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NTT情報流通プラットフォーム研究所 中山心太 坂本仁明 NTT 研究所におけるyammer の取り組み 社内Twitter の統計解析 1

NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

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2012/01/28に行われる、第三回Twitter研究会向けの発表資料です。 他の発表者および参加申し込みは以下から。 http://partake.in/events/b7b25ded-4918-4e57-9984-15d11200e561

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Page 1: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

NTT情報流通プラットフォーム研究所

中山心太

坂本仁明

NTT研究所におけるyammerの取り組み

社内Twitterの統計解析

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Page 2: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

自己紹介

• 中山ところてん

• @tokoroten

• Pythonista

• 分野

• セキュリティ

• 自然言語処理

• ビッグデータ

• PFIさんと一緒にJubatusやってます

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Page 3: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

yammerって何?

• 米国yammer社が開発したTwitterクローン • http://yammer.com • 会社のメールアドレスを登録すると

ドメインごとに部屋が作られる • 無料でSaaSで提供、社外からでもアクセス可能

• PC,スマホ,etc • Facebookライクに機能拡張

• スレッド型、Likeボタン、etc • 有料プランで管理機能が使える

• 競合

• Twitter、Facebook • Salesforce Chatter

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Page 4: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

yammerを利用している会社たち

• 国内だと

• 楽天

• ロフトワーク

• 日立ソリューションズ

• リクルート

• etc

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Page 5: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

NTT研究所におけるYammer

• ソーシャルメディアの評価試験中

• 全社員に導入を義務付けてるわけではない

• 社内SNSやOSS Twitterクローンから移行中

• 社内コミュニケーション用サーバがクラッシュ

• 管理・復旧がメンドクサイ、yammerを使ってみよう

• 結構いいじゃん、お金払おうかなぁ・・・

• 地震で電話が繋がらん、yammerで連絡だ!

• ほかの部署の人も口コミでワラワラと入ってきた

• 社内研修に利用されるようになってきた

• 現在に至る

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Page 6: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

「NTT研究所のYammerの使い方は変です!」

by Yammer社の営業

• Yammerはメールアドレスごとに空間作られる

• 中小企業では数人が登録して、ボトムアップ利用

• 大企業はトップダウンで利用する

• 社員へのアカウントの払い出し

• 顔写真アイコンの義務化

• 管理職が積極的に発言、業務に利用

• NTT研究所は完全にボトムアップ

• 口コミで人数がひたすらに肥大化

• 未だにハンドルネーム、アニメアイコン多数

• メールアドレスから社員録で実名特定可能なので放置

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Page 7: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

Yammerを導入してどうなった?

• 研究所の縦割りの解消(が尐しはできた) • 12個ある研究所が縦割りで運営 • lab.ntt.co.jp でメールアドレスは共通 • 研究所を跨いだコミュニケーションの実現 • ○○の発注にどこを使った? • 【急募】ポートミラーできるCiscoのルータ • ××なルールがあるのはうちだけ? • それ面白い、共同で特許書こう。

• ロケ間の解決

• 武蔵野、厚木、京阪奈、筑波、横須賀、品川、田町、大手町

• 社内SNSの衰退の加速 • トップダウンで導入したSNSがお葬式状態になった

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Page 8: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

NTT研究所におけるユーザの分布

• 情報発信者 50

• 閲覧ユーザ 200 • 登録ユーザ 700

• 社員数 3000 23%

6.6%

1.6%

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Page 9: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

機密性の高い情報の取り扱い

• 社内サーバにアップロード、YammerにURLを貼り付け

• Yammer社に情報がアップロードされない

• 家からは見れないが、会社からは見れる

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Page 10: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

アカウントの連携

• 本家Twitterのアカウントをyammerに登録しておくと#yamで投稿

• #yamで検索してyammerを使ってる会社を探すソーシャルハック

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Page 11: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

グループの運用

• グループは自由に立ててよい • 研究所ごとのグループ

• PFLab,SPLab,CSLab,NSLab....

• ロケーションのグループ

• musashino,yokosuka,keihannna,tsukuba,...

• 雑談グループ

• /dev/null, joke, junk, SocialBookmark, 作業ログ

• 趣味グループ

• Animation, Apple,グルメ,book, Game, AnalogueGame, 親バカ部, 酒,

Sound, 自転車, 陸上部

• 実務グループ

• LifeScience, challenge25, Android, 図書館 ,IPv6 ,IETF ,hack, OpenFlow

• 同期のグループ

• H19, H20, H21, H22...

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Page 12: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

グループの運用状況

まどか

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Page 13: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

グループ紹介: /dev/null

• 分かる人にだけ分かって欲しい謎発言をするグループ

• たぶん、一番Twitterの運用に近い

• アルファベット順で一番上に出るから便利

• 一番盛り上がっているが、盛り上がっていないグループ

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Page 14: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

/dev/nullで分かったメール文化の問題点

• メールはあて先のない意図のないものは投げない

• 偉い人が直接きて「yammerに書いた○○の書き込みってどういう意図?」と聞かれる。

• 何の意図もありませんと伝えると驚かれる

• メール文化はコミュニケーション=人への働きかけ

• 自分がどういう人かを知ってもらうという考えがない

• デジタルネイティブは自己を知られるメリットを理解している

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Page 15: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

グループ紹介:Animation

• 察してください、実況とかしてます

ラピュタのときの実況

まどか

まどか

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Page 16: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

グループ紹介:SocialBookmark

• ブックマークレットで一発投稿

• ブックマークを基にして議論する

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Page 17: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

グループ紹介:Asakatsu、LifeScience

• 雑談から「じゃあ勉強会やりましょう」で誕生

• Asakatsu、朝活

• 朝8時に出社して、始業前に好きなことを話す勉強会

• LifeScience

• 脳科学や生命科学の本の輪講

• やってる人たちはNWとか、素材とか、Web

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Page 18: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

Yammerの統計解析

• 仮説 • 人数が増えるにつれてメールのように冗長で儀礼的な

コミュニケーションなっているのではないか?

