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CPA-日商3級-143回過去問-問題-1
第1問(20点)
下記の各取引について仕訳しなさい。ただし,勘定科目は,次の中から最も適当と思われるものを選ぶこ
と。
現 金 当 座 預 金 売 掛 金 有 価 証 券
前 払 金 立 替 金 備 品 買 掛 金
前 受 金 未 払 金 所 得 税 預 り 金 売 上
受 取 手 数 料 仕 入 発 送 費 消 耗 品 費
租 税 公 課 支 払 手 数 料 有 価 証 券 売 却 損 雑 損
1.関東商事株式会社の株式 1,000株を1株当たり¥180 で購入し,購入代金は証券会社に現金で支払った。
2.仕入先静岡商店に注文していた商品¥200,000 が到着した。商品代金のうち 20%は手付金としてあらか
じめ支払済みであるため相殺し,残額は掛けとした。なお,商品の引取運賃¥3,000 は着払い(当店負担)
となっているため運送業者に現金で支払った。
3.得意先から先月締めの掛代金¥300,000 の回収として,振込手数料¥400(当店負担)を差し引かれた残額
が当店の当座預金口座に振り込まれた。
4.業務で使用する目的でコピー複合機¥540,000 を購入し,搬入設置費用¥20,000 を含めた¥560,000 のう
ち¥260,000 は小切手を振り出して支払い,残額は翌月以降の分割払いとした。
5.所轄税務署より納期の特例承認を受けている源泉徴収所得税の納付として1月から6月までの合計税額
¥94,000を,納付書とともに銀行において現金で納付した。
第2問(10点)
埼玉商店の平成 28 年5月中の取引は次のとおりである。それぞれの日付の取引が,答案用紙に示したど
の補助簿に記入されるか,該当する補助簿の欄に○印を付して答えなさい。
2日 東京商店より商品¥500,000を仕入れ,代金のうち¥250,000は小切手を振り出して支払い,残額は約
束手形を振り出して支払った。
6日 群馬商店に商品¥600,000(原価¥450,000)を売り渡し,代金のうち¥300,000 は同店振出しの約束手
形で受取り,残額は掛けとした。なお,当店負担の発送費¥5,000 は現金で支払った。
16 日 東京商店に対し先月振り出した約束手形¥300,000 の支払期日が到来し,取引銀行の当座預金口座か
ら手形金額が引き落とされた。
27 日 仕入先茨城商店に対する先月分の掛代金¥400,000 の支払いとして,小切手を振り出して支払った。
31 日 6日に群馬商店より受け取った約束手形¥300,000 につき,取引銀行で割引きを行い,割引料¥500
を差し引かれ,残額を当座預金とした。
CPA-日商3級-143回過去問-問題-2
第3問(30 点)
平成 28 年4月中のすべての取引は,以下の主要な勘定記録(一部推定あり)および付記事項のとおりであ
る。これらの資料と答案用紙の情報にもとづいて,平成 28 年4月1日および同月 30 日における残高試算表
と4月中の得意先元帳の記録を完成しなさい。なお,勘定への4月中の転記については,相手勘定科目が複
数の場合であっても摘要を「諸口」とせず個別の勘定科目を用いて示している。
4月中の主要な勘定記録
現 金 当 座 預 金
前月までの合計 2,000,000 前月までの合計 1,450,000 前月までの合計 5,000,000 前月までの合計 3,400,000
当 座 預 金 200,000 仕 入 40,000 売 上 300,000 仕 入 200,000
発 送 費 15,000 受取手形 ? 支 払 手 形 200,000
給 料 370,000 売 掛 金 400,000 買 掛 金 300,000
現 金 ?
通 信 費 42,000
水 道 光 熱
費
40,000
支 払 家 賃 60,000
受 取 手 形 売 掛 金
前月までの合計 2,200,000 前月までの合計 1,900,000 前月までの合計 3,100,000 前月までの合計 2,700,000
売 上 500,000 当 座 預 金 299,000 売 上 ? 売 上 60,000
売 掛 金 ? 手形売 却損 1,000 当 座 預 金 ?
