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9 ~教職員の服務に関するガイドライン~ 使命を全うする 平成29年5月 東京都教育ҕ員ձ 子供たちのために 自分のために 家族のために

使命を全うする - 東京都教育委員会ホームページ...平成 年5月 東京都教育委員会 2 ~教職員の服務に関するガイドライン~ 使命を全うする!

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平成 年5月  

東京都教育委員会 

29

~教職員の服務に関するガイドライン~

使命を全うする!

平成29年5月

東京都教育委員会

子供たちのために 自分のために 家族のために

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はじめに

 教職員には、地方公務員として服務上の義務が課せられている。特に、教職員は、児童・生徒等の成長に大きな影響を与えることから、専門的知識はもとより、豊かな人間性と使命感が求められる。その職責を十分に理解し、倫理観や規範意識等をより一層高め、服務の厳正に努めることが必要である。 これまで、東京都教育委員会では、服務研修の実施や服務の厳正に係る通知の発出等により、服務規律の徹底を図るよう努めてきたところであるが、教職員による服務事故は後を絶たず、崇高な使命を全うすることなく、退職を余儀なくされる者も少なくない。 特に、わいせつ行為等により懲戒処分等を受けた者は、平成 27 年度は 23 人で、平成 26 年度の 37 人と比べて減少しているものの、平成 27 年度のわいせつ行為等処分者数等の教職員数に対する割合は、全国の 0.02%に比べ東京都は 0.04%と高い状態にある。(「平成 27 年度公立学校教職員の人事行政状況調査」平成 28 年 12 月 22日 文部科学省)。 また、東京都教育委員会が平成 28 年6月 23 日に公表した「平成 27 年度に発生した都内公立学校における体罰の実態把握について」では、平成 27 年度に体罰を行った者(教職員、外部指導員、卒業生、上級生等)は 62 人、不適切な行為を行った者は 303 人であった。この人数は、2年前から比べると半分以下になっているものの、決して少ない数字とは言えず、引き続き体罰根絶に向けた取組が必要である。 本ガイドラインは、服務事故防止の更なる徹底を図るため、教職員が当然守るべき服務に関する指針、ルール、とるべき行動例のほか、最近の服務事故例・処分量定等をまとめたものである。 全ての教職員は、本ガイドラインを精読した上、各自保管し、各学校においては、年度当初の服務事故防止研修、服務事故防止月間等、あらゆる機会を捉えて本ガイドラインを活用し、服務事故の根絶に努めなければならない。

平成 29 年5月東京都教育委員会

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○ はじめに

第Ⅰ章 子供たちや自分を守る、具体的な行動を考えよう 

第Ⅱ章 もう一度確認しよう、服務の基礎知識

1 不適切な行為(わいせつ行為)、セクシュアル・ハラスメント等の禁止…… 2

2 私的なメール、SNS等の禁止 ………………………………………… 5

3 個人情報の適切な管理等 ………………………………………………… 6

4 体罰等の禁止 ……………………………………………………………… 8

5 飲酒に伴う不適切な行為の防止等 … …………………………………… 10

6 自家用車通勤等の禁止、交通事故の防止 … …………………………… 12

7 パーソナルコンピュータの適正な利用等 … …………………………… 14

8 利害関係者との不適切な接触等の禁止等 … …………………………… 16

9 会計事故の防止 …………………………………………………………… 18

…10 児童・生徒等の模範となる身だしなみ等… ……………………………… 20

…11 障害者差別の禁止等………………………………………………………… 22

…12 パワー・ハラスメント(パワハラ)の防止………………………………… 23

  

1 服務の根本…………………………………………………………………… 26

2 服務の基本的事項…………………………………………………………… 26

3 行政処分……………………………………………………………………… 27

4 教職員が負う責任…………………………………………………………… 27

5 服務事故再発防止研修の概要……………………………………………… 29

- 目 次 -

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子供たちや自分を守る、具体的な行動を考えよう

第 Ⅰ 章

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具体的な行動

1 不適切な行為(わいせつ行為)、セクシュアル・ハラスメント等の禁止

 児童・生徒等との不適切な関係、立場を利用した不適切な行為(わいせつ行為)、児童・生徒等を傷付けるような性的言動(セクシュアル・ハラスメント)等を絶対にしてはならない。

○� 特別教室や体育館、放課後の教室等、他者の目に触れにくい場所での児童・生徒等に対する個別指導は、一人で行わないこと。

○� 児童・生徒等に対する指導上不必要な身体接触(首、胸、脇、腰、でん部、大腿たい

部等を触る(着衣の上からの身体接触を含む。)、抱きしめる、頬ずりする、膝に乗せる等)は行わないこと。

○� 児童・生徒等を教職員の自宅等に迎えたり、自家用自動車に同乗させたりしないこと。○� 管理職の許可無く、児童・生徒等の自宅を訪問しないこと。○� わいせつ行為は、刑法違反(強制わいせつ罪等)、青少年健全育成条例違反、児童福祉法違反にも該当する可能性があり、教員免許状の失効等により二度と教壇に立てなくなる等、重大な非違行為であることを改めて認識し、こうした行為は行わないこと。

○� 相手が不快に感じる性的な言動が、全てセクシュアル・ハラスメントとなることを自覚し、こうした行為は行わないこと。

(参照)・�東京都立学校職員服務規程(昭和 63 年東京都教育委員会訓令第8号)第8条の2、第8条の2の2・「都立学校におけるセクシュアル・ハラスメントの防止に関する要綱」 (平成 11 年7月1日付 11 教人職第 216 号)・「都立学校における児童・生徒等に関するセクシュアル・ハラスメントの防止に関する要綱」 (平成 15 年3月 10 日付 14 教人職第 1661 号)・「運動部活動におけるテーピングやスポーツマッサージに係る服務事故の防止について(通知)」 (平成 26 年7月 18 日付 26 教人職第 1076 号)・�「都立学校における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの防止に関する要綱の制定について(通知)」(平成 28 年 12 月 28 日付 28 教人職第 3566 号)

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(参考)

◇ セクシュアル・ハラスメント(セクハラ) � セクハラとは、他の者(教職員以外の者も含む。)を不快にさせる、職場における性的な言動及び他の教職員を不快にさせる職場外における性的な言動を指す。 � 例えば、職場や、職場の人間関係がそのまま持続する酒席などで、次のような言動を行い、相手が不快に感じた場合はセクハラになり得るので、十分に注意すること。       ・聞くに堪えない卑猥

わい

な内容の冗談を交わす。   ・性的な噂を立てたり、性的なからかいの対象としたりする。   ・雑誌等の卑猥

わい

な写真・記事等をわざと見せたり、読んだりする。   ・�性的な内容の電話をかけたり、性的な内容の手紙、メッセージ、メール等を送ったりする。   ・食事やデートにしつこく誘う。   ・身体に不必要に接触する。   ・交際、性的な関係を強要する。       ※ 被害者の性的指向や性自認にかかわらず、性的な言動であればセクハラに該当する。

