ビーコン スコップ スノーソー(講師から借用) 雪山...

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平成29年度 雪崩講習会

日時 2018年3月3日(土)、3月4日(日)

場所 土合山の家周辺

参加者 福島(報告者)

概要 雪崩対策 (3/3)

1.机上講習

2.地形判断と行動、グループマネージメント

3.雪質観察

雪山レスキュー (3/4)

4.負傷者梱包(室内)

5.埋没体験

6.掘り出し

7.支点構築

8.引き上げ、引き下ろし

9.埋没者の掘り出しから引き上げ、引き下ろしまでの演習

装備 雪崩対策

ビッケルまたはストック

ワカンまたはスノーシュー

ビーコン

スコップ

スノーソー(講師から借用)

雪山レスキュー

ビッケルまたはストック

ビーコン

スコップ

登攀装備一式(ハーネス、安全環付カラビナ x 2、カラビナ x 2、クイックドロー x 2、スリング60cm x 2、スリング120cm x 2、

ヘルメット、プルージックロープ)

ツェルト、銀マット、スリング240cm、ロープ15m(10mだったかも) (講師から借用)

天気 土日ともに、いい天気で、春のような陽気。

日が当たる所では、上着もいらなかったです。

雪は、ややズブズブでした。

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講習内容(1日目)