受 取 手 形 ?
支 払 手 形 買 掛 金
前月までの合計 1,000,000 前月までの合計 1,200,000 前月までの合計 2,000,000 前月までの合計 2,300,000
当 座 預 金 ? 仕 入 250,000 当座預金 300,000 仕 入 490,000
買 掛 金 100,000 支払手形 ?
仕 入 40,000
付記事項
上記の勘定記録のほか,4月中に次の取引があった。
ア.仕入れに伴う手付金の相殺 ¥ 80,000
イ.売り上げに伴う手付金の相殺 ¥120,000
ウ.給料支給総額から源泉徴収した所得税 ¥ 10,000
CPA-日商3級-143回過去問-問題-3
第4問(8点)
次の(1)と(2)が行われた場合,すでに記入済みの勘定科目および金額を参考に,それぞれの伝票の(ア)~
(ク)に該当する勘定科目または金額を答えなさい。なお,商品売買の記帳は3分法によること。
(1) 商品を¥140,000で仕入れ,代金のうち¥40,000 については現金で支払い,残額は掛けとした。
出 金 伝 票 振 替 伝 票
科 目 金 額 借方科目 金 額 貸方科目 金 額
( ア ) ( イ ) ( ウ ) 140,000 ( エ ) 140,000
(2) 商品を¥330,000 で売り渡し,代金のうち¥30,000 については得意先振出しの小切手で受け取り,残額
は掛けとした。
入 金 伝 票 振 替 伝 票
科 目 金 額 借方科目 金 額 貸方科目 金 額
売 上 ( オ ) 売 掛 金 ( カ ) ( キ ) ( ク )
第5問(32 点)
会計期間を1月1日から 12 月 31 日までとする日商商店の平成 27年度末における,次の[決算日に判明し
た事項]および[決算整理事項]にもとづいて,精算表を完成しなさい。
[決算日に判明した事項]
(1) 現金過不足につき,その原因を調査したところ通信費¥2,000の記帳もれが判明した。しかし,残額に
ついては原因不明のため適切な処理を行う。
(2) 得意先から商品の内金¥20,000 を現金で受け取っていたが,これを売掛金の回収として処理していた
ことが判明した。
(3) 仮払金は全額備品の購入金額であることが判明した。なお,備品は 10月 1 日に引き渡しを受けすぐに
使用を始めた。
[決算整理事項]
(1) 期末商品棚卸高は¥38,000 である。売上原価は「売上原価」の行で計算すること。
(2) 受取手形および売掛金の期末残高に対して4%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。
(3) 建物および備品について定額法によって減価償却を行う。なお,当期中に取得した備品については月
割りで減価償却費を計上する。
建 物 残存価額:取得原価の 10% 耐用年数 30 年
備 品 残存価額:ゼロ 耐用年数 5年
(4) 消耗品の未使用高は¥1,000である。
(5) 保険料のうち¥12,000 は,5月1日に支払った建物に対する1年分の火災保険料である。よって,未
経過分を月割計算により繰り延べる。
(6) 貸付金は,8月1日に貸付期間1年,利率年 1.2%の条件で貸し付けたもので,利息は返済時に一括し
て受け取ることになっている。なお,利息の計算は月割りによる。
CPA-日商3級-143回過去問-問題-4
採 点 欄 東京CPA会計学院 受験番号
第一問
1 4 3 回 過 去 問 ・ 答 案 用 紙 氏名
3 級 ①
生年月日 T. S. H . .
第1問(20点)
仕 訳
借 方 科 目 金 額 貸 方 科 目 金 額
1
2
3
4
5
CPA-日商3級-143回過去問-問題-5
採 点 欄 東京CPA会計学院 受験番号
第二問
1 4 3 回 過 去 問 ・ 答 案 用 紙 氏名
3 級 ②
生年月日 T. S. H . .
