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サイバースペース革命 ~マーケティングと ビジネスモデル~ 2017825() @法政大学 市ヶ谷新一口坂校舎 ものづくりAPS推進機構 小松昭英 小松昭英 1

サイバースペース革命 ~マーケティングと ビジネ …swim/jpn/presentations/swim2017...サイバースペース革命 ~マーケティングと ビジネスモデル~

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サイバースペース革命

~マーケティングとビジネスモデル~

2017年8月25日(金)

@法政大学 市ヶ谷新一口坂校舎

ものづくりAPS推進機構

小松昭英

小松昭英 1

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サイバースペースとビジネスモデル(筆者(2016))

Ⅱ Ⅰ

P2M B2P B2C

Ⅲ Ⅳ

   人間

技術(ハード・ソフトウェア)

生産

 インダストリアル コーポレート

消費

M2M B2M B2B

 パーソナル ソーシャルP2P P2C C2C

小松昭英 2

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目次

• はじめに

• 消費者行動

• デジタルマーケティング

• マーケティングとビジネスモデル

• ロジスティクスマネジメント

• まとめ

小松昭英 3

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はじめに

• 経済産業省「電子商取引に関する市場調査報告書」のタイトルが本年度から「情報化・サービス化に係る基盤整備」から「データ駆動型社会に係る基盤整備」になった。

• B2C-EC市場規模が一年前に比べて、物販系10.6%、サービス系9.2%、デジタル系8.9%、総計9.9%の伸び率で、物販系市場規模の31.9%がスマートフォン経由になった。

• 従来、マーケティングについては、販売との境界が議論されても、ビジネスモデルの一環として議論されることが少なかった。データ駆動型社会の訪れを機に、改めて、マーケティングとビジネスモデルの関係、すなわちビジネスモデルの一環としてのマーケティングを検討する。

小松昭英 4

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消費者行動-社会心理学(1/2)

購買プロセスと心理的プロセス

(1) 問題認識 ・動機づけ(2) 情報検索(3) 評価・選択 ・学習、知覚、態度形成(4) 購買(5) 購買後評価

平久保仲人(2005)

小松昭英 5

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消費者行動-社会心理学(2/2)

• 消費者行動に影響を与える要因

平久保仲人(2005)

小松昭英 6

商業的要因 個人的要因 社会的要因

広告 属性 準拠集団

商品 行動 オピニオンリーダー

パッケージ ライフスタイル カルチャー

価格 パーソナリティ サブカルチャー

販売店 セルフイメージ テクノロジー

ディスプレー 関与 政治・経済

店員

他の客

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消費者行動-消費者心理学

消費者行動過程

1. 商品を貨幣により購入(交換)する過程

2. 商品を使用し、経験する過程

3. 商品を所有したり、失う過程

4. 商品を廃棄したり、リサイクルする過程

田中洋(2008)

消費者行動の構成

1. 欲求と動機2. 購入と交換3. 意思決定と選択4. 態度と説得5. 知覚と記憶6. 知識と認知7. 感情と気分8. コミュニケーション

とブランド

小松昭英 7

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消費者行動考察

• まず、ここで社会心理学と消費者心理学にもとづく両アプローチの比較をすると、いくつかの着目点を除いて、ほとんどが重複していないことが分かる。

• 前者が取り上げている社会的要因前者の社会的要因は必須事項と言えよう。

• 個人的要因ついては、前者が外部的視点に立っているのに対し、後者はより消費者個人の内面的視点に立っており、国の内外を問わず共通事項といえるのではなかろうか。

• 両書(両学)に共通することであるが、前書はマーケティング戦略の根幹に影響を与える内容と言い、後書はマーケティング戦略への架橋という章を設けて論述を加えている。すなわち、ビジネスモデルあるいはビジネス戦略そのものとの関わり合いという視点が欠けているものと言えよう。

小松昭英 8

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デジタルマーケティング

小松昭英 9

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デジタルマーケティング

データドリブン・マーケティング• 「適切なタイミングで、適切なターゲット顧客に、適切な商品を」を実現する

• 3つの重要なアプローチとして、①傾向分析モデル②アソシエーション分析③決定木分析をあげ、

• マーケティング効果測定や、データド駆動マーケティング向けの指標およびフレームワークを絞り込んで、次に示す15指標をあげている。

Jeffery(2010)

小松昭英 10

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マーケティング指標

• ブランド認知率

• 試乗(お試し)