◇ 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント � 改正男女雇用機会均等法及び改正育児・介護休業法が平成 29 年1月から施行されたことに伴い、�東京都立学校職員服務規程に妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントを禁止する規定が設けられた。 � 教職員は、妊娠又は出産に関して、妊娠又は出産した女性教職員の勤務環境を害する言動を行ってはならない。また、教職員は、他の教職員が妊娠、出産育児又は介護に関する制度を利用すること又は措置を受けることに関して当該教職員の勤務環境を害する言動を行ってはならない。 � 業務上の必要性に基づく言動はこのハラスメントには当たらないが、例えば、次のような言動は�このハラスメントに該当する可能性があるので十分に注意すること。

   ・育児休業の取得について上司に相談したら、「男のくせにありえない」と言われた。   �・�上司や同僚から「妊婦はいつ休むか分からないから、仕事は任せられない」、「妊娠するなら�

忙しい時期は避けるべきだった。」などの発言が繰り返された。   ・育児短時間勤務をしていたら、同僚から「周りは迷惑している。」と何度も言われた。

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過去の事例から学ぶ

わいせつ行為は、子供の心を

傷付けるとともに、一人の教職

員の行いが、他の全ての教職員

の信用を損なうことにつながる、

決して許されない行為です。

自分の言動が相手にどのように受け

止められるかを、常に考えて振る舞う

ことが大切です。教育に携わる公務員

として、自分の感覚ではなく、相手の

立場に立って考えるようにしましょう。

・ ホテルにおいて、勤務校児童の保護者と性行為を行った(懲戒免職)。・� 自宅において、勤務校児童が13歳未満であることを知りながら、同児童に衣服を脱がせ、同児童をデジタルカメラで撮影し、静止画像データをSDカードに記録して保存した(懲戒免職)。

・� 駐車場に駐車した自己所有の自家用自動車内において、勤務校の女子生徒にキスをするなどの性的行為を行った。

 � また、同駐車場に駐車した同自動車内において、同生徒にキスをするなどの性的行為を行った(懲戒免職)。

・� 勤務校において、児童に対して、同児童の後方から約20秒間抱き付く、両手で直接同児童の上半身前面を約20秒間触る、右手で下着の上から同児童の下半身を約3秒間触るなどの行為を行うとともに、膝を床に着いた状態で同児童を約10秒間抱き締め、立ち上がろうとした際、唇が同児童の右頬に触れる事態を招いた(懲戒免職)。◆

・� 勤務校教室において、児童6名に対して、同児童の脇をくすぐった際、服の上から児童の胸を触る又は胸をもむ行為を少なくとも25回行い、6名に不快感を与えるとともに、6名のうち3名に恐怖感を与えた。

 � また、同教室において、児童2名に対して、両手で同児童の両足首を持ち、足の裏を児童の�股間に当て、児童の両足を上下左右に振るなどの行為を行い、2名のうち1名に不快感を�与えた(懲戒免職)。

・� ホテルにおいて、インターネット上で知り合った女性が満18歳に満たないことを知りなが�ら、女性と性行為を行い、神奈川県青少年保護育成条例違反及び児童買春、児童ポルノに係�る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反により起訴された(免職�(時間講師))。

・� 都内のホテルにおいて、満18歳に満たないことを知りながら、当時16歳の女性に、現金6万円の対償を供与し、性的行為を行った(懲戒免職)。

・� 勤務校において、女子生徒に対して、同生徒を正面から約3秒間抱きしめる、同生徒を背後から約3秒間抱きしめる、同生徒を正面から約3秒間抱きしめるとともに、左手のひらで同生徒のでん部をスカートの上から触る行為を行った(停職6月(辞職承認))。

・� 勤務校において、外部指導員への生徒に対するわいせつ行為に関する注意喚起が徹底せず、また、同外部指導員の生徒に対する指導状況を正確に把握せず、同外部指導員が、同校において、生徒7名に対して、わいせつ行為を少なくとも16回行う事態を招いた(戒告(管理�監督者))。

○� 平成 28 年4月1日付けで、懲戒処分の基準である「教職員の主な非行に対する標準的な処分量定」を改正している。本ガイドラインの「過去の事例から学ぶ」における◆以外の事例は、改正前の基準を適用しているため、改正後の基準を適用した場合は、処分量定が重くなる可能性がある。

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具体的な行動

過去の事例から学ぶ

2 私的なメール、SNS等の禁止

 携帯電話等のメール、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)等を、児童・生徒等との私的連絡の手段に使用してはならない。

○ 管理職の許可無く、児童・生徒等の電子メールアドレス等を聞かないこと。○ 児童・生徒、保護者との連絡は、原則として学校の電話を使用し、安易に個人の携帯電話のメール等を使用しないこと。

○ 職務上やむを得ずメール等を使用する場合は、CCを使って、管理職に同一のメッセージを送信すること。

・� 自宅において、当時勤務校生徒の保護者に対して、わいせつな画像及び不適切な内容のメッセージを複数回送信した(停職3月)。

・� 勤務校等において、生徒を抱き締める、同生徒の意向を確認せずに、生徒と二人きりで、生徒�の両脚及び両腕を着衣の上からマッサージする、同生徒に対して、不適切な内容のメッセ�ージを約1,600回送信する行為を行い、生徒に不快感を与えた(懲戒免職)。

教職員が、児童・生徒や保護

者等と私的に連絡するというこ

と自体、あってはならないこと

です。

メールやソーシャル・ネットワーキ

ング・サービスなど、その利便性など

から、安易な考えでこれらを使用す

ることが、取り返しのつかない重大な

結果を招きます。

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具体的な行動

3 個人情報の適切な管理等

 児童・生徒等の個人情報を含む書類や電子データを、許可なく学校から持ち出してはならない。児童・生徒等の個人情報が記載された書類の整理・保管等を徹底しなければならない。

○� 禁止されている私物の外部記録媒体(USBメモリ、SDカード等)を校内に持ち込まないこと。

○� 電子メールアドレスも個人情報となることに留意し、外部の複数の宛先に同時送信をする際は、他の送信先の電子メールアドレスが分からないようにBCCを利用すること。

○� 紙ベースの個人情報については、施錠できる場所に施錠保管し、鍵の管理を適切に行う�こと。

○� 教職員間で児童・生徒等の個人情報を受け渡す場合、黙って机上に置いたりせずに、直接�手渡しして確実に受け渡しを行うとともに、受け取った際は必ず内容を確認すること。

○� 日頃から机上や保管庫等の整理等を徹底するとともに、不要文書を廃棄する際は、内容を�十分に確認すること。

(参照)・個人情報の保護に関する法律(平成 15 年法律第 57 号)・東京都個人情報の保護に関する条例(平成2年東京都条例第 113 号)・東京都特定個人情報の保護に関する条例(平成 27 年東京都条例第 141 号)・東京都教育委員会個人情報取扱事務要綱(平成 17 年9月 22 日付 17 教総総第 1009 号)・東京都教育委員会特定個人情報等取扱事務要綱(平成 27 年 12 月 28 日付 27 教総総第 1805 号)・東京都教育委員会特定個人情報等安全管理基準(平成 28 年1月6日付 27 教総総第 1862 号)