第2問(10点)
帳簿
日付 現金出納帳
当座預金 出 納 帳
商品有高帳 売 掛 金 元 帳 (得 意 先 元 帳 )
買 掛 金 元 帳 (仕 入 先 元 帳 )
仕 入 帳 売 上 帳 受取手形 記 入 帳
支払手形 記 入 帳
5
2
6
16
27
31
CPA-日商3級-143回過去問-問題-6
採 点 欄 東京CPA会計学院 受験番号
第三問
1 4 3 回 過 去 問 ・ 答 案 用 紙 氏名
3 級 ③
生年月日 T. S. H . .
第3問(30点)
残 高 試 算 表
借 方 勘 定 科 目
貸 方
4月 30 日 4月1日 4月1日 4月 30 日
325,000 550,000 現 金
1,600,000 当 座 預 金
受 取 手 形
売 掛 金
貸 倒 引 当 金 30,000 30,000
400,000 400,000 繰 越 商 品
160,000 前 払 金
600,000 600,000 備 品
備 品 減 価 償 却 累 計 額 200,000 200,000
支 払 手 形 200,000
買 掛 金
前 受 金 220,000
所 得 税 預 り 金 30,000
借 入 金 1,000,000 1,000,000
資 本 金
売 上 5,000,000
3,250,000 仕 入
1,200,000 給 料
50,000 発 送 費
180,000 支 払 家 賃
120,000 通 信 費
150,000 水 道 光 熱 費
10,000 10,000 支 払 利 息
10,000 手 形 売 却 損
得 意 先 元 帳 (全て)
神奈川商店 千葉商店
前 月 繰 越 250,000 返 品 55,000 前月繰越 150,000 値 引 き ( )
売 り 上 げ 500,000 回収(当座振込) ( ) 売り上げ 210,000 回収 (当座振込 ) 100,000
回収 (約手受取 ) 150,000
CPA-日商3級-143回過去問-問題-7
採 点 欄 東京CPA会計学院 受験番号
第四問
1 4 3 回 過 去 問 ・ 答 案 用 紙 氏名
3 級 ④
生年月日 T. S. H . .
第4問(8点)
(ア) (イ) (ウ)
(エ) (オ) (カ)
(キ) (ク)
CPA-日商3級-143回過去問-問題-8
採 点 欄 東京CPA会計学院 受験番号
第五問
1 4 3 回 過 去 問 ・ 答 案 用 紙 氏名
3 級 ⑤
生年月日 T. S. H . .
第5問(32 点)
精 算 表
勘定科目 残 高 試 算 表 修 正 記 入 損 益 計 算 書 貸 借 対 照 表
借 方 貸 方 借 方 貸 方 借 方 貸 方 借 方 貸 方
現 金 56,000
現 金 過 不 足 3,000
当 座 預 金 349,000
受 取 手 形 76,000
売 掛 金 114,000
仮 払 金 250,000
繰 越 商 品 41,000
貸 付 金 400,000
建 物 1,800,000
備 品 200,000
土 地 1,360,000
支 払 手 形 74,000
買 掛 金 109,000
前 受 金 24,000
貸 倒 引 当 金 2,000
建物減価償却累計額
486,000
備品減価償却累計額
120,000
資 本 金 3,400,000
売 上 1,286,000
仕 入 650,000
給 料 168,000
通 信 費 12,000
消 耗 品 費 6,000
保 険 料 16,000
5,501,000 5,501,000
雑 ( )
売 上 原 価
貸倒引当金繰入
減 価 償 却 費
消 耗 品
( )保険料
( ) 利 息
受 取 利 息
当 期 純 ( )
CPA-日商3級-143回過去問-解答-1
解 答
第1問(20点)
仕 訳
借 方 科 目 金 額 貸 方 科 目 金 額
1 有 価 証 券 180,000 現 金 180,000
2
仕 入
203,000
前 払 金
買 掛 金
現 金
40,000
160,000
3,000