1.机上講習

土合山の家にて、2つの部屋をつなげた部屋で座学。

大きなディスプレイを見ながら、講師の方の説明を聞きました。

テキストは「雪崩リスク軽減の手引き」。講習会の中では使用しませんでした。

参加者は、15人くらいでしょうか。皆さん、すごい山やさんのように見えて、なんとなく場違いな場所に来てしまったような気分。。。

(1) 山岳の積雪

・ 積雪の結晶の状態は、3種類に分けられる。

+ 球形化 積雪内の温度変化が少ないときなる雪の状態。

+ 再結晶化 温度勾配が大きい(雪の深さの違いが少しで、温度変化が大きい)ときになる雪の状態

+ 融解凍結

・ 地面に岩があったりするため、雪の深さは一定ではない。場所によって状態が変わる。

・ それぞれの雪の状態によって、雪崩のリスクなどが変わってくる。

(2) 雪崩の種類について

・ 雪崩は、点発生雪崩と面発生雪崩がある。

・ 面発生雪崩は、弱層が破壊されて、その上のスラブが落ちる。

順層 柔らかい雪 逆層 硬い雪 *午後の雪質観察のなかで教えていただいた内容

硬い雪 柔らかい雪

・ 人為的な要因で発生する雪崩の深さは、1m以内。

人為的な影響が伝わる深さが1mまでのため。

コンプレッションテストなどは、1mの深さで行う。

・ スラブは、主に3種類に分けられる。

+ ストームスラブ

+ ウィンドウスラブ

+ 持続型スラブ

ディープスラブというものもある。これは持続型スラブが、雪の深いところで発生するものなので、特徴は持続型に似ている。

・ ストームスラブ

新雪の大量降雪時

雪が降っている全域で発生する。

新旧の雪の境界が雪崩れる。

・ ウィンドウスラブ

風で飛ばされた雪。風下でスラブを作る。

硬いスラブを作りやすい。

割れやすい。

特定の方位や標高差の場所で発生する。風下斜面など。

・ 持続型スラム

霜が要因となってできる。  *間違っているかも。

持続性弱層は、掘ってみないと分からない。

浅い所でできやすい。

・ この3つの複合型のものもあるが、調査する時はいずれかに分類する。

(3) 雪崩の地形

・ 雪崩道は、3区間に分けられる。

発生区、走路、体積区

・ 発生区になる場所

斜度は30°から45°。 斜度がこれ以上大きい所は、雪が落ちるため発生区になりにくい。

風の影響が大きい所。稜線、雪庇、風下。

急に斜面が落ちる所。

・ まばらな植生は、スラブを寸断しているようなものなので、注意。

・ 地形の罠に注意。V字の沢など。小さな雪崩でも危険が高くなることもある。

(4) 情報収取とグループマネージメント

・ 集める情報は、以下の3つ。①から順番に優先度が高い。

① 雪崩のデータ できるだけ新しい情報。昨日、一昨日くらいまで。

② 積雪のデータ

③ 気象データ

・ 行動するとき、雪崩の地形だと言って避けばかりいたら、どこにも行けない。

そのような場所で、どのように行動するかが大切。

+ 雪崩の地形に入るのは1人にする。雪を掘って助けられるのは1人くらいだから。

+ 40ℓ以下のザックはしっかりと身につけた方がよい。雪崩に流されたとき、木や岩にぶつかったときのクッションになる。

50ℓ以上のザック(重い荷物を持っているとき)は、腰ベルトを外しておく。

重さのせいで沈むの防ぐために捨てられるようにしておくため。

ここが割れる。

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2.地形判断と行動、グループマネージメント

行動を開始する前に、ビーコンのチェック方法について、教わりました。

① リーダがSENDモード、メンバー全員がSEARCHモードにする。

リーダがメンバー全員に近づいて、各自のビーコンが反応しているか確認する。

② リーダがSEARCHモード、メンバー全員がSENDモードにする。

リーダが、移動方向の先頭に立つ。

メンバーが、1人ずつ、移動方向に向かって歩く。リーダのそばを通過するとき、ビーコンが反応しているかリーダがチェックする。

このとき、リーダのビーコンに、無理に近づけないように。

これで、双方向のチェックができる。

メンバはそのまま移動できる。

リーダは、自分の責任にて、SENDモードに切り替える。

土合山の家の近くの山にて、地形判断とその際の行動について演習を行いました。

2つのグループに分かれて、リーダを決めて、リーダの指示に従って行動しました。

雪崩地形かどうか判断しながら行動するように。

沢の下を横切るときのように、雪崩リスクのある地形では、1人ずつ行動する。

写真の沢では、雪崩のリスクはあるが、それほど大きくないと判断。

そこで、半分ほど横切ったら、手を上げて合図して、次の人が移動を開始した。

声を掛け合って、意思疎通をするように。(コミュニケーションが大切。仕事と同じですね。)

左右に沢がある。その中央の尾根を登って行く所。

休憩する場所も、安全かどうか確認するように。

目の前の沢の下の所、平らで安全なように見えるが、流れたデブリが溜まって平らになった場所らしく、それほど安全ではないらしい。

言われてみると、少し盛り上がっているような気もする。

尾根を少し登ったところで、「間違った尾根を登って来たことに気づいた。という場合に、目の前の沢をどうやって横切ればいいか。」

と先生から質問されました。 3

参加者のお一人が、「上から下に斜めに横切る。」と独り言を言ったが聞こえたので、それを回答。(助かりました。。。)

沢を斜め下に向かって移動する。横切るための移動時間を短くするため。

行動は、1人ずつ。

待つ人、横切った人は、安全な場所で待機する。

ちなみに、大声を出しても雪崩は起きないそうです。それは漫画の世界のお話だそうです。(苦笑)

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3.雪質観察

積雪断面の観察と、コンプレッションテストを行いました。

まずは、先生による実演。そのあと、4つのグループに分かれて実習。

(1) 積雪断面の観察

斜面に対して、以下のような形状に掘る。深さは1m。理由は、人為的は影響が及ぶのが1mまでのため。(机上講習参照)

断面は、垂直で綺麗な面になるように整形することが大切。先生は、とても丁寧に面を削ってました。

右側の面(日が当たらない面)を、上から指で突っついて、雪質が変化をするところを観察します。(左図)

指で分かりにくいときは、プラスチックの板で、上からスライドさせていくと分かりやすいとのこと。(右図)

(2) 新雪のテスト(バープテスト)