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過去の事例から学ぶ

・ 当時勤務校職員室において、同校児童1名分の⽒名、住所、電話番号等の個人情報が記載された資料、同児童の出⽋の記録等の個人情報が記載された資料等を紛失した(戒告)。

・ 勤務校において、私物の外部記録媒体の利用及び個人情報の持ち出しが禁止されているにもかかわらず、自己所有のSDカード3枚を同校に持ち込み、生徒延べ66名分の通知表所⾒�一覧表並びに生徒延べ376名分の定期テストの得点及び観点別評価一覧表の個人情報を、同SDカードに保存し、同校校外に持ち出した。

  また、同校校外において、同SDカードを紛失し、同個人情報を一時的に紛失した。  さらに、SDカードの紛失について速やかに管理職に報告すべきところ、これを怠った(減給10�分の1 3月)。

・ 当時勤務校において、個人情報の私物USBメモリへの保存及び持ち出しが禁止されている�にもかかわらず、児童延べ116名分の通知表の評価及び児童延べ32名分の児童指導要録の�所⾒の下書きの個人情報を、自己所有のUSBメモリに保存し、同校校外に持ち出した。

  また、勤務校の校⻑から、私物USBメモリの持ち込み禁止及びUSBメモリを使用する際は公費購⼊のUSBメモリを使用することについて指導を受けていたにもかかわらず、同校に持ち込んだ自己所有のUSBメモリを使用した。

  さらに、同校において、同USBメモリを紛失し、同個人情報を一時的に紛失した(減給10分の1 1月)。

・ 勤務校において、個人情報を持ち出す際は、管理職の許可を得る必要があるにもかかわらず、同校第1学年生徒140名分の期末考査の答案を、管理職の許可を得ずに、かばんに⼊れて、同校から持ち出すとともに、同答案が⼊った手提げ袋を電車内に置き忘れ、一時的に同答案を紛失した(戒告)。

・ 勤務校において、当時同校第1学年児童26名分の漢字テストプリント及び道徳プリント並びに同26名のうち1名分の日記帳を、同校管理職の承認を得ることなく、かばんに⼊れて、同校から持ち出した。

  また、同日、路上に止めた自転車の籠に同かばんを放置したことにより、同かばんを盗まれ、一時的に同漢字テストプリント、同道徳プリント及び同日記帳を紛失した(戒告)。

児童・生徒等の情報は、

学校や教職員のものではあ

りません。勝手に持ち出し

たり、不適切に扱ったりし

てはいけません。

学校では、多くの個人情報

を扱っており、その管理は

公務員として、法令等に

従って厳重に行わなくては

なりません。

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具体的な行動

4 体罰等の禁止

 児童・生徒等に対する体罰、不適切な指導、行き過ぎた指導、暴言等を行ってはならない。

○� 体罰とは、児童・生徒等に対する懲戒のうち、児童・生徒等の身体に①直接的に⾁体的苦痛を与える行為(殴る、蹴る、たたく、投げる等)②間接的に⾁体的苦痛を与える行為(⻑時間にわたる正座・起立等)であることを改めて認識し、こうした行為は行わないこと。

○� 児童・生徒等の身体に⾁体的負担を与える程度の軽微な有形⼒の行使(手をはたく、おでこを弾く、尻を軽くたたく、⼩突く、拳⾻で押す、胸倉をつかんで説教する、襟首をつかんで連れ出す等)は、不適切な指導であり、児童・生徒等の現況に適合していない過剰な指導は、行き過ぎた指導であることを改めて認識し、こうした行為は行わないこと。

○� 児童・生徒等に恐怖感、侮辱感、人権侵害等の精神的苦痛や負担を与える言動(罵る、脅かす、威嚇する、人格(身体・能⼒・性格・⾵貌等)を否定する、⾺⿅にする、集中的に批判する、犯人扱いする等)は、暴言等に当たることを改めて認識し、こうした行為は行わないこと。

○� 児童・生徒等の問題行動を指導する場面では、感情の⾼ぶりにまかせることなく、言葉によるコミュニケーションを通じて指導すること。

○� 児童・生徒等に、何について、なぜ指導するのかを説明し、児童・生徒等が自らの非を認識し、指導を聞き⼊れ、反省する態度を⽰すことができるような指導を行うこと。

○� 児童・生徒等の問題行動について、保護者と連携できる関係を構築するため、日頃から保護者と情報交換を行うこと。

○� 部活動指導(外部指導員による指導を含む。)や生活指導を組織的に行う体制をつくる�こと。

(参照)・学校教育法(昭和 22 年法律第 26 号)第 11 条・�「体罰根絶に向けた総合的な対策-部活動指導等の在り方検討委員会報告書-」(平成 25 年9月 12 日)・「体罰根絶に向けた総合的な対策について(通知)」(平成 26�年1月 23 日付 25 教指企第 1157 号)

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過去の事例から学ぶ

・ 勤務校廊下において、当時同校第6学年男子児童を指導した際、右手で同児童の胸倉をつかみ、児童の背中を壁に2回押し付け、児童の背後から、右足の内側で児童の右ふくらはぎを�蹴るとともに、同廊下において、別の当時同学年男子児童を指導した際、右手で同児童の�胸倉をつかみ、左手で児童の右腕をつかんだまま、同校男子トイレまで同児童を移動させ、同トイレにおいて、右手で児童の左腕を押し、児童の背中を掃除ロッカーにたたきつけた。

  また、体罰について速やかに校⻑に報告すべきところ、これを怠った。  さらに、同校⾳楽室において、別の当時同学年男子児童を指導した際、ベランダから⾶び降りてみろ、落ちてみろという旨の不適切な発言を行った(減給10分の1 3月)。

・ 勤務校教室において、当時同校第2学年女子児童1名及び当時同学年男子児童2名の合計3名を指導した際、⽵製の物差しで3名の頭頂部をそれぞれ1回ずつたたき、女子児童に外傷性頭部帽状腱膜下⾎腫による全治約2週間の傷害を負わせるとともに、体罰について速やかに管理職に報告すべきところ、これを怠った(減給10分の1 1月)。

・ 他校グラウンドにおいて、勤務校硬式野球部に所属する当時同校第2学年男子生徒を指導した際、右手で同生徒の胸倉をつかんで突き放し、同生徒を仰向けに倒した。

  また、勤務校において、同部に所属する別の当時同学年男子生徒を指導した際、右手のひらで生徒の左頬をたたいた。

  さらに、体罰について速やかに管理職に報告すべきところ、これを怠った(減給10分の1 1月)。

・ 勤務校において、当時同校第5学年男子児童を指導した際、右手のひらで同児童の右側頭部をたたき、体罰について速やかに管理職に報告すべきところ、これを怠った(戒告)。

