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グリッド学術研究環境によるナノ分野での研究促進 (分子研) 岡崎

グリッド学術研究環境によるナノ分野での研究促進 · 光誘起ナノ構造・格子系に仮想速度場導入・qmc法演算時間 ... 機能性ナノ分子 九大・青柳睦

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グリッド学術研究環境によるナノ分野での研究促進

(分子研) 岡崎 進

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ナノサイエンスへのアプローチ

ミクロ ナノ マクロ

シュレディンガー方程式ニュートン運動方程式

熱力学流体力学

Åfs, ps, ns

µm, mm, mms, sec, min, hr

nmns, µs, ms

?? ×多体系の物理・化学

order N 法

粗視化、統計力学

??

ミクロからのアプローチ

近似理論

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ナノサイエンスにおける計算の多様性、複雑性

電子状態計算HF,DFT,MP2,CC,CI,SAC-CI,CAS-SCF,MC-SCF,full CI,MRCI,QM/MM,ONIOM,FMO,TD-HF,rerativistic HF,

gradient,population,frequency

分子集合体MD,CMD,MC,hybrid MC,

MCMD,REMD,pathintegral,MQCMD,NEMD,SLLOD,熱流,熱力学的積分法,摂動法,Ewald,PME,CIME,RISM,HNC,PY,DFT,MD-MO,RISM-MC

固体電子論厳密対角化法,混合基底法,量子MC,変分MC,非平衡グリーン関数法,遮蔽グリーン関数法、埋め込み法,リカージョン伝達法,phase-field法,非線形均質化法,ランジュバン方程式,TDDFT,密度行列繰り込み群法

連成計算、大規模計算、大規模メモリ、多様な通信、複雑な入力、多様な実行パターン、多様なソフトの組合わせ

単一計算とは異なる多様な計算需要への効率的対応

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NAREGIナノサイエンス実証拠点のミッション

ナノサイエンスの分野でグリッドミドルウエアの有効性を実証

(1)メタコンピューテイング

・従来型のコンピュータの枠を越えた計算・マシン間の超並列計算、異なる物理の階層間の連成計算、etc.

(2)ハイスループット

・計算機資源の有効活用

(3)リアルタイムコラボレーション

・異なる分野の研究者間の開発ソフトの即時共有・ひとつのグリッドノードにおける研究成果(プログラムの開発も含む)

をリアルタイムで共有。

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アプリケーション研究開発拠点研究体制

運営委員会

中村宏(分子研)、茅(理研)、福山(金研)、上田(物性研)、井上(金研)、小間(物構研)、江崎(化研)、寺倉(産総研)、中村道(日立)

拠点長 平田(分子研)自己評価委員会

藤原(東大工)、樋渡(金沢大理)、山口(阪大理)、北原(国際基督教大理)、十倉(東大工)、柳田(阪大医)、磯田(化研)、高橋(豊田中研) 統括管理(事務局)

岡崎(分子研)、岡本(名大)、森田(分子研)

グリッド運用水谷(分子研)

グリッド環境グリッド実証研究

ナノ設計実証 (公募)

安東(味の素)産業応用協議会

ナノ磁性

高山(物性研)

強相関系、 、吸着子ナノドット、

光誘起ナノ構造、量子ナノ構造、ナノスピングラス、強磁性ナノ粒子

システムのグリッド化

青柳(九大)

グリッドナノシミュレータの構築

平田(分子研)入出力GUI,ナノ初期情報生成ツールアプリケーション間データ変換ツール

グリッドナノシミュレータ

機能性ナノ分子

永瀬(分子研)分子エレクトロニクス、分子磁性、分子カプセル、超分子、ナノ触媒、

フラーレン・ナノチューブ

ナノ電子系

前川(金研)電子内部自由度制御、

光スイッチ、スピントロニクス、磁気トンネル素子

ナノ分子集合体

岡崎(分子研)自己組織化集合体、タンパク質、生体膜、分子エレクトロニクス、ナノ空間分子集合体、ナノ量子系

国情研グリッド研究開発拠点

ナノ複合系設計

寺倉(産総研)量子細線、量子ドット、相分離合金系、基板、電極

標準データ形式

中村春(阪大)

