越後平野の沖積層の 変位から見た西縁断層の活動越後平野の沖積層の...

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越後平野の沖積層の 変位から見た西縁断層の活動

産業技術総合研究所 地質分野研究企画室

宮地良典 1

越後平野の沖積層の変位から見た西縁断層の活動

• ボーリングコアの対比からの平均変位速度の推定

• 堆積環境復元から運動時期の推定 • 越後平野西縁断層(角田・弥彦断層)の活動の復元

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新潟平野の沖積層の特徴

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白河・

新潟

阿 賀 野 川

新潟平野 日本海側最大の平野 信濃川・阿賀野川の堆積物

長岡

新潟平野の沖積層の特徴

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白河・

新潟

新潟平野 日本海側最大の平野 信濃川・阿賀野川の堆積物 長岡平野西縁断層帯をはじめとした断層による沈降

長岡

日本でもっとも沖積層が厚い平野

沿岸域 地質・活断層調査 FY2008~ 能登半島 新潟平野 福岡平野 勇払平野

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新潟平野は,活断層によって沈降した盆地に信濃川・阿賀野川などの膨大な堆積物が堆積し

てできている.

宮地ほか(2010) 日本地質学会学術大会(2010/9/18)にて発表

新潟平野の沖積層からわかる平野の沈降と長岡平野西縁断層帯の活動

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GS-SGT・ ・GS-NIK ・GS-KNM ・YA

ボーリング掘削地点

新潟平野の地質モデルの基準ボーリングとして6本のボーリングを掘削した. ここではまず,断層を挟んだGS-SGTとGS-KNMコアについて検討する.

新潟平野の沖積層からわかる平野の沈降と長岡平野西縁断層帯の活動

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ボーリングから 河川→湿地 →沖浜 (と深くなり) 外浜→前浜 →河川 (浅くなる)

新潟平野の沖積層からわかる平野の沈降と長岡平野西縁断層帯の活動

対比層準 時期 SGT KNM 変位量 軽石火山灰層のたまった時期の地表

5千から6千年前

-5m -33m+12m =-21m

16m/5.5千年=3m/千年

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新潟平野の沖積層からわかる平野の沈降と長岡平野西縁断層帯の活動

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年代曲線をみると 特に湿地層の地層では階段状に堆積速度が速くなったり,遅くなったりする時期がある. 早くなっている層は,生痕が多く,海の影響があるのではないか? 珪藻を調べた.

新潟平野の沖積層からわかる平野の沈降と長岡平野西縁断層帯の活動

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珪藻分析を行うと

湿地帯の中に海棲種が

入ってくる層準があり

その時期に早く

たまっている

海水準の上昇か?

断層運動による沈下か?

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GS-SGT・

ボーリング掘削地点

新潟平野の地質モデルの基準ボーリングとして6本のボーリングを掘削した. 断層と並列の内陸から海岸線にかけたボーリングコア

・GS-NIK ・GS-KNM ・YA

新潟平野の沖積層からわかる平野の沈降と長岡平野西縁断層帯の活動

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陸側(YA) 海側(GS-NIK)

16,000年前から14,000年前:河川成層

14,000年前から9,000年前:湿地層(しばしば海の影響のある湿地)

9,000年前:沖浜(海進)

9,000年前から6,000年前:下部外浜

内陸部では バリアー・ラグーンシステム

6,000年前から3,000年前:上部外浜

6,000年前以降:前浜・後浜・砂丘

新潟平野の沖積層からわかる平野の沈降と長岡平野西縁断層帯の活動

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湿地環境下でしばしば海が入ってくる.

徐々に内陸まで海の影響が届くようになる

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GS-SGT・ ・GS-NIK ・GS-KNM ・YA

ボーリング掘削地点

GS-NTN・ ・GS-NMD

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竹野町周辺でも,堆積速度が速くなる時期があり,このころに地震イベン

トがあった可能性がある.

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まとめ 以上の調査結果から長岡平野西縁断層帯は, ・約1,000年ごとに活動する ・平均すると,1,000年で3mの動く. ・10,000年前から8,000年前にかけて海進が進み,8,000年前から5千年前ま

で海岸部は海,平野にはバリア(砂丘)ーラグーンができた. 14.8

14.5 13.2 12.5

11.5 11.0 10.5 9.5 9.0

8.0 7.5 6.8 6.0 5.5

4.3 3.1 1.5

海進

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