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ものづくり革新の次の段階は製品開発の根本問題はこれだ! 多くの企業の製品開発部門では開発後期に手戻りが発生 し、開発現場は混乱している。その根本原因は構想設計 段階に重要な問題が解決されないままに詳細設計に入る ことであり、フェーズゲート法や、CAE等の解析ツー ルだけでは解決できない問題だ。製品開発の根本問題の 解決策は重要な問題を構想設計段階に素早く解決するこ とだ。 構想設計での問題解決 構想設計で解決すべき問題とは次の知識を得ること: 顧客価値を高める商品コンセプト。 その商品コンセプトを実現するための設計解が何であ るかと、それが実現可能であるという証拠。 これらの問題を素早く解決するには、設計解案の詳細で はなく、大まかな特性を評価することが必要だ。そのた めにはリーン製品開発、とりわけその中核要素であるットベース思考が非常に有効である。 グローバリング株式会社 造れば売れた時代は1970年代までダントツのQCDで勝負も80年代まで多品種少量と多機能化でも失われた10年アップルやダイソンにどう対抗するか、それが問題だ セットベース思考の特徴 トヨタの製品開発の研究から体系化さ れたリーン製品開発の中核的要素 構想設計中に問題解決し手戻りを防ぐ 最適設計案を得る確率を高めるために 幅広い設計案を徐々に絞り込む 安価な実験で仮説、試作、検証サイク ルを素早く、何度も回す 開発中に得られた知識をA3報告書で 再利用し、その後の開発で正しい意思 決定を素早く行う 因果関係マップとトレードオフ曲線で セットベース思考に基づく 構想設計革新

セットベース思考に基づく 構想設計革新globaling.co.jp/s for Web/セットベース...ものづくり革新の次の段階は… 製品開発の根本問題はこれだ!

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ものづくり革新の次の段階は…

製品開発の根本問題はこれだ! 多くの企業の製品開発部門では開発後期に手戻りが発生し、開発現場は混乱している。その根本原因は構想設計段階に重要な問題が解決されないままに詳細設計に入ることであり、フェーズゲート法や、CAE等の解析ツールだけでは解決できない問題だ。製品開発の根本問題の解決策は重要な問題を構想設計段階に素早く解決することだ。 !構想設計での問題解決 構想設計で解決すべき問題とは次の知識を得ること:①顧客価値を高める商品コンセプト。②その商品コンセプトを実現するための設計解が何であるかと、それが実現可能であるという証拠。 これらの問題を素早く解決するには、設計解案の詳細ではなく、大まかな特性を評価することが必要だ。そのためにはリーン製品開発、とりわけその中核要素であるセットベース思考が非常に有効である。

グローバリング株式会社

造れば売れた時代は1970年代まで… ダントツのQCDで勝負も80年代まで… 多品種少量と多機能化でも失われた10年…  アップルやダイソンにどう対抗するか、それが問題だ

セットベース思考の特徴 • トヨタの製品開発の研究から体系化されたリーン製品開発の中核的要素

• 構想設計中に問題解決し手戻りを防ぐ

• 最適設計案を得る確率を高めるために幅広い設計案を徐々に絞り込む

• 安価な実験で仮説、試作、検証サイクルを素早く、何度も回す

• 開発中に得られた知識をA3報告書で再利用し、その後の開発で正しい意思決定を素早く行う

• 因果関係マップとトレードオフ曲線で

セットベース思考に基づく構想設計革新

アレン・ウォード博士がトヨタの製品開発システムから発想したリーン製品開発の中核がセットベース思考とA3報告書であり、顧客価値を増大する商品コンセプトを手戻りなしに実現することを可能にする。

因果関係マップとトレードオフ曲線 構想設計段階では設計解案が目標を満たすかどうか知る必要がある。そのために使われるのが因果関係マップ(設計変数間の因果関係を図示)とトレードオフ曲線(変数間の関係をグラフで図示)だ。トレードオフ曲線を使えば、重要な要求変数間(例えば車の燃費と加速性能間)のトレードオフ関係が分かるので、最適なトレードオフが行える。トレードオフ曲線は現在の技術の限界を示すので、設計案が実行可能か、新たな技術開発が必要かを構想設計段階で知り、手戻りを防げる。

学習サイクルとA3報告書 効率的に問題解決するために仮説→試作→検証という学習サイクルを素早く、何度も回して根本原因を解決する。得られた知識はA3報告書に記録し、再利用する。これにより解決された問題を再度解決するというムダをなくせる。

速く、安く知識を獲得する ノーベル賞を受賞した中村修二博士が青色ダイオード実用化に成功した秘密は、自分で半導体製造装置を手直しできたからだ。他の研究者はこれを専門部門に依存していたが中村博士は一日に一回以上仮説検証サイクルを回すことができた。ノーベル賞受賞の裏には膨大な学習を繰り返すことにより知識を速く安く獲得する能力があった。 開発力=理論力×実行力 開発力とは理論力(因果関係や自然法則の解明)と実行力(安価な実験をどんどん行う)のかけ算だ。リーン製品開発は両者をバランスして伸ばす。

導入方法

リーン製品開発(特にセットベース思考)は開発者や管理職の意識改革が必要なため、単なる手法導入や研修だけではうまく行かない。教育に加えてモデルテーマでの試行を通じて身に付ける必要があるので一年以上の期間がかかる。

成果 うまく導入できた海外企業は開発生産性4倍増、開発リードタイム半減、離職率低下などの効果を報告しているし、導入した日本企業の一部の開発チームの生産性倍増が実現している。

詳しくは   グローバリング株式会社 ホームページ:www.globaling.co.jp 問い合わせメール: [email protected] !

開発戦略は「意思決定」を遅らせろ! (稲垣公夫)中経出版

リーン製品開発方式 (ウォード、ソベック著、稲垣公夫訳)日刊工業新聞社

トヨタ式A3プロセスで仕事改革 (シュック著、成沢俊子訳)日刊工

因果関係マップとトレードオフ曲線

リーン製品開発・セットベース思考の参考文献

トレードオフ曲線

因果関係マップ

セットベース思考とは