• 解約(離反)率

• 顧客満足度

• オファー応諾率

• 利益

• 正味現在価値

• 内部利益率

• 投資回収期間

• 顧客生涯価値

• クリック単価

• トランザクションコンバージョン率

• 広告費用対効果

• 直帰率

• クチコミ増幅係数

小松昭英 11

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デジタルマーケティング

• ITインフラ関連プロジェクトのリスク要因は、ビジョンや経営陣からのサポートの欠如、社内政治、リソースの欠如、システムの拡張性、データベースの質である

• さらに大きなビジョンを描き、小さなステップから始め、素早く拡張する。そのためには、拡張可能なITインフラとロードマップが必要である。

• それにはまず、行き先を定め、段階的に機能を追加しながらITインフラの道を作っていき、各段階でマーケティング投資収益率(ROMI: Return on Marketing Investment)を測定することが必要である。

• これは単にマーケティングに限定されるものではなく、一般的にも通用することと言えよう。

小松昭英 12

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マーケティング4.0 (1/2)

• マーケティング4.0は伝統的なものからデジタルへの移行であり、企業と顧客間のオンラインとオフラインの相互作用を組み合わせるマーケティングアプローチであり、

• ブランドビルディングでモノをスタイルに一体化し、究極的にM2M (machine-to-machine) 接続性をH2H (human-to-human) 感触 (touch)で補足して、顧客エンケージメントを強化する。

• マーケターがマーケティングの鍵となる概念を再定義したデジタルエコノミーへの移行を助け、デジタルマーティングと伝統的マーケティングが共存して、顧客意見を積極的に取り込むという究極的なゴールの達成を意味する。

Kotler et al.(2017)

小松昭英 13

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マーケティング4.0 (2/2)戦術的アプリケーション

1. ブランド誘致向け人中心マーケティング

―ブランドが人間になるとき

2. ブランド好奇心向けコンテントマーケティング

―コンテントによる会話の創成

3. ブランドコミットメント向けオムニチャネルマー

ケティング―オンライン・オフラインの最適統合

4. ブランドアフィニティ向けエンゲージメントマー

ケティング―モバイルアプリ、ソーシャルCRM、

ゲーミフィケーション

小松昭英 14

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デジタルマーケティング(1/2)

• デジタルマーケティングとは、顧客満足度を高めた上で「デジタル技術を活用して売れる仕組みをつくる」ことであり、

• 2000年頃では、デジタルマーケティングといえば、Webブラウザを通したWebマーケティングであり、2010年頃になると、パソコンのWebブラウザだけでなくスマートフォンのアプリも活用したデジタルマーケティングになり、

• 2015年以降になると、パソコン、スマートフォンに加え、デジタル機器をも活用したマーケティングなってきたと述べている。

押切孝雄(2017)

小松昭英 15

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デジタルマーケティング(2/2)

デジタルマーケティング分類と事例1. 限界費用ゼロのデジタルマーケティング

(Airbnb)2. ローカルビジネス(SEO, マイビジネス)3. シェアリングエコノミー(Amazon Prime Now, IKEA

Store)4. コンテンツマーケティング(コンテンツSEO)5. SNSと動画のマーケティング(Facebook, Twitter, You

Tube)6. Web広告(Facebook広告、Twitter広告)

小松昭英 16

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デジタル変革マーケティング

• 企業のデジタル変革には、企業内外の意識改革や、デジタルテクノロジーやデータを積極的に活用しようとする意識であり、それをデータドリブンなマーケティングが加速する。

• そして、データドリブンに企業活動を推進するためのデータの掘り起こし方、データの見方、データ共有の仕方を定義するマーケティングダッシュボード構築を提唱し、

• さらにマーティングダッシュボードとして開発されるものも、進化して事業ダッシュボードに、そして経営ダッシュボードになるであろう。

横山隆治・内田康雄(2017)

小松昭英 17

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デジタルマーケティング考察

• 現場のマーケティング活動がマーケティング戦略に係ると考えられても、企業全体の経営戦略にも係るものと認識されることが少ない。

• 国内に閉じたマーケティングが前提にされ、国の内外を跨る原材料調達―生産活動―今後拡大するであろうMoP (Middle of Pyramid)市場へのマーケティング・販売活動などが視野に置かれていないと感じられる。

• なお、限界費用ゼロのデジタルマーケティングに分類しているAirbnbは、一般には、ビジネスモデルそのものとも考えられている。

小松昭英 18

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マーケティングとビジネスモデル

小松昭英 19

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バリューチェーンの発展(1/2)

• ビジネスモデル/企業活動の価値連鎖のプロトタイプともなっているPorter(1985)の図を示す。(1部加筆)

• ただし、この図は一企業が製品の製造から販売までを手掛ける場合のモデルと言えよう。

小松昭英 20

マ|ジン

調 達 活 動

主要活動

情報システム

調達物流

支援活動

情報システム

全 般 管 理

人事・労務管理

技 術 開 発

製造・物流

出荷物流

ティ

販売活動

サ|

ビス

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バリューチェーンの発展(2/2)