・ 勤務校体育館において、同校第2学年男子生徒を指導した際、左すねで同生徒の右ふくらはぎを2回蹴るとともに、体罰について速やかに管理職に報告すべきところ、これを怠った(戒告)。◆

・ 勤務校校舎外において、同校第1学年男子生徒を指導した際、同生徒に正座をするように�指⽰し、アスファルトの地面の上に正座をさせた。

  また、別の日、公共の広場において、生徒95名を指導した際、生徒に正座をするように指⽰し、25分程度の時間、⽯畳の上に正座をさせた(戒告)。

体罰が原因で、転校を余儀なくされる場合もあ

ります。その結果、児童・生徒等の夢をつぶして

しまうような事態に発展しかねません。

体罰は、子供の心や体に深い

傷を残します。

体罰は、学校教育法第 11

条で禁止されている行為です。

自分勝手な解釈は許されるも

のではありません。一人の教

職員による体罰は、自分自身

だけではなく、教職員全体に

対する信用を失わせてしまい

ます。

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具体的な行動

5 飲酒に伴う不適切な行為の防止等

 飲酒運転をしてはならない。また、飲酒に起因した事故(セクシュアル・ハラスメント、暴⼒行為、痴漢、盗撮、他人の自転車を持ち去り使用する窃盗、個人情報の紛失等)を起こさないよう、自らの行動を律しなければならない。

・ 飲⾷店において、勤務校の行事の打上げの際、同校女性教員に対して、右手のひらで同教員のでん部をたたく、飲⾷店において、飲酒後、同教員にキスをしようとする、勤務校において、同教員の上半身を無断で撮影するなどの行為を行うとともに、不適切な発言を行い、同教員に不快感及び恐怖感を与え、同教員が勤務を休む事態を招いた(懲戒免職)。

・ 複数の飲⾷店等において飲酒後、酩酊状態となり、電車内において、自己所有のスマートフォンで、座席に座っていた女性の大腿部を撮影するとともに、駅構内等において、同スマートフォンで同女性の姿態を撮影した(停職6月(辞職承認))。

・ 複数の飲⾷店において、飲酒後、電車内において、右手のひらで、後方に立っていた女性のでん部を、スカートの上から断続的に複数回触った(停職6月(辞職承認))。

・ 飲⾷店において、飲酒後、マンション⼊り⼝に面した歩道上において、他人の自転車を窃取した(停職6月(辞職承認))。

過去の事例から学ぶ

○ 酒席等で安易に身体に触ったり、相手に不快感を与える性的な言動をしたりしないこと。○ 混雑している電車内などでは、身体接触により、痴漢行為と誤解されないよう、また、トラブルに発展しないよう、乗車車両や立ち位置等に気を遣うこと。

○ 飲酒する場合は、帰宅時刻や交通手段を常に意識するとともに、互いに声を掛け合い、節度ある行動を促すなどして、自転車の窃盗や占有離脱物横領を起こさないように注意すること。

○ 個人情報を持ち運ぶ際には、管理職の許可を得るとともに、届け出た経路及び方法により、肌身離さず、細⼼の注意を払うこと。こうした際には、飲酒は絶対に行わないこと。

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・ 勤務校校⻑の許可を得ずに、自己所有の自動二輪車による通勤を3回行うとともに、飲⾷店において、飲酒後、酒気を帯びた状態で同自動二輪車を運転して⾛行し、停車していた他人の自家用自動車に衝突させ、同自動車を損壊させた(停職46日)。

・ 飲⾷店において、飲酒後、都内マンション前歩道において、鍵の付いていない他人の自転車を⾒付け、同自転車を無断で使用した(減給10分の1 3月)。

・ 複数の飲⾷店において、飲酒後、路上に停車中のタクシー車内において、同タクシーの運転手と降車場所について⼝論になった際、助手席側の後部座席から、靴を履いた右足で同タクシーの運転席の背もたれ部分を蹴り、右足の靴の先端を、左を向いていた同運転手の唇に当て、同運転手に左上唇を切る傷害を負わせた(減給10分の1 1月)。

・ 勤務校において、個人情報を持ち出す際には、校⻑の許可を得る必要があるにもかかわらず、校⻑の許可なく、同校第1学年生徒163名分の⽒名、出席番号及び顔写真が印刷された用紙5枚並びに同校教職員等11名分の⽒名、電話番号及びメールアドレスが記載された用紙1枚の個人情報が⼊ったクリアファイルを持ち出すとともに、飲⾷店における勤務校の行�事の慰労会後、同校校外において、同クリアファイルを紛失し、同個人情報を紛失した�(戒告)。

自分の不適切な言動により職

を失うということを、考えたこ

とがありますか。

中には、泥酔して、自分の職

を失うような重大な行為を記憶

していないという事例もありま

す。飲酒の席やその帰路では、

特に気を付ける必要があります。

どのような場面であっても自らの行

為が教職員としての信用を失墜させて

しまうものにならぬよう、常に気を付

けなくてはいけません。

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具体的な行動

6 自家⽤⾞通勤等の禁止、交通事故の防止

 無許可の自家用車通勤等をしてはならない。 日頃から安全管理の徹底や交通法規の遵守に努めるとともに、運転中は安全確認を十分に行い、交通違反や交通事故(自転車による人身事故等を含む。)を防止しなければならない。

(参照)・�「都立学校に勤務する職員の自家用自動車による通勤に関する取扱要領」(平成 23 年2月 25 日付 22 教人職第 2193 号)

・�「都立学校に勤務する職員の自家用自動車による通勤に関する取扱要領の運用上の留意事項について(通知)」(平成 23 年2月 25 日付 22 教人職第 2194 号)・「自家用車使用による公務旅行に関する要綱」(平成 11 年4月1日付 10 教人勤第 272 号)

○ 特別な事情があって、やむを得ず自動車通勤等を行う必要がある場合は、事前に管理職に�申請書を提出し、承認を受けること。

○ 管理職は、定期的に定期券等の点検を実施する等、通勤実態の把握を行うこと。○ 勤務時間外に交通事故を起こした場合でも、服務事故として扱われることを改めて認識するとともに、交通法規に違反しないよう常に⼼掛けること。

過去の事例から学ぶ

・ 自己所有の自家用自動車を運転して都内を⾛行中、信号機のない丁字路を左折しようとした�際、一時停止を行わず、安全確認が不十分であったため、横断歩道を左方向から⾛行してき�た自転車に気付かず、同自転車の前輪に同自動車の左前部を衝突させて、同自転車を運転し�ていた女性を転倒させ、同女性に頚椎捻挫等による全治約2週間を要する傷害を負わせると�ともに、交通事故を認識したにもかかわらず、同自動車を発進させて同丁字路を離れ、同女性を救護するなどの必要な措置を行わず、警察及び管理職へ報告することを怠った(懲戒免職)。