新雪の雪崩やすさのテストです。コンプレッションテストは新雪だと使用できないので、こちらの方法を使います。

正面の左側の所に、スノーソーを使って、30cm四方の切れ込みを入れます。

次に、スコップを使って、新雪の層より少し下の部分までをすくい取り出します。

スノーソーを使って切れ込みを入れているところ。

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取り出した塊を、スコップの下から、手のひらで叩きます。

やばいときには、これで簡単にずれるそうで、それを見た瞬間、皆、引くそうな。。。

(3) コンプレッションテスト

テストで使用する雪柱を作る手順が、なかなか難しい。

慣れている人、先生クラスになると、5分程度で作ってしまうそうです。

① バープテストで、掘った部分を、1m下まで掘り下げます。

コンプレッションテストで使用する柱を作るために、スペースを作ります。

② 30cm四方の柱が残るように、右側に三角形の切れこみを入れます。ケーキカットと言うそうです。

三角形の中の雪は、スノーソーや、スコップの柄を使って掻き出します。

③ 最後に、柱の奥に横に切れ込みをいれます。これで、柱が独立します。

切れ込みを入れたスノーソーは柱の下に残しておくこと。どこまで切れ込みを入れたのかが、分かるようにするためです。

④ これで柱ができたので、テスト開始です。

柱の上に、スコップを置き、その面を、以下の方法で叩きます。

まずは、手のひら(手首のスナップだけ)で10回、叩きます。

次に、肘から先を振って、10回、叩きます。

最後に、手をグーにして、力任せに思いっきり10回、叩きます。かなり痛いそうです。

この30回のうち、何回目で雪がスライドしたか(もしくは、しなかったか)を観察します。

叩いているとき、周りの人は、いつスライドするか柱をよく見ましょう。(よそ見しないように。)

手のひらで叩いているとき。このときは動きませんでした。 肘から先で叩いているとき。このときスライドしました。

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⑤ スライドしたら、スコップを外して、どの面でスライドしたか観察します。

「(1) 積雪断面の観察」の時の結果とも比較して。

そして、動いた部分を、両手で挟んで、手前に引きます。

雪崩やすいときは、ずるっと引けて、上部がとれます。雪崩の可能性があることになります。

しっかりとくっついて、引いても動かないときもあります。その場合は、またスコップを置いて、引き続き叩きます。

(3) 各グループごとに実習

4グループが、南から北に並んでテストを行いました。

その結果、南の方でテストしたグループが、10数回叩いたときに、スライドし、両手で引きとれました。

私は、南から2つ目グループで、南よりの柱で試したときは、13回でスライドして両手で引きとれました。

北よりの柱でテストしたときは、スライドはしましたが、くっついて引き取ることはできませんでした。

(4) テストが終わったら

掘った穴を、埋め戻しましょう。

掘ったままにしておくと、他の方に危険ですので。

(5) ディスカッションと総評

テストを行ったグループごとに分かれて「今回のテスト結果を踏まえて、明日、山行に行くとしたらどうするか。」

についてディスカッションして発表。

最後に、先生から総評いただきました。概ね、以下のような内容だったと思います。

ここ数日の積雪や天気、明日の天気から、雪がどうなっていて、どの雪崩が起きるリストがありそうか予測する。

雪質観察や、コンプレッションテストから、そのリスクがどの程度ありそうか、またどういった地形で起きそうかなどを、判断する。

今回のテスト結果からだと、南斜面で雪崩やすそうだと予想できるため、南斜面を行動するときは注意が必要だと判断できる。

以上のように、複数の情報から総合的に、どのようなリスクが想定されて、それに対してどのように行動するのか

(もしくは行動しないのか)を判断する。

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講習内容(2日目)

4.負傷者梱包(室内)

2日目は、ビーコンクラスと、レスキュークラスに分かれての講習。

私は、レスキュークラスに参加。参加者は4名。

講師は2名で、さらにアドバイザー件サポート役でもう2名。(お一人は神奈川山岳連の講師)

まず、室内で負傷者の梱包の仕方について教わりました。

ですが、手順が多すぎて、細かいところまでは理解できませんでした。

(1) まずは、負傷者に銀マットをかけて、保温する。

(2) ツェルトを引く、銀マットを引く、シュラフマットを引く、空にしたザックを引く。

ザックは、腰ベルトが頭になるように逆向きに置く。腰ベルで頭を固定するため。

ツェルトは、足のほうに余裕があるようにする。 理由は、(8)を参照

(3) 負傷者を乗せて、ザックの腰ベルトで頭を固定する。

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(4) 手首と足首をテーピングで軽く固定する。

(5) 上着をかかて、保温する。

腰の下、膝の下に、衣類を丸めて敷く。負傷者が楽になる。

(6) ツエルトの中にカラビナをいれて、ツェルトの外からスリングでインクノットで縛る。

足首、腰、肩の3箇所。左右両方。左右の片方のスリングは120cm。もう一方は60cm。

カラビナの位置は、奥の方(負傷者の体の下の方)がよい。

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(7) スリングの準備ができたら、ツェルトを負傷者に巻く。ツェルトの末端を巻きながら、負傷者に掛ける。