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学問的研究成果の例

新規方法論、アルゴリズムの開発

大規模実証計算の実施

グリッド環境を有効に使う新しい方法論開発における成果

メタコンピューティング

・グリッドMPI用いたグリッド化・α版グリッドミドルウェアを用いた連成計算の実行

ハイスループット・グリッドRPCを用いたグリッド化

リアルタイムコラボレーション・グリッドナノシミュレータの開発

産学官連携

ナノサイエンス実証拠点における成果

平成15年度~17年度

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論文346報、総説・解説80報 (平成15, 16年度, 17年度は集計中)

GIANT:テンプレート形式採用→データ受け渡しの際の、高度な汎用性の確保

GIANTの開発→任意のソフト間の任意な結合→学際的研究分野、異分野技術へ

ナノ組織化材料:第一原理計算からフェーズフィールド法→実用材料機能理論予測

GIANT:標準データ形式BMSML採用→データ受け渡しの際の、データの自動解釈

鈴木・Trotter法導入+平面波基底→時間依存密度汎関数法(グリッドMPI並列化)

強レーザー照射多電子ダイナミクス:実時間・実空間アプローチ→電子励起:光応答

光誘起ナノ構造・格子系に仮想速度場導入・QMC法演算時間1/3→ナノ光デヴァイス

ナノ磁性粒子配列・有限サイズ双極子系・並列化計算→新規な協力現象の発見

実スケール油膜の膜厚方向に沿った全原子シミュレーション→実現象と対応

1次元ハバード模型・動的密度行列繰り込み群法→非線形光学素子開発

3D-RISM・高並列化による大規模メモリー利用→ナノ物質の計算が可能

連成計算・レプリカ交換MC-3D-RISM、MD-MO(Gaussian等市販ソフトを含む)

分子軌道計算の並列アルゴリズムの開発→高速並列計算・実験に匹敵する精度

ナノ初期情報生成ツール→溶媒を含む大規模な初期構造を短時間で生成

(6) グリッドナノシミュレータ

電子伝導現象の解析・リカージョン伝達行列法の一般化→量子細線+電極複合系

(5) ナノ複合系設計

ナノ磁性体の第一原理計算・プログラム二重並列化→金属表面構造の最適化

(4) ナノ磁性

2次元ハバード模型・大規模厳密対角化法→光学伝導度・高温超伝導(3) ナノ電子系

MD計算・多極子展開法の採用と800CPUの高並列化→1000万原子のMD計算

(2) ナノ分子

集合体

FMO法の開発→タンパク質の全電子計算(1) 機能性

ナノ分子

学問的研究成果 成果の例

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大規模実証計算の実施

5256

SRHA光励起・緩和過程における多体効果の量子動力学的解析東芝・石田邦夫ナノ設計実証

32SRレプリカ交換モンテカルロと3次元RISM理論を結合したシミュレーションアルゴリズムの開発:ペプチドの立体構造予測への応用

分子研・平田文男名大・岡本祐幸

ナノ分子集合体

8SR全電子混合基底法第一原理プログラムのGRID上での分散処理化とナノ材料設計

金研・川添良幸ナノ電子系

32SR強い電子相関、電子格子相互作用を有する多電子系のスペクトル物構研・那須奎一郎ナノ磁性

256HA光誘起ナノ構造形成における非断熱遷移シミュレーション東芝・石田邦夫ナノ設計実証

256HAナノスケールの溶液内自己組織化の自由エネルギー解析化研・中原勝ナノ分子集合体

256HA界面和周波発生分光の理論分子研・森田明弘ナノ分子集合体

256HARISMとFMOの大規模連成計算の実証九大・青柳睦機能性ナノ分子

256HAフラグメントMO法によるバクテリオロドプシンの構造とプロトン輸送機構の研究

産総研・北浦和夫機能性ナノ分子

-SR磁気双極子系の磁気秩序に関する大規模実証計算物性研・高山ナノ磁性

32SREHL油膜の大規模MDシミュレーション豊田中研・兵頭志明ナノ分子集合体

32SR生体膜、ミセル系の大規模MD計算分子研・岡崎進ナノ分子集合体

32SRレプリカ交換法による膜蛋白質の立体構造予測分子研・岡本祐幸ナノ分子集合体

32128

SRHA

PAW法による大規模第一原理電子構造/MD計算によるSiO2ガラス中の欠陥形成と陽電子状態・消滅パラメータの計算

産総研・寺倉清之ナノ複合系設計

20SR強い電子相関、電子格子相互作用を有する多電子系の光電子スペクトル

物構研・那須奎一郎ナノ磁性

32SRハバード模型の光学伝導度の計算金研・遠山貴己ナノ電子系

ノード数

機種課題名代表者グループ

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レチナール近辺の水素結合ネットワーク(点線)計算構造(紫)と