・ 約8年半の間、自宅から勤務校付近の駐車場までの区間において、ほぼ毎日、同校校⻑に届け出た通勤届と異なる通勤経路及び方法である自家用自動車による通勤を行い、通勤手当約2,540,000円を不正に受給するとともに、約4年半の間に、同自宅及び同校から旅行用務先までの区間において、旅行命令と異なる旅行の経路及び方法である自家用自動車による出張を19回行い、出張旅費約7,000�円を不正に受給した(減給10分の1 1月)。〔全額返納〕

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13

・ 約2年間、自宅から勤務校までの区間において、ほぼ毎日、同校校⻑に届け出た通勤届と異�なる通勤経路及び方法である原動機付自転車による通勤を行い、通勤手当約556,000円を�不正に受給するとともに、同校敷地内に同原動機付自転車を駐車した(減給10分の1 1月)。�〔全額返納〕

やむを得ない事情等で、通勤

や校外での活動等で自家用車を

使用しようとする場合は、事前

に管理職に相談し、必ず許可を

得なければなりません。

私的な利用においても、交通違反や

交通事故を起こすことがないよう、常に

細心の注意を払う必要があります。

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具体的な行動

(参照)・「パーソナルコンピュータの市販ソフトウエア使用許諾契約の適正な利用と管理の徹底について」(平成 12年5月8日付 12 教総情第 46 号)

・「ソフトウエアの適正な管理について(通知)」(平成 16 年3月 26 日付 15 教総情第 493 号)・「ソーシャルメディアに関する規程類の策定及び事務手続きについて(通知)」(平成 25 年1月8日付 24 教総情第 467 号)

・「TAIMS端末の適正利用の徹底について(通知)」(平成 26 年 12 月2日付 26 教総情第 333 号)・「TAIMS利用心得」(平成 20 年9月 24 日付 20 総情情第 708 号)・「サイバーセキュリティ対策の徹底について」(平成 27 年7月 22 日付 27 教総情第 190 号)

○ 学校において、パーソナルコンピュータを私的な目的のメール交換に使用したり、ブログへの書き込みや、職務に関係のない画像の閲覧などのために利用したりしないこと。

○ 職場のパーソナルコンピュータは、管理者により随時、アクセス記録をチェックされていることを改めて認識し、適正に使用すること。

○ 管理職の許可無く、私物のパーソナルコンピュータ等を校内に持ち込まないこと。○ SNS等のソーシャルメディアを使用して、不適切な内容や個人情報等の書き込み等を行わないこと。

過去の事例から学ぶ

・ 勤務校職員室において、校務用パーソナルコンピュータを私的に使用して、合計91日間、勤務時間中を含め約133時間にわたり、アダルト・サイトを含む業務に必要のないウェブ・サイトを閲覧するとともに、わいせつな内容の画像等のファイル� 約10,000個をダウンロードし、教育委員会LANシステムのサーバ内等に保存した(停職1月)。

・ 約2年の間に、自己所有のタブレット型端末を校⻑の許可なく繰り返し勤務校に持ち込んだ。同校教室において、授業中に同端末に保存されていた資料映像をテレビモニターに表⽰させようとした際、誤って不適切な画像を同テレビモニターに表⽰させ、同校生徒に不快感を与えた(戒告)。

7 パーソナルコンピュータの適正な利⽤等

 職場のパーソナルコンピュータの使用に際しては、規定を厳守し、適正に使用しなければならない。 ソーシャルメディアを使用する際は、不適切な書き込みや個人情報の書き込み等により、児童・生徒等に大きな影響を与える可能性があることを常に念頭に置き、適切に使用しなければなら�ない。

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職場でのメールのやり取りも

情報公開の対象です。Web の閲

覧履歴も記録されており、不適

切な利用の可能性がある場合に

は、本人あてに注意喚起の連絡

が入ることがあります。

私物のタブレット端末等を職務に使

用することも許されるものではありま

せん。

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具体的な行動

(参照)・東京都立学校職員服務規程(昭和 63 年東京都教育委員会訓令第8号)第8条の4・「汚職等の防止について(通知)」(平成 26 年9月 19 日付 26 教人職第 1802 号)・「教科書採択における公正確保の徹底等について(通知)」(平成 28 年 10 月 31 日付 28 教指管第 898 号)・「利害関係者との接触に関する指針」(平成 11 年3月 31 日付 10 教人職第 853 号)・「教科書、教材等の作成に関するガイドライン」(平成 15 年 12 月 18 日教育長決定)・�学校職員の兼業等及び教育公務員の教育に関する兼職等に関する事務取扱規程(昭和 63 年東京都教育委員会訓令第7号)

・「学校職員の兼業等及び教育公務員の教育に関する兼職等に関する事務取扱規程の運用上の留意事項等について」(平成 15 年7月 18 日付 15 教人職第 480 号)

○ 利害関係者(児童・生徒、保護者並びに職員の職務(許可、検査、補助金の交付、各種選考、⼯事の請負、各種委託、物品の購⼊、教科書採択、教材選定等)に利害関係を有する団体及び個人)との間で、会⾷やスポーツ、旅行をすること、金銭や物品を受け取ること等の行為をしないこと。

○ 利害関係者の会議等に参加を依頼された場合は、どのような場合であっても管理職等に相談すること。

○ 業者等との接触に当たっては、校内において複数の教職員で行うとともに、打合せ内容等を記録し、管理職が確認すること。

○ 利害関係者との接触に当たっては、職務の意義・目的は何か、社会通念上許される行為であるか等を、常に念頭において行動すること。

○ 兼業・兼職を行う場合は、報酬の有無にかかわらず、必ず事前に申請を行い、許可等を受けること。

8 利害関係者との不適切な接触等の禁止等

 利害関係者との接触に当たっては、決して都民等から疑惑をもたれることがないようにしなければならない。

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過去の事例から学ぶ

・ 自らの職務に利害関係があるものから金品を受領してはならないとの規定があるにもかかわらず、3年の間に、自宅において、教科書発行者である会社から送付された物品を4回受け取った(戒告)。

・ 私立⾼等学校において、同校⼊試説明会に参加した際、2,000円相当の図書カードを受け取り、対価を⽀払わずに弁当の提供を受けるとともに、飲⾷店において、同校教職員と飲⾷をした(戒告)。

・ 自らの職務に利害関係があるものから金品を受領してはならないとの規定があるにもかかわらず、⼩学校で使用する教科書の検定期間中に、教科書発行者である会社において、同社の教科書を閲覧した後、現金10,000円を受け取った。

  また、教科書採択に直接の利害関係を有する者は、教科書採択に係る委員となることができないとの規定があるにもかかわらず、同委員の委嘱を受け、同委員を務めた(戒告)。

利害関係者とは、自分自身が

職務に直接関わらない関係者や

過去の関係者も含みます。

どのような場合であっても、利害

関係者と一緒に会食等をしたり、タク

シー等に乗ったり、金品を受け取った

りしてはいけません。

自宅や職場に金品等が送られてきた

場合は、速やかに管理職等に報告し、

受取拒絶の手続をします(詳細は郵便

局等に問い合わせてください。)。開封

してしまうと受取拒絶ができません。

絶対に開封しないようにしましょう。

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具体的な行動

(参照)・「学校徴収金事務取扱規程の制定について(通達)」(平成 17 年4月1日付 16 教学高第 2219 号)・「都立学校における部費等の適正な管理について(通知)」(平成 28 年3月 30 日付 27 教学高第 2424 号)