左右のスリングを使って縛る。

足首→腰→肩の順番。

縛り方は、シートベントだったか?(すいません。忘れました。)

60cmスリングに対して、120cmを縛りつける。

結び目が、中心線になるようにする。中心線からずれるときは、60cmスリングにオーバーハンドノットで結び目を作って長さ調節する。

(8) 両足の下にも、カラビナと120cmスリングを使って、結び目を作る。

余ったツェルトを束めて折り返し、それをスリングでイワシ結びする。さらに、ツェルトを折り返した中に、スリングを通す。

(ややこしい。。。)

ここで大切なことは、足がすっぽりとツェルトに包まれていること。

中途半端だと、搬送中に足の位置が崩れて、膝が曲がる。この状態で移動すると、降ろすときにすごく痛い。

(午後の講習でやってしまいました。)

そのため、(3)の搬送者を乗せるときに、足の方のツェルトに少し余裕があった方がいい。

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(9) 両足下のスリングと、足首に巻いたスリングをシートベント?で縛って固定する。

同様に、腰のスリングと足首のスリング、肩のスリングと腰のスリングを縛る。

チェックポイント

足元がツェルトですっぽりと包まれて、しっかりと固定されていること。

肩に巻いたスリングがV字になっていること。(V字のシャツの襟首の形になっていること。)

頭が動かないように、固定すること。

(10) ロープを使って、ツェルトにつけたカラビナに、インクノットでロープを固定する。

足元から肩に向けて順番に。

ロープがたるまないように、足元からロープのたるみを取る。

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(11) 頭の下にも、カラビナとスリングを使って、結び目を作る。

余ったツェルトをまとめて、スリングを巻いて、ツェルトの余りを整理する。足元で行ったことと同じ要領。

(12) 顔にタオルをかけて、雪がかからないようにする。

(13) ロープを頭のカラビナにかけて、末端を8の字などで固定し、安全環付きのカラビナをつける。

肩のスリングにも、安全環付きのカラビナをかける。

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(14) 240cmスリングを使って、頭、肩の3点で流動分散をする。

負傷者のハーネスにスリングをつけておき、それを頭部の安全環付きカラビナにかける。バックアップのため。

(15) 以上で負傷者の梱包は完了。

1人が、流動分散の先を引き、他のメンバーは、サイドのスリングにPASSなどをかけて、補助する。

5.埋没体験

ここからは、土合山の家の裏に行き、実地演習を行いました。

まずは、埋没体験から。

私も体験しましたが、雪が締まると、全く動けませんでした。

また、雪が冷たく、長い時間は耐えられそうもありません。

さらに、埋没者は外の声が聞こえるそうですが、外の人は埋没者の声が聞こえないそうです。雪が声を吸収してしまうため。

精神的にもきついです。

プロープを刺して、人にヒットしたときの感触も味わいました。ぷにぷにとした感じで思ったよりも柔らかい感触でした。

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6.掘り出し

ヒットしたブロープを残しておき、その先端に向かって、横からV字に掘って行きます。

掘り出しを開始する位置は、プローブの深さの2倍手前から。

リーダを決めて、四角に並んで、ローテンションを回しながら掘って行きます。

先頭の1人は、埋没者に向かってひたすら掘る。

その後ろにいる2人は、先頭が掘った雪を後ろに掻き出す

さらにその後ろの人は、埋没者を梱包できるように、雪を平らに整地する。

先頭の人が掘る時間は、2、3分。リーダが声をかけて、交代させる。掘っている人も疲れたら、声を出して、交代してもらう。

1mくらいの深さを掘るのに、10分くらいかかったでしょうか。時間を測定してもらいましたが、忘れてしまいました。

プローブがヒットした位置。

深さ1mとする。

2m手前から掘る。

先頭の人 ひたすら掘る。

次に掘る人、さっき掘った人

先頭の人が掘った雪を後ろに掻き出す。

他の人

負傷者を梱包できるように雪面を整地する。

ローテンションを回しながら掘っていきます。

掘り出すスコップで、埋没者が多少傷つこうとも、

とにかく気道を確保することが最優先

7.支点構築

まずは、立ち木でロープを使った支点構築です。

ロープは、2重に巻いた方が、ずれにくい。とのことです。

位置は、木の上の方がいいと言われました。この辺りは、夏のレスキューとは違うんですね。

8の字を使って巻いたとき。 これは何結びだったか?