実験構造(緑)

タンパク質の電子状態

バクテリオロドプシンのFMO計算産総研・北浦、分子研・永瀬

機能性ナノ分子 分子研・永瀬

自己集合

カプセル化

フラーレンやカーボンナノチューブのドーピング

CH/π相互作用と分子認識

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ナノ分子集合体 分子研・岡崎

レプリカ交換MC 実験

A

B G

A

B G

リゾチーム中の水分子分子研・平田

タンパク質の折れたたみ構造 名大・岡本

Nafion膜のMD(左、東レ・茂本)

サブミクロンスケールのトラクションのMD(右、豊田中研・兵頭)

カーボンナノチューブ中の氷(上)とシリコン(下)の一次元結晶 岡大・田中

3D- RISM0.1~10 m/s0.1~10 m/s

1 GPa1 GPa産業応用

ミセルの生成自由エネルギー計算

分子研・岡崎

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ナノ磁性 物性研・高山

F. Komori et al. PRB 63 (2001) 214420

N/Cu(100)N/Cu(100)

60nm

N/CuCu

5nm

常行真司(東大・理)表面吸着原子系の自己組織化

赤井久純(阪大・理)ナノ磁性体の第一原理電子状態計算

高山 一(東大・物性研)磁性ナノ粒子系の静的・動的性質

宮下精二(東大・理)分子性磁性体の量子ダイナミクス

分子性磁性結晶

格子グリーン関数法、DFT

遮蔽グリーン関数法によるオーダーN 計算

量子マスター方程式の数値解法

数値的厳密対角化法Ewald和超大規模計算

高密度磁気デバイス光誘起ナノ構造

マスター方程式の数値解法経路積分量子モンテカルロ法

那須奎一郎(KEK・物構研)光誘起ナノ構造及びナノ量子多体系での光励起

米満賢治(分子研)ナノ構造光励起・非平衡相転移

時間依存シュレディンガー方程式

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光学スイッチ

“off” “on”

light

lightlight

スピン・電荷分離

非線形光学効果

動的密度行列繰り込み群法

モット絶縁体とバンド絶縁体

金属ー絶縁体転移の基本法則

+( )†, ,

, ,

H.c.t c cσ σσ

− +∑ j ii j

i j

t−

, ,U n n↑ ↓∑ i ii

i

U

4 4× 20 20×

ハバード模型

クラスター

ナノ電子系 金研・前川

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第一原理電子状態計算

ナノ組織化材料

光学応答、電子励起による反応制御

複合系量子伝導光

CNT

01.0=′t

100nm

16.703.59

at c=0.5T=1020K→ 820K

FeFe--PdPd強レーザー場によるナフタレンの電子雲の揺らぎとイオン化

複合系(分子やワイアと電極)の電子伝導

実用組織化材料のマルチスケール解析

ナノ複合系設計 産総研・寺倉

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メタコンピューテイング

ワークフローによる異なるサイト間の連成計算(RISM/FMO(WP6)、REPLICA-MC/3D-RISM、MD-MO)

グリッドMPIを使った機種に依存しない資源の有効利用(巨大分子電子状態計算、光誘起相転移、時間依存密度汎関数法)

ハイスループット

グリッドRPCを使ったパラメタサーベイ(熱力学的積分法、密度行列繰り込み群法、エワルド法)

リアルタイムコラボレーション

異種プログラムのデータ交換を行うソフトウエア(グリッドナノシミュレータ / GIANT)