3
当 座 預 金
支 払 手 数 料
299,600
400
売 掛 金
300,000
4
備 品
560,000
当 座 預 金
未 払 金
260,000
300,000
5 所 得 税 預 り 金 94,000 現 金 94,000
〔採点基準:仕訳1組につき4点〕
CPA-日商3級-143回過去問-解答-2
第2問(10 点)
帳簿
日付 現金出納帳
当座預金 出 納 帳
商品有高帳 売 掛 金 元 帳 (得 意 先 元 帳 )
買 掛 金 元 帳 (仕 入 先 元 帳 )
仕 入 帳 売 上 帳 受取手形 記 入 帳
支払手形 記 入 帳
5
2 ○ ○ ○ ○
6 ○ ○ ○ ○ ○
16 ○ ○
27 ○ ○
31 ○ ○
〔採点基準:各日付につき2点×5ヶ所〕
CPA-日商3級-143回過去問-解答-3
第3問(30 点)
残 高 試 算 表
借 方 勘 定 科 目
貸 方
4月 30 日 4月1日 4月1日 4月 30 日
325,000 550,000 現 金
1,557,000 1,600,000 当 座 預 金
650,000 300,000 受 取 手 形
500,000 400,000 売 掛 金
貸 倒 引 当 金 30,000 30,000
400,000 400,000 繰 越 商 品
80,000 160,000 前 払 金
600,000 600,000 備 品
備 品 減 価 償 却 累 計 額 200,000 200,000
支 払 手 形 200,000 350,000
買 掛 金 300,000 350,000
前 受 金 220,000 100,000
所 得 税 預 り 金 30,000 40,000
借 入 金 1,000,000 1,000,000
資 本 金 2,000,000 2,000,000
売 上 5,000,000 6,570,000
4,270,000 3,250,000 仕 入
1,580,000 1,200,000 給 料
65,000 50,000 発 送 費
240,000 180,000 支 払 家 賃
162,000 120,000 通 信 費
190,000 150,000 水 道 光 熱 費
10,000 10,000 支 払 利 息
11,000 10,000 手 形 売 却 損
10,640,000 8,980,000 8,980,000 10,640,000
得 意 先 元 帳 (全て)
神奈川商店 千葉商店
前 月 繰 越 250,000 返 品 55,000 前月繰越 150,000 値 引 き 5,000
売 り 上 げ 500,000 回収(当座振込) 300,000 売り上げ 210,000 回収 (当座振込 ) 100,000
回収 (約手受取 ) 150,000
〔採点基準: に付き各3点×10ヵ所〕
CPA-日商3級-143回過去問-解答-4
第4問(8点)
(ア) 買 掛 金 (イ) 40,000 (ウ) 仕 入
(エ) 買 掛 金 (オ) 30,000 (カ) 300,000
(キ) 売 上 (ク) 300,000
〔採点基準:各1点×8ヶ所〕
第5問(32 点)
精 算 表
勘定科目 残 高 試 算 表 修 正 記 入 損 益 計 算 書 貸 借 対 照 表
借 方 貸 方 借 方 貸 方 借 方 貸 方 借 方 貸 方
現 金 56,000 56,000
現 金 過 不 足 3,000 3,000
当 座 預 金 349,000 349,000
受 取 手 形 76,000 76,000
売 掛 金 114,000 20,000 134,000
仮 払 金 250,000 250,000
繰 越 商 品 41,000 38,000 41,000 38,000
貸 付 金 400,000 400,000
建 物 1,800,000 1,800,000
備 品 200,000 250,000 450,000
土 地 1,360,000 1,360,000
支 払 手 形 74,000 74,000