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細いブッシュでも支点になるとのこと。ただし、2本をまとめて縛るように。

さすがに、空中懸垂はしないみたいですが、足がついていれば、しっかり使えるとのことです。

引っ張った感じは、かなりしっかりしていました。 イワシ結び。

スノーバーによる支点。向きに注意して、雪に差し込む。

スリングを引く方向は、雪面と同じ面になるように。もしくは、雪を掘って、雪面以下になるように。

上向きは、禁止。

スノーバーを横向きにして埋める方法。

ピッケルでも使える方法です。 引っ張った感触は、かなり安心感がありました。

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スノーボールという方法

ずだ袋に、頭サイズの雪を入れて、スリングで口をしっかり結び、埋めます。

袋にいれた雪は、ロープを引く面の肩の部分が直角になるように形を作ることがコツです。

支点の強度は

スノーボール > スノーバー、ピッケルの横埋め > スノーバー縦刺し

とのことです。

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8.搬送者の引き上げ、引き下ろし

引き上げシステムは、1/3、1/2、1/6を行いました。1/2と1/6は初めてです。

1/3システムの支点

バックアップにはマッシャーを使っています。 折り返し部分もマッシャーでした。

マッシャーは、荷重をかけると締まり、荷重をぬくと緩むので、システムのバックアップとしては、使いやすかったです。

ただし、ロープとスリングの相性があるようです。私の持っていたプルージックでは、荷重をかけても締まってくれないときがありました。

他の方は、バックアップ用の専用スリングを持っていて、それはバッチリ効いてました。今度、買おうかな。

引き下ろしのときに使った、イタリアンヒッチ

クライマー側のロープが、環ある向きに来ないように、と言われたのですが、いまの手グセだと環のあるほうに来てしまうんですよね。。。

引き下ろしている最中に、途中で人が入って、立ち木を使って、左右に振り分けます。

中に入った人が、ビレイを交代することで、連続したスムーズな引き下ろしができます。 ビレイの仕方は、折り返したロープを手で握る。

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9.埋没者の掘り出しから引き上げ、引き下ろしまでの演習

1回目は、事前に埋めていただいたダミー人形を使って、探索、埋没者の掘り出し、梱包、引き上げ、引き下ろしまでを行いました。

2回目は、講師の方に負傷者役になっていただき、梱包、引き上げ、引き下ろしを行いました。

1回目の人形のときは、1度掘ったけど見つからず、もう一度、探索して掘り直したため、気道確保するまでに

おそらく30分~40分くらいかかっていたと思います。10分で掘り出すことが、いかに難しいのかを感じました。

引き上げは、1/3を使いましたが、人形が人に比べて軽いおかげか、スムーズに引き上げることができました。

2回目の講師の方のときは、梱包の際に、足元のツェルトが短く、足元を包むような梱包が出来ませんでした。

その結果、引きおろす際に、足が崩れ、膝が曲がり、講師の方がしきりに痛いと言ってました。

立っているときと同じ状態になるように、しっかりと足元を梱包する必要があります。

引き上げは、1回目が1/3で上がったため、スピードアップを狙って1/2にしたのですが、重くて上がりませんでした。

そこで1/6に切り替えましたが、今度は、ロープを引く量が長くて大変でした。

実際に使用する場面になったときは、引き上げる人数にもよりますが、1/3が妥当かなと、感じました。

また、引き上げたときに、他のメンバーの方が、負傷者の頭が動かないように、軽く押さえていました。すごく楽だと言ってました。

10 .全体を振り返って

冬山にはどのようなリスクあって、どのように対処すべきなのか知らなかったため、今まで不安を感じていましたが、

今回の講習のおかげで、雪崩のリスクと対応方法を知ることができました。たいへん有意義だと思っています。

レスキューについては、自分で実施できるレベルには、ぜんぜん足りません。

もしもそのような場面に遭遇した場合、中途半端な知識で実施することは、却って危険だと思います。

まずは、救助を呼ぶか、他のパーティーに応援を呼ぶことを第1に考えるべきだと思います。

ただし、そのようなケースで、何をするのか、何をすべきなのかということを、知識として知っておくことは、

大切なことだと思いますので、こちらも、たいへん有意義で、受講してよかったと思います。

以上

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