• 実際は、次の企業連携の価値連鎖((B2M)2(B2C))の方が一般的なのではなかろうか。

小松昭英 21

B2M企業 B2C企業

支援活動

情報システム

全 般 管 理支援活動

情報システム 顧

客・消費者

人事・労務管理 人事・労務管理

技 術 開 発

マ|ジン

技術開発

マ|ジン

調 達 活 動 調達活動

調達物流

全般管理

出荷物流

ティ

販売活動

サ|

ビス

物流活動

主要活動

情報システム

主要活動

情報システム

調達物流

製造・物流

出荷物流

ティ

販売活動

サ|

ビス

物流活動

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生産財マーケティング(1/2)

• 効果的な事業策定には、①市場に関する感性、②競合に関する情報力、③自社の客観的な把握などである。

• 「事業戦略」レベルにおけるマーケティングの機能は、顧客ニーズ、競合動向、そして自社のスキルや資源の分析を通して、特定の事業における持続性のある競争優位の構築を目的とした計画策定に貢献することである。

• 「機能戦略」レベルにおけるマーケティングの役割は、特定の市場セグメントにおけるニーズを満たすための、具体的なマーケティング活動に関する資源配分と調整である。

Hutt & Speh (2010)

小松昭英 22

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生産財マーケティング

• 産業財マーケティングは顧(個)客との取り組みを深(進)化させることである。

• 顧客とメーカー企業双方が直接対話する情報交換(計画・課題など)の現実場面において、提供しうる技術力・ノウハウ(時にはアウトソーシング他の方策も)を勘案し、組み上げていくプロセスである。

• 我が国で培われた「系列」という運命共同体的、すなわち今でいう“ビジネスエコシステム”的なマーケティングであり、あるいは実相空間での産業社会のコミュニティの形成とも言えよう。

藤井昌樹(2002)

小松昭英 23

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ビジネスエコシステムの形成(1/3)

• 電子データ交換や電子的なサプライチェーンマネジメントを目指す既存のトレンドは、共通のソフトウェアインターフェースと一連の規格を備えたツールキットが世界的に利用できるようになったことで、目に見えて大幅に加速した。

• こうして、10年にわたりしっかりと確立されてきた進化が突然爆発的な革命となり、EDIはB2B (企業間取引)へと変貌した。

• 同じように、アプリケーション・プログラミング・インターフェー(API)が最初は電子的なアウトソーシングの手段になり、そして自社のビジネスと他社のビジネスを結びつける絆となった。

Keen & McDonald(2000)

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ビジネスエコシステムの形成(2/3)

• eコマースは企業間あるいは顧客、仲介企業、補完企業、サプライヤーとの間で機能する複雑なリレーションシップネットワークを巻き込む。

• 企業は自社が必要とするケーパビリティを多数の企業のなかから調達するため、バリューネットワークはeプロセスにおけるベスト・プラクティス・プロバイダーを組み合わせて優位性を持つことができる。

• 組織的部門と機能からなるビジネスという従来の概念は、eコマースにおいては、一連のケーパビリティおよびサービスの集合としてのビジネスという概念に道を譲る。このケーパビリティがビジネを統合、経営する際のポイントとなる。

小松昭英 25

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ビジネスエコシステムの形成(3/3)

製品・サービス開発ケーパビリティ

1. 製品・サービスの設計

2. 需要創出にはマーケティング

3. 販売

4. サービス

5. 需要対応にはサプライチェーン管理

6. 注文処理およびロジスティクス

7. オペ―レーション(含バックオフィスプロセス)

8. 企画プランニング・経営には提携管理

9. リソース管理

10. 情報管理

小松昭英 26

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コミュニティの形成(1/3)

• 消費社会では、コミュニティが形成され、消費者は、そのライフスタイルに応じて、種々のコミュニティに属しつつある。

• 口コミで伝わる情報のほうが影響力は強い。そして、最近はクチコミもインターネットを使って行われるので、その情報伝達力はマスメディアにも匹敵する。

• 個人は模倣、強化、社会的交流という3つの社会化プロセスを通じ消費者としての必要な知識と行動の規範を得る。ブランドの選択、交渉術、支払い方法、商品の使い方、廃棄処分の方法等グループの影響は多岐にわたる。

平久保中人(2005)

小松昭英 27

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コミュニティの形成(2/3)

• グループの中でも、マーケターにとって最も重要なのは準拠集団(参照グループ(reference group))である。準拠集団とは、個人が態度や価値観を形成するよりどころであり、自分の態度や価値観、行動を照らし合わせてみるグループのことだ。

