動きは、リ

サーチのビジネスにおける存在価値の向上にもつながると考えられます。

*リサーチャー 本書は、リサーチャーとして、メーカーなどクライアント側で働く場合と、調査会社などのサプライヤー

(ベンダー)側で働く場合の両方を想定して書いています。両者間の異動はよく起こりますので、両方の

視点を持つことは大切だと思います。

コンシューマー・プランナーに必要なスキル

リサーチ力

マーケティング力

ビジネス力

コンシューマー・プランナー

従来のリサーチャーに求められた力

リサーチを基に提案する力

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アメリカ企業がリサーチャーに求めるビジネスにおける役割

アメリカのある企業では、リサーチャーに対して期待される役割である「リ

サーチ・ミッション」として、以下の4つを挙げています。

①消費者の専門家(エキスパート)であり、代弁者たれ

②自社ブランドの守護者たれ

③戦略的ナレッジ・ベースの構築者たれ

④変化(チェンジ)の推進者たれ(新しい機会の発見と推進――未来を現実に)

そして、こうした役割を果たすために、企業でのリサーチャーに必要な能力と

して、リーダーシップ能力(戦略とビジョン構築、チーム・ビルディング、影

響・交渉能力、イノベーション、結果志向、ビジネス・グローバル視点、消費

者・顧客フォーカス)が挙げられています。さらに、計画性・優先順位や、コ

ミュニケーション、分析的意思決定、人のマネジメントとコーチングを行うマネ

ジメント能力も指摘されています。

これらに加えて、マーケティングや営業と協調して、ビジネスの方向や結果に

影響を与えるようなリサーチを行ったり、ビジネスの成長のためのユニークで妥

当なアイディアを生み出すインサイトを発見する「戦略的・創造的思考」の養成

が推奨されています。

また、有効でインサイトに富んだ結論を導くような調査結果の理解と解釈を可

能にする「分析的思考」も必要とされています。

さらには、社内での信用を得て、尊敬をえるための個人的存在感や、社内状況

や外的圧力などに負けないリサーチの客観性を保ち、常にリサーチ視点を維持す

る能力の開発なども期待されています。

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