○ 私費会計等の徴収方法は、できる限り⼝座振替を利用すること。○ やむを得ず現金を取り扱う場合は、複数でチェックするとともに、校内に留め置かない�こと。

○ 管理職は、部活動等の徴収金について、徴収、⽀出、管理方法等を把握し、保護者に対し、適切な時期に会計報告を行うこと。また、教職員の事務分掌は、年度により交代したり、相互にチェックしたりするようにし、不正が行われない仕組みにすること。

過去の事例から学ぶ

・ 勤務校及び郵便局において、同校生徒の授業料約128,000円を横領した(懲戒免職)。・ 勤務校において、教職員に係る旅費合計約220,000円の⽀給事務を怠る、未⽀給の旅費及び自己の所持金を一つの封筒に⼊れ、同校事務室の机の引き出しの中に放置する、自己が購⼊した印鑑を使用して、教職員4名分の旅行命令簿兼旅費請求内訳書16枚の受領印欄に押印する、教職員8名分の旅行命令簿兼旅費請求内訳書11枚の金額欄を書き換えるなどの行為を行った(停職6月)。

9 会計事故の防止

 公費・私費の取扱についての規定を十分に理解し、規定に則って適切な会計処理を行わなければならない。 管理職は、私費会計、部費等も含めて、会計処理を担当者任せにするという状況が起きないよう、自らが常にその執行・管理状況を把握しなければならない。また、必要な知識を身に付け、自ら点検を行うなど、会計事務の指導監督を徹底しなければならない。

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・ 顧問を務める勤務校の部活動の部費を自己名義の預金⼝座に⼊金するとともに、自己名義のクレジットカードを使用して、同部で使用する用品等の購⼊契約に係る⽀払を行った。

  また、同部費の適切な管理を怠り、同⼝座の残⾼を確認せず、妻が生活費等に同部費を使用し、同⼝座に⼊金された部費が最大で約618,000円不足する事態を招いた(停職3月)。

・ 学校徴収金の適正な執行及び管理について、勤務校主幹教諭に対する指導を怠り、同校第2学年学校徴収金に係る現金出納簿と関係書類とを照合せず、現金出納簿が作成されていない状態を継続させるとともに、同主幹教諭から振替払出受付票の提出を受けた際、払出金額の内訳を確認することなく、同振替払出受付票に公印を押印し、同主幹教諭が、勤務校名義の振替⼝座から引き出し、同校において保管していた同校学校徴収金2,230,000円を横領する事態を招いた(減給10分の1 1月(管理監督者))。

・ 勤務校において、原則として、学校徴収金は金融機関に預金し管理することと定められているにもかかわらず、預金⼝座を開設せず、同校学校徴収金を現金で管理するとともに、同校副校⻑が金庫の鍵の適切な管理を怠っていることを看過し、同現金の保管方法について、所属職員への指導が不十分であったため、同金庫に保管してあった現金約105,000円を紛失する事態を招いた(戒告(管理監督者))。

会計事故を起こさないために

は、要綱等の遵守や、決められ

た時期に会計報告を行うこと等

が大切です。

やむを得ず現金を取り扱う場合は、

必ず複数でチェックすることが重要で

す。「後でまとめて処理しよう」という

ような考え方は、事故を招きます。その

都度、適切に処理しましょう。

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具体的な行動

○ 相手がどのような印象をもつか常に考え、身だしなみを整えること。○ 授業の内容や学習活動等に相応しい服装を⼼掛けること。○ ⼊学式、卒業式等、儀式的行事における教職員の服装は、厳粛かつ清新な雰囲気の中で行われる式典にふさわしいものとすること。

過去の事例から学ぶ

・ 都立⾼校の教員が電話をしながら、⽚手で自転車を運転しているところを目撃しました。教師�であるにもかかわらず、交通ルールを守らないというのは、非常に残念なことです(「都民�の声」)。

・ 都立⾼校近辺の道路で、教員と思われる男性が頻繁に喫煙をしています。大変⾒苦しく通るたびに不快に感じます。厳正なる対処を強く希望します(「都民の声」)。

・ 朝の静かな電車内に、教員と思われる人たちの話し声が響いていて、不快でした(「都民の声」)。

・ 都立⾼校の⼊学式で司会をしていた教員がサンダルを履いているのは、厳粛な場にふさわしくなく、おかしいと思いました(「都民の声」)。

・ 電車で「職員会議資料」を開けっ放しのかばんに⼊れて携帯に夢中の先生を⾒ました。紛失したら個人情報の漏えいです。親が不安に思うような行動はやめてほしいです(「都民の声」)。

10 児童・⽣徒等の模範となる⾝だしなみ等

 どのような場面でも、社会人として適切なルールやマナーの遵守を⼼掛けるとともに、都職員として、常に⾒られているという意識をもって行動しなければならない。

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自身の身だしなみや言動については、

TPO はもちろん、日頃から、公務員

として適切かどうか、客観的に考える

ことが大切です。

教育に携わる公務員である以上、自

らの言動は常に様々な立場の方から厳

しく見られているという自覚をもつ必要

があります。

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具体的な行動

-全般-

○ 相手の「人格」を尊重し、相手の立場に立って対応すること。○ 困っている人にはすすんで声を掛けること。○ コミュニケーションを大切に、柔軟な対応を⼼掛けること。○ 言葉遣いやプライバシーにも配慮すること。-児童・⽣徒等-

○ 障害のある児童・生徒等一人一人のニーズを的確に把握し、適時・適切な⽀援を行うこと。

前例等にこだわらず、合理的な

配慮が組織として適切に行われて

いるか、見直してみましょう。

自分の経験や立場からだけでなく、

相手の立場を考えながら対応しましょ

う。組織的な対応が必要な場合は、自

分だけで判断することなく、必ず管理

職等に相談します。

(参照)・教育基本法(平成 18 年法律第 120 号)第4条第2項・障害者基本法(昭和 45 年法律第 84 号)・障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成 25 年法律第 65 号)・東京都立学校職員服務規程(昭和 63 年東京都教育委員会訓令第8号)第8条の3・「東京都教育委員会における障害を理由とする差別の解消の推進に関する要綱」(平成 28 年3月 25 日付 27教総総第 2453 号)

・障害者差別解消法ハンドブック(都立学校版)

11 障害者差別の禁止等

 事務又は事業を行うに当たり、障害を理由として、不当な差別的取扱いを行ってはならない。また、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、必要かつ合理的な配慮を行わなければならない。

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(参照)・「都立学校の職員に係るパワー・ハラスメント相談窓口の設置について」(平成 27 年6月 24 日付 27 教人職第 557 号)