買 掛 金 109,000 109,000
前 受 金 24,000 20,000 44,000
貸 倒 引 当 金 2,000 6,400 8,400
建物減価償却累計額
486,000 54,000 540,000
備品減価償却累計額
120,000 52,500 172,500
資 本 金 3,400,000 3,400,000
売 上 1,286,000 1,286,000
仕 入 650,000 650,000
給 料 168,000 168,000
通 信 費 12,000 2,000 14,000
消 耗 品 費 6,000 1,000 5,000
保 険 料 16,000 4,000 12,000
5,501,000 5,501,000
雑 ( 損 ) 1,000 1,000
売 上 原 価 41,000 38,000 653,000
650,000
貸倒引当金繰入 6,400 6,400
減 価 償 却 費 106,500 106,500
消 耗 品 1,000 1,000
( 前 払 ) 保 険 料 4,000 4,000
( 未 収 ) 利 息 2,000 2,000
受 取 利 息 2,000 2,000
当 期 純 ( 利 益 ) 322,100 322,100
1,121,900 1,121,900 1,288,000 1,288,000 4,670,000 4,670,000
〔採点基準: に付き各2点×16ヶ所〕
CPA-日商3級-143回過去問-解説-1
解 説
第1問
1.有価証券の購入
有価証券の取得原価:1,000 株×@¥180=¥180,000
2.仕入取引
(1) 「商品代金のうち 20%は手付金としてあらかじめ支払済みである」から,商品の到着前に下記の仕訳
が行われていると判断できる。
(借) 前 払 金 ¥40,000 (貸) 現金(又は当座預金) ¥40,000
(注) 前払金:¥200,000×20%=¥40,000
(2) 引取運賃は仕入諸掛にあたるため,仕入原価に含めて処理する。
仕入:¥200,000(商品代金)+¥3,000(引取運賃)=¥203,000
3.売掛金の回収
当座預金の増加額は振込手数料¥400 を差し引いた¥299,600 になるが,売掛金の減少額は¥300,000 であ
ることに注意すること。
4.固定資産の購入
(1) 固定資産の購入に伴って生じた付随費用(本問では搬入設置費用)は,固定資産の購入代価に加えて取
得原価とする。
備品の取得原価:¥540,000(購入代価)+¥20,000(付随費用)=¥560,000
(2) 備品の代金として¥260,000 を小切手で支払った分は,当座預金の減少とし,残額は未払金勘定とし
て処理する。なお,「翌月以降の分割払い」とあるが,後払いであることは変わらないので,未払金と
なる。
未払金:¥560,000(取得原価)-¥260,000(支払額)=¥300,000
5.所得税(従業員分)の納付
当該取引は,給料を支払った際に預かった所得税を納付したという取引である。そのため,以前に下記の
仕訳が行われていると判断できる。
(借) 給 料 ××× (貸) 現金(又は当座預金) ×××
(〃) 所 得 税 預 り 金 ¥94,000
(注) 上記仕訳は1月から6月までを合算した仕訳である。
第2問
1.仕訳及び補助簿への転記
(1) 5月2日(商品の仕入れ)
① 仕訳
(借) 仕 入 ¥500,000 (貸) 当 座 預 金 ¥250,000
(〃) 支 払 手 形 ¥250,000
② 補助簿への転記
仕入:仕入帳,商品有高帳(在庫の増加)
当座預金:当座預金出納帳
支払手形:支払手形記入帳
(2) 5月6日(商品の売上げ)
① 仕訳
(借) 受 取 手 形 ¥300,000 (貸) 売 上 ¥600,000
(〃) 売 掛 金 ¥300,000
(借) 発 送 費 ¥5,000 (貸) 現 金 ¥5,000
CPA-日商3級-143回過去問-解説-2
② 補助簿への転記
受取手形:受取手形記入帳
売掛金:売掛金元帳
