MEDICAL LIBRARY

明日から医学図書館員になるために

知っておくと役立つTips

#187 ku-librarians 2015.01.28 WED

八木澤ちひろ

Illustration from SMART imagebase1

「医学部図書館」？

Non!!

医学図書館「医学図書館と改称さる-医学部図書館-」静脩.2(3).p3.1965/09

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意識しておくポイント

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•最終的にサービスは患者につながる

•医療従事者のひとりとしての視点をもつこと

1. 「患者」の存在を意識する

•病気の治療や予防という実践的な目標があり、他の科学（真理の追求）とはやや異なる性格

•対象である「人」「病気」の多面性・複雑性（ある論文の結果をそのまま個々の患者に当てはめるわけではない）

2. 「文献の結果⇒治療」ではない

•必要となる文献は膨大⇒合理的な知識流通が整備（例：論文の構造化・DBの整備・ILLの重要性・EJが医学分野で早期に発達）

3. スピード・合理性が重要

サービスの対象を知る

学生 教員 職員

学部生

院生

研究生 etc.

基礎系教員

（秘書さん）

臨床系教員

（秘書さん）

医員

研修医

看護師

コメディカル

学外・一般

理学療法士作業療法士検査技師

etc.

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医学科学部生のカリキュラム 2015.01現在

医学部医学科教科の手引き http://www.med.kyoto-u.ac.jp/faculty/kyoumu/class-exam/manual/ より抜粋

１ ２ ３ ４ ５ ６ 臨床研修

医師国家試験

研修医

共用試験ＣＢＴ・ＯＳＣＥ

臨床実習

ポリクリ（見学）

クリクラ（診療参加型）

教養科目↑

専門科目↓

卒業試験

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研究のための文献検索がとくに必要となる人々

•看護の学部生（卒論）

•院生（修論・博論）

•病院の看護師（卒後３年研究）

•教員

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閲覧ワーク

•授業・講習会 … データベースの検索方法や、文献管理ツールの使い方などが人気。

• ILL … 雑誌論文が文献のメイン。昔からILLが盛ん。迅速が命！

• レファレンス（カウンター・電話・メール）

• トラブルシューティング

•電子リソース用アカウントや端末の管理

講習会・授業の記録 http://www.lib.med.kyoto-u.ac.jp/ejpage/history_seminar.html

電子リソースのリモートアクセスによる利用について http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/er-remote.html

ECS-ID / SPS-ID（電子ジャーナル・データベース認証システム） http://www.lib.med.kyoto-u.ac.jp/ejpage/account.html7

医学系のデータベースを知る

UpToDate, Dynamed等

ACP Journal Club 等

Cochrane Library(含 CDSR, CENTRAL) 等

MEDLINE(PubMed),医中誌Web, CINAHL, EMBASE 等

より統合された情報

各研究成果※青字は京大未契約

谷口俊文. 『内科診療ストロング・エビデンス』医学書院. 2014. p6 より抜粋・改編

医学・生物学系データベースリスト http://www.lib.med.kyoto-u.ac.jp/databases.html に契約DBの概要あり8

米国国立医学図書館(NLM)とその周辺

NIH

NLM

NCBI

Entrez

PubMed

作成

National Institute of Health

National Library of Medicine

National Center for Biotechnology Information

NLM外観：東邦大学・児玉閲様撮影(2014.11）

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医学系の雑誌（EJ含む)を知る

有名な雑誌は略称込で覚えておくといい。

略称←→正式名称を調べるには、下記が便利。

Journals in NCBI Databases http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nlmcatalog/journals10

医学論文の研究デザインを知る

観察研究 Observational Study 介入研究 Intervention Study

症例報告

(Case Report)ランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial)

• システマティックレビュー (Systematic Review) …体系的に偏りなく全体をみる

• メタアナリシス(Meta-analysis) …集めたものを統計学的に統合する

横断研究(Cross-Sectional Study)