グリッド環境を有効に使う新しい方法論開発における成果

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HAGridMPI光誘起非断熱遷移東芝石田邦夫

ナノ磁性

HAGridRPCEwald法物性研高山一

ナノ磁性

SR、HAGridMPIMP2分子研永瀬茂

機能性ナノ分子

SR、HAGridMPI平面波基底密度汎関数産総研寺倉清之

ナノ複合系設計

SR、HAGridRPC熱力学的積分法分子研岡崎進

ナノ分子集合体

SR、HAGridRPC密度行列繰り込み群法金研遠山貴己

ナノ電子系

機種使用ミドルウェア計算内容機関代表者研究グループ

グリッドMPI、グリッドRPCを用いたプログラムの実行

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GAUSSIANSR

MPI

MD

GIANT

MDMDMD

Mediator API

常駐型

起動・停止型

反応分子の各原子上の力と電荷

反応分子と溶媒の座標

情報研サイト

分子研サイト

wrapper

グリッド可視化ツール

GVSFeed

電子分布

PC

MD-MO 連成計算 市販プログラムの組み込み

(分子研)岡崎 進、森田明弘、水谷文保、山田篤志、岩橋建輔、吉井範行

ポイント: 異なるサイト(分子研、情報研)の異機種のコンピュータを連動して計算を行った。

市販プログラム(Gaussian MO)にまったく手を加えず、自己開発プログラム(MD)と組み合わせて連成計算を行った。

分子動力学計算(MD)と量子化学計算(MO)を組み合わせて、溶液内化学反応(SN2反応)をシミュレート

デモMD-MO

CH3Cl + NH3 → CH3NH3+ + Cl-

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GIANT

MD原子にかかる力から全原子に対して運動方程式を解く

入力データ

入力テンプレート

GIANT GIANT

出力テンプレート

GIANT

電子分布データ

GIANT GIANT

溶質、溶媒構造データ

グリッドナノシミュレータを用いたMD -MO連成実行フローグリッドナノシミュレータを用いたMD -MO連成実行フロー

入力GUI ナノ初期情報生成ツール

グリッド可視化ツール

可視化テンプレート

構造可視化データ

GIANT

可視化テンプレート

GIANT

入力データ

標準データ形式

標準データ形式

グリッドFTP

グリッドFTP

API

API

APIAPI

API API

入力テンプレート

API

API

出力テンプレート

溶質構造入力テンプレート

力、電荷出力テンプレート

MO(GAUSSIAN)分子の電子状態に対して定常状態のシュレディンガー方程式を解く

溶質構造出力テンプレート

力、電荷入力テンプレート

溶質、溶媒構造データ

溶質の力、電荷データ

溶質の力、電荷データ

構造データ 構造データ

電子分布可視化データ

構造データ

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3D-RISM レプリカ交換MC連成計算(分子研、名大、立命館大、慶応大) 平田文男、岡本祐幸、

今井隆志、光武亜代理、丸山 豊

ポイント: 異なるサイト(分子研、情報研)の異機種のコンピュータを連動して計算を行った。

3種の異なるプログラムをMediator - APIの挿入以外にはソースの変更無しに容易に連成、結合。

レプリカ交換モンテカルロ法と3次元RISM理論を連成して、溶液内RNAの立体構造と水和構造を計算した。

水中のRNA

GIANTMediator API

MPIRISM

SR 40ノード

SR

MCレプリカ1

MCレプリカ2

MCレプリカ3

PC MCレプリカ7

MCレプリカ8

MCレプリカ9

MCレプリカ10

分子研サイト

情報研サイトレプリカ交換 MC レプリカ交換

収束判定

GIANTMediator API

PC 11ノード

温度

水和エネルギー

DNA構造

デモ3D-RISM

レプリカ交換MC

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入出力GUI各プログラムの入力データ

温度、圧力、原子数、ステップ数basis set、CI、収束条件、座

標準データ形式で出力

ナノ初期情報生成ツールタンパク質、核酸、有機低分子、固体、結

水素の付加、水の付加結合情報、xyz座標、力場パラメータ、・・・・

拡張標準データ形式で出力

PSE, ワークフローGUI、スケジューラ、・・・・デプロイ、実行、連成、・・・・・

mother screen実行フロー(コントロールフロー、データフロー)の指定と実行

WP1, WP2, WP3, WP5, WP6

標準データ形BMSML, CML

アプリケーション間データ変換ツー(GIANT)

変数定義テンプレート、入出力テンプレート拡張標準データ形式

BMSML, CML + バイナリ

MD RISM MO ・・・・・ ・・・・・固体電子

標準データ形GIANT

標準データ形GIANT

標準データ形GIANT

標準データ形GIANT

標準データ形GIANT

標準データ形GIANT

標準データ形

標準データ形

標準データ形

アプリケーションソフNAREGI開発ソフト

その他のソフトも組み込み可

入出力GUI各プログラムの入力データ

温度、圧力、原子数、ステップ数basis set、CI、収束条件、座

標準データ形式で出力

ナノ初期情報生成ツールタンパク質、核酸、有機低分子、固体、結

水素の付加、水の付加結合情報、xyz座標、力場パラメータ、・・・・

拡張標準データ形式で出力

PSE, ワークフローGUI、スケジューラ、・・・・デプロイ、実行、連成、・・・・・

mother screen実行フロー(コントロールフロー、データフロー)の指定と実行

WP1, WP2, WP3, WP5, WP6

標準データ形BMSML, CML

アプリケーション間データ変換ツー(GIANT)