売上:売上帳,商品有高帳(在庫の減少)
現金:現金出納帳
発送費:補助簿への転記はなし
(3) 5月 16 日(支払手形の決済)
① 仕訳
(借) 支 払 手 形 ¥300,000 (貸) 当 座 預 金 ¥300,000
② 補助簿への転記
支払手形:支払手形記入帳
当座預金:当座預金出納帳
(4) 5月 27 日(買掛金の支払い)
① 仕訳
(借) 買 掛 金 ¥400,000 (貸) 当 座 預 金 ¥400,000
② 補助簿への転記
買掛金:買掛金元帳
当座預金:当座預金出納帳
(5) 5月 31 日(手形の割引)
① 仕訳
(借) 当 座 預 金 ¥299,500 (貸) 受 取 手 形 ¥300,000
(〃) 手 形 売 却 損 ¥500
② 補助簿への転記
当座預金:当座預金出納帳
受取手形:受取手形記入帳
手形売却損:補助簿への転記はなし
第3問
1.残高試算表(4月1日)の推定
(1) 推定方法
受取手形,売掛金及び買掛金は「前月までの合計」の貸借差額で算定する。
受 取 手 形 買 掛 金
前月までの合計 2 , 2 0 0 , 0 0 0 前月までの合計 1 , 9 0 0 , 0 0 0 前月までの合計 2,000,000 前月までの合計 2,300,000
4/1残高 300,000 4/1残高 300,000
売 掛 金
前月までの合計 3 , 1 0 0 , 0 0 0 前月までの合計 2 , 7 0 0 , 0 0 0
4/1残高 400,000
資本金は問題文に資本金勘定が与えられていないため,上記のように推定できない。よって,残高試算
表「4月1日」欄の貸借差額で計算する。
¥8,980,000(4/1借方合計)-¥6,980,000(4/1貸方合計)=¥2,000,000
CPA-日商3級-143回過去問-解説-3
2.残高試算表の作成
(1) 留意点
以下の仕訳のうち,ゴシック体になっているものについては同一取引(仕訳の右横の各番号が対応してい
る)であるため,集計時において,二重に集計しないよう注意すること。
(2) 現金勘定
(借) 現 金 ¥200,000 (貸) 当 座 預 金 ¥200,000 ①
(借) 仕 入 ¥40,000 (貸) 現 金 ¥40,000
(借) 発 送 費 ¥15,000 (貸) 現 金 ¥15,000
(借) 給 料 ¥370,000 (貸) 現 金 ¥370,000
(3) 当座預金勘定
① ?の推定
増加額(相手勘定:受取手形)は受取手形勘定の貸方2行目より¥299,000 となる。
減少額(相手勘定:現金)は現金勘定の借方2行目より¥200,000 となる。
② 仕訳
(借) 当 座 預 金 ¥300,000 (貸) 売 上 ¥300,000
(借) 当 座 預 金 ¥299,000 (貸) 受 取 手 形 ¥299,000 ②
(借) 当 座 預 金 ¥400,000 (貸) 売 掛 金 ¥400,000 ③
(借) 仕 入 ¥200,000 (貸) 当 座 預 金 ¥200,000
(借) 支 払 手 形 ¥200,000 (貸) 当 座 預 金 ¥200,000 ④
(借) 買 掛 金 ¥300,000 (貸) 当 座 預 金 ¥300,000 ⑤
(借) 現 金 ¥200,000 (貸) 当 座 預 金 ¥200,000 ①
(借) 通 信 費 ¥42,000 (貸) 当 座 預 金 ¥42,000
(借) 水 道 光 熱 費 ¥40,000 (貸) 当 座 預 金 ¥40,000
(借) 支 払 家 賃 ¥60,000 (貸) 当 座 預 金 ¥60,000
(4) 受取手形勘定
① ?の推定
増加額(相手勘定:売掛金)は答案用紙に記載されている千葉商店勘定の貸方3行目より¥150,000 と
なる。
② 仕訳
(借) 受 取 手 形 ¥500,000 (貸) 売 上 ¥500,000
(借) 受 取 手 形 ¥150,000 (貸) 売 掛 金 ¥150,000 ⑥
(借) 当 座 預 金 ¥299,000 (貸) 受 取 手 形 ¥299,000 ②