症例対照研究(Case-Control Study)

コホート研究(Cohort Study)

統 合

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臨床研究のカテゴリー：疾病の「何」について調べる？

•診断(diagnosis) 「この患者はインフルエンザかどうか」

•治療(therapy) 「インフルエンザの患者にどんな薬や療法を適用するか」

•予後(prognosis) 「インフルエンザの患者は今後どうなるか」

•病因(etiology) 「インフルエンザになった原因は何か」

PubMedのClinical Queryではこのカテゴリー別に文献を絞り込むことが可能。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/clinical

またMeSHの副標目Subheadingsなども参考になる。 12

医学論文の構造を知る

•構造化抄録 IMRAD ※実際の論文では必ずしも下記の語が使われているとは限らない

Introduction 序論

Methods 方法

Results 結果

Discussion 考察

諏訪敏幸. 看護研究者・医療研究者のための系統的文献検索概説. 近畿病院図書室協議会. 2013. p19-20 より抜粋

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EBMを知る

• エビデンスとは…「科学的根拠」

Evidence-Based Medicine（根拠に基づく医療）

「医療を学ぶ人のためのEBMワークショップ in 愛知 2013/10/15（講師：福岡敏雄先生） 主催：東海地区医学図書館協議会」の資料（公開なし）を参考にした。 14

STEP１．疑問の定式化

STEP２．文献の検索

STEP３．文献の批判的吟味

STEP４．患者への適応判断

STEP５．１～４の評価

EBMの

５ステップ

疑問の定式化

•PICO（介入研究）/PECO（観察研究）

Clinical Question（臨床上の疑問）の定式化

Patient(Population) 対象者 どんな患者に

Intervention/Exposure 介入方法・曝露方法

どんな治療をするのは

Comparison 対照群 何と比べて

Outcome 結果 どうなるか

T=Time frameを足してPICOTとする場合も

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診療ガイドライン(Clinical Practice Guideline)

「診療上の重要度の高い医療行為について，エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価，益と害のバランスなどを考量して，患者と医療者の意思決定を支援するために最適と考

えられる推奨を提示する文書」監修:福井次矢，山口直人，編集:森實敏夫，吉田雅博，小島原典子．『Minds診療ガイドライン作成の手引き2014』.医学書院,2014.p3. より引用

参考：Minds（マインズ）ガイドラインセンター http://minds.jcqhc.or.jp/n/

日本の診療ガイドラインを調べる↓

東邦大学・医中誌 診療ガイドライン情報データベース http://guideline.jamas.or.jp/

診療ガイドラインの作成には、網羅的に文献を集める必要がある。

⇒医学図書館員の活躍のチャンス16

医学系図書館のネットワークを知る

•日本医学図書館協会

『医学図書館』ISSN:04452429

•近畿病院図書室協議会

『病院図書館』ISSN:13456857

★医学情報サービス研究大会(MIS）

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医学図書館学生選書委員会はじめました

募集のお知らせ http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1523

学生選書委員会 http://www.lib.med.kyoto-u.ac.jp/student.html18

開架資料・書庫資料の現状

•雑誌の書庫の狭隘化

•開架図書が古い

「医学図書館でもっておくべき資料」

「開架に置くべき資料」「新しい資料への要求」を峻別する必要がある

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困ったときはこれを見る：参考文献等

•諏訪敏幸. 看護研究者・医療研究者のための系統的文献検索概説. 近畿病院図書室協議会. 2013.

•岩下愛, 山下ユミ. 図解PubMedの使い方. 第6版. 日本医学図書館協会. 2013.

•諏訪部直子, 平紀子. わかりやすい医中誌Web検索ガイド. 日本医学図書館協会. 2013.

•慶應義塾大学信濃町メディアセンター 使い方・探し方ガイド http://www.med.lib.keio.ac.jp/howto/usersguide.htm

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