変数定義テンプレート、入出力テンプレート拡張標準データ形式

BMSML, CML + バイナリ

MD RISM MO ・・・・・ ・・・・・固体電子

標準データ形GIANT

標準データ形GIANT

標準データ形GIANT

標準データ形GIANT

標準データ形GIANT

標準データ形GIANT

標準データ形

標準データ形

標準データ形

アプリケーションソフNAREGI開発ソフト

その他のソフトも組み込み可

グリッドナノシミュレータ-複雑な入力、多様な実行パターン、多様なソフトの組合わせ-

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産学官連携 (ナノ設計実証研究)

関係者が集まっての検討、討論が可能になる計算科学研究センター内の訪問者用公開研究室の設置

共同研究スペースの整備

マニュアルを常時参照が可能になるマニュアルの充実およびホームページへの掲載

マニュアル、利用の手引きの整備

疑問点、不明点の早期解決が可能になる・サポート要員の配置・プログラム相談、実行時の相談・主要プログラムの実行事例集の作成

支援体制の整備

大規模計算が実行可能になるSR11000:4ノードHA8000:48ノード

計算機資源の提供

研究範囲の拡大、計算効率の向上各種開発ソフトウェアの提供開発プログラムの提供

高度に訓練された研究者でなくても入力データの作成が可能になる

入力GUIの開発

・開発ソフト、市販ソフト、フリーウェア等を自由に組み合わせて利用可能になる・プログラムの使用ごとに数時間かけていたデータ形式の変換作業が不要になる

アプリケーション間データ変換ツール(GIANT)の開発

作業性、操作性の抜本的改善(例)タンパク質の初期構造生成:2~3週間が数時間になる

ナノ初期情報生成ツールの開発

グリッドナノシミュレータの開発

効果取り組み支援項目

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あらゆる産業や生活の基盤技術となる次世代ナノ材料の創出による知的ものづくり

(1)化石エネルギーから脱却を目指した化学エネルギー転換技術の確立に貢献・バイオマスからのエタノール生成、光触媒による水素生成などコスト性能比の優れた自動車用燃料や発電用燃料などを実現

※再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの(廃棄物や端材、飼料作物など)。石油・石炭に比べて有害物質が少ない。

(2)細胞膜やタンパク質、ウイルスの全原子シミュレーションにより、分子機能を解明し、難病治療に貢献

・副作用のない抗がん剤 ・ウイルスの克服・病因タンパク質の制御 ・ドラッグデリバリ

・未だ確立されていないナノスケールの分子物性を明らかにする革新的ナノ科学理論の確立と最先端計算科学技術との融合により、電子、原子、分子から、ナノスケールの分子複合デバイスに至る丸ごと解析するナノ統合シミュレーションソフトウェアの研究開発(従来のテラFLOPS級の計算機性能では不可)

・多種多様なアプリケーションソフトウェア(市販ソフトウェアなど)との容易な連携、統合

従来不可能な酵素(触媒)反応の解析の実現

10ペタFLOPS級の計算機性能が必須10ペタFLOPS級の計算機性能が必須 (3)新しい物性原理の解明による革新的に

高性能な情報機器用材料を実現・ナノ磁性の原理解明による高記録密度媒体(約5テラbits/インチ2)及び既存技術の100~500倍の速度で読み書きするスピン検出型超高速アクセス機構の実現

・光誘起相転移の原理の解明による500テラbits/インチ2の記憶容量実現

・半永久的な電池寿命や大容量の電池を実現する材料の実現(スーパーキャパシタ)

・テラHz周波数で動作する超高速光スイッチ・カーボンナノチューブ分子回路部品・機能化

従来不可能な新しい現象の解析の実現

10ペタFLOPS級の計算機性能が必須

従来不可能な大規模分子複合体、分子集合体の長時間計算の実現(1,000万原子・1マイクロ秒)

“オン”

レーザー光

レーザー光

“オン”

レーザー光

レーザー光

“オフ”

レーザー光

“オフ”