準拠グループの種類1. フォーマルグループ

2.インフォーマルグループ

3. 規範準拠集団

4. 比較準拠集団

5. 願望準拠集団

6. 分離準拠集団

小松昭英 28

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コミュニティの形成(3/3)

ネットワークメンバー

1. あなたのコンタクトサークルにいる人

2. 満足した顧客・クライアント

3. あなたのビジネスから恩恵を授かる人

4. あなたが何らかの取引をしている相手

5. 従業員・スタッフ

6. あなたがリファーラルを提供した相手

7. あなたにリファーラルを提供してくれた人

8. ビジネス・リファーラル・グループの仲間Misner & Macedonio (2011)

小松昭英 29

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マーケティングとビジネスモデル考察• 企業は、デジタルビジネスを成長させるためのAPI中心のアプローチを積極的に採用しており、

• 事例:24ヶ所のデータセンターからなる数百の顧客からの、2014年と2015年のapigee Cloudで見られる何億ものAPIコールトラフィックを次に示す。

• この図から、マーティング機能は、B2Cビジネスモデルに埋め込まれて、デジタル空間でも機能していると言えよう。たとえ、それが個人の行動規範あるいは実相空間のリファーラルネットワークにもとづくものであってもである。

小松昭英 30

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APIコールトラフィック(apigee(2016))

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5

デジタル変換ユースケース

パートナー/チャネルエンケージメント(B2B)

顧客体験イニシャティブ(B2C)

内部業務イニシャティブ

内部業務イニシャティブは、顧客価値を提供するために、主に販売・サポートチームに権能を与える。

顧客体験イニシアチブはモバイルその他のチャンネルによる優れたデジタル体験を提供することに重点を置く。

パートナー/チャネルエンゲージメントは、企業がAPIを使用し、パートナーチャンネルとエコシステムエンゲージメントイニシャティブを通じてビジネス機能を拡張する。

顧客体験イニシアチブはモバイルその他のチャンネルによる優れたデジタル体験を提供することに重点を置く。

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ロジスティクスマネジメント

小松昭英 32

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ロジスティクスマネジメント

従来の戦略論• ロジスティクス戦略のポイントとして、①コスト削減、②資本削減、③サービスの改善の3点がある。

• サービスの改善は、発注後の迅速な配送や、少量の注文でも対応可能など、提供するロジスティクスサービスの内容も商品購入の重要な要素になっており、

新たな資源ベース戦略論• 戦略的資源の1つとして、特有のロジスティックスケーパビリティを持つことによって持続可能な競争優位性を実現できる。

斎藤実他(2003)

小松昭英 33

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生産とロジスティクスの連動

斎藤実他(2003)

調達情報 生産情報

発注情報

販売情報

供給指示 生産指示 出荷指示

マネジメント 生産計画 マネジメント

流通・生産情報管理

需要予測 製品需給計画

調達ロジスティクス 生産管理 販売ロジスティクス

販売先

調達計画 資材調達計画 出荷計画 在庫計画

供給業者 工場 物流拠点

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考察

• インダストリー4.0では、価値創造チェーン/ネットワークのデジタル化と題した研究ロードマップを発表している。その中で、「バリューネットワークを横断する水平統合」と「バリューチェーンを端々まで横断するエンジニアリング」という2つのテーマが取り上げられている。

• 「水平統合」については、①新ビジネスモデルのための方法、②枠組み-価値創造ネットワーク、③価値創造ネットワークの自動化の3つの項目があげられており、「エンジニアリング」については、①実相界と仮想界の統合と②システムズエンジニアリングの2つの項目、計5つの項目があげられている。

• この図に示されている生産とロジスティクスの連携は、この5つの項目を包括的かつ核心的に示すもので、正統的戦略論で言うならば「サービスの改善」、資源ベース戦略論で言うならば「戦略的資源の一つ」であると言えよう。

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まとめ

• 今や、我が国も、情報化・サービス化社会から、データ駆動型社会への転換を図ろうとしている。それは、産業社会は勿論のこと、消費社会をも巻き込もうとしている。

• 従来、マーケティング・ロジスティクスは企業全体のビジネスモデルとの係り合いで議論されてこなかった、あるいはデジタル空間というよりは、消費者行動という実相空間での議論が多かったように思われる。

• 今や、B2CもB2Bに肩を並べるほどのデジタル空間での存在になってきた。このB2B空間であれ、B2C空間であれ、ビジネスモデルの一環としてのマーケティング・ロジスティクスの在り方は、今後ますます重要性を増し、重要な研究テーマとしてあり続けるであろう。

小松昭英 36

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ご清聴感謝します

小松昭英 37