同僚や部下に対する言動は、職務上の課題解

決や円滑な職務の遂行を目的として行われるべ

きものです。パワハラは、単に感情的な言動で

あることが多く、職務上の課題を増やしたり、

職務の停滞を招いたりするだけで、職場全体の

負担を増加させる無益な行為です。

パワハラは、上司から部下へ行う

ものとは限りません。職務の専門性

などを背景に、上司へのパワハラも

あり得ます。

都立学校の教職員については、所属校を管

轄する学校経営支援センター経営支援室(学

校経営支援センター支所が管轄する学校に

ついては、同支所経営支援室)に、パワハラ

相談窓口が設置されています。また、(一財)

東 京 都 人 材 支 援 事 業 団 相 談 室( 電 話 03-

5292-0181)や外部弁護士による電話相談窓口

(参照:東京都総務局人事部ホームページ

http://www.soumu.metro.tokyo.jp/03jinji/

lawyerdial.html)への相談も行うことができます。

12 パワー・ハラスメント(パワハラ)の防止

 パワハラについては、法令上の定義はないが、一般には「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」を指すといわれている。 その影響をいたずらにおそれ、管理監督者が教職員に対して、適切な指導を躊

ちゅうちょ

躇する必要は�全くないが、例えば、次のような言動はパワハラに該当する可能性があるので十分に注意すること。

・「死んでしまえ」、「給料泥棒」などの暴言・些細な失敗に対する執拗な非難・人格の否定(身体や性格の特徴への非難など)・机を叩く、書類を投げつけるなどの威圧的行為・合理的理由もなく、私的事項への執拗な詮索・発言の無視、会議に参加させないなどの行為・「無能だ」などの侮辱的な噂を流布・仕事と無関係な事項の強要

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もう一度確認しよう、服務の基礎知識

第 Ⅱ 章

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1 服務の根本 � 全ての教職員は、法令等を遵守し、上司の職務命令に忠実に従うとともに、自らの行為が児童・

生徒等の成長に大きな影響を与えるという職責の重要性を常に念頭に置き、全体の奉仕者としての

誇りと責任をもって自己の職務を全うし、児童・生徒、保護者、都民等からの期待に全力で応える

よう努めなければならない。

【根拠法令等】○ 地方公務員法(昭和 25 年法律第 261 号) � 第三十条(服務の根本基準)すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、

且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

○ 東京都立学校職員服務規程(昭和 63 年東京都教育委員会訓令第8号) � 第二条(服務の原則)職員は、全体の奉仕者としての職責を自覚し、法令、条例、規則その

他の規程及び上司の職務上の命令に従い、誠実、公正かつ能率的に職務を遂行しなければなら

ない。

 2� 職員は、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを認識するとともに、日常の行動に

ついて常に公私の別を明らかにし、職務や地位を私的な利益のために用いてはならない。

2 服務の基本的事項 � 服務とは、職務に服する職員が守るべき義務ないし規律をいい、教育公務員には、教育を通じて

国民全体に奉仕する職務とその責任の特殊性に基づき、民間企業従事者に比べると厳しい義務が課

せられている。

 � 教職員の服務義務には、職務遂行に当たって守るべき職務上の義務と、職員の身分を有すること

から守るべき身分上の義務がある。

【職務上の義務】� -地方公務員法(抜粋)-

①�宣誓の義務(第 31 条)→職員は、条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならな

い。

②�法令・職務命令に従う義務(第 32 条)→職員は、その職務を遂行するに当たって、法令、条例、

地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令

に忠実に従わなければならない。

③�職務専念義務(第 35 条)→職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外その勤務時間

及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき職務

にのみ従事しなければならない。

【身分上の義務】①�信用失墜行為の禁止(第 33 条)→職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉

となるような行為をしてはならない。

②�秘密を守る義務(第 34 条)→職員は、職務上知りえた秘密を漏らしてはならない。その職を退

いた後も、また同様である。

③�政治的行為の制限(第 36 条)→職員は、政党その他の政治的団体等の結成に関与したり、又は

これらの団体の役員となったり、構成員となる又はならないように、勧誘運動をしたり、特定

の政治団体に投票する又はしないように勧誘運動をすることはできない。

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④�争議行為等の禁止(第 37 条)→職員は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為

をすることはできない。

⑤�営利企業等の従事制限(第 38 条)→職員は、許可を得なければ、報酬を得ていかなる事業もし

くは事務にも従事してはならない。

3 行政処分  教職員の行政処分は、大きく二つに分けられる。

(1) 分限処分  � 教職員が職務を十分に果たし得ないとき、あるいは、果たすべき職務が存在しなくなったとき

に、本人の責に帰すべき事由があるかどうかにかかわらず公務の能率的運営を確保するために行

われるもの(公務能率を阻害している要因を取り除く)。

   例えば、病気休職が続き、復帰の見込みが立たない場合などがこれに当たる。

(2) 懲戒処分  � 公務員の秩序を維持するために職員の義務違反に対する制裁として行われるもの(職員に直接、

道義的責任を問う)。

4 教職員が負う責任 � 教職員の非違行為に対しては、行政処分のほか、刑事責任や民事責任を負うこともあり、社会的

に見ても厳しい責任を負うことになる。

(1) 行政責任  � 服務事故を起こすと、学校等が事故者を事情聴取して事故報告書を作り、東京都教育委員会に

提出される。東京都教育委員会は、任命権者として、事故者や校長などの管理監督者及び関係者

の事情聴取を行い、審査委員会や教育委員会等を経て、処分や措置が決定される。懲戒処分は、

大きな不利益を被るもので、その人の人生をも変えてしまうことにもなる。

  � 例えば、最も重い懲戒免職になると、職を失い、退職金の支給が制限され、教員免許も失効する。

停職になると、最大6か月職務に従事することができなくなり、当然、その間の給料等の支給も

ない。減給とは、給料が減額されるものである。戒告は、行為を戒める内容を通告する。戒告以

上の懲戒処分を受けると、報道機関に公表され新聞などで報道されるほか、履歴にも登載される。

いずれの処分も、昇給等給与面の不利益が発生する。

(2) 刑事責任  � 市民社会の秩序維持の観点から与えられる制裁で、刑法やその他の法律の刑罰規定に基づくも

のである。

(3) 民事責任  � 民法により、故意又は過失によって違法に他人に損害を与えた場合に、金銭的な損害の賠償を

求められる。責任問題の中心は、民事責任の中の不法行為責任であり、「教職員の指導上の過失」

を原因とするものが多い。

(4) その他  � 行政処分が終わっても、そのことが原因となり多くの困難が伴っている例がある。

  � わいせつ行為などは、報道機関の取材が集中するなどして、家に帰ることができなくなったり、

長年住み続けた家を離れなくてはならなくなったりする事態も出ている。

  � 個人情報紛失により、学校名等を伏せて報道機関に公表した事案で、事故が発生した地域では

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当該校が特定され、地域からの信頼を失った例もある。

  � 体罰を起こした教員は、学校を異動しても、その行為がうわさとなって広まったため、教員と

しての自信を失い精神的に重大なダメージを受けた例もある。

   また、処分内容は免職でなくとも、自責の念で退職した教職員も見られる。

事 故 者

上 司

教育委員会

教 職 員

行政責任

関 係 者

児童・生徒

保護者会

校 長 会

報道機関

民事責任 刑事責任

起 訴

裁 判

確 定

刑 事 罰

不起訴

損害賠償

措 置(文書訓告)