レーザー光

ペタフロップス超級のスーパーコンピュータによりナノ分野に期待されるイノベーション

次世代ナノ材料(新半導体材料、酵素、触媒等)を創出し、最先端の知的ものづくりを実現する。ナノスケールの分子物性のシミュレーション技術の確立

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バイオマス(※1)-化学エネルギー転換技術の確立(3次元RISM(※2)/FMOシミュレーション)

物質・材料(ナノテクノロジーなど)分野

従来、全く不可能だった酵素反応解析が科学理論の開発と10ペタFLOPS級の計算性能で実現可能

・高性能触媒や酵素の開発により、バイオマス-化学エネルギーの転換技術が確立し、コスト性能比が優れかつ低公害を実現し、エネルギー問題を解決する。

提供:分子科学研究所

期待される成果

※1再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの(廃棄物や端材、飼料作物など)。石油・石炭に比べて有害物質が少ない。※2分子研 平田教授らが開発した統計分子力学的理論

セルロース

単糖類

エタノール+

二酸化炭素

酵素

アルコール発酵(酵素:チマーゼ)

光合成

食糧として

セルロースの宝庫(エネルギー源)

セルラーゼ

セルロースを分解する酵素3次元RISM/FMOで酵素反応解析

水素

(燃料電池など)

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1,0001,000万原子系の分子動力学計算万原子系の分子動力学計算

11マイクロ秒にマイクロ秒に500500年:不可能年:不可能(5(5テラフロップステラフロップス))

11マイクロ秒に3ヶ月マイクロ秒に3ヶ月::現実的現実的(10(10ペタペタFLOPSFLOPS超)超)

現状

将来

・10ペタフロップス級の高性能計算機を用いた大規模シミュレーションにより、水中のウイルス構造やその動作を解析、ウイルスの感染機構や免疫機構を解明

感染機構や免疫機構解明のための全原子シミュレーション(巨大生体分子の動作機構解明、ライフサイエンスとの融合領域)

未克服のウイルスに対する予防法と治療法の開発に寄与が可能となり、国民の健康維持に資する。

期待される成果

小児麻痺ウイルスリンゴ病ウイルス

小児麻痺ウイルスのカプシド

タンパク質でできたウイルスの殻

1000万原子系の分子動力学計算

セル多極子展開法による長距離相互作用の評価安定構造、カプシドタンパク質間の接合構造と熱運動、

熱安定性、構造のpH依存性、化学物質との相互作用、

環境依存性、脂質膜、タンパク質との相互作用などをシミュレーション

提供:分子科学研究所

物質・材料(ナノテクノロジーなど)分野

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1000万原子系のMD計算

ポリオウイルス

27 nm

46 nm46 nm

グリッド可視化 (情報研)

46 nm

0

20

40

60

80

100

120

64 128 256 512 736

CPU数

sec

/ ste

p

rattle

shake

energy_direct

energy_tree

0

20

40

60

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64 128 256 512 736

CPU数

sec

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rattle

shake

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1000万原子系

800並列 1 step / 20 s

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強相関電子の特性を利用した超高速光スイッチ開発のための光励起状態緩和過程シミュレーション

提供:東北大学金属材料研究所(分子研拠点)

物質・材料(ナノテクノロジーなど)分野

光スイッチの概念図

“オフ”

レーザー光

“オン”

レーザー光

レーザー光

光励起状態の緩和時間がスイッチ時間を決定

電子の内部自由度の分離スピン・電荷分離 ホロン

(電荷)

スピノン(スピン)

電子

エネルギー

運動量

ホロン

一次元モット絶縁体の光励起と緩和

一次元強相関モット絶縁体を用いた光スイッチの可能性

実験:Sr2CuO3

強相関効果と格子振動効果を同時に取り入れたシミュレーションにより、世界に先駆けてスピン・電荷分離に基づく超高速光スイッチの設計指針を構築する。

2ピコ秒=0.5テラヘルツでの繰り返し可能

光 緩和 格子振動へのエネルギーの受け渡し

一次元強相関モット絶縁体の光励起状態の動的密度行列繰り込み群法による計算例: 64原子

光学禁制

応答強度

エネルギー(eV)2 3 4

光学許容

光励起状態の緩和過程シミュレーションの規模と性能

1テラFLOPSF

原子当たり16個までの格子振

性能

1日での計算規模

例:100原子の場合

1ペタFLOPS

緩和過程計算には格子振動の効果が必要

格子振動は取り込めない

計算不可能緩和過程 計算可能

期待される成果