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masatoshi-yoshida
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1 生理研・認知行動発達 2 総合研究大学院大学・生命科学研究科
サリエンシー・マップの視線計測への応用吉田 正俊1,2
注視点点灯
フリービューイング(4.0-93.8 sec / 動画)
0.5秒間の注視で動画開始
69 deg
52deg
方法: フリービューイング課題 6頭のサルがそれぞれ114個の動画(~90分)を見ている間の視線計測アイコイル法による視線計測(時間解像度 1kHz, 空間解像度 <0.01deg )
視覚特徴の寄与を定量化する
* 夜の月が「目立つ」(salient)なのは周りが暗いから。 明るいから目立つわけではない。暗くても目立つ。
* 視覚サリエンシーの特性: 視覚特徴(輝度、色、傾きなど)が平行して処理される
* 視覚サリエンシー(顕著性)とは: 「視覚刺激の空間的配置によって決まる ボトムアップ性注意を誘引する心理的特性」
Wikimedia CommonsFile:Conjunci%C3%B3n_de_la_Luna,_Marte_y_Saturno.jpg
* サリエンシー・マップはどこが目を惹くか予想できる
仲間はずれはどれですか?
簡単 (「ポップアウトする」)特徴内の探索
難しい特徴間の探索
1. 視覚サリエンシー(顕著性)とは?
2. サリエンシーを定量化する
3. 視線計測から注意を定量化する
入力画像 サリエンシー・マップ
特徴マップ
輝度
赤緑
青黄
傾き
動き
0
1000
0 1サリエンシー
AUC score = 0.58
サッカードの数
0.50
0.55
0.60
0.65
正常サル 視覚野損傷サル
AUC
sco
re
p < 0.01
(= 偶然)
計測データ(サリエンシー・マップ) ランダムサンプリング
視線はサリエンシーの高いところに向けられているか?計測データ(動画)
視覚野損傷サルの視線はサリエンシーの高いところに向けられていた。
w1
w2
w3
w4
w5
w1=w2=w3=w4=w5=1 (オリジナルのモデル)
* 特徴間の相関を考慮する。(例:動きで目立つ場所は色でも目立つ)* Leave-one-out方式を使う。
A
B
AUC
sco
re
0.5
0.6
フルモデル
(すべての特徴)
輝度
赤緑
青黄
傾き
動き
0 5 10 0 5 10
n.s.
n.s.
寄与率 A / B (%)
正常サル 視覚野損傷サルマイナスワン
モデル
(「動き」以外)
視覚野損傷サルでは傾きのサリエンシーの効果が失われていた。
参考文献:吉田 正俊 (2014) 「サリエンシー・マップの視覚探索解析への応用」 日本神経回路学会誌 21(1) 3-12Yoshida M et.al. (2012) "Residual attention guidance in blindsight monkeys watching complex natu-ral scenes." Current biology 22 1429-1434