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勤務先medibaの社内勉強会のために作成した資料です。medibaのSSPアドジェネのメンバーを対象としているため、現場担当者向けの内容になっています。SSPの歴史から、海外SSPの機能について取り上げています。
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グローバルSSPに学ぶ「アドジェネの方向性」について
2014/06
野田 智史
本日の勉強会の主旨
2013年末にリリースされたアドジェネのサービス進捗が良く、 このまま行けば早期に国内SSPトップレベルに立てる日も来るかと思います。 ただし、SSPビジネスの本丸は引き続き、アメリカを中心とする グローバルプレーヤーであり、大手SSPの戦略からアドジェネの 次の一手を考えます。
2014年時点での米国主要SSPの状況
SSP誕生から今日まで
SSP誕生の歴史
SSPは“2006年”に生まれた概念。
2006年当時、純広売りがまだまだ有効だった時代。手売りか、 アドネットワークの利用か、パブリッシャーの広告ビジネスの 収益化手段は限られていました。
ある媒体営業の悩み。 あのアドネットワーク、また広告切れだってよ。 純広営業も「売れ、売れ、うるせーんだよ」 と切れてるし。どうすりゃ、いいんだー。
SSP誕生の歴史
そしてさっそうと誕生したSSP三銃士(2006年創業)
2007年のSSPとは
RubiconProjectが2007年に唱えていたミッションとは、 手売りしていた広告枠を自動化して販売することでした。
October 2, 2007 – the Rubicon Project, a company with a mission to automate the large, yet highly inefficient Internet advertising industry,
Rubicon Project Launches: A Network of Ad Networks - TechCrunch
RubiconProjectはアドネットワークを束ねるネットワークだ。
2010年にPubmaticが発表したSSPの基本概念
2010年初期のSSP
オンラインの世界では2010年にはデータを活用した構想が 進んでいました。
2014年時点での米国主要SSPの状況
Googleが400億円 程度で買収。 (2011/12)
昨年、ナスダック への上場済み。
上場する予定と 報道されている。
上場SSPに見る業績は(2014年1-3月期)
RubiconProjectが上場企業のため、業績資料を公開していました。
・RubiconProjectのマージンは17.8%。徐々に改善している。 ・プラットフォーム上での流通金額は129億円、マージンが23億円。(2014年第一四半期) ※海外SSPは売上を、彼らの手数料(マージン)としています。
上場SSPに見る業績は(2014年1-3月期)
・ただし、最終利益は大幅な赤字。昨年よりも赤字幅が拡大しています。売上23億円に対して、6.4億円の赤字。(2014年第一四半期) ・セールスマーケティングの出費が非常にでかい。3か月で9億円。
SSPのこれからの戦略
Pubmatic日本参入
2014年5月に日本参入を発表。「ソネット・メディア。ネットワークス」との提携で日本へ上陸。
製品コンセプト
大手パブリッシャー(純広売り有り)向けのサービスとして ローンチ。
Pubmaticのセールスポイント
Pubmaticのようなプレミアム・ウェブ向けのSSPは、 それまでの手売りとアドネットワーク併用の販売体制と収益構造を 改善することが売りになっています。
営業による手売り (au純広と同じ) アドネットワーク
トップページ 2階層目
パブリッシャーの 自社営業&ADNW
Pubmaticのセールスポイント
Pubmaticは「手売り」「ADNW」「DSP」をプラグラマティックに最適化配信および、コンサルタントによるサポートにより、 パブリッシャーの広告ビジネス全体を支援。
トップページ 2階層目
Pubmaticのセールスポイント
2014年5月に日本参入を発表。「ソネット・メディア。ネットワークス」との提携で日本へ上陸。
<主な特徴> ・ RTBに加えてアドネットワークも含めた正確性の高い入札価格の予測機能 ・ プライベートマーケットプレイス機能 プレミアム在庫(付加価値の高い広告枠)を、広告主とメディアが1対1で取引する機能で、通常のRTB取引とは別の環境で取引相手を指定することで、広告枠の価値を維持することができる。
・ ユニファイドオプティマイゼーション機能 純広告の販売を、RTBやプログラマティックなアドネットワークと合わせて包括的に最適化
次の一手
Pubmaticの次の1手として想像できる定石の施策とは。
・ カントリーマネージャーの採用 大手パブリッシャー向けのサービスを担当し、外資系企業での 就業経験のある人物では? Ex Googleとか。Yahoo!とか。 ・ セールスマーケティングの強化。 イベントの開催もさらになされるのでは。 ・ スマホ向けの施策の開始 本国でもウェブでの展開は一巡しているはずで、これからは スマホ向けのソリューション強化のため提携・買収、 新機能のリリースなど発表がありそう。
mopub
国内SSPの最大のライバルになりそうなmopub Twitterが350億円で買収したスマホ向けSSP。
mopub
<主な機能> 1) アドサーバ・自社広告の配信機能 2) アドネットワークのメディエーション facebook含む大手15社くらいが接続先。
mopub
<主な機能> 3) マーケットプレイス(RTB販売) DSPが入札してくるマーケットプレイスを通じて在庫の販売が可能。
mopub
<主な機能> 4) プライベート・マーケットプレイス(RTB販売) パブが自社専用のマーケットプレイスを運営可能。 5) リッチメディア広告の配信を受けられる。 主要3社には対応済み。
mopub
<主な機能> 6) ビデオ広告配信機能。 SDKサイドでなく、サーバサイドでコントロールしているようです。 追加SDKはなく、mopubのSDK1つで設定可能です。
Mopubの業績
2013年1-6月の売上6.5億円、純損失2.5億円 2012年1-12月の売上2.6億円、純損失7.9億円。 ※買収以降は、Twitterの業績にまとめられているため、詳細不明。
mopub
Twitter bags native ad start-up Namo Media
Twitterは昨年のmopubを350億円で買収したのに続き、ネイティブアドのnanomediaを50億円で買収しました。
mopub
Nano media ではアプリ内のコンテンツと同化するような、 フォーマットを複数種類提供しています。
mopub
mopubが広告代理店のトレーディングデスクとの、大型の提携をまとめました。 代理店オムニコムのトレーディングデスクが、今後2年間mopubから優先した枠の購入権を保有し、計230億円分販売するそうです。 → アドジェネも将来的に媒体力が付いた際に、特定のアドネットワークに優先購入権を「先売り」で販売することができるかもしれません。
まとめ
・RubiconProjectの業績に見られるようにSSPのマージンは、 アウトプットのレベルに応じて設定される可変なもの。 十分、収益性の高いビジネスも展開可能である。 ・老舗SSPはとにかくプレミアム・パブリッシャー狙いのサービス。 ・モバイルSSPの真骨頂はアプリ向けに多種多様な機能、質の高い サービスを展開できるか。※任せておけば、ADNWより収益が上がる。 ・グローバルSSPは、セールス・マーケティングもダイナミック。 大型提携、赤字をいとわない成長のためのマーケティング投資。 国産SSPはそのような定石の海外プレーヤーの戦術に、自分なりの やり方で対抗しなければならない。
まとめ
・アドジェネが目指すべきアウトプット 1) サービスのアウトプット pubmaticは専任コンサルのサポートを有料で販売している。 高いコンサルティング、サポートノウハウは売れる。 2) テクノロジー アドテクと一括りにできない、顧客ニーズ、販売現場に即した 機能開発を続けていく。「最適化配信」「プログラマティック」 で表現できない気遣い(機能)がアウトプットと顧客の評価に差を つける。