(借) 手 形 売 却 損 ¥1,000 (貸) 受 取 手 形 ¥1,000
(5) 売掛金勘定
① ?の推定
増加額(相手勘定:売上)は答案用紙に記載されている神奈川商店勘定及び千葉商店勘定の借方2行目
より¥710,000(¥500,000+¥210,000)となる。
減少額(相手勘定:当座預金)は当座預金勘定の借方4行目より¥400,000 となる。
減少額(相手勘定:受取手形)は答案用紙に記載されている千葉商店勘定の貸方3行目より¥150,000
となる。
CPA-日商3級-143回過去問-解説-4
② 仕訳
(借) 売 掛 金 ¥710,000 (貸) 売 上 ¥710,000
(借) 売 上 ¥60,000 (貸) 売 掛 金 ¥60,000
(借) 当 座 預 金 ¥400,000 (貸) 売 掛 金 ¥400,000 ③
(借) 受 取 手 形 ¥150,000 (貸) 売 掛 金 ¥150,000 ⑥
(6) 支払手形勘定
① ?の推定
減少額(相手勘定:当座預金)は当座預金勘定の貸方3行目より¥200,000 となる。
② 仕訳
(借) 仕 入 ¥250,000 (貸) 支 払 手 形 ¥250,000
(借) 買 掛 金 ¥100,000 (貸) 支 払 手 形 ¥100,000 ⑦
(借) 支 払 手 形 ¥200,000 (貸) 当 座 預 金 ¥200,000 ④
(7) 買掛金勘定
① ?の推定
減少額(相手勘定:支払手形)は支払手形勘定の貸方3行目より¥100,000 となる。
② 仕訳
(借) 仕 入 ¥490,000 (貸) 買 掛 金 ¥490,000
(借) 買 掛 金 ¥300,000 (貸) 当 座 預 金 ¥300,000 ⑤
(借) 買 掛 金 ¥100,000 (貸) 支 払 手 形 ¥100,000 ⑦
(借) 買 掛 金 ¥40,000 (貸) 仕 入 ¥40,000
(8) 付記事項等
(借) 仕 入 ¥80,000 (貸) 前 払 金 ¥80,000
(借) 前 受 金 ¥120,000 (貸) 売 上 ¥120,000
(借) 給 料 ¥10,000 (貸) 所 得 税 預 り 金 ¥10,000
3.得意先元帳の推定
得意先元帳とは,売掛金の増減を取引先ごとに把握するための補助簿のことである。したがって,各得意
先元帳の売掛金の合計は,「主要な勘定記録」の売掛金勘定残高と一致する。
売 掛 金 神奈川商店
前月繰越 400,000 売上 60,000 前月繰越
250,000
返品 55,000
売上 710,000 当座預金 400,000 売 上
500,000
回収(当座振込)( ① )
受取手形 150,000 4/30
残高( ) 4/30
残高 500,000
千葉商店
前月繰越
150,000
値引き ( ② )
売 上
210,000
回収(当座振込) 100,000
回収(約手受取) 150,000
4/30
残高( )
CPA-日商3級-143回過去問-解説-5
①の金額:①(神奈川商店)+100,000(千葉商店)=400,000(売掛金勘定) ∴①=300,000
②の金額:55,000円(神奈川商店)+②(千葉商店)=60,000(売掛金勘定) ∴②=5,000
第4問
1.本問を解く上での前提
本問は伝票記入の問題であるが,一部当座取引を伝票に記入する方法は① 取引を擬制する方法,② 取引
を分割する方法である。そのため,どちらの起票方法を採用しているかを判断する必要がある。
2.仕訳
(1) 商品の仕入れ
(借) 仕 入 ¥140,000 (貸) 現 金 ¥40,000
(〃) 買 掛 金 ¥100,000
(2) 商品の売上げ
(借) 現 金 ¥30,000 (貸) 売 上 ¥330,000
(〃) 売 掛 金 ¥300,000
(注) 備品の購入に伴う引取費は,備品の取得原価に含まれることに留意。
3.伝票の起票
(1) 商品の仕入れ
①の起票方法を採用した場合,以下のような起票になる。
仕 入 ¥140,000 買 掛 金 ¥140,000 →振替伝票