(口頭注意)

懲戒処分(免職)

(停職)

(減給)

(戒告) 指 導

教職員全体の信用失墜

学校教育に対する不信感の増大

事情聴取など

事態の収拾

信用回復措置

説明責任

短期対応

再発防止

報 告

指導監督責任

各種対応

各種責任

服 務 事 故 発 生

学校の

危 機

甚 大 な 社 会 的 影 響

公務員として、また教職員としての

自覚と責任ある行動がとれるよう、日常

の行動等を見直しましょう。

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5 服務事故再発防止研修の概要(1) 目的  � 停職、減給又は戒告の懲戒処分を受けた教職員は、自ら起こした服務事故に対して深く反省し、

服務事故に至った直接的な原因や背景、事故当時の心理状況などを冷静に振り返るとともに、服

務事故を二度と起こさないという強い決意と覚悟をもって、再発防止と今後の教育実践に励まな

ければならない。

  � そのため、東京都教育委員会は、服務事故の再発防止に向け、教育公務員等としての職責の重

さについて自覚を促すとともに、自己啓発に努めさせ、モラルの向上を図ることを目的として、「服

務事故再発防止研修実施要綱」に基づき、服務事故再発防止研修を実施する。

【根拠法令等】○ 地方公務員法(昭和 25 年法律第 261 号) � 第二十九条(懲戒)職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分と

して戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。

○ 服務事故再発防止研修実施要綱(平成 27 年3月 26 日付 26 教人職第 4248 号) � 第一(目的)この要綱は、地方公務員法(昭和 25 年法律 261 号)第 29 条に基づく懲戒処分

を受けた教職員に対し、懲戒処分の原因となった服務事故の再発防止に向け、教育公務員等と

しての自覚を促し、自己啓発に努めさせ、モラルの向上を図るために実施する服務事故再発防

止研修について、必要な事項を定める。

(2) 対象者  � 服務事故再発防止研修の対象者は、停職、減給又は戒告の懲戒処分を受けた者及び監督責任を

問われた管理監督者である。

(3) 研修内容  � 服務事故再発防止研修の内容は、①教職員としての自覚を促すため、服務事故の種類を問わず

共通して実施する基本的な研修、②非行の内容に応じた専門的な研修の2種類であり、いずれの

研修も対象者の所属校及び東京都教職員研修センター(以下「研修センター」という。)におい

て実施する。

(4) 対象者の所属校において実施する研修  � 対象者の現所属長は、処分発令後(停職の場合は停職期間の終了後)、所属校において、基本

的な研修及び専門的な研修を実施する。

  � 対象者は、所属長の指導を受け、服務事故に至った原因やその理由、事故当時の心理状況を振

り返るとともに、自らの服務事故の再発防止策に関する報告書や関係する法令及び服務事故の�

事例などに関する課題論文を作成する。

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(5) 研修センターにおいて実施する基本的な研修   研修センターは、処分の発令から一定期間が経過した後、基本的な研修を実施する。

   ア 説諭及び服務指導    � 対象者は、説諭及び服務指導を通して、服務事故に関連した根拠法令等を確認するととも�

に、時間をおいた目で客観的に自分の行為を振り返り、非違行為を犯した原因の分析等を行う。

    � また、研修を通して新たな気付きを得ることで、自分が起こした服務事故が及ぼす影響な

どについて考えを深めるとともに、将来の教員生活に対する決意を表明する。

   イ 研修報告    � 対象者は、研修のまとめとして、これまでの研修内容を振り返り、現在の所感や研修の成果、

再発防止策や今後の教育実践の在り方等に関する報告書を作成するとともに、所属長等の同

席の下、研修報告を行う。

(6) 体罰根絶に向けて研修センターにおいて実施する専門研修  � 体罰等の再発を防止し、体罰根絶に向けた取組の更なる強化を図るため、研修センターは、対

象者のうち、体罰及び不適切な指導により懲戒処分を受けた者に対し、アンガーマネジメント研

修及び指導方法・意識改善プログラムを実施する。

   ア アンガーマネジメント研修    � 感情を抑えられずに衝動的に体罰等を起こした対象者は、アンガーマネジメント研修を受

講することにより、怒りや不安の感情発現時の衝動的行動をどのようにコントロールするか

という、アンガーコントロールやストレスコントロールの手法を身に付けることができる。

   イ 指導方法・意識改善プログラム    � 繰り返し体罰等を起こした対象者は、発達臨床心理士などの専門家とともに開発された指

導方法・意識改善プログラムを受講することにより、児童・生徒への適切な言葉掛けや正し

い指導方法を習得するとともに、体罰を指導の手段とする誤った認識の改善を図ることがで

きる。

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東京都教育ビジョン(第3次 平成 28 年4月 一部改定) 一部抜粋主要施策 17  現職教員の資質・能力の向上

【施策の必要性】 関係法令の改正など社会状況が変化し、教職員の非違行為も多様化し、これまでの標準例では対応で

きない事故が増加している。非違行為に公正かつ厳格に対応するとともに、教職員へ注意喚起し事故を

予防する必要がある。

【施策の内容】〇�部活動の在り方を見直し、部活動の一層の振興を図るとともに、体罰を含めた服務事故再発防止研修

や体罰を指導の手段とする誤った認識を改めるための「指導方法・意識改善プログラム」を実施するこ

となどにより、体罰を根絶する。

〇�服務事故の多様化や、教職員の非違行為に対する社会の見方が一層厳しくなっている状況等を踏まえ

て新たに改正した教職員の主な非行に対する標準的な処分量定に基づき、教職員の更なる自覚を促し、

服務規律の徹底を図る。

服務事故が起こった際は、管理職が報

告書を作成し、その事実を確認するため

に教育委員会が事情聴取を行います。そ

の後、事実に基づく審査により懲戒処分

が決定します。処分発令後は、服務事故

再発防止研修が行われますが、教職員

研修センターにおける研修の最後には、

都立学校では管理職が、区市町村立学校で

は、管理職と区市町村教育委員会の指導

室課長が同席し、処分対象者とともに訓

話を受けることになります。

このように、服務事故は、多くの関

係者に多大な負担をかけるばかりでは

なく、学校組織に対する児童・生徒、

保護者、地域の方々からの信頼も損

なってしまいます。

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使命を全うする!〜教職員の服務に関するガイドライン〜

東京都教育委員会印刷物登録平成29年度第45号

平成29年8月発行編集・発行 東京都教育庁人事部職員課      東京都教育庁指導部指導企画課所 在 地 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号電話番号 03(5320)6798印刷会社 株式会社イーパワー

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東京都教育委員会 

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