• アプローチ • YammerのAdmin機能で発言をすべて抽出

• CSVファイルをPythonスクリプトで処理

• URLは除去

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Page 19: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

解析の指標

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• 解析指標(いずれも一日単位) • ユニーク発言者数

• 発言量

• 平均発言文字列長

• 丁寧語比率 • 「です」「ます」が含まれているか?

• グループ発言比率

• 返信比率

• その他解析結果

• 役職と投稿の関係

• 時間帯ごとの発言量

Page 20: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

解析の目的

• 社内Twitterの動向が統計処理でつかめないか?

• 社内Twitterの解析指標の基準軸を作りたい

• 基準に沿って統計とって匿名化すれば、

会社を跨いでも有為な情報を交換可能

• 他社の人も同じ指標で解析して欲しい

• NTT研究所だけ統計解析しても客観性が怪しい

• NTT研究所だけで起きている特異的な事象なのか、

他社でも起きている普遍的事象なのか知りたい

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Page 21: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

登録ユーザ数の遷移

• Admin機能の統計から

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Invite祭り↓

↑鯖が壊れたのでyammerに引越し

↑ 311地震

新入社員↓ 研修から復帰↑

Page 22: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

ユニーク発言者数

↓ゴールデンウィーク

↓311地震

←節電のための夏季休暇

Invite祭り↓

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Page 23: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

ポスト量

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↓ゴールデンウィーク

↓311地震

節電休み↓

Invite祭り↓

Page 24: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

平均発言長

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本家Twitterの平均値

平均発言長は徐々に増加

60文字程度で安定

本家Twitterより長い

Page 25: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

平均発言長(拡大)

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本家Twitterの平均値

Page 26: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

丁寧語比率

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人数が増えるにつれ丁寧語は増加、3割程度で安定

311地震の際は丁寧語が五割以上に増加

↓311地震 ↓夏休みで母集団が尐ない

Page 27: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

丁寧語比率のスレッド主との比較

レスした人

第一投稿者

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スレッド主に限定すると

丁寧語は二割弱

Page 28: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

グループ発言比率

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↓311地震

Public TL

のみ利用

地震を境に情報の交通整理が活発化

Page 29: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

返信比率

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返信率は徐々に増加、

8割程度で安定

Page 30: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

ユーザごとの分析

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Page 31: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

ユーザごとの分析(対数軸)

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本家Twitterの平均値

ヘビーユーザほど、Twitterに近い利用の仕方をしている?

Page 32: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

投稿時間の分布

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↓昼休み

フレックスの勤務時間

↓帰宅中?

家から投稿↑

寝てる 出社してNoticeを確認する人が多い?

Page 33: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

考察

• Twitter的な運用からFacebook的な運用へ変化 • 返信比率の増大 • 丁寧語比率が徐々に増加 • 文字列長の増大

• 夏休み前後で傾向が変化 • 311地震で入った人が飽きていって、 代わりに研修から戻ってきた新人が加入?

• ヘビーユーザはTwitterと似たような使い方 • 管理職の利用が尐ない

• 登録率が悪いが、ログイン率は大差がない • 発言する回数は有為に尐ない • 社員の監視に使っているような印象を受ける

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Page 34: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

管理職はなぜ書き込みをしないのか?

• 管理職が利用するインセンティブが薄い • 社内の他部署の人とコミュニケーションを行って価値を生み出す

ことを仕事としていない • 社外の人とコミュニケーションを行って価値を生み出すことを仕

事としている • yammerに書くよりも、FBに書いたほうがレスがもらえる

• コミュニケーション能力の限界、ダンバー数

• 一般社員はコミュニケーション能力があまっている。 • 管理職は多くの人と付き合わねばならないため限界?

• 管理職が愚痴りたい内容は社員には聞かせられない

• 管理職同士が相談できる環境が必要?(士官用のバーみたいな) • 管理職より上は椅子取りゲームなので、情報を秘匿したほうが有

利?

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Page 35: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

今後の課題

• ユーザのセグメントごとの詳細な分析 • 9月から発言量が増えているのは新人の影響か?

• 役職と発言量の関係 • 管理職と非管理職という二元化されたものだけではなく、

年齢や、入社年度とのクロス統計を行う

• 所属とコミュニケーションの関係 • 組織を跨いだコミュニケーションが行われているか

• 利用される言葉の解析 • 単語のトレンドの変化、話題の抽出、共起の調査

• リンクの解析

• Likeの解析

Page 36: NTT研究所におけるYammerの取り組みと、社内Twitterの統計解析

まとめ

• 社内Twitterを導入すると色々と会社が変わります

• この一年の変化

• セクショナリズムが薄れた

• モノの貸し借りが盛んになった

• 議論が増えた、勉強会が増えた

• 中堅社員から昔話を簡単に聞けるようになった

• 社内Twitterの統計解析の結果を共有しませんか?

• NTT研究所だけの統計結果は普遍性がない

• 他社の統計解析の結果と比較して、普遍的な事象、

NTT研究所に特異な事象を洗い出したい

• Twitterで自社を愚痴るくらいなら、Yammerで愚痴ろうw

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