買 掛 金 ¥40,000 現 金 ¥40,000 →出金伝票
また,②の起票を採用した場合は以下のような起票となる。
仕 入 ¥100,000 買 掛 金 ¥100,000 →振替伝票
仕 入 ¥40,000 現 金 ¥40,000 →出金伝票
答案の振替伝票において,振替伝票の金額に「140,000」が記入されていることから,①の方法を採用し
ていると判断することができる。
(2) 商品の売上げ
①の起票方法を採用した場合,以下のような起票になる。
売 掛 金 ¥330,000 売 上 ¥330,000 →振替伝票
現 金 ¥30,000 売 掛 金 ¥30,000 →入金伝票
また,②の起票を採用した場合は以下のような起票となる。
売 掛 金 ¥300,000 売 上 ¥300,000 →振替伝票
現 金 ¥30,000 売 上 ¥30,000 →入金伝票
答案の入金伝票において,相手科目に「売上」が記入されていることから,②の方法を採用していると
判断することができる。
第5問
1.決算日に判明した事項
(1) 現金過不足
(借) 通 信 費 ¥2,000 (貸) 現 金 過 不 足 ¥3,000
(〃) 雑 損 ¥1,000
(2) 訂正仕訳
(借) 売 掛 金 ¥20,000 (貸) 前 受 金 ¥20,000
CPA-日商3級-143回過去問-解説-6
(参考)
① 間違った仕訳
(借) 現 金 ¥20,000 (貸) 売 掛 金 ¥20,000
② 本来あるべき仕訳
(借) 現 金 ¥20,000 (貸) 前 受 金 ¥20,000
(3) 仮払金の修正
(借) 備 品 ¥250,000 (貸) 仮 払 金 ¥250,000
2.決算整理事項
(1) 売上原価の算定
(借) 売 上 原 価 ¥41,000 (貸) 繰 越 商 品 ¥41,000
(借) 売 上 原 価 ¥650,000 (貸) 仕 入 ¥650,000
(借) 繰 越 商 品 ¥38,000 (貸) 売 上 原 価 ¥38,000
(2) 貸倒引当金の設定
(借) 貸 倒 引 当 金 繰 入 ¥6,400 (貸) 貸 倒 引 当 金 ¥6,400
(注) {¥76,000(受取手形)+¥114,000(売掛金・残高試算表)
+¥20,000(売掛金・訂正仕訳)}×4%-¥2,000(貸倒引当金残高)=¥6,400
(3) 固定資産の減価償却
(借) 減 価 償 却 費 ¥106,500 (貸) 建物減価償却累計額 ¥54,000
(〃) 備品減価償却累計額 ¥52,500
(注 1) 建物減価償却累計額:¥1,800,000(建物取得価額)×0.9(要償却率)
÷30 年(耐用年数)=¥54,000
(注 2) 備品減価償却累計額
既存分:¥200,000÷5年(耐用年数)=¥40,000
期中取得分:¥250,000÷5年(耐用年数)×3ヶ月/12 ヶ月=¥12,500
合計:¥40,000+¥12,500=¥52,500
(4) 消耗品の整理
(借) 消 耗 品 ¥1,000 (貸) 消 耗 品 費 ¥1,000
(注) 残高試算表欄に消耗品費勘定の残高が計上されているため,購入時に費用処理す る方法を採用
していると判断できる。
(5) 前払保険料
(借) 前 払 保 険 料 ¥4,000 (貸) 保 険 料 ¥4,000
(注) ¥12,000×4ヶ月/12ヶ月=¥4,000
(6) 未収利息の計上
(借) 未 収 利 息 ¥2,000 (貸) 受 取 利 息 ¥2,000
(注) ¥400,000(貸付金の額)×1.2%(年利)×5ヶ月/12 ヶ月=¥2,000
(7) 当期純利益の計算
損益計算書の貸方合計と借方合計の差額により,当期純利益を計算する。また,貸借対照表へ当期純利
益を転記し,貸借が一致することを確認する。
¥1,288,000(収益合計)-¥965,900(費用合計)=¥322,100
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